最近の消費動向

更新日:2009年8月5日

最近の消費動向(14年6月から8月期、個別ヒアリング)


個人消費は一部で動きがあるものの総じて低迷している。

当研究所では、現場での消費動向を把握するため、百貨店、スーパー、レジャー施設を対象にヒアリング調査を行った。ヒアリングをした百貨店の平成14年6月の売上げは、前年を上回った。スーパーも、前年を上回った。レジャー施設の来客数は、商業施設を除き、前年度を若干上回った。
 統計からみると、6月の大型小売店販売額(大阪府)は、前年同月比で7か月連続のマイナスとなった。このうち、百貨店は主力の婦人服の不振などで、3か月連続のマイナスとなった。スーパーは、2か月連続でプラスとなった。コンビニエンス・ストア販売額(近畿)は、既存店が3か月連続のマイナスとなった。乗用車新規登録・販売台数は、3か月ぶりのマイナスとなった。家電販売額(近畿)は、前年割れが続いている。
 個人消費の動向を左右する家計収入の動きをみると、現金給与総額は4月には8か月ぶりに前年を上回り、5月も前年を上回った。また夏季一時金の妥結状況をみると、妥結額は対前年比で大幅に下回った。


百貨店

A社 14年6月の売上げは、前年同月比14.0%増であるが、これは食料品中心の新店舗がオープンしたこと等によるものであり、それらの要因を除くと1.6%の増となった。売上増の要因として食料品が好調であったことが挙げられる。
 品目別にみると、衣料品は、全体で3.1%減少した。婦人服は、Tシャツ、ブラウスが好調であったことにより前年を上回ったが、紳士服は、父の日ギフトの関連で甚平等、一部好調な商品があったものの全体では、前年を大幅に下回った。子供服は前年を上回った。家庭用品も前年を上回った。
 食料品は、33.9%の大幅な増加(含む中元商品)となった。同社は、地域密着型の百貨店として、食料品関連のホームページを毎日更新する等、食料品部門に力を入れており、売上高に占める食料品の割合は半分近くを占めている。話題の商品としては、関連電鉄会社のキャラクターをモチーフとしたケーキが好評である。
 7月の動きは、主力である食料品及び衣料品(クリアランスセールの不調等)の不振によって、減少傾向にある。
 同社では、女性顧客獲得のため昨年11月から、18歳以上の女性を対象にポイントカードを発行しているが、発行枚数は順調に推移している。

スーパー

 B社 6月の売上げは、前年同月比2.6%増加した。これは、客数及び客単価が増加・上昇したことによるものであり、特に食料品が好調であった。
 品目別にみると、衣料品は前年同月比0.1%の微増であった。上旬は気温が高めに推移し、季節衣料に動きがあったものの、中旬以降は天候不順により、季節衣料の売上げが悪化したことによる。婦人衣料では、上旬はノースリーブTシャツが好調であったが、中旬以降は気温が低めに推移したため、長袖シャツやカーデガンが好調であった。紳士衣料では、父の日のギフト関連で、肌着、ソックス、速乾性のポロシャツが好調であった。スーツは数量では前年を上回ったが、単価ダウンにより、売上高はわずかながら、前年を下回った。
 飲食料品は、前年同月比4.4%増加した。下落基調であった野菜・果物の単価が下げ止まったことにより、野菜は5.0%増加し、果物も3.0%増加した。牛肉は、前年同月比9割近くまで回復した。飲料品では、スポーツ飲料やお茶飲料が好調であった。アイスクリームは、プレミアムアイスと呼ばれる高級品が好調であった。惣菜は、サラダなどの洋惣菜、新商品投入による温惣菜などが好調であった。
 家電品は、ワールドカップ需要で、液晶テレビやDVDが好調であった。一方エアコンは、中旬以降気温が低めに推移したことや家電量販店との競合、売場面積の縮小により、大幅に減少した。
 7月の売上げは、台風などの影響で衣料品が苦戦していることから減少傾向にある。
 食の安心・安全に対する関心の高まりから、消費者は価格よりも品質を重視するようになってきている。この傾向は、従来から品質を重視した商品の開発・販売に努めている同社にとって追い風であり、今後とも商品の安全・安心を追求することによって、消費者の支持を獲得していきたいと考えている

レジャー施設

C社 当施設は世界最大級の水族館を核として、周辺に観覧車や商業施設が併設されており、30歳代ファミリー層を中心に幅広い層で集客している。
 水族館の来客数は、前年度を若干ではあるが上回った。昨年の4月近隣にオープンしたユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下「Usj」)の影響を受け、近畿圏内の来客数は減少したものの、近畿圏外の来客数がUsjとの相乗効果により増加したのではないかと考えている。団体客と個人客の比率は2時8分で、個人客は若干増加したが、団体客は減少している。
 水族館では、今年4月からの総合的な学習時間の実施にあわせ、昨年度から学校団体を対象に、飼育係が30分間、子どもたちに、ペンギンの卵やジンベイザメの排便の実物標本を用いて生き物のくらし等について説明する「アカデミー」を開催してきたが、好評であったことから、今年度から本格的に開催している。
 水族館では、子どもたちが「アカデミー」に参加することによって、より楽しく効果的に生き物を観察し、生命の尊さの理解につながればと考えている。
 商業施設の来客数も、横ばい傾向にある。同社では他施設との差別化を図り、集客効果を高めるため、開業記念日である今年の7月20日に、昭和40年前後の大阪の街並を彷彿とさせる名物グルメのテーマパークをオープンした。
 「食い倒れの街」といわれる大阪を中心とした関西の老舗と名物食をテーマとして、関西の食文化を代表する選りすぐりの店を一同に集めたテーマパークであり、このような地域の名物グルメをテーマとした施設は日本初である。
 観覧車の乗客数は、前年度を上回った。オープン以降、乗客数は年間100万人ペースと好調に推移しており、去る7月26日に500万人を突破した。
 当施設では、各種イベントの実施、メールマガジンの発行・ホームページの充実による情報の積極的発信、友の会カードの発行等によって来客数の維持・増加を図っていきたいと考えている。

このページの作成所属
商工労働部 商工労働総務課 企画グループ

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