今月の事例解説(H26年12月分)

更新日:令和2年4月1日

今月の労働相談事例解説

Q1 正社員の方からの試用期間中における解雇予告手当に関する相談

 ハローワークの求人票により、試用期間を6か月として採用され勤務をはじめました。

1か月勤務後、社長から「即日解雇」を告げられましたが、使用者が労働者を解雇する場合、使用者は解雇予告手当を支払わなければならないと聞いています。 

試用期間中の「解雇」については解雇予告制度の適用はないのでしょうか。 

 なお、自分でもこの仕事には向いていないと思っていましたので、解雇されたこと自体は納得しています。


  使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならないこと、30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を解雇予告手当として支払わなければならないと法律で定められています【労働基準法第20条】。

 試用期間中の場合は、解雇予告を行わずに解雇することができることとなっていますが、採用後14日を超えて就労した労働者には、解雇予告手当制度の適用があります【労働基準法第21条】。

 このことを使用者の方へ説明をされ、解雇予告手当の支払いを求められてはどうでしょうか。

Q2 正社員の方からの中小企業退職金共済制度(略称:中退共制度)に関する相談

 数十名規模の会社で勤務して3年になります。

 先日、社長より、「売上減少に伴い事業縮小を行うので退職してほしい」と言われました。就業規則によると、会社は退職金の支給に関し、中退共制度に加入しておりますが、会社より退職金の支給及び中退共制度についての説明がなく不安です。

 退職金は支給されるのでしょうか。退職金支給にかかる中退共制度について教えてください。前からスーパーで時給780円で勤務しています。


 中退共制度は、中小・零細企業において単独では退職金制度をもつことが困難である実情を考慮して、中小企業者の相互扶助の精神と国の援助で退職金制度を確立し、これによって中小企業の従業員の福祉の増進と雇用の安定を図ることなどを目的とし「中小企業退職金共済法」に基づき設けられています。

 毎月の掛金は全額事業主負担となっており、事業主は、従業員が退職したときに「退職金共済手帳(請求書)」を従業員に渡します。

 退職した従業員は、「請求書」を中退共に送付すると、中退共は、「請求書」に基づいて、退職した従業員の預金口座に退職金を直接振り込み退職金が支給されることとなります。

 会社の給与担当者に確認してみて下さい。

Q3 使用者の方からの「期間の定めのある労働契約」の契約解除(解雇)に関する相談

 有期の契約期間で雇用した労働者がいます。

 この労働者は、遅刻をするなど職場規律違反があり、勤務態度不良と判断しています。

 会社の経営状況も不振が続き、当該労働者が所属する部署の売上も減少していることなどから、会社としては事業を縮小する必要に迫られています。

 契約期間の途中ではありますが、労働契約を解除し、当該労働者を円満に解雇したいと考えています。どのような点に留意し対応したらよいでしょうか。

 
 
「使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。」と規定されています【労働契約法第17条第1項】。

 「やむを得ない事由」があるか否かは、個別具体的な事案に応じて判断されるものですが、契約期間は労働者及び使用者が合意により決定したものであり、遵守されるべきものであることから、「やむを得ない事由」があると認められる場合は、解雇権濫用法理における、「客観的に合理的な理由であって、社会通念上相当なもの」よりも限定的なものと解されます。

 ただし、当事者が「やむを得ない事由」により契約を解除する場合であっても、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負います【民法第628条】。

 会社の事業縮小の理由・必要性などを十分に説明し、労働者の了解を求める努力をされ合意による契約解除が円満な方法だと考えます。

このページの作成所属
商工労働部 雇用推進室労働環境課 相談グループ

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