今月の事例解説(H28年9月分)

更新日:令和2年4月1日

今月の労働相談事例解説

Q1 正社員から会社都合による休業についての相談

 現在、飲食店に勤めています。ホールスタッフ(給仕)として採用されましたが、お店があまりはやっていないため、出勤しても給仕の仕事がなく、雑用をしていることも多い状況です。先日、「今日は仕事がないから、もう帰るように。明日も休業するように。」と指示されました。お店から休業させられた場合、給料は保障されるのでしょうか。内に労働組合が無いので、労働組合を立ち上げたいと考えています。組合を結成するにはどうすればよいですか。

 休業とは、労働者が労働契約に従い労働の用意をなし、しかも労働の意思があるにもかかわらず、それが拒否、または不可能となった場合をいいます。事業の全部または一部が停止される場合にとどまらず、特定の労働者に対する就業拒否も含まれ、また、1日の一部あるいは半分の休業もあり得ます。

 民法では、使用者の責に帰すべき事由によって労働者が労務の提供をすることができなくなった場合は、労働者は、反対給付である賃金を受ける権利、全額を請求する権利があるとされています【民法第536条第2項】。

 しかし、実際に全額を支払わせるには最終的に民事訴訟によらなければならず、労働者の保護が十分とはいえないことから、労働基準法において、「使用者の責に帰すべき事由による場合」について企業の経営者として、天災地変等の不可抗力を主張し得ないすべての場合を含む広い解釈を行い、労働者の生活の最低保障を図ることとし、休業手当として平均賃金の100分の60以上の支払いが事業主に義務づけられています【労働基準法第26条】。

 また、不可抗力とは、(1)その原因が事業の外部より発生した事故であること、(2)事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてなお避けることのできない事故であることの2つの要件を備えたものでなければならないとされています。したがって、使用者側に起因する経営上の理由による休業は、使用者の責に帰すべき事由に当たると考えられます。

 なお、1日の一部あるいは半分の休業のような場合で、既に賃金が支払われていても、その日につき、全体として平均賃金の100分の60に相当する金額を支払わなければならず、実際に支給された賃金が平均賃金の100分の60に満たない場合は、その差額を支給しなければなりません【昭27.8.7基収3445号】。

 本件については、使用者に対し、会社都合による休業であることを確認し、賃金相当額又は休業手当の支払いを求められてはどうでしょうか。

Q2 パート社員からの社会保険についての相談

 現在の会社に1か月前からパート社員として、週30時間弱、勤務しています。社会保険については、現在、夫の被扶養者です。会社の総務担当者から、「現在の働き方であれば、今後、被扶養者でなくなるかもしれませんね」と言われました。これは、どういうことですか。

 現在、厚生年金保険及び健康保険(社会保険)の加入の対象者は、一般的に週30時間以上働く方となっています。そうでない方は、国民年金及び国民健康保険に加入されることになりますが、一定の認定基準を満たしている場合は、被保険者の被扶養者となることが可能です。たとえば、夫が被保険者の場合であれば、あなた(認定対象者)と同一世帯に属している場合、認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上又はおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は被扶養者となることができます。

  平成28年10月1日からは、厚生年金保険・健康保険の対象が、被保険者である従業員501名以上の会社で勤務する以下の要件を満たす方について、広がることになりました【公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律】。


 適用拡大の対象となるのは、勤務時間・勤務日数が常時雇用者の4分の3未満で、以下の(1)から(4)の全てに該当する方です。
   (1)週の所定労働時間が20時間以上であること
   (2)雇用期間が1年以上見込まれること
   (3)賃金の月額が8.8万円以上であること(残業代、通勤手当、精皆勤手当等は含まない)
   (4)学生でないこと

 したがって、あなたの場合も、本年10月1日からは、厚生年金保険及び健康保険の被保険者となる可能性がありますので、よく確認してください。
   
※ 「社会保険の適用拡大(外部サイト)」については、厚生労働省のホームページをご参照ください。

このページの作成所属
商工労働部 雇用推進室労働環境課 相談グループ

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