最近の消費動向

更新日:2009年8月5日

最近の消費動向(18年6月期、個別ヒアリング)


  個人消費では、父の日関連商品や食料品の売上げは好調であったが、天候が不順であったことから夏物商品は不調で、大型小売店全体の売上高は前年を下回った。
  当研究所では、消費動向を把握するため、百貨店、スーパー、レジャー施設を対象にヒアリング調査を行った。 
  今回ヒアリングを行った百貨店A社の平成18年6月の売上げは前年同月を上回ったが、スーパーB社は前年同月を下回った。また、レジャー施設C社の平成18年4月から6月の入館者数は前年同期を上回った。


百貨店

A社  18年6月の売上げは前年同月比1.5%増加した。

 これは、父の日関連商品の売上げが好調で、食料品も好調であったためである。その他の季節商品の売上げは不調であった。

 品目別にみると、衣料品は前年を若干下回った。紳士服・洋品では、父の日関連でポロシャツなどニットが6割増と好調であった。クールビズ関連では、前年のクールビズでシャツが非常に好調でネクタイが不調だった反動から、今年はネクタイが好調で、シャツは前年に比べ減少している。
 
 婦人服・洋品は、昨年6月に開催した催事を今年は5月末から6月に開催した関係で、催事の売上げが分散し、全体の前年比も減少している。売場では今年のトレンドのワンピースが好調で、前年並みを維持している。

 子供服・洋品では、ベビー用品は好調で、子供服は前年割れしているが、全体では前年より増加している。その他の衣料では、紳士のスポーツ衣料は父の日関連で好調であったが、夏物商品である浴衣、水着は不調であった。

 身の回り品は不調であった。紳士装飾品は父の日関連で全般に好調で、特にベルトが好調であった。婦人装飾品は催事が不調で、全体に不調となった。天候の影響から、婦人雨傘は好調で、日傘は不調であった。靴は、婦人は好調であったが、紳士は不調であった。かばんは、旅行関連は好調であったが、婦人バッグが不調であった。

 化粧品は国産ブランド、外資系ブランドともにやや不調であった。

 宝石、貴金属は不調であった。

 その他の雑貨は好調であった。スポーツシューズが父の日関連で好調だが、ゴルフ用品は不調であった。

 家庭用品は家具が約3割増と好調であったが、ギフト用食器の不調が続いており、全体としては前年比若干増にとどまった。

 食料品は前年比2.3%増加した。生鮮食料品、菓子、惣菜いずれも好調であるが、ギフトの不調でその他食料品は不調であった。

 食堂・喫茶は雨の影響でビアガーデンの営業日数が少なかったため、前年より減少した。

 18年7月の売上げは、中元ギフトが7月に入ってから好調になり、食料品の好調が続き、夏のセールも前年並みに推移しそうなことから、前年より増加すると見込まれる。


 スーパー

B社  18年6月の売上げは前年同月比1.7%減少した。

 これは、暑い日が続かずに雨や曇りの日が多く、衣料品が不調であったためである。

 品目別にみると、衣料品は、服飾以外はすべて前年を下回った。5月まで不調だった春物商品が売れ始めたが、夏物商品は不調であった。

 婦人衣料では、雨の日が多かったため、カーディガンや七部袖のブラウスは前年を上回っているが、ノースリーブのトップス、水着が不調であった。

 紳士衣料では、父の日関連では長袖ニットシャツが好調で、クールビズ関連の長袖の柄カッターシャツとジャケットも好調だったが、半袖カッターシャツは好調だった前年に届かず、全体では前年割れしている。

 子供服は、トドラー、女児、男児ともボトムスが好調であったが、既存店全体では前年割れしている。

 服飾は、紳士のビジネスシューズなど靴、ベルト、バッグが販促の効果もあり好調で、雨の日が多かったためレイングッズも好調であった。サングラスや帽子などの5月に売れるべき初夏物が6月になって売れ始めている。

 食料品は前年並みである。これは、相場高で単価は上昇し、品物によって買い控えが起っているためである。

 農産物は、野菜、果物とも日照不足の影響による相場高の中で、野菜は売上げ増、果物は買い控えで売上げ減であった。梅やスイートコーン、さくらんぼや西瓜の季節物の落ち込みが大きい。ハウス栽培物は原油高による価格上昇もあり不調である。

 畜産物では、いずれも値上がりしている中で、豚肉、鶏肉が好調であったものの、牛肉の不調が続き、全体としては減少した。

 水産物は相場高で不調であるが、すしは父の日や週末の売り込みが功を奏し、好調であった。

 加工食品は好調であったが、タバコが増税前の駆け込み需要で前年比約7割増加したことが大きい。惣菜では、サラダが野菜高でも価格を据え置いているため好調である。

 その他の商品では、新店の売上げは好調であるが、既存店では余暇・ホビーを除き前年を下回っている。

 余暇・ホビーは、女児玩具、男児玩具ともに好調である。Tvゲームは、特定の機種の好調が継続しており、全体を牽引している。

 家電製品は、液晶テレビの好調が続いているが、オーディオ製品の不調もあり、全体では不調である。前年同期に比べ今年は雨の日が多かったため除湿機は好調であるが、暑くならなかったためエアコン、冷蔵庫は不調である。

 化粧品は不調であった。薬品は、売場面積を拡大しているため売上げが増加した。

 家具は、原油高でプラスチック製収納家具の販売価格が上昇し、売上額は伸びているが、寝具・寝装品は不調であった。

 日用消耗品は、新店での売上げが好調であったほか、紙製品が値上げされるという報道があった関係でトイレットペーパーの売上げが増加したため、前年割れが続いていた既存店でも6月はほぼ前年並みであった。

 7月の売上げは、夏物衣料が売れ始めているものの、全体的に不調が見込まれる。。


 レジャー施設

C社  
17年度の売上げは、前年度を若干下回った。

 18年4から6月の水族館入館者数は、前年同期比で1.7%増加した。

 これは、昨年度は愛知万博が開催された影響で同時期に入館者が減少していたものが18年になって回復し、また後述の特別企画展が好評だったためである。特に、5月は前年同月比で5.3%増加した。  

 水族館は、集客の工夫の一つとして、昨年7月から常設展示のほかに特別企画展示用のスペースを設け、期間限定の展示を実施している。2月末から4月には生き物とのふれあいや給餌体験のできる体験型のイベントを実施した。4月末からは、光、色、形などテーマを持って美術館のように生き物を展示する企画展を実施し好評で、これらが5月の入館者数増加につながった。  

 水族館の団体客と個人客の比率は2時8分であり、団体客は幼稚園や小学校の校外学習等での利用が多い。春期と秋期には団体向けに、飼育係員が日ごろの経験をもとに生物の生態や生命の尊さなどをわかりやすく解説する「アカデミー」を実施しており、その後の館内見学にさらに興味が持てると好評で、リピーターにつながっている。  

 また、水族館内の生物展示内容を説明する音声ガイドを、日本語のほか、英語、中国語及びハングルの4ヵ国語で用意し、海外からの入館者に対応しており、最近では台湾、韓国からの観光客の比率が増えてきている。  

 ほかに、水族館に泊り込み、夜の生物の様子を観察できるスクールや、館内だけではなく外部に出かけていく体験スクールなども人気が高く、毎回申し込みが募集を大きく上回っている。  

 水族館には「ファンクラブ」があり、入館券、会報のほか、水族館で開催するスクールに会員料金で参加できるなどの特典が人気で、申込みを増やしている。会員の中には、年に数回入館する人もいることから、昨年からは年間パスポートも発売している。

 同施設では、同レジャー施設内のチケットとセットになった割引チケットを販売している。このうち、サンセットペアチケットは夕方5時以降の水族館のペア入館券と大観覧車のペア乗車券がセットになったものである。昨年12月にLED(発光ダイオード)を利用し、省エネルギーにも配慮したクリスマスイルミネーションを実施したところ好評で、同ペアチケットの販売の増加につながったことから、この夏も、LEDによるサマーイルミネーションを実施し、集客を図っている。そのほか、夏休みには昨年からテレビ局と共催でイベントを開催し集客に成功、毎年夏の恒例イベントとしていきたいと考えている。

 ショッピングモール内の昭和レトロをテーマにしたフードテーマパークはこの夏4周年を迎え、環境演出をリニューアルするほか、紙芝居やちんどん屋などのイベントを行い、集客を図っていく。

 同施設は近隣の施設と大阪ベイエリア連携会を設置し、情報誌を発行するなど協力してPRに努めている。特に、近隣の大型テーマパークとは、遠方からの観光客に1日目テーマパーク、2日目水族館といったコースを提案し、相乗効果を上げている。

 同施設は、オープンから16年目で、ここ数年の水族館入館者数は横ばいとなっている。不振となるレジャー施設が多いなかで、同施設も待っているだけでは来客数は減少していくと考え、上述のような様々な工夫によって来客数の底上げを図っている。同施設では、冷え切っていた景気が最近になって回復してきたと感じており、自然環境を守り、ありのままの生態系で展示するというコンセプトを守りながらも、そこにひと工夫を加えたイベントや季節感のある展示を実施し、施設全体で、さらには大阪ベイエリアにある他の施設と協力しつつ、来客増を図っていきたいとしている。



大阪府の消費に関する経済指標


このページの作成所属
商工労働部 商工労働総務課 企画グループ

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