最近の消費動向

更新日:2009年8月5日

最近の消費動向(18年12月期、個別ヒアリング)



 個人消費は、前年が在阪球団の活躍に伴うセールがあったほか記録的な厳冬で、冬物商品等の売上げが好調だったのに比べ、当年は暖冬で、冬物商品が大きく落ち込み、大型小売店全体の売上高は前年を下回った。 
 当研究所では、消費動向を把握するため、百貨店、スーパー、遊園地を対象にヒアリング調査を行った。 
 今回ヒアリングを行った百貨店A社及びスーパーB社の平成18年12月の売上げは前年同月を下回った。また、遊園地C社の平成18年10月〜12月の入園者数も前年同期を下回った。

百貨店

A社  
18年12月の売上げは前年同月比1.4%減少した。

 
これは、前年の12月は厳しい冷え込みにより冬物商品の売上げが好調であったが、当年は暖冬で、冬物商品、特に防寒衣料の売上げが落ち込んだためである。

 品目別にみると、衣料品は前年に比べ不調であった。特に紳士服・洋品が、前年は天候要因に加えてウォームビズの関係でスーツ、カッターシャツなどのビジネス衣料が好調だった反動もあり、減少した。ウールコート、マフラーなどの防寒衣料は、前々年と比較すると悪くないが、前年比では大きく減少した。

 婦人服・洋品も前年に比べ減少した。ヤングキャリアが特に不調で、今年のトレンドのワンピースは引き続き好調だが、ジャケットとスカートは不調であった。コートは薄手のコートを中心に、好調である。

 子供服・洋品では、ベビー向けは好調であるが、子供服は不調である。

 ランドセルは、ブランド品を中心に前倒しで10月と11月に良く売れたため、12月だけで比較すると、前年同月より減少している。

 肌着、パジャマは、防寒用が不調であった。 身の回り品は前年よりやや減少した。

 クリスマスの25日が月曜日で平日だったため、3連休だった前年に比べ、クリスマス商戦は不調であった。婦人靴はロングブーツが引き続き売れているが、紳士靴は不調であった。

 革小物は紳士、婦人ともに好調である。手袋は紳士、婦人ともに前年よりは減少したが、前々年比では増加している。

 婦人装飾品は不調で、特にクリスマス直近の週のアクセサリーの売上げが減少した。婦人ハンドバッグ、スーツケースは好調であった。

 化粧品は国産ブランドがやや不調で、外資系ブランドは不調であった。

 美術・宝飾・貴金属は、ブライダル関連、時計が不調であるが、美術工芸品が好調で、全体では前年並みであった。

 玩具は、TVゲーム機は好調であるが、その他の玩具が不調で、前年を下回った。

 家具は、好調が続いていた北欧家具の売場が前年並みに落ち着き、他の売場が不調であったため、全体として不調となった。

 食器は、自家用の洋食器が好調であったが、ギフト用食器の減少が続き、前年を下回った。

 食料品は好調であった。果物、洋菓子は好調であるが、鮮魚は不調であった。クリスマスケーキ、クリスマス向けの総菜は曜日配列が悪かったため、不調であった。ワインは前年より増加しているが、伸びが小さくなってきている。おせちの予約は好調であった。お歳暮は早期割引の利用が増えてきており、11月の売上げが増加した分、12月分では減少している。

 1月は、2日と3日の福袋、クリアランスは好調であったが、成人式を含む3連休が前年は好調だったのに対し今年は不調で、全体では前年を若干下回ると見込まれる。  


 スーパー

B社  
18年12月の売上げは前年同月比3.0%減少した。

 これは、前年の12月が厳冬で、冬物商品の売上げが好調であったが、当年は暖冬で、冬物商品の防寒衣料と暖房器具の売上げが落ち込んだためである。

 品目別にみると、衣料品は不調であった。気候要因によるところが大きく、ほとんどの商品で前年を割り込んだ。婦人衣料では、ジャケットは好調であったが、他はコートを中心に不調であった。

 紳士衣料では、スーツ、カッターシャツは前年並み、ネクタイは好調であったが、カジュアル衣料は不調であった。

 子供服は、女児のブーツに合わせるショートパンツが好調だったが、他は不調であった。

 肌着は、冬物肌着を中心に、大きく減少した。

 服飾は、靴ではブーツを中心に、バッグも販促の効果もあり好調であったが、マフラーなどの季節物については昨年好調だった反動で不調となっている。バッグでは、インポートバッグがクリスマスもあり好調であった。

 食料品は前年よりやや減少している。農産物は、野菜が相場安、果物が相場高で、前年比では売上げはやや減少した。野菜では、鍋物用の白菜、ねぎ、おでん用の大根が、暖冬の影響もあり減少が大きい。果物は相場高に加えて、販売数量も若干増加し、好調であった。

 畜産物はやや不調となった。水産物は相場高の上に、食中毒の心配から牡蠣・刺身の買い控え、暖冬による鍋物用魚の不調もあり、前年より減少した。加工食品は前年並みであった。

 気温が高かったため、スポーツ飲料が前年より増加した。プレミアムビールは好調であったが、第三のビールと言われるビール風味のアルコール飲料は不調であった。鍋物用の麺類、豆腐、練り製品は不調であった。

 その他の商品では、家電、家具等を除き前年を上回ったが、全体では前年並みであった。

 余暇・ホビーは、キャラクター玩具が女児、男児ともに不調であったが、TVゲーム機の好調が継続しているほか、新製品も好調で、全体では前年並みであった。自転車の好調も続いている。特に、価格の高い電動アシスト自転車の伸びが大きい。

 家電製品は、不調である。前年に好調だった暖房器具が、当年は暖冬で大きく減少した。液晶テレビは単価の下落に加え、販売数量も減少した。洗濯機、掃除機、健康器具は好調であった。

 化粧品は好調であった。薬品は、食中毒・感染症の心配から、うがい薬、ハンドソープが好調であった。

 住居関連では、ブランドの洋食器や、なべなどの調理器物が好調であった。暖かかったため毛布、コタツは不調であった。

 日用消耗品は好調であった。掃除洗濯用品、キッチン洗剤、漂白剤をはじめほとんど好調であったが、使い捨てカイロは不調であった。
 
 クリスマス関連商品では、クリスマスケーキは他店との競合が激しくなったため前年より若干増にとどまっているが、プレミアムアイス、プリンが好調であった。プレゼント用の玩具ではTVゲーム機、ラジコン、食玩が好調であった。

 ランドセルは、単価の高い商品が好調で、前年を大きく上回っている。

 お歳暮は、前年並みであった。 迎春商品は好調であった。福財布、ポチ袋が好調であった。しゃぶしゃぶ用肉、ふぐは、12月全体では不調であったが、年末に限ると前年を上回った。おせちは、店頭販売に加えて、ネットでの注文が増え、好調であった。

 1月の売上げは、前年は冬物商品が品切れして販売を逃したが、当年は冬物商品が残っているため、前年に比べれば増加すると見込まれる。


 遊園地

C社  18年10〜12月の入園者数は、前年同期を下回った。

 これは、例年この時期に開催していた人形展が前年で終了し、同展を目当てにしていた団体客の入園者分が減少したためである。

 同園は、子供でも楽しめるアトラクションが多く、ファミリー層が入園者の中心である。ところが、人形展の開催期間はシニア層や遠方からの団体客が多かったため、入園者数は多くてもアトラクションの利用は少なく、客単価は低く抑えられていた。同園では、職人の後継者不足などの理由により人形展をやめ、ファミリー層向けのイベントに切り替えたところ、同時期のファミリー層の利用が増加し、客単価は上昇した。小学校などの秋の遠足の団体客は、前年同期と比べ横ばいであった。

 同園では、季節ごとに幼児から小学校低学年の子供たちをターゲットにしたイベントを開催している。10〜12月は、TVゲームソフトをテーマにしたイベントをイベントホールで開催し、好評であった。休日に実施しているキャラクターショーは、子供たちの人気が高い。また、同園には従来から動物もいるが、見るだけであったため、実際に犬や猫やミニ豚などと触れ合うことのできるコーナーを期間限定で設けたところ、好評であった。

 このように、子供が喜べるイベントを実施することにより、ファミリー層の入園を促し、園内のアトラクションや飲食の利用を増やすことを狙っている。

 同園では、12月下旬から、アイススケートリンクと雪遊び広場を設置している。アイススケートは、前の冬にブームとなり、この冬も引き続き盛況である。雪遊び広場は、小さい子供が雪に触れる場所として認知されている。この冬は暖冬で、アイススケートリンク、雪遊び広場とも管理が難しいが、同園の冬の目玉として定着し、集客力がある。

 今後の見通しは、1〜2月の入園者数は、アイススケートリンクの人気が高いことから、前年を上回ると見込んでいる。

 18年度の入園者数は、人形展目当ての入園者分が減少したことから、前年度より減少する見通しであるが、客単価の上昇と収支改善を図り、利益を確保したいとしている。客単価の上昇を図るために、飲食及び物販部門を重点的に強化することを目指している。

 娯楽が多様化する中、この数年間で遊園地の閉園が続いたが、同園では、遊園地に対する需要は減少していないとみている。そこで、遊園地が閉園した地域からの新規来客を促すため、テレビCMや折込チラシなどによる宣伝に力を入れている。

 今後も、子供連れで安心して遊べる遊園地らしさを残しながら、時代に合わせて変化していくことにより、新規顧客の獲得及びリピート率の向上を図りたいとしている。



大阪府の消費に関する経済指標



このページの作成所属
商工労働部 商工労働総務課 企画グループ

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