平成18年度 第1回大阪府国土利用計画審議会

更新日:2009年8月5日

日時:平成19年1月22日(月曜日) 午前10時30分から11時まで
場所:ホテルプリムローズ大阪 2階 「鳳凰の間」東


出席委員 18名

番号資格氏名
学識経験のある者(大阪府農業会議会長)井川 勝巳
学識経験のある者(大阪府森林組合名誉会長)古川 光和
学識経験のある者(大阪商工会議所女性会参与)河内 幸枝
学識経験のある者(京都大学教授)岡田 憲夫
学識経験のある者(京都大学教授)小林 潔司
10学識経験のある者(社団法人大阪府宅地建物取引業協会会長)岡田 文夫
11学識経験のある者(大阪大学教授)新田 保次
12学識経験のある者(ジャーナリスト)音田 昌子
13学識経験のある者(前 社団法人大阪労働者福祉協議会会長)松浦  武
14大阪府議会議員(自民)川合 通夫
15大阪府議会議員(自民)岡沢 健二
16大阪府議会議員(自民)阿部 賞久
17大阪府議会議員(民主)中川 隆弘
18大阪府議会議員(民主)漆原 周義
19大阪府議会議員(公明)樋口 昌和
20大阪府議会議員(公明)池田 作郎
21大阪府議会議員(共産)小林 隆義
23市町村長を代表する者(大阪府町村長会会長)上垣 正純

午前10時30分開会

○司会
 それでは、大変お待たせいたしました。定刻となりましたので、ただいまから、平成18年度第1回大阪府国土利用計画審議会を開催いたします。私は本日の司会を務めます、総合計画課の中田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、最初に、委員の皆様のお手元の資料の確認をさせていただきたいと存じます。机、前のほうに配席表を配付しておりますが、資料としましては上から順番に、議事次第、資料1から資料2、資料3、資料4、資料5。資料3につきましてはケースに入ったものになりますが、それと委員名簿、幹事名簿、そして条例・規則でございます。漏れている資料はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

 次に、本日は、現委員数24名の方々のうち、18名の委員のご出席をいただいておりますので、大阪府国土利用計画審議会条例第5条第2項の規定により、本審議会の定足数を満たしておりますことを、ここにご報告申し上げます。なお、本議会は公開でございますので、よろしくお願いいたします。それでは、審議会の開会に当たり、都市整備部長からごあいさつを申し上げます。

○都市整備部長(丸岡耕平君)
 都市整備部長の丸岡でございます。平成18年度第1回大阪府国土利用計画審議会の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。委員の皆様におかれましては、公私何かとお忙しいところ、ご出席を賜りますとともに、日ごろより大阪府の都市整備行政の推進にご指導、ご協力をいただいておりますこと、この場をおかりいたしまして、厚く御礼申し上げます。

 さて、大阪府におきましては、定住魅力と活力ある大阪の実現に向けまして、大阪府国土利用計画などに基づき、活力ある都市拠点が有機的に連携する多核連携型の都市構造への再編整備を進めるとともに、都市活動を支える基盤施設の整備に取り組んでいるところでございます。また、この国土利用計画を基本として大阪府土地利用基本計画を策定し、これまで適正な土地利用が図られるよう努めているところでございます。一方、国土利用計画法に関連する最近の国の動きといたしまして、人口減少時代を向かえつつある今日、国土及び国民生活の将来の姿を示すことが重要であるといったことから、一昨年に国土計画関連法が改正され、現在、国土形成計画及び国土利用計画の全国計画策定に向けた検討が進められております。昨年11月には、その中間とりまとめが行われておりますので、その内容等につきましても、審議案件とあわせて後ほどご報告させていただきたいと存じます。

 それでは、ご審議のほどよろしくお願い申し上げまして、開会のごあいさつとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○司会
 ありがとうございました。続きまして、前回の審議会開催以降、新たに当審議会委員にご就任されました大阪府議会議員の皆様をご紹介させていただきたいと思います。まず、最初に川合委員でございます。

○川合委員
 おはようございます。

○司会
 続きまして、再任となります岡沢委員でございます。

○岡沢委員
 おはようございます。

○司会
 続きまして、阿部委員でございます。

○阿部委員
 よろしくお願いします。

○司会
 続きまして、中川委員でございます。

○中川委員
 よろしくお願いします。

○司会
 続きまして、漆原委員でございます。

○漆原委員
 おはようございます。

○司会
 続きまして、再任となります樋口委員でございます。

○樋口委員
 よろしくお願いいたします。

○司会
 続きまして、池田委員でございます。

○池田委員
 池田でございます。よろしくお願いいたします。

○司会
 続きまして、小林委員でございます。

○小林(隆)委員
 おはようございます。よろしくお願いします。

○司会
 ご紹介は以上でございます。それでは小林会長に議事進行をお願いしたいと存じます。会長、よろしくお願いいたします。

○会長(小林潔司君)
 それでは、座ったままで失礼させていただきます。本審議会の会長を務めております小林でございます。どうぞよろしくお願いいたします。委員の皆様方におかれましては、本日お忙しいところご出席賜り、厚く御礼申し上げます。

 初めに、議事に先立ちまして、本日の会議録の署名委員を決めさせていただきたいと思います。会議録の署名委員は、審議会規則第5条第2項の規定により、会長及び会長が指名する委員となっておりますので、まことに僭越でございますが、私から次のお2人の方にお願いしたいと思っております。まず、学識経験のある者の委員からは河内委員に、また府議会議員の委員からは川合委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、ただいまから議事に入ります。今回は、第1号議案、大阪府土地利用基本計画の変更について、本審議会に意見を求める旨の諮問がございました。議案の内容について、幹事に説明させます。よろしくお願いします。

○梶山参事
 総合計画課参事の梶山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。本日ご審議いただきます議案は、お手元の議事次第にもございますように、第1号議案として、大阪府土地利用基本計画の変更についてでございます。お手元に、議案書のほかに大阪府土地利用基本計画の変更ついての説明資料及び計画書と計画図から構成される大阪府土地利用基本計画をお配りしております。

 議案の説明に入ります前に大阪府土地利用基本計画についてご説明いたします。大阪府域の土地は府民のための限りある資源であり、総合的な見地から判断して、それぞれの区域にふさわしい土地利用を図る必要がございます。そのため、土地利用基本計画は、都市計画法、農業振興地域の整備に関する法律、森林法、自然公園法及び自然環境保全法といった各個別規制法による土地利用に関する諸計画の調整を図るものとして、大阪府の土地利用の基本的な方向を定めるものでございます。本計画の内容は、府域を都市地域、農業地域、森林地域、自然公園地域、自然保全地域の5つの地域に区分するとともに、これらの地域が重複する場合の土地利用の調整に関する方針等を示しているものでございます。地域の指定の考え方について簡単にご説明いたします。

 まず都市地域とは、一体の都市として総合的に整備、開発及び保全する必要がある地域でございます。具体的には、都市計画法第5条により、都市計画区域として指定されることが相当な地域でございます。府内におきましては、岬町の一部を除き、43市町村において4都市計画区域が指定されております。

 次に、農業地域とは、農用地として利用すべき土地があり、総合的に農業の振興を図る必要がある地域でございます。具体的には、農業振興地域の整備に関する法律第6条により、農業振興地域として指定されることが相当な地域でございます。府内におきましては、14市6町1村において、農業振興地域が指定されております。

 次に、森林地域とは、森林として利用すべき土地があり、林業の振興または森林の有する災害防止、水源涵養等の諸機能の維持増進を図る必要がある地域でございます。具体的には、森林法第2条に規定する国有林の区域、または同法第5条に規定する森林関連施策の方向や森林整備及び保全の目標などを定める地域森林計画の対象となる民有林の区域として定められることが相当な地域でございます。府内におきましては、24市7町1村において、地域森林計画の対象となる民有林の区域が指定されております。

 次に、自然公園地域とは、すぐれた自然の風景地でその保護及び利用の増進を図る必要がある地域でございます。具体的には、自然公園法第2条に規定する国立公園、国定公園、都道府県立自然公園として指定されることが相当な地域でございます。府内におきましては、明治の森箕面国定公園、金剛生駒紀泉国定公園及び大阪府立北摂自然公園の3カ所が指定されております。

 最後に、自然保全地域でございますが、これは良好な自然環境を形成している地域で、その自然環境の保全を図る必要がある地域でございます。具体的には、自然環境保全法による自然環境保全地域、または都道府県条例による都道府県自然環境保全地域として指定されることが相当な地域でございます。府内におきましては、大阪府自然環境保全条例に基づき、高槻市の本山寺地域ほか4地域を指定しております。

 現在のそれぞれの指定状況は、都市地域がおおむね18万9,600ヘクタールであるほか、それぞれ画面表示のとおりとなっております。また、府域のほぼ全域を占める都市地域に、農業地域、森林地域など他の地域が重なって指定されている状況です。

 それでは、第1号議案の大阪府土地利用基本計画の変更の内容についてご説明いたします。議案書の4ページ、説明資料の2ページから4ページをご参照ください。本日審議いただきます案件は、茨木市の森林地域の縮小に係る変更であります。本地区は茨木市の車作地区で、安威川ダム事業関連の代替農地を造成したもので、その造成工事が完了し、区域が確定したことから森林地域を6ヘクタール縮小するものでございます。代替地につきましては、水没する農地のできるだけ近接する河川予定区域外で、近郊緑地保全区域にかからないように、所要の面積を確保することとし、できる限り森林地域にかかる面積が少なくなるよう選定されております。

 今回の変更により、当該地区は都市地域、農業地域及び森林地域の3つの重複地域から、都市地域及び農業地域の重複地域となります。また、説明資料の1ページの総括表のとおり、森林地域は5万6485ヘクタールから6ヘクタール減少し、5万6479ヘクタールとなります。なお、ご説明いたしました変更案件につきましては、説明資料5ページのとおり、茨木市及び関係省庁とも調整済みでございます。

 議案の説明は以上でございますが、さらに、次回以降の森林地域の変更に関連するものとして、お手元に資料4で参考資料として、林地開発許可の一覧表をお配りしております。その位置を画面で表示しております。これは森林法に基づき、林地開発許可などを受けて行われている開発行為が、今後、おおむね3年間のうちに完了し、森林地域から除外が見込まれる地区の一覧表でございます。その地区といたしましては、箕面市下止々呂美地区、茨木市佐保地区、茨木市桑原地区、茨木市福井地区、堺市別所地区、熊取町久保地区及び泉南市幡代地区の計7地区で、道路、住宅地等のための造成によるものでございます。

 説明については、以上でございます。

○小林会長
 ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問はございませんでしょうか。小林委員。

○小林(隆)委員
 新しい委員なので確認を含めて二、三だけ、確認の質問というか、お聞きしたいことがあるので、よろしくお願いいたします。

 この審議会、今幾つかの法律の問題も触れていただいたんですけども、結果的に言いますと、その土地の形状が変わればこの審議会の中では、その形状に沿って、それを後追いするだけの審議会のように聞こえてくるんですよね。何年か前の審議会のときもそういう気がして、私、現地も一度見さしてもらったことがあるんですけども、今回のこの森林地域などを転用するというときのチェックなんかは、どういうところの法律に基づいて、どういった機関でしっかりとされているのか、ひとつお聞かせ願えませんでしょうか。

○小林会長
 ご質問ですので、よろしく。

○梶山参事
 お答えいたします。法律が2つございます。土地利用基本計画と森林法によるものと。土地利用基本計画につきましては今ご説明したようなことでございまして、個別の、特に今回の場合森林地域における開発行為に関しましては、森林法による開発許可という制度がございます。本件につきましてはその森林法に基づいて、この場合は施行者が大阪府でございますので許可ではなく協議でございますが、ほぼ同じ内容のものが行われて適正に行われてきたと考えております。

○小林(隆)委員
 大阪府が施行者ですから、ある意味ではほかのところに許可を得なくても、それは転用できると聞こえるわけですけども、今回のこの森林地域のところは、先ほど聞きましたように安威川ダムの建設のための、その代替地だと。こういうふうにおっしゃったと思うんですけども、私たち自身、我が党なんかは農業用地になった後もしっかり自然を残す、この段取りが非常に必要だと思っております。

 大阪府は非常に森林地域が少ない、また緑も少ない。そういったところですから当然この農用地に転用されても保全は重要だと思いますけども、この安威川ダムの計画が実際には無ければ、水没も当然無いわけですから、森林としての保全がそのままできていたのではないかと思いますけども。地図を見させていただきましたら、もちろんここにはちょうど真ん中あたりを道路も走るわけですよね。

 ここにたくさんの税金を投入してまで、この森林の開発をすることがどうなのかという疑問があるんですけども、この安威川ダムの建設がなければ、実際にはどうなっていたのか、ひとつお聞かせ願えませんか。要するに大阪府が施行者ですから、もしもの場合で、確認だけ、一度聞いておきたいんですけども。我が党は、いつも議会の中でもそのことを質問してきましたので、そのことに付随してこういう森林の開発もあるわけですから、一応確認だけさせていただきたいなと思います。

○梶山参事
 仮定のことでございますので、もし安威川ダムの建設がなければということでございますれば、当然水没する農地はないわけでございまして、こういう措置は必要なかったということになるかと思いますが、現実には事業は進められておりまして、そこに農地を持っておられる方の中で、営農されたい方もたくさんおられて、そういう方々の営農を保障するという意味でこの代替地の造成は必要であったと考えております。

○小林(隆)委員
  もう事業が進んでいるから、そういうことになると思いますけども、ただ、安威川ダムの建設はこの間ずっと見直しもされてきまして、その縮小案を出されましたよね。ですから縮小案が出されても、この水没する地域、要するに代替地の変更というのは全然あり得なかったのかどうか、これを確認したいんですけども。

○梶山参事
 利水の部分が少し減少になったということで、当然、水位が少し下がると思いますが、谷でございますので、のり面のところの水位が少し下がるという状況を想像していただければ。基本的に農地は河川の際にずっとあったわけでございまして、その影響はないということでございます。

○小林(隆)委員
 要するに縮小した後も今と同じだと、こういうことだと思うんですけども。私自身も議員として議会の中で述べたことがありますけども、本来、ダム建設そのものはほんとうに必要なのかという疑問を持っている1人でもあるわけです。きょうはこの後、採決もあると思いますけども、意見を述べる場がなければと思いましたので、先に、今聞きましたご答弁いただいた部分についての意見だけを述べて終わらせていただきますけども。

 安威川ダム建設そのものは私自身は、ここの都市整備部の方皆おられますけども、前の常任委員会のときでも、本来はこのダム建設よりも50ミリ対応が先に優先すべきではないかと、こういう立場のことを述べてきました。本来はこのダム建設がなければ、先ほどお答えいただいたように6ヘクタールもの代替地や道路をつくる必要もなかったものであって、大阪府は非常に緑や森林が極端に少ないわけですから、可能な限り保全する、拡大する、またそういった方策や手法そのものを大阪府には検討していただきたいと、こういうふうに思うわけです。

 最初に聞きました、後から承認するだけの審議会の形だけではなくて、保全のための検討できる機関また機能はしっかりと有するようなものが、今後も必要だろうなと、このことは指摘もさせていただきますけども。しかし、きょうのこの議案に関する態度に関しましては、今お答えいただいた状況から言いましても、審議会のあり方からしても、森林としての保全の必要が今はもうなくなっているんだと、こういった状況は事前にも聞かせていただいて、また現地の方のご意見もいただいてきたところです。

 そういったところから、ある意味では私自身はやむを得ないという立場を含めて、そういった指摘とご意見を言わせていただいて、今回の議案には賛成というか、承認するような態度だということ、このことを述べて質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○小林会長
 ご意見、ありがとうございます。そのほかご意見ご質問はございますでしょうか。

(「なし」と言う者あり)

○小林会長
 ご意見、ご質問がないようでございますので、表決に入りたいと思いますが、本議案を原案どおり答申することにご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」と言う者あり)

○小林会長
 ありがとうございます。ご異議がないようですので、原案どおり答申することといたします。どうもありがとうございます。

 これをもちまして、本日の審議案件は終了いたしました。本日ご審議いただきました議案につきましては、直ちに必要な手続を進めさせます。引き続きまして、事務局から報告がございます。よろしくお願いいたします。

○梶山参事
 現在、国において、国土利用計画全国計画の改定に向けました検討が進められておりますので、その状況についてご報告させていただきます。昨年の本審議会でも、国の動きとして報告させていただきましたが、平成17年7月に国土計画関連法が改正・公布されております。その内容といたしましては、国土総合開発法が改正されて国土形成計画法に、全国総合開発計画が全国計画と広域地方計画から成る国土形成計画となり、これまでの量的拡大、開発基調の計画から、成熟社会型の計画とすることになりました。また、国土利用計画は国土形成計画と一体として策定されることになりました。

 国土交通省では、平成17年9月に諮問機関である国土審議会に計画部会を設置し、国土形成計画全国計画の案に関する調査審議を行い、昨年11月に中間とりまとめを行っており、本年、中ごろ国土形成計画及び国土利用計画の全国計画の閣議決定予定と聞いております。

 また、圏域部会を設置し、広域地方計画の計画単位の地域の区分のあり方について調査審議を行い、昨年7月に広域地方計画区域を定める政令が制定されております。今後国の地方行政機関、都府県及び政令市から成る広域地方計画協議会を設置し、計画の内容について検討を行い、全国計画策定から1年後に計画決定の予定と聞いております。

 広域地方計画区域としては、北海道及び沖縄県を除く全国を8ブロックに設定され、近畿圏は、大阪府をはじめ、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県の2府4県が計画区域となっております。

 国土計画の全体構成ですが、国土形成計画は、計画の基本的考え方、事項別施策の基本的方向、広域ブロックの形成に向けてから構成され、計画の基本的考え方については、計画部会の中間取りまとめの内容が基礎となります。また、国土利用計画は国土の利用に関する基本構想、国土の利用目的に応じた区分ごとの規模の目標及びその地域別の概要、前事項を達成するために必要な措置の概要から構成されます。

 それでは、昨年11月にとりまとめられました国土審議会計画部会の中間取りまとめの概要について、ご説明させていただきます。

 新しい国土像として、東京と太平洋ベルト地帯に人口や諸機能が集中する一極一軸型の国土構造から、多様な広域ブロックが自立的に発展するといった国土構造構築の方向性を示しております。計画のねらいと戦略的取り組みとして、シームレスアジアの実現、持続可能な地域の形成、災害に強いしなやかな国土の形成、美しい国土の管理と継承、「新たな公」による地域づくりの5点が示されております。まず、シームレスアジアの実現としまして、ものづくり基盤の強化や観光立国の推進、日帰りビジネス圏や貨物翌日配達圏の促進の必要性が示されております。

 2点目の持続可能な地域の形成としまして、中心市街地の活性化や既存ストックの活用による無秩序な拡散型から暮らしやすい集約型へと都市構造の転換の必要性が示されております。

 3点目の災害に強いしなやかな国土の形成としまして、自助・共助・公助のバランスの下、ハードとソフトが一体となった減災の観点も重視した災害対策の推進や密集市街地対策、効果的な防災施設の配置、災害時の避難地や防災拠点の確保など災害に強い国土利用への誘導の必要性が示されております。

 4点目の美しい国土の管理と継承としまして、発生抑制・再使用・再利用の英語の3つのRを通じた循環型社会の構築や美しいランドスケープの回復の必要性が示されております。

 最後に、新たな公による地域づくりとしまして、従来、主として行政が担ってきた地域づくりについて、NPOなど、多様な民間主体を地域づくりの担い手としてとらえるという「新たな公」の概念を基軸とした地域経営や地域課題解決へのシステムを転換する必要性が示されております。

 ご説明してまいりました計画部会の中間とりまとめをもとに、国土形成計画全国計画が今後、策定されてまいります。

 一方、国土利用計画全国計画についても、国において改定作業が進められております。そのポイントについてご報告させていただきます。

 国土利用をめぐる諸状況についての認識として、急速な少子高齢化の進展による人口減少社会の到来、ライフスタイルの多様化等による多選択社会への移行、全体として市街地の形成圧力は弱まるものの一定の土地利用の転換の発生が見通されることが挙げられております。また国土利用状況の諸課題として、都市的土地利用の無秩序な拡大、低水準にある住環境等の国土の質的問題、東アジアの成長に伴う環境・資源・エネルギー問題や地球温暖化などの国土や地球環境への過大な負荷、必要な手入れが十分に行われない森林耕作放棄地、都市の低未利用地の増加など、国土の管理水準の低下が挙げられております。こうした背景を踏まえ、人口減少等による国土利用状況の変化を好機ととらえ、従来の旺盛な土地利用転換に伴う国土利用・調整から、「持続可能な国土管理」の考え方による能動的展開へと転換することとされております。

 新計画の具体的なポイントの1つ目として、自然が残された土地の開発抑制や集約型都市構造への転換など、従来の国土利用の量的調整と質的向上をさらに総合的に展開し、次世代によりよい状態で国土を引き継ぐ「持続可能な国土管理」へ転換すること。

 ポイントの2つ目として、従来の土地利用区分ごとの質的向上を目指した計画から、安全・安心、環境・共生、美(うるわ)しさの3つの観点から、横断的、総合的、双方向的に国土管理を展開することとしております。これらの国の国土利用の方向性と関連して、最近、大阪府の土地利用に関する取り組みとしましては、集約型都市構造の形成に向けた都市計画制度での対応の検討を進めております。また、みどり空間の保全に向けた、都市農業・農地空間保全方策の検討や府民参加型の森づくりの推進に取り組んでおります。また、土地利用区分の横断的な取り組みとして、災害に強い都市づくりの推進をはじめ、市街地の緑化から山並みの保全まで含めた緑づくりの推進施策の方向を明らかにする大阪府広域緑地計画の改定を進めるとともに、計画をモニタリングする手段として活用可能な地理情報システム(GIS)の整備・運用を行っております。

 最後に第4次大阪府国土利用計画の策定でございますが、現在の第3次大阪府国土利用計画の目標年次が平成22年となっているため、平成22年までには大阪府計画を策定する必要があります。このため今後、府域の土地利用の状況・動向の把握、土地利用に関する各種計画の整理、個別法関連の新たな動きの整理など、土地利用に関する情報整理・基礎資料の作成を行い、全国計画や広域地方計画の内容を踏まえ、府の計画策定に向けた検討を行ってまいりたいと存じております。その際には、本審議会において、調査審議をお願いすることとなると思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 報告事項についての説明は、以上でございます。

○小林会長
 以上の説明について、何かご意見等はございますでしょうか。ご質問等はございませんか。

(「なし」と言う者あり)

○小林会長
 それでは、これをもちまして、平成18年度第1回大阪府国土利用計画審議会を閉会とさせていただきます。委員の皆様には、議事の進行にご協力いただきましてありがとうございました。

このページの作成所属
大阪都市計画局 計画推進室計画調整課 まちづくり調整グループ

ここまで本文です。


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