今月の事例解説(H28年4月分)

更新日:令和2年4月1日

今月の労働相談事例解説

Q1 女性正社員からの産前・産後に関連する母性保護措置などについての相談

 正社員として勤務しており、現在妊娠しています。悪阻(つわり)がひどく、切迫流産の診断により現在休業しています。会社では、女性職員の妊娠は初めてのことであり、人事担当者も母性保護措置などについて、よく理解しておらず、充分な説明もなく、不安でいっぱいです。
  産前・産後に関連する母性保護措置について教えていただけませんか。

  男女雇用機会均等法※において、事業主は、妊娠中・出産後の健康管理に関する措置(母性健康管理)を講じることが必要であると定められています。

  事業主は、妊娠中・出産後の女性労働者が保健指導・健康診査を受けるために必要な時間を確保し【男女雇用機会均等法第12条】、医師等による指導事項を守ることができるよう必要な措置を講じなければならないこととなっています【男女雇用機会均等法第13条】。

  具体的な女性労働者の母性健康管理に関する必要な措置は、次のとおりです。

  (1)女性労働者が妊産婦のための保健指導又は健康診査を定期的に受診するために必要な時間を妊娠週数に対応した頻度で確保できるようにすること。
  産後(出産後1年以内)において、医師等が保健指導又は健康診査を受けることを指示したときはその指示するところにより、必要な時間を確保できるようにしなければなりません。

  (2) 妊娠中及び出産後の女性労働者が、保健指導又は健康診査を受け、医師等から指導を受けた場合、その指導を守ることができるよう、事業主は次に示す勤務時間の変更や勤務の軽減を行うこと。
ア.妊娠中の通勤緩和(時差通勤、勤務時間の短縮、交通手段・通勤経路の変更等)。
イ.妊娠中の休憩に関する措置(休憩時間の延長、休憩回数の増加、休憩時間帯の変更等)。
ウ.妊娠中または出産後の症状等に対応する措置(作業の制限、勤務時間の短縮、休業等)。

  以上のことを踏まえ、必要であれば、事業主に対し、措置を求めるよう説明されてはどうでしょうか。事業主が対応しないなど問題があれば、労働局雇用均等室に相談されてはどうでしょうか。

※男女雇用機会均等法:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律

※男女雇用機会均等法関係については、厚生労働省のホームページをご参照ください。
雇用における男女の均等な機会と待遇の確保のために(外部サイト)

※妊娠・出産・育児に関する労働問題については、当所作成の啓発冊子「妊娠・出産・育児・介護etc.働く時・働き続けたい時に役立つ『マンガで読む女性のための働くルールBook』」をご参照ください。

Q2 紹介予定派遣労働者からの雇用形態に関する相談

 紹介予定派遣労働者として派遣先で6か月間働きました。私は、派遣前における派遣元会社との面接・雇用契約内容から派遣期間終了後には、無期雇用の正社員として派遣先事業主に直接雇用されると思っていたのですが、有期雇用の契約社員としての直接雇用となりました。結果として、現在、契約社員として働いていますが、どのように考えたらよいでしょうか。
 併せて、紹介予定派遣の概要について教えて下さい。


 紹介予定派遣とは、派遣元事業主が、派遣労働者・派遣先に対して、職業安定法その他の法律による許可を受けて職業紹介を行う(ことを予定している)ものをいいます。派遣受入期間は6か月以内となっています。紹介予定派遣に限り、派遣先の事前面接・履歴書の送付などが可能です。

 また、紹介予定派遣の場合は、派遣元は、あらかじめ、紹介予定派遣である旨及び紹介予定派遣を経て派遣先が雇用する場合に予定される労働条件として、労働契約の期間に関する事項等を明示しなければなりません。

 なお、派遣先が、紹介予定派遣者を受け入れた場合において、派遣労働者を雇用しなかった場合には、派遣元の求めに応じ、その理由を明示しなければなりません。派遣元は、派遣労働者の求めに応じて、派遣先に対し理由の明示を求め、派遣先から明示された理由を、派遣労働者に対して書面等で明示することとされています。

 あなたの場合、派遣前における、派遣元の説明及び就業条件明示書の内容、特に期間の定めの有無について確認され、その時の説明や書面どおりの取扱い(「派遣先において、期間の定めのない契約社員となる」又は「派遣先において期間の定めのない正社員となる」等)を求めてはどうでしょうか。【労働者派遣法※第2条第4号、第26条第6項、第34条など参考】

※労働者派遣法:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律

Q3 使用者からの事業所閉鎖に伴う退職金の支払いについての相談

 事業所を経営していますが、ここ数年業績悪化が続き、経営状況が芳しくなく赤字決算が続いています。半年間の事業整理期間終了後に事業所を閉鎖しようと考えています。
 従業員にも、経営状況などを説明し、事業所閉鎖については同意を得ています。
 事業所には、退職金の支給に関する規定はありませんが、これまで過去に退職した従業員に対し、勤務年数などに応じ、退職金を支給してきました。
 今回、事業所を閉鎖するにあたり、従業員に対し退職金を支給しないといけないでしょうか。


 退職金は、法律上支給が義務付けられているものではありませんが、就業規則、労働契約、労働協約などで支給することや支給基準が定められている場合は、労働基準法の「賃金」に当たると理解され、支給基準に従って支給されるものと考えられています。

 また、事業所において、退職金支給基準や支給規定がなかったとしても、これまで過去に退職した従業員に対し、退職金が支払われていた労使慣行や、「支払う」という個別的な合意などがあれば、従業員は、退職金を請求することができるものと考えられています。

 経営状況などを説明され、従業員の方々も、退職につながる事業所閉鎖に同意されていることなどに鑑み、これまでの支給慣行なども考慮され、会社の決算状況などへの理解を求め、退職金の支払及び支払方法などについて、従業員の方とよく協議されてはどうでしょうか。

このページの作成所属
商工労働部 雇用推進室労働環境課 相談グループ

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