最近の消費動向

更新日:2009年8月5日

最近の消費動向(19年9月期、個別ヒアリング)



  個人消費は、7月は気温が低かったことから夏物商品が不調であった。8月は暑さが厳しくなり夏物商品の売上げが好調となったものの月全体では前年を上回るまでに至らず、9月には厳しい残暑が続き秋物商品の売上げが不調であったことから、7〜9月の大型小売店全体の売上高は前年を下回った。 
  当研究所では、消費動向を把握するため、百貨店、スーパー、ゴルフ練習場、ボウリング場を対象にヒアリング調査を行った。  
  今回ヒアリングを行った百貨店A社の19年9月の売上げは前年同月を下回ったが、スーパーB社は前年同月並みであった。また、ゴルフ練習場C社の19年7〜9月の利用者数は前年同期並みとなり、ボウリング場D社の19年7〜9月の利用者数は前年同期を上回った。

百貨店

A社  
19年9月の売上げは前年同月を下回った。

 これは、残暑が厳しく、秋物衣料が不調であったためである。

 品目別にみると、衣料品は前年を下回った。紳士服・洋品は不調であった。ベルトなどの紳士洋品と、ゴルフウェアなどのスポーツ衣料は好調であったが、紳士服は不調であった。婦人服・洋品は不調であった。婦人服は、バーゲン品は好調であったが、元売場の秋冬衣料が残暑のため不調で、婦人服全体では不調であった。婦人洋品は、帽子、サングラス、パラソルといった夏物商品の好調が続き、好調であった。

 身の回り品は前年を下回った。婦人靴は、パンプスは好調なものの、前年好調だったブーツが今年は反動減と残暑のため不調で、全体では前年を下回っている。旅行かばん、スーツケースは好調で、アクセサリーも好調であった。

 化粧品はUVケア用品の好調が続いた。

 宝飾・貴金属では、時計は好調であったが、美術工芸品が不調で、全体では不調であった。

 家庭用品では、食器、家具とも前年を上回った。ベッドなどの高級家具が好調であった。

 玩具は、前年好調であったTVゲームが今年は不調であった。
 
 食料品は全般に好調であった。特に和洋菓子が好調である。

 10月の売上げは、食料品は好調が続いているが、上旬まで残暑が続いたため衣料品の不調が続き、中旬から冷え始めたものの、前年をやや下回ると見込まれる。


 スーパー

B社  19年9月の売上げは前年同月並みであった。

 これは、前年に比べ日曜日が1日多かったが、残暑が厳しく、夏物商品は好調であった反面、秋物商品が不調であったためである。

 品目別にみると、衣料品は前年を下回った。婦人衣料では、半袖Tシャツは好調であったが、他はジャケット、長袖シャツ、スカートを中心に不調で、前年を下回った。紳士衣料では、スーツ、半袖カッターシャツは好調であったが、長袖カッターシャツ、ジャケットなどは不調で、前年を下回った。子供服は、女児のワンピース、ハーフパンツは好調であったが、子供服全体では不調であった。肌着は、婦人のレギンスが好調であったが、パジャマは不調で、前年を下回った。

 服飾は前年並みであった。前年好調だったブーツが不調で、靴は前年を下回っている。インポートバッグ、スーツケースの好調が続いている。気温の高い日が続き、パラソルは好調であったが、レイングッズは不調であった。

 食料品は前年より好調であった。農産物は、野菜が相場安、果物が相場高で、売上げは前年並みであった。野菜は、サラダ野菜は好調であるが、白菜やきのこといった鍋物用野菜を中心に不調であった。果物は、相場高のなか好調であった。畜産物は好調であったが、水産物は不調であった。

 加工食品等は好調であった。気温が高かったため、お茶飲料、素麺、アイスが好調であった。値上げ報道のあったカップラーメン、果汁飲料も好調であった。おでん用の練物、コンニャクは不調であった。

 その他の商品では、余暇・ホビー、家具が前年を下回ったが、他は好調で、全体では前年を上回った。

 余暇・ホビーは、TVゲームのソフトは好調であるが、TVゲーム機本体は前年を下回っている。文房具等は好調で、自転車も好調が続いている。

 家電製品は好調であった。暑さが続いたため、エアコン、扇風機、冷蔵庫が好調であったが、ホットカーペットなどの電気暖房器具は不調であった。行楽シーズンに入り、デジタルビデオカメラ等とメモリー類が好調であった。

 化粧品は好調であった。シャンプーに高価格の新製品が加わり、好調である。

 住居関連では、ダイニング用品は好調であったが、毛布など寝具・寝装品は不調であった。家具、インテリア用品は不調であった。

 日用消耗品は好調であった。掃除洗濯用品、キッチン洗剤、衛生用品をはじめほとんどが好調であったが、園芸関連は不調であった。紙製品の単価が上がっており、売上げは前年を上回っている。

 敬老の日関連商品では、婦人アクセサリー、財布、マッサージ機が好調であった。

 10月の売上げは、上旬は暑さが続き、前月に続き秋物商品が不調であったが、中旬から冷え始め、秋物商品が好調になったため、前年並みを確保できると見込まれる。


 ゴルフ練習場

C社  19年7〜9月の利用者数は、前年同期並みであった。

 利用者数は、年間でみると増加傾向にある。月毎にみると7月は例年より涼しかったため前年より増加したが、8、9月は猛暑となったため前年より減少した。

 利用者は、登録者でみると、年齢別では30歳代から50歳代が多く、60歳代以上も約4分の1を占める。会社の上司が部下を連れて利用する例は、バブル崩壊後減っていたが、最近になって増えてきている。男女比では、まだまだ男性の比率が大きい。

 平日の午前中はシニアの利用が多く、平日の夜は会社員の利用が多い。同練習場は24時間営業をしており、深夜から早朝にも夜勤明けの人が利用している。

 ゴルフスクールの生徒数は減っていたが、ここ2年は増えてきている。スクールについては、初心者向けが多く、女性の利用も比較的多い。

 同練習場では、ミニパターコースとバンカー練習場も整備し、ゴルフコースに行く前の練習ができるようになっている。屋外型のゴルフ練習場のため、気候の影響が大きく、この夏は、座席付近には大型扇風機を設置し強めの風を送る一方、休憩室の冷房温度を少し下げ身体の熱を引かせるという方法で、快適さと経費の節減に努めている。

 同練習場でも、ポイントカードを導入している。現在はポイントカードによる利用者は全体の半数程度であるが、たまったポイントをボール使用料金だけではなく、ゴルフショップやカフェでも使用できるなど利便性を高めており、ポイントカードの利用率を上げ、利用者の固定化を図りたいとしている。

 10〜12月の見通しは、利用者数の増加傾向が続いているので、前年同期を上回ると見込まれる。中期的にも、団塊世代が定年退職するなど、時間の余裕ができることから、これから数年間は利用者数が増加していくと見込まれる。


 ボウリング場

D社  19年7〜9月の利用者数は、前年同期を上回った。

 これは、企業の福利厚生の削減などで昨年の夏までは団体予約の利用が少なかったが、昨年の忘年会シーズンから増加に転じたほか、家族連れの利用も増加しているためである。

 利用者は、平日の夜間は会社員の利用が多く、土日は家族連れと学生の利用が増える。土日についても、昨年までは閑散としていたが、家族連れの利用が増えてきている。平日の昼間は、主婦や近隣の専門学校生などの利用がある。同ボウリング場では、平日の昼間、夜間(午後8時半以降)など、利用の少ない時間帯を中心に、レーンを区切って、参加者自由の競技会や、登録者によるリーグ戦を行い、常連客の定期的な利用を促している。

 ジュニア層への取組としては、利用料が特別料金になるなどの特典のあるジュニアクラブを設定しており、毎年一定の利用者がある。期間が過ぎると退会するメンバーも多いが、アマチュアの選手に育つメンバーもいるなど、ボウリング愛好家の育成につながっている。

 シニア層については、プロスタッフの指導の下で練習後、ゲームをして、その後昼食会を行う会を設定している。60歳以上を対象として、毎週行っており、人気がある。一方、団塊の世代のうち定年前の年代については、イベントをしても利用があまり多くなく、今後の課題である。

 同ボウリング場の建物には、レストランが併設されている。団体でのボウリング利用を予約するときに、ボウリングの後の宴会も同時に予約できるようになっているセットプランの予約も増加してきている。

 10〜12月の見通しは、前年同期を上回ると見込まれる。特に平日の夜の予約が増加しており、12月までは、ほぼ予約でいっぱいとなっている。 同ボウリング場では、レジャーとしてのボウリングのほか、スポーツとしてのボウリングの利用にも応えられるよう、今後もプロスタッフによる教室や、競技会、リーグ戦などを継続して実施し、常連客の定着を図っていくとしている。



大阪府の消費に関する経済指標




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商工労働部 商工労働総務課 企画グループ

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