今月の事例解説(H28年3月分)

更新日:令和2年4月1日

今月の労働相談事例解説

Q1 高年齢者継続雇用に関する相談労働時間に関する相談

 正社員として勤務し、54歳になります。会社の定年は60歳ですが、定年退職した時点では年金を受け取れないので不安です。

 最近、定年の延長等の制度がある他社のことを知りましたが、定年後も働きつづけることができるのでしょうか。 


 平成25年に改正された高年齢者雇用安定法では、(1)定年年齢の引き上げ、(2)継続雇用制度の導入、(3)定年の定めの廃止のいずれかの措置を講じなければならないとされ、これらは企業規模を問わず措置される必要があります【高年齢者雇用安定法第9条】。

 また、平成25年4月1日の改正法施行までに労使協定により継続雇用制度の対象を限定する基準を定めていた事業主については、経過措置として、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢以上の年齢の者について継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めることが認められています。

 ご相談の場合では、まずは会社の就業規則の内容を確認するとともに、措置が講じられていない場合には、会社に対して高年齢者雇用安定法の定めがあることを伝え、改善を求めてはどうでしょうか。

 なお、改善を求めるにあたっては、同僚の方と共に会社と話し合われたり、労働組合に相談したり、大阪労働局に指導を求めることも検討されてはどうでしょうか。

Q2 学生のアルバイト先の賃金に関する相談

 学生ですが、最近、食品販売店でアルバイトを始めました。店の経営者から「最初の2日間は見学なので無給。賃金は次の週から支払う」と言われました。

 見学の間は、1日あたり4時間ということですが、このようなことは認められるのでしょうか。


 研修については、「労働者が使用者の実施する教育に参加することについて、就業規則上の制裁等の不利益取扱による出席の強制がなく自由参加のものであれば、時間外労働にはならない」とされている行政解釈があります【昭26.1.20基収2875号】。これに当たらない研修、すなわち、使用者が業務として出席を強制的に指示するような場合は、「労働」に当たると考えられ、「労働」に当たる場合には、使用者に賃金を支払う義務があります。

 ご相談の場合では、労働条件通知書や雇用契約書の内容を確認するとともに、見学についてどのような説明があったのか、また、見学の間、店でどのようなことをしたのかという実態を記録してください。その実態が労働に当たるかどうか判断がつかない場合は、労働基準監督署に、記録を元に実態を説明し、賃金を支払うべき労働に当たるかどうか相談してはどうでしょうか。労働に当たる場合は未払賃金を請求することができます【労働基準法第24条】。

Q3 使用者(派遣先)から派遣労働者の社会保険に関する相談

 派遣労働者を6か月契約で使用する予定ですが、受け入れる派遣労働者の社会保険(健康保険、年金保険)が未加入であることが分かりました。1週当たりの労働時間は30時間以上あるのですが、当社が保険の加入事務をする必要があるのでしょうか。


 社会保険については、2か月以上雇用が継続され、通常の労働者の概ね4分の3以上の労働時間がある場合は、加入する義務があります。

 派遣労働者については派遣元が派遣労働者と労働契約を締結するため、派遣元が加入義務を負い、派遣先には加入義務はありません。

 しかし、派遣先には、「派遣労働者が社会保険に加入していない理由が適正でないと考えられる場合には、派遣元に対し、当該派遣労働者を社会保険に加入させてから派遣するよう求めること」が、派遣先が講ずべき措置として定められています【派遣先が講ずべき措置に関する指針 平成27年厚生労働省告示第407号 第2の8】。

 したがって、本件については、派遣元に対して、当該派遣労働者の社会保険の加入を求めてください。

このページの作成所属
商工労働部 雇用推進室労働環境課 相談グループ

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