今月の事例解説(H27年2月分)

更新日:平成27年3月1日

今月の労働相談事例解説

Q1 契約社員の方からの労働条件の不利益変更に関する相談

 1年間の契約を毎年結び、8年前から同じ病院で、食事の配膳や食器洗浄の業務を行っています。当初は病院と契約をしていたのですが、6年前に、同業務を落札した今の使用者に、同僚全員とともに雇用が引き継がれ、今の使用者と労働契約を結びました。その時に、初めて賃金がカットされ、それ以来、労働条件が切り下げられています。

  このたび、交通費の支給が1年間の契約途中にカットされることになり、そのことを記載した確認書にサインするよう求められました。使用者は、「交通費は法律で支払わなくてもよいことになっている」と言っています。同僚ら全員も同じ提示を受け、困っています。アドバイスはありますか。


  同じ場所で同じ仕事をされていても、6年前に使用者が病院から今の使用者に変更になった際には、今の使用者と労働者との間に、合意の上、新たな労働契約が締結されたことになります。

  また、労働契約の途中で労働条件を労働者にとって不利に変更することについては、労働者の合意が必要です【労働契約法第8条】。

  したがって、労働条件の不利益変更に同意ができない場合は、提示された確認書にサインをしないという対応になります。

 また、交通費の支給は確かに法律では義務付けられていませんが、今回のように、これまで支給してきたものを支給しなくなるというのは、労働条件の不利益変更に当たります。

 同じ立場の同僚が複数おられるのですから、皆さんで相談しながら使用者と話合いをしたり、労働組合を結成して、労働条件について団体交渉の中で話し合ってはどうでしょうか。

 なお、使用者が、正当な理由がなく団体交渉を拒むことは、不当労働行為として禁止されています【労働組合法第7条第2号】。

 ※  労働組合と使用者との集団的労使関係については、当所作成の啓発冊子「あすへの対話―労働組合の結成と運営」をご参照ください。

  http://www.pref.osaka.lg.jp/sogorodo/keihatusahi-refureto/asuhenotaiwa.html

Q2 正社員の方から介護休業に関する相談

 高齢で病気を患っている母親がいます。余命わずかであると主治医から言われたので、終末期を自宅で看取りたいと思っています。仕事は辞めたくないので、介護休業を取得したいと思うのですが、会社にどのように話をしたらよいでしょうか。また、介護休業を取得することで、会社から辞めるように言われたり、クビになったりしないか心配です。


 労働者は、事業主に申し出ることにより、対象家族1人につき、要介護状態に至るごとに1回、通算して93日まで、介護休業をすることができます。「要介護状態」とは、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり、常時介護を必要とする状態をいいます。

 介護休業を申し出るには、1)対象家族が要介護状態にあること、2)休業開始予定日及び終了予定日を明らかにして、原則として休業開始予定日の2週間前までに、書面等により事業主に申し出る必要があります【育児介護休業法※第11及び第12条】。

 また、事業主は、介護休業の申出や取得を理由として、解雇その他不利益な取扱いをすることは禁じられています【育児介護休業法第16条】。

 なお、退職勧奨を受けた場合、退職の意思がないのであれば、応じる必要はありません。

※育児介護休業法:育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律

※  介護休業については、当所作成の啓発冊子「妊娠・出産・育児・介護etc.働く時・働き続けたい時に役立つ『マンガで読む女性のための働くルールBook』」をご参照ください。

  http://www.pref.osaka.lg.jp/sogorodo/keihatusahi-refureto/joseirulebook.html

このページの作成所属
商工労働部 総合労働事務所 相談課

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