最近の消費動向

更新日:2009年8月5日

最近の消費動向(15年9月〜11月期、個別ヒアリング)

                            

 個人消費はこれまで一進一退で推移してきたが、一部で持ち直しの動きがでている。
 当研究所では、消費動向を把握するため、百貨店、スーパー、コンビニエンスストアを対象にヒアリング調査を行った。ヒアリングをした百貨店A社の平成15年9月の売上は前年を下回った。スーパーB社は前年を下回った。コンビニエンスストアC社の中間期の売上げは前年を下回った。
 統計からみると、9月の大阪府の大型小売店販売額は、7か月連続の減少となった。このうち、百貨店は残暑により秋物衣料が不振であったが、夏物衣料が盛り返し、プロ野球の優勝セールが好調で、7か月ぶりに増加に転じたが、スーパーは10か月連続の減少となった。コンビニエンス・ストア販売額(近畿)は、既存店が7か月連続のマイナスとなった。乗用車新規登録・販売台数は7月は3か月振りに前年同月比で減少となったが、9月には再びプラスに転じた。家電販売額(近畿)は、7月は8か月ぶりに前年同月比で減少となったが、8月には再び増加に転じた。
 個人消費の動向を左右する家計収入の動きをみると、現金給与総額(大阪府統計課調べ)は7月は前年を下回ったが、8月は前年を上回った。

百貨店

A社 15年9月の売上げは、前年同月比4.3%減少した。これは、気温が高めに推移したことによる秋物衣料の不振によるものである。
 品目別にみると、衣料品は、7.3%減で、紳士服・洋品、婦人服・洋品及び子供服・洋品のいずれもが前年を下回った。紳士服・洋品は、スーツの不調が続いているが、カジュアルが好調であった。婦人服・洋品は、ミセス、ヤングともに前年を下回り、特にジャケットが不調であった。子供服・洋品も前年を下回ったが、子供服は催事により好調で、ベビー洋品は不調であった。その他衣料品では、全体的に不調で前年を下回った。
 身の回り品は2.0%減であった。婦人装飾品が敬老の日ギフトで好調であった。婦人靴も不調が続いており、特にブーツが不調であった。トランク等旅行用品も海外旅行の減少の影響で不調が続いている。傘が日傘、雨傘ともに好調で、袋物はブランド品値上げが影響し、前年を下回った。
 食料品は、3.8%減少し、全体的に不調が続いている。洋菓子、和菓子ともに不調で、生鮮食品、惣菜も不調であった。
 化粧品は国産、外資化粧品ともに横ばいであった
 15年10月の売上げは、近隣にオープンした商業施設の影響で入店客数が大幅に増加しており、売上高にも多少の効果がでるとみられている。
 
スーパー

 B社 15年9月の売上げは、前年同月比0.4%減少した。これは、残暑による秋物衣料の不振による減少があったものの、プロ野球の優勝セールの効果が大きく、若干の減少となった。
 品目別にみると、衣料品は残暑により秋物衣料が不振であったが、優勝セールの売上げ効果が大きく、売上高、客数とも大きく増加した。
 紳士服・用品は、ジャケット、スラックスなどが好調で、婦人服・用品もジャケットやパンツを始め全体的に好調であった。
 子供服・用品は、男児、ベビーは好調であったが、女児服が不調であった。
 食料品は、1.2%減少した。精肉は、牛肉の需要の回復が続いており、増加となったが、鮮魚は減少した。惣菜は、スナックや弁当類が引き続き好調であった。また、残暑の影響でアイスクリーム、飲料の売上げが増加した。
 家電品は、液晶テレビやワイドテレビ、DVD等が引き続き好調で、食器乾燥機、除湿機などの小型家電も好調が続いている。残暑によりエアコン、扇風機が好調で、大型家電も前年を上回った。
 化粧品・薬品はともに好調を続けている。
 15年10月の売上げは、低調な状況が続いている。

コンビニエンスストア

C社 14年度の全国既存店の売上げは、前年比の0.7%増加した。15年度は、客数はほぼ前年並みであるが、客単価は低下傾向が続いており、600円前後で推移している。
 7、8月は冷夏の影響で、清涼飲料やアイスクリームなどの夏物商品の販売が落ち込み、厳しい状況にあったが、9月には残暑の影響で夏物商品の販売や、プロ野球の関連商品の販売が弁当を中心に好調で、前年同月比を上回った。
 部門別にみると、米飯、麺、デリカなどのファーストフードでは、米飯部門が好調に推移している。主力商品の弁当、おにぎりでは、原材料の質をアップし、素材にこだわったオリジナル商品の開発など新しい取り組みを行っている。弁当では、地域の素材や味にこだわった商品の販売が好調で、おにぎりについても新しい取り組みの結果、前年の売上げを大きく上回っている。
 デイリーフーズなどの日配食品では、デザートや生鮮食品の販売が不調で、前年を下回った。
 飲料、酒、菓子、たばこなどの加工食品は、チルド飲料や100円菓子シリーズが好調であった。今夏は天候の影響で清涼飲料やアイスクリームの販売が落ち込んだが、残暑により回復した。今後は、酒類販売店の拡大による売上げの増加が見込まれている。
 一部地域では、弁当、おにぎり、調理パン、惣菜などのオリジナル商品を対象に合成着色料・保存料の撤廃を始めるなど、安心・安全な食の提案を行っている。また、健康志向のニーズに応えた食品を品揃えした店舗の展開も行っている
 日用品、本、雑貨などの非食品では、化粧品、雑貨などが不調で、前年を下回った。
 収納代行やチケット販売などのサービスは、売上げを伸ばしている。マルチメディア端末による収納代行やチケット販売、郵便サービスなどが好調である。また、ATM設置店舗の拡大、郵便ポストの設置、郵便局内の店舗設置や銀行との共同店舗など、様々な形態での店舗展開を行っており、積極的な店舗開発に取り組んでいる。
 同社では、新しい発想による当社独自のオリジナル商品の強化、顧客のニーズにあった商品の提供、品揃えを図り、従来の全国同一商品から、地域にあった品揃えなど地域限定商品の開発、販売を行っている。
 また、ポイント機能や様々な特典がついた会員カードを発行し、会員数を伸ばしているが、今後も会員獲得による客数の増加を図りたいとしている。
 今後も厳しい状況が見込まれ、他店との競争も激しくなるなか、このような新しい取組みを進め、売上げ、収益の増加を図りたいとしている。


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商工労働部 商工労働総務課 企画グループ

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