今月の事例解説(R1.9)

更新日:令和2年4月1日

今月の労働相談事例解説(Q&A)

Q1 労働者から、労働条件の明示についての相談

 個人事業所に採用され、働くことになりましたが、勤務時間や休日についての説明があいまいで不安です。
自分の労働条件について記された書面はもらっていません。どのように確認すればいいのでしょうか。
  

 労働契約を締結する際、使用者は労働者に、労働条件を明示しなければなりません。また、特に重要な労働条件である、労働契約の期間、期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項、就業の場所と内容、始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、賃金の決定、計算及び支払方法、退職(解雇の事由を含む)に関する事項等については、書面を交付して明示しなければなりません【労働基準法第15条、同法施行規則第5条3項、4項】。

 したがって、使用者に、労働条件通知書などの書面の交付を求め、早急に、労働条件を労使双方で確認することが必要です。

 なお、上記については書面交付が原則ですが、平成31年4月からは労働者が希望した場合に限り、FAXや電子メール等でも明示できるようになっています(出力して書面を作成できるものに限られます)【労働基準法施行規則第5条4項】。 

※労働条件通知書の様式例については、以下のホームページをご参照ください。
 ○「主要様式ダウンロードコーナー(外部サイト)」(厚生労働省ホームページ)

Q2 労働者から、育児休業後の短時間勤務についての相談

 正社員として勤務しています。現在は育児休業中です。復帰後は保育所を利用したいと考えていますが、短時間勤務制度というものがあると聞きました。
 どういうものなのでしょうか。

  育児・介護休業法第23条では、事業主は、3歳に満たない子を養育する労働者について、所定労働時間を短縮することにより当該労働者が就業しながら子を養育することを容易にするための措置(短時間勤務制度)を講じなければならないとしています。

 この短時間勤務制度は、1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置を含むものとしなければならない【育児・介護休業法第23 条、同法施行規則第74条第1項※】とされています。

 まずは、育児・介護休業法にもとづき会社の就業規則や労働組合があれば労働協約等で社内でどのような制度を定められているかを確認し、希望を伝えて話し合われてはどうでしょうか。

 なお、この制度については、以下のすべてに該当する労働者が対象となります。

 ア 1日の所定労働時間が6時間以下でないこと

 イ 日々雇用される者でないこと

 ウ 短時間勤務制度が適用される期間に現に育児休業をしていないこと

 エ 労使協定により適用除外とされた以下の労働者でないこと

 (ア) その事業主に継続して雇用された期間が1年に満たない労働者

 (イ) 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

 (ウ) 業務の性質又は業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者


 短時間勤務制度の利用等でトラブルになったりした場合には大阪労働局雇用環境・均等部指導課や当所への相談やそれぞれの紛争解決援助制度の活用もご検討ください。

 ※育児・介護休業法:「育児休業・介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」

 また、短時間勤務制度以外にも育児をしながら働くことを支援する制度があります。以下のホームページもご参照ください。
 ○「仕事と育児・介護との両立支援について(外部サイト)」(大阪労働局ホームページ)

 ○「女性のための働くルールブック」(大阪府総合労働事務所ホームページ)
 

○厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし(外部サイト)」(平成30年9月作成)

Q3 使用者から、働き方改革による年次有給休暇の5日の付与についての相談

  働き方改革関連法により、平成31年4月から年5日の年次有給休暇を労働者に取得させることが義務付けられたのは知っていますが、当社では新入社員に対して4月1日の入社と同時に法定の基準日より前倒しして10日の有給休暇を付与しています。
   この場合、5日の年次有給休暇はいつまでに取得させる必要があるのでしょうか。

  年次有給休暇は雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し、全所定労働日の8割以上出勤した労働者に対して、使用者は事業所の規模にかかわらず付与しなければなりません。付与日数は勤続年数に応じて加算され、1週間の所定労働時間が30時間以上または1週間の所定労働日数が5日以上の労働者であれば10日の年次有給休暇が取得可能になり、パートタイム労働者のような非正規労働者であっても、週所定労働日数等に応じて有給休暇が付与されます【労働基準法第39条第1項、同第2項、同第3項】。

   年次有給休暇については、平成30年の働き方改革関連法の成立による労働基準法の改正により、平成31年4月から全ての企業において年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含む)に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられました。この際は、使用者が労働者に取得時季の意見を聴取し、使用者は労働者の意見を尊重して取得時季を指定することとされています。

  本件の場合は、法定の基準日(雇入れの日から6か月後)より前倒しして10日の年次有給休暇を付与していますが、このような場合はその日(4月1日)から1年以内に5日の年次有給休暇を取得させる必要があります。

※年5日の年次有給休暇の取得については以下のリーフレット(ホームページ)もご参照ください。
○「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説(外部サイト)」(厚生労働省リーフレット)

このページの作成所属
商工労働部 雇用推進室労働環境課 相談グループ

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