今月の事例解説(H26年7月分)

更新日:令和2年4月1日

今月の労働相談事例解説

Q1 正社員の方からの社内旅行積立金の返還に関する相談

 正社員として、10年間勤務し、このたび、一身上の都合で退職することになりました。

私の会社では、社員の親睦を図るための社内旅行が行われており、毎月、旅行の積立金として4,000円が賃金から控除されてきました。

今回、退職に当たり、私の社内旅行積立金が5万円残っていることがわかりました。返してもらえるのでしょうか。


  退職の際の金品の返還に関し、使用者は、労働者の退職の場合において、労働者の請求があった場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければなりません。また、賃金又は金品に関して争いがある場合には、異議のない部分を7日以内に支払い、又は返還しなければなりません【労働基準法第23条】。

 社員からの社内旅行の積立金は、会社がその旅行のために預かっているにすぎませんので、労働者の権利に属する金品です。本件の社内旅行の積立金についても、残金の返還を請求してはどうでしょうか。

Q2 契約社員の方からの残業代未払いに関する相談

 契約社員として、1日8時間、週5日の契約で勤務しています。しかし、実際の労働時間は、1日8時間を大幅に超過しています。残業代は支払われていますが、割増賃金の金額にはなっていないようです。割増賃金分について、残業代の未払として会社に請求したいのですが、どのようにしたらよいでしょうか。


 労働基準法では、原則として、1日8時間・1週間40時間の法定労働時間を超えて労働させた場合には、割増賃金を支払わなければなりません。法定労働時間外、深夜(原則として午後10時から午前5時)に労働させた場合には、2割5分以上、法定休日に労働させた場合は3割5分以上の割増賃金となります【労働基準法第37条】。また、割増率が重複する場合として、時間外労働と深夜労働が重なった場合は5割以上、休日労働と深夜労働が重なった場合は6割以上となります。

請求方法ですが、支払期限を明示した未払残業賃金請求書面を作成のうえ、配達証明郵便などで、使用者に送付され、請求してはどうでしょうか。

それでも支払ってもらえない場合は、未払残業賃金請求書面の写し、給与明細書、勤務実績表、雇用契約書などの資料を持参して、事業所を管轄する労働基準監督署に未払残業賃金の「申告」【労働基準法第104条】をされてはどうでしょうか。

   なお、使用者は、「申告」をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならないとされています【労働基準法第104条】。

また、未払残業賃金請求額が60万円以下の場合、法的手段として自分一人でも手続きを行うことができる簡易裁判所における少額訴訟手続を行うこともできます。

  *  割増賃金については、次の当所労働相談Q&Aをご参照ください。
   → 「時間外、休日、深夜の割増賃金」      

Q3 使用者の方からの年次有給休暇の付与の方法に関する相談

 会社を経営しています。これまで、年次有給休暇の付与については1日単位としていましたが、多数の社員から、年次有給休暇の半日単位の付与及び時間単位付与(時間単位年休)を実施して欲しい旨の要望がありました。業務に支障のない範囲で要望を受入れたいと考えています。実施方法・考え方などを教えて下さい。

 
 
労働基準法は、年次有給休暇の付与を1日単位としていますので、労働者が半日単位で請求してもこれに応じる法的義務はありませんが、請求に応じて、使用者の任意で半日単位で付与することは可能です。
 

 また、年次有給休暇の時間単位の付与(時間単位年休)については、労使協定を締結すれば、年に5日を限度として時間単位で年次有給休暇を与えることができます。

労使協定に規定する内容は、(1)時間単位年休の対象労働者の範囲、(2)時間単位年休の日数、(3)時間単位年休の1日の時間数、(4)1時間以外の時間(2時間、3時間など)を単位とする場合はその時間数、となります。

   なお、時間単位年休も年次有給休暇ですので、事業の正常な運営を妨げる場合は使用者による時季変更権が認められます。【労働基準法第39条】

 *  年次有給休暇については、次の当所労働相談Q&Aをご参照ください。
   → 「年次有給休暇

このページの作成所属
商工労働部 雇用推進室労働環境課 相談グループ

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