最近の消費動向

更新日:2009年8月5日

最近の消費動向(18年9月期、個別ヒアリング)



  個人消費では、7月の天候不順による不調は8月には回復し、また9月後半に気温が下がったことから秋物商品は好調となったが、前年の一部店の新規開店の反動などにより百貨店が不調であったため、大型小売店全体の売上高は前年を下回った。乗用車新車販売台数は、前年を下回った。
  当研究所では、消費動向を把握するため、百貨店、スーパー、自動車販売会社を対象にヒアリング調査を行った。 
  今回ヒアリングを行った百貨店A社及びスーパーB社の平成18年9月の売上げは前年同月を上回った。また、自動車販売会社C社の平成18年4月〜9月の自動車販売台数は前年同期を上回った。


百貨店

A社  18年9月の売上げは前年同月比1.0%増加した。

 これは、9月は後半に気温の低い日が続き、秋物衣料が好調であったためである。

 品目別にみると、衣料品は前年並みであった。紳士服・洋品は好調で、革のジャケット、ブルゾンといったカジュアルとしても着られる羽織ものが好調であった。スーツは、催事の特価品は好調だったが、定価品は不調であった。ワイシャツは、昨年好調だった反動で前年を下回った。ゴルフウェアは、秋物の売上げが好調で、前年を上回った。

 婦人服・洋品は、ヤングキャリア向けは好調であったものの、海外の有名ブランドを扱う特選ブティックの不調が響き、全体では前年を若干下回った。後半に寒くなったため、トレンチコート、ダウンコートが好調であった。今年のトレンドのロングニットカーディガンやハーフパンツも好調だが、ジャケットとスカートは不調であった。

 特選ブティックは、有名ブランドの路面店の出店増の影響で、不調が続いている。

 子供服・洋品では、子供服は前年割れしているが、玩具は好調である。

 身の回り品は不調であった。紳士靴は不調だったが、婦人靴は乗馬ブーツなどが好調で、前年を上回っている。

 旅行用品のスーツケースは好調だったが、婦人かばんは不調であった。

 婦人装飾品は不調であった。 化粧品はアンチエイジング関連が好調で、前年を上回った。

 宝飾・貴金属は、一時のブームが落ち着いてきた時計の落ち込みが大きく、不調であった。

 家庭用品は、ベッドは好調であったが、そのほかに好調なものがなく、全体として不調であった。

 食料品は好調であった。惣菜のパン・ベーカリーは好調であるが、生鮮食料品と菓子は不調であった。

 10月に入ってからは、気温が再び高くなり、秋冬衣料が不調となっていること、前年は在阪球団の優勝でセールがあった反動から、前年を下回ると見込まれる。
 


 スーパー

B社  18年9月の売上げは前年同月比1.2%増加した。

 これは、月の前半は残暑が続いていたが、後半に寒くなり、秋物商品が好調になったためである。

 品目別にみると、衣料品は好調であった。昨年は暑かったが、今年は後半に寒くなったため、羽織ものなどの秋物衣料が好調となった。

 婦人衣料では、ジャケットが好調で、ノースリーブのトップスは不調であった。

 紳士衣料では、ビジネス、カジュアルとも好調となった。

 子供服は、女児、男児は好調であったが、ベビーの売場面積縮小のため、全体では若干前年割れしている。

 服飾は、靴、バッグともに販促の効果もあり好調であったが、ブーツについては昨年好調だった反動で前年を下回っている。

 食料品は前年並みであった。農産物は、野菜、果物とも少し相場高であるが、昨年の豊作による相場安の反動で、売上げは前年比で増加した。季節物の果物の収穫時期が遅れており、葡萄や梨が9月も好調であった反面、例年9月から売れ始める柿、みかん、りんごは不調であった。

 畜産物は前年並みとなった。水産物は相場高で不調の中、相場の上がっていないものを積極的に販売することにより、売上げの落ち込みを小さくしている。加工食品は前年並みであった。健康志向から、野菜ジュースは好調が続いている。

 タバコは、増税前の駆け込み需要で6月に好調だった反動で7月、8月は不調であったが、9月は前年を若干上回った。

 日配品では、鍋物用の麺類、豆腐、練り製品が好調であった。彼岸、敬老の日があったが、和菓子、和生菓子は不調であった。

 惣菜では、サラダが野菜高でも価格を据え置いているため好調である。

 その他の商品では、家電製品を除き前年を上回った。

 余暇・ホビーは、新学期向けのキャラクター文具は好調だったが、女児玩具が今年は昨年の好調だった商品に替わるものがなく、不調であった。TVゲームは、特定の機種の好調が続いており、全体を牽引している。また、原油高の影響もあって自転車が前年を大きく上回っている。特に、価格の高い電動アシスト自転車の売り上げが伸びてきている。

 家電製品は、昨年好調だった反動で、前年より減少している。好調の続いていた液晶テレビは前年割れとなった。マッサージ機など健康器具は敬老の日に向けた販促の効果があり好調であった。運動会など行楽シーズンであるが、ビデオカメラは前年より大きく減少している。

 化粧品は量販店で取扱いのないアンチエイジング関連の高額品が好調であった。

 薬品は、月の後半に寒くなったため、風邪薬が好調であった。

 住居関連では、季節の和食器や、鍋などの調理器物が好調であった。寒くなったため布団が特に好調で、模様替えの家具も好調であった。

 日用消耗品は、前年並みであったが、トイレットペーパーが前月までに値上げ見込みの買いだめの動きがあった反動で、不調であった。寒くなったため、入浴剤が好調であった。

 10月の売上げは、前半については引き続き衣料品、住居関連が好調であるが、食料品はやや不調で、全体では前年に在阪球団の優勝でセールがあった反動で、前年を下回る見込みである。


 自動車販売会社

C社  
18年4〜9月の大阪の軽自動車の販売台数は、前年同期比で4.2%増加した。

 同社では、軽乗用車を中心に軽商用車、小型乗用車を販売している。

 軽乗用車は、新型車の投入やマイナーチェンジがあったことから、その効果がでて順調に販売を伸ばしている。また、ガソリン価格が上昇していることから、消費者が燃費の良い軽自動車を選ぶ傾向もある。

 同社では、様々な価格帯の軽乗用車を販売し、顧客の要望に応えている。

 特に新型車については、販売効果を高めるようすべての店舗に試乗車を配備し、いつでも試乗できるようにしている。また、特別仕様車も販売しているが、特に大阪では基本の装備に付属品をプラスした上で価格を抑えた特別限定仕様車の人気は高い。

 軽自動車の保有年数が長期化していることから買い替え周期も長期化しているが、軽乗用車は、普通・小型乗用車に比べて価格だけではなく、税金、保険が安く、燃費も良い上に、安全性、快適性などの装備の面でも充実してきたことから人気があり、特に2台目の車として選ばれることが多い。

 また、高齢者が普通・小型乗用車から軽乗用車に買い替える傾向も見られる。

 消費者の要望のあった良い製品を販売することが前年実績を上回る販売に結びついている。

 社会の高齢化が進む中で、高齢者でも乗降しやすく改良された福祉車両も順調に販売を伸ばしており、今後も増加が見込まれている。

 同社では、軽乗用車の購入者の6割が女性で、安心感が求められていることから、定期点検等のアフターサービスの提供にも力を入れている。

 同社では、販売店舗での来店者の満足度向上に努めている。従来、店舗では顧客とスタッフとの個人的な結びつきに頼っていたが、店舗全体での応対力の向上により、顧客と店舗との結びつきを強め、購入時だけではなく、販売後のフォローも大切にし、顧客満足度の向上を通じて買い替え時に再び同社の自動車を購入してもらえるよう努めている。 

 10〜12月の見通しは、人気車を10月にフルモデルチェンジし、今後も特別仕様車の発表が控えていることなどから、前年同期を上回る目標を立てている。

大阪府の消費に関する経済指標





このページの作成所属
商工労働部 商工労働総務課 企画グループ

ここまで本文です。