最近の消費動向

更新日:2009年8月5日

最近の消費動向(17年12月〜18年2月期、個別ヒアリング)

 季節商品や家電製品の売上げが好調で、個人消費が改善傾向にあったことから、大型小売店全体の売上高は前年を上回った。
 当研究所では、消費動向を把握するため、百貨店、スーパー、家電小売を対象にヒアリング調査を行った。 
 今回ヒアリングを行った百貨店A社、スーパーB社、家電小売C社の平成17年12月の売上げは、いずれも前年同月を上回った。

 百貨店

A社  
17年12月の売上げは前年同月比0.8%増加した。

 これは、厳しい冷え込みにより気温の低い日が続いたため、冬物商品の売上げが好調であったことによるものである。ただ、百貨店カードや友の会会員に対する優待割引の期間が昨年の12月から今年は11月に変更されたことで、増加の伸びを押し下げている。

 品目別にみると、衣料品は4.4.%増加した。紳士服・洋品、婦人服・洋品、子供服・洋品のすべてにおいて前年を上回った。

 紳士服・洋品では、コート、ジャケット、セーターなどの防寒衣料が好調であったが、スーツやカッターシャツ、ネクタイは不調であった。その他、厚手のくつ下や機能性肌着(吸湿、発熱、保温などの効果がある素材を使った肌着)も好調であった。婦人服・洋品でも、コート、ジャケットが好調であったが、スーツやスカートは不調であった。くつ下は、タイツが好調であったが、ソックスは不調であった。子供服・洋品では、ベビー用品は全般に好調で、子供服は防寒衣料が好調であったが、それ以外は不調であった。その他衣料では、防寒用のホームウエアや高額な羽毛布団が好調であった。

 身の回り品は1.8%増加した。婦人装飾品では冬物商品である、マフラー、手袋、帽子が好調で前年を上回った。婦人靴ではブーツは好調であったが、パンプスは不調であった。紳士装飾品でも冬物商品である、マフラー、手袋が好調で前年を大きく上回り、紳士靴も前年を上回った。また、旅行用品も好調であった。

 家電製品は、暖房器具が好調で前年を上回った。

 家庭用品は7.6%減少した。食器では、高級洋食器は前年並みであったが、一般洋食器や和食器は全般的に不調で、調理用品も不調であった。

 食料品は1.2%増加した。菓子は洋菓子、和菓子ともに好調で前年を上回った。和洋酒は、ワイン、焼酎が好調で前年を上回った。惣菜は和洋中ともに好調であったが、生鮮食料品は鮮魚が不調であった。クリスマス関連は、ケーキをはじめ、和洋酒、惣菜、生鮮食料品ともに好調であった。おせち料理は、11月の受注が増加したため、12月は前年を下回ったが、おせち料理全体では昨年を上回った。

 食堂・喫茶は不調で0.3%減少した。

 雑貨は3.4%増加した。スポーツシューズやゴルフ用品が好調で、また、宝石・貴金属、時計なども好調であった。

 化粧品は1.9%減少した。国内メーカー品は引き続き好調で前年を上回ったが、外資系は不調で前年を下回った。クリスマス商品や限定キットは好調であった。

 お歳暮は、早期割引期間の関係で11月は好調であったが12月は不調で、全体としては前年を若干下回った。

 1月の売上げは、福袋をはじめ初売りやセールが好調であることから、全体的に順調に推移している。しかし、冬物商品の在庫が品薄状態であることから、今後は動きが鈍る可能性もある。
  

 スーパー

B社  
17年12月の売上げは前年同月比2.4%増加した。

 これは、厳しい冷え込みにより気温が平年を下回る日が続いたため、冬物商品の売上げが非常に好調であったことによるものである。

 品目別にみると、衣料品は、冬物商品が好調で前年を上回った。紳士服・洋品は、防寒衣料であるコートやダウンジャケット、セーター、冬物肌着などが好調で前年を上回ったが、シャツやネクタイは不調であった。婦人服・洋品も、防寒衣料であるコート、特にウールのロングコートや中綿入りのジャンバー、セーターなどは好調であったが、スーツやブラウス、シャツなどのトップスは不調であった。子供服・洋品はコートやジャンバー、セーターなどが好調で、女児・男児、トドラー(2〜4歳児)ともに好調であったが、ベビーは不調であった。

 服飾は、紳士ではマフラー、手袋が、婦人でもマフラー、手袋、帽子が好調であった。婦人靴はブーツが好調であった。かばんは紳士、婦人ともに好調で、トラベル関係も好調であった。  

 食料品は1.0%減少した。気温が低かったため、鍋物材料が好調であった。畜産物は、牛肉、豚肉、鶏肉ともに鍋物用商品が好調であった。また、鶏肉はクリスマス用商品も好調であった。水産物も鍋物用の鮮魚やかきなどの貝類が好調で、かにも相場が比較的安かったため好調であったが、刺身は不調であった。野菜は鍋物材料である白菜などの一般野菜や葉物野菜など全般に好調であったが、果物は全般に不調であった。加工食品も豆腐や練物などの鍋用材料が好調であった。飲料は牛乳をはじめ全般に不調であった。惣菜は洋風、和風をはじめ全般に好調であった。和洋酒はワインや日本酒、焼酎が好調であり、ビールや発泡酒が不調であったが、売場拡大効果もあり前年を上回った。クリスマス関連商品は、鶏肉やチーズ、ワインは好調で、クリスマスケーキもホテル製商品が好調であったが全体としてはやや不調であった。正月用食品は、おせち料理の予約が好調で前年を上回り、かまぼこや煮豆などの正月用惣菜も好調であった。

 家電製品は、気温が低かった影響で、季節商品の石油ファンヒーターや電気ストーブ、こたつが好調であった。液晶テレビやDVDなどのデジタル家電も好調が続いており、健康用品や美容用品も好調であったが、オーディオ関連商品は不調であった。

 医薬・化粧品は、医薬品、化粧品ともに前年を上回り、健康食品も好調が続いている。医薬品は、風邪薬、ハンドクリームなどが好調で、化粧品も全般に好調であった。

 リビング用品は、ブランド品の洋食器や土鍋などの鍋が好調であった。迎春用品は全般的に不調であった。

 寝具は、気温が低かった影響で、羽毛布団や毛布が好調であった。  

 日用雑貨はカイロが好調であった。

 クリスマス関連商品は、TVゲームをはじめ、紳士マフラーや婦人手袋、ストールなどが好調であった。

 1月の売上げは、福袋などは好調であったが、昨年の1月が好調であった反動と一部商品で品薄状況となったため全体では不調である。


 家電小売

C社  
17年12月の売上げは前年同月比12.2%増加した。

 これは、薄型テレビやDVD等のデジタル映像関連商品が引き続き好調に推移したことや、厳しい寒さにより、石油ファンヒータや電気ストーブなどの暖房器具等の季節商品も好調であったことによるものである。

 デジタル映像関連商品は、価格が低下したことから売上げが伸びており、2月に開催された冬季オリンピックの効果や、平成9年4月の消費税率アップ前に購入した家電の買い替え時期でもあることから、液晶テレビやプラズマテレビ、DVDレコーダーなどが好調に推移している。また、地上デジタル放送の視聴エリアも拡大していることから、今後も好調に推移していくと予想されている。

 気温の低い日が続いた影響で、石油ファンヒータや電気ストーブ、ホットカーペットなどの暖房器具は非常に好調であった。また、その影響で加湿器なども好調であった。

 ノンフロン冷蔵庫や大型の洗濯乾燥機、掃除機・クリーナー、電子調理器なども好調に推移している。

 健康器具も好調で、イス式マッサージ機などの高額商品も好調である。

 オーディオ関連商品は、デジタルオーディオプレーヤーやアンプ、スピーカーなどの単品は好調であるが、システムステレオやラジオカセット、テープレコーダーなどが不調で、全体としては不調である。

 パソコン関連商品は、パソコン市場が厳しい状況のなか、独自開発商品である付加機能の少ない低価格のストレートパソコンや中古パソコンの売上げが好調である。一方、TVチューナが付いた大型画面のパソコンなど、様々な機能が付加された高価格パソコンも好調である。情報通信では、携帯電話も好調であるが、買い替えが大半をしめ、価格は下がる傾向にある。

 音楽・映像ソフトやゲーム・模型・玩具、時計等の家電商品以外の販売も好調に推移しており、特に、TVゲームやゲームソフトが好調であった。

 インターネットショップによる売上げも増加しており、利用者も全世代にわたっていることから、今後もインターネットによる販売を拡大し、売上増を図りたいとしている。

 ポイントカード会員については、新規会員の獲得強化を図っており、会員数も順調に増加している。今後も、サービス特典の一層の充実を図り、会員の獲得に努めたいとしている。

 同社では、景気が緩やかな回復傾向にあることから、今後は価格だけでなく、接客やアフターサービスなどの付加価値の高い質的サービスが一層重視されるとみている。そのため、接客力の向上や顧客ニーズの把握だけでなく、ライフスタイルを含めた商品提案やアフターサービスの強化などのサポート体制の充実に努め、売上げの増加を図りたいとしている。

 家電小売業界全体の市場は、デジタル家電への需要が高まるなど回復傾向にあり、今後も順調に推移していくと予想されている。特に関西地域では、消費税率アップ前と阪神・淡路大震災に係り購入された家電製品の買い替え需要や地上デジタル放送の開始が早いこともあり、順調に推移するとみられている。しかし、大型店の相次ぐ出店による店舗競争や、価格、サービスなどの企業間競争は一層激しくなり、厳しい経営環境が続くと予想される。

 このような状況において、同社では、店舗の新設、既存店舗の撤収や改装・業態変更、売り場面積の拡大による店舗の大型化・効率化に積極的に取り組んでいる。また、接客にも重点を置き、接客態度の向上や商品知識、資格の取得などの人材育成も強化し、新しい顧客の獲得とこれまでの顧客の確保に努め、売上げの増加を図りたいとしている。


大阪府の消費に関する経済指標




このページの作成所属
商工労働部 商工労働総務課 企画グループ

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