最近の消費動向

更新日:2009年8月5日

最近の消費動向(12年9月〜11月期、個別ヒアリング)


 当研究所では、現場での消費動向を把握するため、百貨店、スーパー、外食、ホテルを対象に、ヒアリング調査を行った。ヒアリング先百貨店の平成12年9月の売上げは、婦人衣料に動きがみられるなどして前年同月を上回ったものの、スーパーは前年割れとなった。外食は、12年度上半期の売上げが全店ベースで前年同期を上回ったものの、既存店ベースでは、縮小傾向にあった前年同月比の減少が8月以降再び拡大傾向にある。ホテルの客室利用率は横ばいが続いている。
 統計からみると、9月の大型小売店販売額(大阪府)は、29か月連続の前年割れとなり、内訳は百貨店で2か月ぶりに前年を上回ったものの、スーパーは11か月連続の前年割れで減少幅も大きい。9月のコンビニエンス・ストア販売額(近畿)は、既存店ベースでは7月に9か月ぶりに前年同月を上回った後、2か月連続の前年割れ、全店ベースでは引き続き前年を上回っている。乗用車新規登録・販売台数は、7月に前年割れした後、8月、9月と前年を上回った。家電販売額(近畿)は、パソコン関連の動きが力強さを欠き、8月には28か月ぶりに前年を下回り、9月も前年割れとなった。
 個人消費は、一進一退の状況にあるとみられる。


百貨店
 A社
 12年9月の売上げは、営業日数が前年より1日増加したこと、婦人物が好調であったことなどから、前年同月比で4%増となった。
 品目別にみると、衣料品は全体で5%増となった。
 婦人服は5%増で、中旬からの気温の低下でレザーやツイードなどを中心に動きがあり、堅調に推移した。紳士服は2%減と全般に低調であったものの、キャラクターものが久々に好調であったこともあり、減少幅は縮小した。子供服は、催事が好調であったことなどから、14%増となった。
 身の回り品は、婦人パンプスやストールなどに動きがあり、3%増となった
 家庭用品は、全体で11%増となった。内訳は、家具が好調で32%増、家電は売場面積の縮小などから29%減、その他家庭用品が自家需要を中心に産地直送の日常食器が好調であったものの、3%減となった。
 食料品は、前年は8月に実施した物産展や新規実施の催事がプラスとなり、6%増となった。
 10月は、前年を若干下回る見通しであるものの、主力の婦人服や婦人服飾雑貨はジャケットやストールを中心に動きがあり、好調を持続している。

スーパー
 B社
 12年9月の売上げは、前年同月比が全店ベースで1%減、既存店ベースで4%減となった。客単価は5%減と減少幅が縮小し、客数は2%増となった。
 品目別にみると、衣料品は、気温が高めに推移したのにあわせて夏物の取り扱いを継続するなどして、全店ベースで3%増、既存店ベースで1%減となった。客数は6%増で、客単価はフェイクレザーなど単価の高い商品に動きがあったことなどから、一時期に比べると減少幅が縮小し、6%減となった。内訳は全店ベースで、婦人衣料が5%増、子供衣料が10%増、紳士衣料が1%増、肌着が4%減であった。
 飲食料品は、全店ベースで3%減、既存店ベースで4%減となった。客数は2%増となったものの、農産物や水産物の不振で客単価が6%減となった。内訳は全店ベースで、農産物が相場安の影響で9%減、畜産物が1%減、水産物が気温の高さによる漁獲量の減少や味の低下などから8%減、加工食品4%減、惣菜1%減となった。
 住関連用品は、全店ベースで若干減、既存店ベースで2%減となった。ゲーム、キックボードや折り畳み自転車、化粧品などに動きがあった。
 10月は、他社で実施されたプロ野球優勝セールの影響を受け、苦戦している。

外食
 C社
 同社は和風麺類を中心に商業施設内店舗を全国展開している。12年4月から9月の売上げは、全店ベースで前年同期比が3.8%増となった。しかし、既存店ベースでは前年割れとなっている。客単価は865円で横ばいであり、売上げの増減は客数の影響が大きい。入居している商業施設への客数が店舗の客数に直結するので、商業施設の年数経過とともに既存店の客数は減少する傾向にある。
 4月から7月にかけては、既存店の前年同月比減少幅が縮小傾向にあったが、8月以降拡大傾向となった。9月、10月は、オリンピックやプロ野球日本シリーズの影響があったものとみている。大阪の動きとしては、11年度後半は首都圏などと比較して低調であったものの、12年度に入ってからは全国水準並で推移している。
 同社は、新規店舗の出店により売上げを確保しており、同時に退店も積極的に行っている。最近は、そばの業態が好調で新規出店が増加しているものの、常に新しい業態を開拓していくことが必要不可欠であり、社内ベンチャーなどを活用して、麺類以外又は商業施設外も含めて新業態開拓にチャレンジしている。


ホテル
 D社
 同社は関西でビジネスホテルを展開している。平成11年度における大阪の全日本シティホテル連盟加盟ホテルの客室利用率は62.9%であり、12年度も同様の傾向が続いており、底打ち後横ばい状態にあるとみている。今後もビジネス需要の増加は期待できないと考えており、新しくできる大型アウトレットモールや長堀通りのブランドショップへの買物観光を宿泊につなげたいと考えている。宿泊の実勢価格は、各種割引の実施で近年下落の傾向にあり、大阪のビジネスホテルでは割引後価格で一泊6,000円前後が主流となっている。同社では、インターネットによる宿泊予約を割引価格で実施しており、宿泊客の2割程度がネット予約を利用している。

このページの作成所属
商工労働部 商工労働総務課 企画グループ

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