平成10年度大阪府統計年鑑 第15章　賃金及び労働（解説）

　平成9年における大阪府の勤労者の賃金、労働時間及び雇用の状況は、｢毎月勤労統計調査地方調査年報｣によると、賞与等を含めた現金給与総額は、前年比1.2%増加し、物価上昇分を差し引いた実質賃金は、前年比0.7%の減少となった。
　景気動向を敏感に反映する所定外労働時間は、前年比0.3%の増加となり、雇用については、常用雇用指数が前年比0.6%の減少となった。
　｢労働市場概要｣(平成９年度)による、新規求人倍率は0.93 (前年1.02)、就職率は23.8%  (前年25.1%)と下降した。

　平成９年の1人平均月間総実労働時間は153.3時間で､前年に比べ1.4%減少し、年間合計は1840時間となった。全国平均より月間で4.3時間、年間で51.0時間短い。
　総実労働時間を所定内労働時間と残業時間を中心とする所定外労働時間にわけてみると、所定内労働時間は月間143.9時間で前年に比べ1.5%の減少となっている。一方、景気の動向に大きく左右される所定外労働時間は月間9.4時間で前年に比べ0.3%の増加となった。
　産業別の年間総労働時間で、最も長かったのが建設業の2047時間、最も短かったのが｢卸売･小売業､飲食店｣の1705時間で、その差は342時間である。なお、総実労働時間が2000時間を超えているのは｢建設業｣のみで、他はいずれも下回っている。

　平成9年平均の常用雇用指数(平成7年=100)は99.8で、前年に比べ0.6％の減少となった。
　産業別では、「電気･ガス･熱供給･水道業｣(2.2%増)、｢サービス業｣(1.7％増)、｢運輸･通信業｣(0.5%増)となっているほかは、｢金融･保険業｣(2.6%減)をはじめいずれも減少となっている。
　また、全常用労働者に占めるパートタイム労働者の割合は、18.5%で前年に比べ0.4ポイント上昇となっている。