今月の事例解説(H26年5月分)

更新日:平成26年6月1日

今月の労働相談事例解説

Q1 契約社員の方から退職に関する相談

半年間の有期労働契約を結び、働き始めてもうすぐ1か月になります。契約書では土日は休日になっていますが、実際には、土日に勤務を命じられることもあります。勤務場所も、契約書には家のすぐ近くの事業場が記載されていましたが、実際には、週3日は遠い事業場での仕事を命じられ、帰宅が遅くなっています。このまま仕事を続けることはできないので、今月末で退職したいと思うのですが、退職する場合、2週間前に申し入れなければならないと聞いたことがあります。そうなのですか。


 正社員のように雇用期間に定めがない労働者は、いつでも解約の申入れをすることができ、たとえ使用者からの合意がなくても、原則として解約申入れの日から起算して2週間を経過したときに労働契約は終了し、退職が成立します【民法第627条第1項】。                

     しかし、期間に定めがある有期労働契約の場合、原則、労働者は契約期間中労務を提供する義務があり、期間の途中で退職することはできません。ただし、重大な傷病で労務不能な状態になったなど、「やむを得ない事由」がある場合は、契約を解除することができます【民法第628条】。                                                                                          また、期間の定めの有無にかかわらず、労働者は、労働契約を結ぶ際に使用者から明示された労働条件と実際とが違っていた場合、いつでも退職することができます【労働基準法第15条第2項】。ご相談の場合、労働契約書で明示されていた休日や勤務場所が、実際の労働条件と異なっていたとして、退職を申し入れることは、いつでも可能であると考えます。

* 退職については、次の当所労働相談Q&Aをご参照ください。                                                         

         → http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/6026/00000000/047.pdf

Q2 正社員の女性からセクハラに関する相談

会社の部長に食事に誘われ、お付き合いが始まり、性的な関係を持つようになりました。その後、以前から私のことを良く思っていない同僚女性が二人の関係に気づき、意図的に、事実でないことも含め、職場全体に噂を広めました。その結果、私は職場で孤立した状態となり、つらい毎日を過ごしています。仕事にも支障が出ています。しかし、部長は何もしてくれません。このことについて、部長によるセクハラ問題であると、会社に申し入れてもよいのでしょうか。


 部長との合意の上での関係については、「他の者を不快にさせる性的な言動」【人事員規則10−10】には当たらず、セクハラであると主張することはできません。しかし、「性的な内容の情報を意図的に流布すること」は、セクハラになりうる内容であるとされています【平成18年厚生労働省告示第615号】。したがって、同僚女性による噂の流布はセクハラになりえます。そして、事業主は、労働者からセクハラについて苦情の申し出があった場合、適切な措置を取る必要があります【男女雇用機会均等法第11条】。                                        

    したがって、同僚女性が意図的に性的な噂を流していることに対し、やめるよう求めたり、使用者に対し、職場環境の改善のために、適切な措置を取ることを求めてはどうでしょうか。

 * 当所では、「職場のハラスメント防止・対応ハンドブック」を作成しています。誰もが働きやすい職場づくりのためにお役立てください。               

        → http://www.pref.osaka.lg.jp/sogorodo/hara-sassi/index.html

 

Q3 使用者の方からの退職した従業員に係る団体交渉に関する相談

退職した元従業員が会社内の労働組合に、現在も加入しており、その元従業員の退職の条件について、団体交渉を申し入れようとしているようです。退職した従業員が会社内の労働組合の組合員として認められるものなのでしょうか。また、このような団体交渉の申入れは、受けなければならないのでしょうか。


 
労働組合の運営については、組合規約と多数決による自治が認められています【労働組合法第5条参照】。したがって、会社内の労働組合が、退職した元従業員の労働組合の加入を認めている場合、会社が組合員であることを否定することはできません。                  

    退職した元従業員と使用者との間で、退職の条件や賃金等をめぐって争いがある場合、元従業員が労働組合を通じて団体交渉を申し入れたときには、使用者はこれに応じる義務があり、正当な理由がなく団体交渉を拒否すれば、不当労働行為に当たります【労働組合法第7条第2号】。

 * 労働組合と使用者との集団的労使関係については、次の当所啓発冊子「あすへの対話」をご参照ください。                            

         → http://www.pref.osaka.lg.jp/sogorodo/keihatusahi-refureto/asuhenotaiwa.html

このページの作成所属
商工労働部 総合労働事務所 相談課

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