平成22年度当初予算編成要領

更新日:2009年11月9日

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平成22年度当初予算編成要領

 我が国経済は、景気が持ち直してきてはいるものの、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど、依然として厳しい状況である。府内の経済動向も、生産指数が上昇に転じるなど一部に持ち直しの動きが見られるが、求人倍率の低下、完全失業率の上昇など、厳しい状況が続いており、企業活動の水準も依然として低いまま推移している。
 このような状況を背景に、法人二税を中心に府税収入は引き続き低迷が見込まれ、平成22年度の税収見込みなどを一定の前提条件を置いて試算した「22年度当初予算の収支見通し」でも、平成22年度は「財政再建プログラム(案)」(以下、「プログラム案」という。)の取組みを行っても、698億円のさらなる収支改善が必要と試算されるなど、本府の財政を取り巻く環境は依然として非常に厳しい見通しである。
 一方で、府民の負託に応えるためには、府政の喫緊の課題には的確に対応しなければならない。そのため、「収入の範囲内で予算を組む」という原則を徹底するとともに、各部局で事務事業の積極的な見直しを行い、全庁の歳出削減等により生み出した財源の一部を活用して重要課題に対する「選択と集中」をすすめ、戦略的な財源の重点配分を行わなければならない。
 このような状況を踏まえてとりまとめた「府政運営の基本方針(『大阪維新』2010)」に基づき、平成22年度当初予算は、下記の要領により編成するものとする。

【1】 総括的事項

  1.  通年予算として、年間を通じた所要額を要求すること。
     なお、所要額の積算にあたっては、各経費の平成20年度決算額や平成21年度決算見通し等を踏まえ、適正な額を見積もること。

  2.  厳しい財政制約を踏まえ、すべての事務事業について、全国的な施策水準との比較、受益と負担のあり方やより効率的・効果的な事業手法など十分点検を行うとともに、施策の選択と集中をすすめ、予算全体を通じて府政の当面の政策課題への重点化を推進し、平成22年度の事業実施が真に必要なものに限定して要求すること。

  3.  要求にあたっては、プログラム案に掲げた再構築の具体的指針(別紙参照)を踏まえ、各事業についてあらためて厳しく点検を行うこと。

  4.  要求にあたっては、府民にとってのわかりやすさの視点から、事業の内容、必要性、目的や活動指標、成果指標等による事業実施効果等を明確にすること。また、事業の整理統合等を行うこと。

  5.  複数部局にまたがる横断的な行政課題については、個別の行政分野を担当する部局の枠組みを越えて横断的な取組みを展開できるよう、関係する担当部局間においてあらかじめ十分に協議を行い、施策の効果的・効率的な実施を図ること。

  6.  特定目的基金については、今後、そのあり方を検討することとしており、例年、特定目的基金を充当して実施している事業についても、事業実施の必要性を十分精査すること。

  7.  市町村との関係については、プログラム案に掲げた役割分担の視点から点検を行い、特に、政令指定都市との関係においては、二重行政の解消・防止を図るため、事業の共同化、連携強化、権限委譲の可能性を精査すること。

  8.  出資法人及び公の施設については、プログラム案に掲げた方向性に沿って着実に見直しをすすめ、徹底したコスト縮減や本府の財政支出の抑制等を図ること。

  9.  国において種々の抜本的な制度改正が行われることが見込まれるため、常に国の動向を注視し、機敏に対応していくとともに、地方税財源の充実や国と地方の経費負担の適正化など地域主権の実現に必要な地方行政関連制度の改正を国に強く働きかけること。

  10.  人員体制に関連する予算の取扱いについては、別途通知方針を踏まえて適切に対応すること。

【2】 歳入に関する事項

1 府税

 税制改正や府内の景気動向等を的確に把握するとともに、課税客体、課税標準の精査により、適正な額を見積もること。
 また、より一層の課税調査の推進、納期内納税や滞納整理の促進を図り、収入歩合の向上に努めること。
 

2 国庫支出金

 国庫支出金については、制度改正や予算編成の動向等を十分勘案するとともに、府として主体性を持って厳しく選択を行うこと。
 なお、超過負担が生じているものについては、実態を十分に把握した上で、関係省庁に是正を働きかけるなど、その解消に努めること。

3 府債

 府債については、「将来世代に負担を先送りしない」観点から、実質府債残高倍率を平成27年度に2.0以内とすることを目途に、平成22年度当初予算では前年度以下とすることをめざす。通常債については、世代間の負担公平の観点から建設事業等の財源として活用するが、活用する事業そのものの必要性については厳しく精査すること。

4 その他の歳入

  1.  地方財政対策や過去の歳入実績等を勘案し、的確に見積もるとともに、プログラム案に掲げた歳入確保の取組みを着実にすすめるなど、自主財源の確保等に努めること。
     また、府が有する資源を広告媒体として活用した財源確保等にも積極的に取り組むこと。
  2.  府有財産については、さらなる歳入確保に向けて、庁内に立ち上げた「府有財産活性化推進チーム」で売却物件の掘り起こしと有効活用の促進に取り組んでいるところであり、積極的な売却や貸付を推進すること。
  3.  使用料・手数料については、府民生活への影響等を十分配慮しつつ、受益に応じた負担を求めるという観点から、施設等の利用度や利便性に応じた料金設定になっているか、民間や近隣府県と比べ低すぎるものになっていないか、あるいは当該サービスの提供に要する経費が適切に転嫁されているかなどについて、厳しい財政状況を踏まえて十分な検討を行い、必要な見直しを行うこと。
  4.  団体や府民等に対する貸付金等の債権については、「債権管理適正化指針」に基づき、一層の適正化を図る観点から、貸付所要額の精査、対応債権の回収の取組強化のほか、新規貸付については、施策目的も踏まえつつ、債権保全のために必要な取組みをすすめること。

【3】 歳出に関する事項

1 義務的経費

  義務的経費については、関連する制度の改正等に十分注意するとともに、平成22年度に真に必要な額を精査し、要求にあたっては特に以下に留意すること。

  1.  人件費については、プログラム案における取組みを踏まえるとともに、より一層の職員数削減や給与の適正化などに努め、その抑制を図ること。
  2.  扶助費及び国制度に基づく経費で扶助費に準ずる性質を有するものについては、直近の動向を踏まえ、対象者数等のより正確な把握に努め、所要額を十分精査すること。
     

2 経常的経費及び政策的経費

 経常的経費及び政策的経費については、財政規律を堅持しつつ、府政の喫緊の課題に的確に対応するため、以下により要求すること。

  1.  プログラム案に掲げた取組みを着実にすすめるとともに、継続して検討することとしている事業についても、確実に具体化を図ること。
  2.  経常的経費については、原則として、一般財源ベースで、平成21年度当初予算額(平成21年度で終了する事業、プログラム案で見込まれている効果額の拡大等を除く。)の95%の範囲内で要求すること。
  3.  政策的経費については、原則として、一般財源ベースで、平成21年度当初予算額(平成21年度で終了する事業、プログラム案で見込まれている効果額の拡大等を除く。)の95%の範囲内で要求すること。
  4.  上記 2 、 3 に加え、各部局が自ら歳出抑制に取り組むことにより、要求段階でさらに同程度(▲5%)の抑制をめざすこととする。
  5.  「府政運営の基本方針(『大阪維新』2010)」において、今後、絞り込み等の検討を進めることとしている「知事重点事業」については、上記要求上限設定とは別に所要額の要求を認める。
  6.   要求にあたっては、後年度の財政負担にも十分留意し、原則として事業期限を設定すること。
  7.  国庫補助事業については、国の制度改正や予算編成の動向等を的確に把握するとともに、本府としての事業実施の必要性や緊急性、事業効果等について十分に検討を加え、主体性を持って厳しく施策の選択を行うこと。
  8.  国の経済対策により造成した基金を活用して実施する事業については、事業効果等を十分検討し、より効率的・効果的な施策の構築に努めるとともに、後年度の財政負担に十分留意すること。
  9.  国が関与する法人への負担金等については、別途指示している「国関係法人に対する負担金等に関する調べについて(平成21年9月17日付け財第2051号)」の趣旨を踏まえ、本府にとって真に必要と判断されるものに限り要求すること。
  10.  市町村への補助金については、住民に最も身近な基礎自治体である市町村がその力量を発揮できるよう、補助金の交付金化を積極的にすすめること。
  11.  団体への補助金については、原則、事業費に対する補助に限ることとし、その場合にも、補助の必要性や事業効果等を十分に精査すること。
     本府からの派遣職員の引揚げに伴い団体が採用した職員にかかる人件費等についても、安易に補助を行うこととせず、同様の視点で精査すること。
  12.  協議会への負担金等については、当該団体の活動状況を十分に踏まえ、金額を精査すること。
  13.  委託料については、委託先における経費の執行状況の把握に努めることにより、引き続き必要性の精査を徹底すること。
  14.  「都市魅力の創造」に関わる事業については府民文化部都市魅力創造局において、広報関係の経費については同部府政情報室において、全庁的な観点から検討・調整を行うことを予定しており、その取扱いは別途通知することとしているので、留意すること。
  15.  イベント関係の経費については、特に費用対効果に留意すること。
  16.  光熱水費の節減、定期刊行物購入のさらなる精査など、小さな無駄も見逃さず、あらゆる経費について必要性を精査し、より効率的な行財政運営の確保に努めること。
     

3 その他留意すべき事項

  1.   年末に判明する税制改正や地方財政対策の内容、税収状況などを踏まえ、必要により、機敏な対応を図ることとする。
  2.  債務負担行為については、後年度の財政運営に支障を来たすことのないよう、必要最小限度にとどめること。
     特に、法人に対する債務保証及び損失補償については、後年度に多額の財政負担を生じさせる潜在的な要因となり、地方公共団体の財政の健全化に関する法律で定める指標を悪化させることも踏まえ、その必要性、相当性や設定内容が適切かどうかなどを十分に精査すること。また、当該法人の経営状況を適切に把握し、債務保証等の発生防止に必要な措置を講ずること。
  3.   市町村に関連する事業の創設や見直しにあたっては、平成21年度に制度化した各種交付金の趣旨を踏まえるとともに、市町村の行財政運営に配慮し、必要な調整に努めること。
  4.   事務事業の企画・立案にあたっては、適切な時期に施策効果が発現するよう、年間スケジュールを予め定め、年度末等一定時期に執行が集中しないよう工夫すること。
     

【4】 特別会計に関する事項

 設置の趣旨を十分に踏まえつつ、一般会計に準じ、事業の必要性、緊急性及び効率性等を十分に踏まえた上で、プログラム案に沿って、平成21年度に真に必要な額を要求すること。
 特に企業会計については、経済性の発揮を基本に、経営状況や今後の事業見通し等について十分検討を加え、経営改善に向け、まず徹底した内部努力を行うこと。
 また、一般会計との間の経費の負担区分に従い、安易に一般会計からの繰出し等は行わないこと。
 さらに、地方公共団体の財政の健全化に関する法律において、全会計を対象として算定する連結実質赤字比率や、公営企業会計ごとに算定する資金不足比率が導入されたことも踏まえ、経営の改善に計画的に取り組むこと。

このページの作成所属
財務部 財政課 財政企画グループ

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