平成元年度大阪府統計年鑑 第６章　林業（解説）

平成元年度大阪府統計年鑑

概況

　府下の森林の大部分は隣接府県境沿いに連なる北摂山系、生駒金剛山系、和泉葛城山系に｡分布しており、かつ都市近郊に位置しているため、林業の基盤としてだけでなく、貴重な緑資源として「府民の森」など公益的機能を果たしている。
　これを森林植物帯からみると、大部分は暖帯林で、一部には温帯林も見られる。しかし、現在の森林は大部分が「あかまつ」、「くぬぎ」、「こなら」等の二次林、あるいは「すぎ」、「ひのき」等の人工林である。なかでも、金剛、葛城山系では「すぎ」、「ひのき」が集中し、府下で最も集約的な林業が営まれている。
　府下の林家数は、1980年農林業センサス（昭和55年２月１日現在）の結果によると、３万4256戸である。その内訳は農家林家数が7400戸（構成比21.6％）、非農家林家数が２万6856戸（同78.4％）で、非農家林家が圧倒的に多い。

林野面積

　府下の林野面積は５万7829haで、前年より114ha （0.2%）減少した。
　その内訳をみると、国有林野面積は1042haで前年と変らず、民有林野面積は5万6564haで、前年より114ha （0.2%）減少した。官行造林面積は前年と変らず223haである。
大阪府総面積18万8127ha （昭和63年10月１日現在）に占めるそれぞれの割合は、国有林野面積が0.6%、民有林野面積が30.1％、官行造林面積が0.1%である。
　府下の林野面積の97.8％を占める民有林野のうち、立木地は５万3776haで、前年より108ha （0.2％）減少し、民有林野面積の95.1％を占めている。その内訳は、人工林が2万6333ha （構成比49.0％）、天然林が２万7443ha （同51.0％）となっている。また、樹種別内訳は針葉樹が３万8880ha （構成比72.3％）、広葉樹が１万4896ha （同27.7％となっている。
　民有林野面積を市町村別にみると、能勢町が7789ha（構成比13.8％）で最も多く、以下河内長野市7332ha（同13.0％）、高槻市4542ha（同8.0％）の順となり、この３市町で全体の３分の１強（34.8％）を占めている。

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林野蓄積量

　府下の林野蓄積量は509万8400m3で、前年より５万4000m3（1.1％）増加した。
　その内訳をみると、国有林野蓄積量13万2000m3で前年より4000m3（3.1％）増加し、民有林野蓄積量は495万8000m3で前年より５万m3 （1.0％）増加した。官行造林蓄積量は前年と変らず8400m3である。
　民有林野蓄積量のうち、人工林は317万1000m3（構成比64.0％）、天然林は178万7000m3（同36％）である。また、樹種別内訳は針葉樹が440万4000m3（構成比88.8％）、広葉樹が55万4000m3（同11.2％）となっている。
　民有林野蓄積量を市町村別にみると、河内長野市が103万6000m3（構成比20.9％）で最も多く、以下、能勢町43万4000m3（同8.8％）、高槻市41万4000m3（同8.4％）の順となり、この３市町で全体の38.0％を占めている。

苗木生産量等

　山行造林用苗木の生産量は79万7000本で、前年より５万本（0.6％）減少した。樹木別にみると、「ひのき」が70万本（構成比87.8％）で最も多く、以下、「すぎ」が6万本（同7.5％）、「くろまつ」が2万7000本（同3.4％）、「あかまつ」が１万本（同1.3％）となっている。
　林産物素材の生産量は２万2000m3で、前年より2000m3（10.0％）増加した。林産物素材の他府県への移出量は２万1000m3、移入量（外材を含む）は96万1000m3であり、移出量は移入量に比べ微々たるものである。