今月の事例解説(H26年9月分)

更新日:平成26年10月1日

今月の労働相談事例解説

Q1 正社員の方からの労働組合の結成に関する相談

 未払い残業代の支払いを要求するために、同僚数名で労働組合を結成したいと思います。

 結成した場合、代表者や役員の氏名などを、どこかの行政官庁に届け出たり、使用者に通知したりすることは必要ですか。


  労働組合は、労働組合法第2条に、「労働者が主体となって、自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又は連合団体をいう。」と規定されています。具体的には、労働者が2名以上集まり、組合規約、活動方針等を定めれば自由に結成することができます。官公庁への届出や使用者の承認は不要です。

 ただし、使用者の団体交渉拒否など不当労働行為にかかる労働委員会への申し立て等、労働組合法上の救済を受けようとするとき等は、労働委員会の資格審査が必要となります【労働組合法第5条第1項】。

 また、使用者側に対しては、全役員の氏名、全組合員の氏名、組合規約を明らかにすることは法的に義務付けられているものではありません。しかし、交渉にあたっては、使用者側に、組合結成の通知を行い、要求書の提出、団体交渉の申し入れを行うことになりますが、その際は、代表者や交渉窓口担当者を明らかにするのが一般的です。

  *  労働組合と使用者との集団的労使関係については、次の当所発行啓発冊子をご参照ください。

「あすへの対話―労働組合の結成と運営―」

    → http://www.pref.osaka.lg.jp/sogorodo/keihatusahi-refureto/asuhenotaiwa.html

Q2 正社員の方からの団体交渉についての相談

 入社以来、業務量が多く、休憩時間を十分に取らせてもらえません。時間外勤務を行った時にも、タイムカードは定刻の終業時刻に打刻するよう使用者から指示されているので、残業代も請求できません。経営状況を理由に定期昇給もありません。

 こうした状況を打開するため、個人で加入できるユニオン(合同労組)に同僚と二人で加入し、会社内に分会を結成しました。ユニオンから団体交渉を申し入れていますが、決定権限のない人事総務の担当者との事前の話合いに止まり、団交には進展していません。

 今後、どのように対応していけば良いのでしょうか。


 使用者が、雇用する労働者の代表者と団体交渉することを正当な理由なく拒むことは、不当労働行為として禁止されています【労働組合法第7条第2号】。また、この場合の「雇用する労働者の代表者」とは、企業別組合であるか、合同労組であるかは問われていません。

 したがって、使用者が今後も正当な理由なく団体交渉の開催を拒否するのであれば、労働委員会に対し、不当労働行為の申立てを行うことが考えられます。

 また、残業代については、実際の時間外労働時間及び賃金を計算し、使用者に請求した後、未払賃金であるとして、事業所を管轄する労働基準監督署に「申告」することも可能です【労働基準法第104条】。

 こうした法的手段を検討することも考えられますが、より多くの従業員が職場の問題ととらえ、団体交渉を通じて問題解決を図ることも大切な方法であると考えます。

  *  不当労働行為の申立てについては、次の大阪府労働委員会のホームページをご参照ください。

    → http://www.pref.osaka.lg.jp/rodoi/shinsa/index.html 

Q3 使用者の方からの組合の争議行為に関する相談

 社内に2つの労働組合があります。一時金について、それぞれの労働組合と団体交渉を重ねましたが、少数組合とは妥結に至りませんでした。少数組合はストライキを行うような態度を表明しています。

 労働組合がストライキを行う際、事前に会社側に通告する必要はないのですか。

 
 
ストライキ(同盟罷業)は争議行為の1つであり、争議行為とは、「労働関係の当事者が、その主張を貫徹することを目的として行う行為及びこれに対抗する行為であって、業務の正常な運営を阻害するもの」のことです【労働関係調整法第7条】。

 一般的には、労働者が争議行為を行うにあたり、相手方への事前通告の法的義務はありませんが、労使間で事前通告の取決めをしていれば、この限りではありません。

 ただし、公衆の日常生活に欠くことのできない「運輸事業、郵便、信書便又は電気通信の事業、水道、電気又はガスの供給の事業、医療又は公衆衛生の事業」の労使が争議行為を行う場合には、所轄官庁への予告が必要です【労働関係調整法第8条第1項】。

 なお、使用者側が作業所閉鎖等の争議行為を行う場合も、同様です。

 *  争議行為の予告通知については、次の大阪府労働委員会ホームページをご参照ください。

    → http://www.pref.osaka.lg.jp/rodoi/sogi/index.html

*  労働組合と使用者との集団的労使関係については、次の当所発行啓発冊子をご参照ください。

「あすへの対話―労働組合の結成と運営―」

    → http://www.pref.osaka.lg.jp/sogorodo/keihatusahi-refureto/asuhenotaiwa.html

 

このページの作成所属
商工労働部 総合労働事務所 相談課

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