今月の事例解説(H26年3月)

更新日:平成26年4月1日

今月の事例解説

Q1 契約社員の方からの雇止めに関する相談

 これまで1年間の有期労働契約を8回更新し、働いて9年目になります。従来から就業規則において契約社員の更新回数は5回までと定められていますが、5回目の期間終了までに会社から更新にかかる確認がなされないまま次期の雇用契約書が交付され、その後も同じような状況が続いています。
 これからも長く働き続けることができるものと理解していますが、今後、1年間の期間終了に伴い雇止めになることはあるのでしょうか。

A
 雇止め(更新の可能性がある有期労働契約について使用者が更新を拒否すること)については、契約が反復更新したことにより、それが社会通念上無期労働契約の解雇と同視できると認められる場合、または、労働者が期間満了時に更新されるものと期待することについて合理的な理由が認められる場合に、その雇止めが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は従前と同一の労働条件で契約の更新または締結の申込みを承諾したものとみなされ、同一の労働条件による有期労働契約が成立します【労働契約法第19条】。
 ご相談の場合は、就業規則の規定を超えた労働関係の実態から、当該労働者の契約更新への期待について合理的な理由があり、雇止めには、客観的に合理的な理由及び社会通念上の相当性が必要になるものと考えます。
 なお、同一の使用者との間で有期労働契約が通算で5年を超えて繰り返し更新された場合、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換します(通算契約期間のカウントは、平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約が対象です)【労働契約法第18条】。

 *  雇止めについては、次の当所労働相談Q&A及び労働契約・解雇・雇止め・退職勧奨・未払賃金トラブル防止Q&Aをご参照ください。
  → http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/6026/00000000/046.pdf
  → http://www.pref.osaka.lg.jp/sogorodo/kaikotaishoku-qa/index.html

 *  労働契約法については、次の厚生労働省HPをご参照ください。
  → http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/leaf.pdf

Q2 正社員の方からの休日に関する相談

 正社員として入社しました。応募の際の求人票に“土・日・祝”が所定休日と書かれており、入社時に交付された労働条件通知書にも“毎週土曜日及び日曜日、国民の祝日”が定例の休日であると記載されています。しかし、昨日配られた1か月間の勤務シフトでは、国民の祝日が出勤日になっていました。上司に尋ねたところ、就業規則において国民の祝日を休日とは定めていないと言われました。納得できません。

A
  労働契約において労働者が労働義務を負わない“休日”は、重要な労働条件であるため、法律で最低基準が定められ【労働基準法第35条】、労働契約に際し、使用者が労働者に書面を交付して明示しなければならない事項であるとともに【労働基準法第15条】、就業規則に必ず記載しなければならない事項です【労働基準法第89条】。
 他方、就業規則は、事業所の労働条件を統一的に定めたもので、合理的な労働条件が定められた就業規則が労働者に周知されている場合は(労働者が知ろうと思えば知ることができる状態であることを含む)、その内容が労働条件になります。しかし、労働者と使用者がそれを上回る条件を合意した場合は、それが労働条件になります【労働契約法第7条】。
 ご相談の場合は、個別の労働契約において就業規則を上回る労働条件(=所定休日)が合意されているものと考えられますので、法的な考え方を踏まえ、改めて確認されてはいかがでしょうか。

 *  休日については、次の当所労働相談Q&Aをご参照ください。
  → http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/6026/00000000/026.pdf

Q3 使用者の方からの定年後の継続雇用にかかる年次有給休暇に関する相談

 3月末日で初めて1人の社員が60歳定年により退職しますが、その社員が雇用の継続を希望したため、4月1日から週の所定勤務日数を5日から3日に少なくした上で雇用することとしました。これはいったん定年で退職した後の新たな雇用であると考えており、毎年4月1日が基準日である年次有給休暇の付与について、6か月が経過するまでゼロにしようと思っています。問題ないでしょうか。

A
 年次有給休暇は、法的には、採用日を起算日として6か月間継続勤務し、その間の全労働日の8割以上出勤した労働者に対し、その翌日に付与されますが、多くの企業では、多数の労働者の採用日が異なるため、年次有給休暇を斉一的に付与する基準日が定められています。また、定年退職した労働者について、労働条件を変更した上で同一の事業場で継続的に雇用することは、単なる企業内における身分の切り替えであり、実質的に労働関係が継続しているため、年次有給休暇の付与においては、それまでの勤務年数を通算しなければなりません【労働基準法第39条、昭63.3.14/基発第150号】。
 また、付与日数については、当該年度における所定労働日数をもとに算定します。
 そのため、ご相談の場合は、定年退職の翌日である4月1日に、定年退職までの勤務年数に基づき、週所定労働日数(3日)に応じた新たな年次有給休暇が付与されることになります。

 * 年次有給休暇については、次の当所労働相談Q&Aをご参照ください。
  → http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/6026/00000000/027.pdf

このページの作成所属
商工労働部 総合労働事務所 相談課

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