今月の事例解説(H27年10月分)

更新日:平成27年11月1日

今月の労働相談事例解説

Q1 パワハラに関する派遣社員からの相談

 派遣社員として勤務しています。派遣先の現場で、勤務中に私がいないときに、派遣先の社員や同僚の派遣社員に陰口を言われ、仲間外れにされています。このことで派遣元に苦情申し入れを数回しましたが、陰口や仲間外れは一向に改善されません。

 また、派遣労働契約書には、派遣先の苦情処理申出先などの記載はなく、口頭でもこれらについて教えてもらっていません。

 このような場合、どのように対応したら良いでしょうか。 


 厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告(H24.1.30)」では、職場のパワーハラスメントの行為類型として、「(1)身体的な攻撃、(2)精神的な攻撃、(3)人間関係からの切り離し、(4)過大な要求、(5)過小な要求、(6)個の侵害」が示されています。

 本件については、「(3)人間関係からの切り離し」に該当する可能性があると考えられます。

 派遣先、派遣元は労働者に対し、それぞれ使用者として安全配慮義務や職場環境の調整義務を負い、いじめ・嫌がらせ・パワハラ行為がない等、労働者が安心して働けるよう配慮する義務があります【労働契約法第5条、労働安全衛生法第71条の2、労働者派遣法第45条】。

 また、派遣元は派遣労働者に対し、労働者派遣契約締結時に派遣先における苦情処理申告先の窓口などを明示する義務があります【労働者派遣法第26条、派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針】。

 一方、派遣先は派遣労働者からの苦情の申告を受けるとともに派遣元と密接な連携のもとに誠意をもって当該苦情の適切かつ迅速な処理を図らなければなりません【労働者派遣法第40条、派遣先が講ずべき措置に関する指針】。

 以上のことを踏まえ、派遣元及び派遣先と話し合ってはどうでしょうか。また、労働者派遣事業に係る指導監督を行っている労働局需給調整事業部へ相談されることも検討されてはどうでしょうか。

 以下のホームページもご参照ください。

 ○「労働者派遣事業」(厚生労働省大阪労働局ホームページ)

  →http://osaka-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/hourei_seido_tetsuzuki/roudousha_haken/hourei_seido/hakenjigyou.html

 ○「職場のハラスメント防止・対応ハンドブック」(大阪府総合労働事務所ホームページ)

  →http://www.pref.osaka.lg.jp/sogorodo/hara-sassi/index.html

Q2 パートタイム労働者(期間の定めのない労働契約)の退職に関する相談

 期間の定めのないパートタイム労働者として勤務して、半年になります。考えていたよりも業務多忙で大変なため退職したいと考え、口頭で、使用者に退職を申し入れているのですが受け入れてくれません。このような状況では退職することはできないのでしょうか。


 あらかじめ労働契約の期間が定められていない労働者については、民法では、いつでも退職の申し入れをすることができます。そして、使用者側に労働契約の解約を申し入れた場合、その後2週間を経過することで労働契約が終了することが原則と定められています【民法第627条第1項】。

 今後は、口頭ではなく、退職届を提出するなど、書面で使用者側に労働契約の解約を申し入れてはいかがでしょうか。

 なお、勤務先において、就業規則等で退職の申出期間等が定められている場合もあります。円満な退職のためには、まずは、就業規則を確認されてはいかがでしょうか。

Q3 使用者からのアルバイトの学生(期間の定めのある労働契約)の退職に関する相談

 コンビニエンスストアを経営しています。半年間の契約で雇用したアルバイトの学生が当初から勤務態度が悪く販売員として戦力にならない状態でした。そのため、再三注意しましたが、改まらない状況でした。先日、「あなたに辞めてもらう方向で話合いをしたい」と話合いを持ちかけたところ、「少し待ってもらいたい」とのことでした。本日メールがあり、「退職するので、1か月分の賃金相当額を支払ってもらいたい。」と書かれていました。どのように考えれば良いでしょうか。


 
期間の定めのある労働契約(有期労働契約)では、原則として、やむを得ない事由(事業の継続ができなくなった等)がない限り、期間の途中で解雇することはできません【労働契約法第17条第1項】。

 ただし、使用者から労働者に対して退職を勧め(退職勧奨)、この退職勧奨に労働者が承諾すれば、期間の途中であっても双方合意の上での合意解約が可能です。また、労働者が使用者に対して退職を申し出て、使用者が承諾すれば、同様に合意解約となります【労働契約法第8条】。

 なお、退職の条件等については、就業規則に退職金の規程等があればそれを根拠としますが、ない場合には、双方の話し合いで決定されることになります。

 以上を踏まえ、現在労働者が提示している退職の条件を使用者として受け入れるかどうか検討され、最終的に、双方が労働契約をどのように終了すれば合意できるのか、納得できるよう冷静に話し合いをされてはいかがでしょうか。また、合意に至らず、最終的に、勤務態度不良により解雇を検討される場合には、当該解雇の合理性について慎重に検討され、内容及び手続きについて、適切な対応をされる必要があります【労働契約法第16条等】。

 以下のホームページもご参照ください。

 ○「労働契約・解雇・雇止め・退職勧奨・未払賃金トラブル防止Q&A」(大阪府総合労働事務所ホームページ)

  →http://www.pref.osaka.lg.jp/sogorodo/kaikotaishoku-qa/index.html

このページの作成所属
商工労働部 総合労働事務所 相談課

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