平成28年度当初予算編成要領

更新日:2015年12月25日

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 わが国の景気は、このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いているとされており、先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復に向かうことが期待されている。ただし、中国を始めとするアジア新興国等の景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクがある。
 一方、本府の財政状況は、「財政状況に関する中長期試算(粗い試算)」(27年2月版)で、平成28年度に810億円の要対応額が見込まれた。その後、現時点で想定しうる事項を加味し、平成28年度当初予算編成に向けて作成した仮収支試算でも、770億円の収支不足額となっており、引き続き厳しい財政運営の見通しとなっている。
 こうした状況においても、財政規律を堅持しながら、“安全・安心”を確保するとともに、“大阪の成長”を実現するための施策を実施するため、徹底した「選択と集中」により、限られた財源の重点配分を行わなければならない。
 このような状況を踏まえて、平成28年度当初予算は、「府政運営の基本方針2016」(以下、「基本方針」という。)に基づき、下記の要領により編成するものとする。 

 【1】 総括的事項

 通年予算として、年間を通じた所要額を要求すること。
  なお、消費税の取扱いについては、増税による所要額を明らかにした上で、平成29年4月以降を税率10%として要求すること。

 「行財政改革推進プラン(案)」(以下、「改革プラン」という。)に基づき、健全で規律ある財政運営の実現に向けた取組みを継承しつつ、「事業重点化(組み換え)の推進」など、これまでの取組みを発展させた改革に着実に取り組むこと。

 各部局は、「事業重点化プロセス」を活用し、部局長のマネジメントによる点検・検証(PDCA)を行うなど、一層の事務事業の見直し・改善などによる歳出抑制を図り、優先性や効果の高い事業への重点化に取り組むこと。
 なお、部局横断的な行政課題については、関係する担当部局間においてあらかじめ十分に協議を行い、施策の効果的・効率的な実施を図ること。

 市町村や民間など本来の主体による自律的な事業展開が促進されるよう府の役割を整理し、可能なものについては、移行を早め、撤退すること。また、改革プランに掲げる民間連携の観点を踏まえ、施策効果を高めるため、民間資金の活用も含めた民間との連携を積極的に検討すること。

 大阪市との役割分担については、現行制度における権限や財源等の配分を踏まえつつ、基本方針において、「大阪市との役割分担と連携を十分に図りながら、新たな大都市制度の再検討をするとともに、二重行政の解消に向けた具体的な取組みを進める」としている点に留意すること。

 監査委員が行う各種監査、外部監査人が行う外部監査、地方独立行政法人評価委員会が行う評価などにより受けた指摘・意見については、その改善内容を要求に反映させること。

 人員体制に関連する予算の取扱いについては、別途通知を踏まえて適切に対応すること。
  

【2】 歳入に関する事項

 府税
 税制改正や府内の景気動向等を的確に把握するとともに、課税客体、課税標準の精査により、適正な額を見積もること。

 国庫支出金
 国庫支出金については、国の制度改正や予算編成の動向等を十分勘案するとともに、事業の実施について、府として主体性を持って厳しく選択を行い、充当可能な事業は、原則としてその確保を前提とする。
 なお、超過負担が生じているものについては、実態を十分に把握した上で、関係省庁に是正を働きかけるなど、その解消に努めること。

 負債
 「将来世代に負担を先送りしない」観点から、府債の活用にあたっては、公債費が将来における府の過重な負担とならないよう、その必要性を厳しく精査すること。

 使用料・手数料
 フルコスト計算による原価を基本とするなど、受益と負担の明確化の観点から、平成28年度当初において使用料・手数料の設定・改定が必要なものについては、適切に手続きを行うこと。
 なお、改革プランに基づいて実施した一斉点検を踏まえた設定・改定については、別途指示した内容に沿って手続きを行うこと。

 その他
 地方財政対策や過去の実績等を勘案し、歳入を的確に見積もること。また、改革プランを踏まえ、公共施設や印刷物等を利用した広告収入の拡大など、ストックを活用した積極的な歳入確保に努めること。なお、新たに獲得する広告収入等については、財政課と協議の上、要求財源とすることができるものとする。
 また、「大阪府ファシリティマネジメント基本方針」に掲げる総量最適化・有効活用の観点等を踏まえ、府有財産の活用と売却による歳入確保にも努めること。
  

【3】 歳出に関する事項

 義務的経費
 義務的経費については、関連する制度の改正等に十分注意するとともに、対象者数等のより正確な把握に努め、所要額を十分精査すること。

 経常的経費
 経常的経費については、一般財源ベースで平成27年度当初予算額の95%の範囲内(以下、「要求上限額」という。)で要求すること。
 ただし、以下のものは要求上限対象事業から除く。

 法令等による義務的な支出

 債務負担行為限度額を設定している事業費のうち、契約行為で負担が義務化されているもの

 歳入連動事業

 平成27年度限りで廃止するもの

 なお、各部局が自ら歳出抑制・歳入確保に取り組むことにより、要求額が要求上限額を下回る場合、その差額については、政策的経費の要求財源とすることができるものとする。
 また、全ての事業について、事業目標を達成するための手法としての妥当性、効率性、期待される効果、実績・決算等を分析・検証すること。その上で、既存事業については、情勢の変化なども踏まえ、効果・実績を裏付ける根拠を十分に説明できないものは廃止・見直しを行うこと。

 政策的経費
 厳しい財政状況が継続する中にあっても、府政の喫緊の課題に的確に対応するため、以下により要求すること。

(1)

 全ての事業について、事業目標を達成するための手法としての妥当性、効率性、期待される効果、実績・決算等を分析・検証すること。その上で、既存事業については、情勢の変化なども踏まえ、効果・実績を裏付ける根拠を十分に説明できないものは廃止・見直しを行うこと。

(2)

 新規・拡充事業については、原則として、既存事業とのスクラップ・アンド・ビルドにより財源を捻出した上で、要求すること。

(3)

 その上で、前年度一般財源の95%の範囲内で要求すること。
 ただし、以下のものは別途所要額を要求すること。

 法令等による義務的な支出

 債務負担行為限度額を設定している事業費のうち、契約行為で負担が義務化されているもの

 財政収支への影響が大きいと考えられる事業として財政課が指定したもの

 共通事項

(1)

 基準財政需要額の算入状況を踏まえるとともに、他団体等との役割分担の整理や他府県の事業水準との比較を行うこと。

(2)

 人件費や公債費を含むフルコストの視点を踏まえるとともに、受益者が特定される事業には適正な受益者負担を設定すること。また、補助金や交付金等の支出先に、対象事業にかかる基金残高や繰越金などの一定の財政力・資金力がある場合は、そのことを考慮の上、休止又は減額すること。

(3)

 要求にあたっては、後年度の財政負担にも十分留意し、以下の点に取り組むこと。

 原則として、事業ごとに終期を設定するとともに、目標を達成するなど一定の条件を満たした場合や、目標を達成する見込みがないと判断される場合には事業を終了させるといった「見直しルール」の設定について、引き続き取り組むこと。

 義務的経費を除く全ての事業に活動(アウトプット)指標を設定すること。

 原則として、義務的経費を除く全ての事業に成果(アウトカム)指標を設定すること。その際、目標達成状況を分析・検証し厳格にPDCAを行うため、事業ごとに可能な限り定量的な指標を設定すること。

 事業の必要性、有用性等について、客観的なデータなどのエビデンスに基づいて説明すること。

(4)

 債務負担行為の設定に際しては、将来における府の負担が過重なものとならないよう、また、「将来世代への負担の先送り」とならないよう、厳しく精査すること。
 特に、債務保証及び損失補償については、後年度に多額の財政負担を生じさせる潜在的な要因となることから、やむを得ない場合を除き行わないこと。なお、やむを得ず行う場合は、その必要性、事業の採算性、相手方の財務状況や設定内容が適切かどうかなどを十分に精査すること。

(5)

 団体や府民等に対する貸付金等の債権については、「債権管理適正化指針」に基づき、一層の適正化を図る観点から、貸付所要額を精査するとともに新規貸付については、施策目的も踏まえつつ、債権保全のために必要な取組みをすすめること。

(6)

 公共施設等の修繕・更新については、「大阪府ファシリティマネジメント基本方針」に基づいて要求すること。建物施設については、平成28年度から30年度までの概ね3年間で劣化度調査を実施すること、また、耐用年数や当該施設の将来的な必要性を見通した上で、今後、施設類型別計画等を策定することから、平成28年度は、特に緊急度の高い事業に限り、各部局の要求上限額の範囲内で要求すること。
   

【4】 特別会計及び企業会計

 設置の趣旨を十分に踏まえつつ、一般会計に準じ、事業の必要性、緊急性及び効率性等を十分に踏まえた上で、平成28年度に真に必要な額を要求すること。
 特に企業会計については、経済性の発揮を基本に、「経営戦略」を策定するなど経営状況や今後の事業見通し等について十分検討を加え、経営改善に向け、まず徹底した内部努力を行うこと。
 また、一般会計からの繰出し等については、一般会計とのあるべき経費負担区分に従い行うこと。

このページの作成所属
財務部 財政課 財政企画グループ

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