賃貸住宅の建物及び付帯設備に不具合はありませんか?

更新日:令和2年1月29日

賃貸住宅の建物及び付帯設備に不具合はありませんか?

 平成28年3月23日付けで、消費者庁から「賃貸住宅の建物及び付帯設備に不具合はありませんか?」が公表されました。内容は次のとおりです。

内容

 1.消費者庁には、賃貸住宅の建物及び備え付けられている設備や機器(以下「付帯設備」といいます。)について、生命身体に危害を及ぼす不具合(※1)に関する情報が653件(※2)(建物関係227件、付帯設備関係426件)寄せられています(平成21年9月1日から平成28年1月末までの登録分)。
 このうち約2割(147件)は、「修繕を求めたが貸主が対応してくれない」というものでした。賃貸住宅の建物や付帯設備には長期使用されているものも多く、定期的な点検や不具合の修繕等を行わずに継続使用した場合、重大な事故を起こすおそれがあります。


2.貸主におかれては、借主が賃貸住宅を安全に使用するために必要な修繕を行っていただくようお願いします。併せて、消費者庁では賃貸住宅の関係業界団体に対しても、以下の対応をするよう会員への周知を要請しましたので、賃貸住宅を利用する消費者の皆様にもお知らせします。
 (1)借主からの安全性に関する不具合の申出については、早急に点検し、必要な修繕を行うこと。
 (2)法令等に基づく建物及び対象設備の点検の対応はもとより、建物や付帯設備において、必要に応じた点検を実施すること。
 (3)賃貸住宅の付帯設備の内容、使用期間及び状態等について、借主等賃貸住宅を利用する消費者に情報提供すること。


3.賃貸住宅を利用する消費者の皆様は、以下の点に留意しましょう。
 (1)入居前に不明な点や気になる点は、十分な説明を受けましょう。
 (2)不具合があれば速やかに貸主や管理者に連絡して、対策を相談しましょう。
 (3)不具合の対応に関して困ったときは、賃貸住宅に関する相談窓口に相談しましょう。

(※1)建物の破損、腐食、管理不足等による危険状態や付帯設備の破損、故障、リコール未対策品、関係事業者等からの使用の中止の指示及び点検未実施等、安全性に問題が生じるおそれのある状態を指す。ただし、自然災害等外的な要因によるもの、明らかな誤使用や不注意によるものは除く。
(※2)消費者庁発足以降、事故情報データバンクに寄せられた事故情報。「事故情報データバンク」とは、消費者庁が独立行政法人国民生活センターと連携し、関係機関から「事故情報」及び「危険情報」を広く収集し、事故防止に役立てるためのデータ収集・情報システム(平成22年4月運用開始)であり、事実関係や因果関係が確認されていない事例を含む。件数は本件注意喚起のために特別に精査したもの。



1.賃貸住宅及び付帯設備の不具合発生状況
(1)賃貸住宅の問題発生状況
 消費者庁には、賃貸住宅の建物及び付帯設備について、生命身体に危害を及ぼす不具合に関する情報が653件寄せられています(平成21年9月1日から平成28年1月末までの登録分)。
 このうち、人にけがなどが発生した事故情報が323件、けが人は発生していないものの発生するおそれがあった危険情報が330件あり(図1)、安全に問題がある状態で継続使用されているものも含まれています。
 事故情報のうち、死亡事故が1件(換気扇が故障した状態でガス瞬間湯沸器を使用したことによって一酸化炭素中毒を起こした。)、また、浴槽の底が抜けて足にけがをした、給湯器が故障しシャワーで火傷を負った等、治療に1か月以上要した事故も25件発生しています(図2)。

図1 賃貸住宅の不具合件数

図2 賃貸住宅による危害の程度


 不具合箇所ごとの件数は、建物が227件(35%)、付帯設備が426件(65%)となっています。
 建物では、室内の床、天井・壁、屋根・外壁・窓、外階段の順に多く、付帯設備のうち、専有設備ではガス設備・器具、電気設備・器具、給排水設備の順に、また、共有設備ではマンホールの蓋等、配管の順に不具合が見られます(図3)。

図3 賃貸住宅の建物及び付帯設備の不具合箇所の内訳

(2)建物の不具合
 建物の不具合に関する情報は227件あり、建物自体又は壁や窓等の破損が多く見られます。築年数が明らかな46件の事故情報のうち41件(89%)の建物は、一般的に鉄部塗装や防水工事の検討が必要となると言われている築10年以上の建物でした。また築30年以上の古い建物も18件(39%)あり、外壁や天井の落下、外階段や手すりの腐食などは、老朽化や適切な管理がなされていないことによる事故と思われます。
 建物が傾いている等、住宅の構造が問題となっているものもあります。内覧時には分からず、入居してから床が傾いていることに気付いたというケースが多く、体調が悪化したり、生活に支障を来したりすることもあります。退去せざるを得なくなることもあり、入居する前の内覧時に注意することが必要です。
 また、雨漏りの相談も多く、放置されたことによる床の剥がれやカビの発生等の二次的な被害も報告されています。

<破損>
【事例1】
 アパートは築20年以上で、2階に住んでおり外階段を利用。外階段の腐食が激しく、上り下りの際に踏み板がガタガタしていたのが気になっていた。3日前、2階から1階へ下る時に、突然踏み板が外れ、階段から落下し、右足にけがをした。
(事故発生年月:平成27年8月 被害者:秋田県 治療1から2週間)

【事例2】
 築40年の住宅を2年間借り、修理して暮らしていた。2階の窓枠がガタガタで再三修理願いをしたが、放置された。窓枠が落ちて足にけがをした。補償してほしい。
(事故発生年月:平成21年8月 被害者:兵庫県 40歳代女性 治療1か月以上)

<建物・床の傾き>
【事例3】
 1か月前に入居した賃貸マンションは、床が傾いた欠陥住宅だった。入居して気付き、私と娘がめまいなど体調不良になった。改修してほしい。
(事故発生年月:平成23年5月 被害者:長崎県 40歳代女性 治療1週間未満)

<雨漏り>
【事例4】
 賃貸マンションの雨漏りの修理が不完全でカビがひどく、子供のアレルギーがひどくなり、医師から転居を勧められた。退去したいがどこまで補償してもらえるか。
(受付年月:平成23年8月 被害者:福岡県 10歳代女性 治療3週間から1か月)

(3)付帯設備の不具合
 賃貸住宅の付帯設備の不具合に関する情報は、426件寄せられています。
 住宅内のガス設備・器具、電気設備・器具、給排水設備等の専有設備の不具合が多く、またマンホールの蓋が破損してけがをした、エレベーターの故障で一時閉じ込められた等、共有設備の問題も見られました。
 設備が壊れてけがをした、製品の老朽化で発火やガス漏れが起きた等の実際に被害が発生したものに加え、事故は発生していないものの、ガス設備の定期保安点検でガス湯沸器が危険と判定され使用しないよう言われた、設置してある電気こんろがリコール対象製品であることが分かった等、修繕を行わずに使用を継続すると重大な事故につながりかねない事例もありました。
 賃貸住宅の付帯設備には、長期使用されているものも多く、定期的な点検や適切な修繕が必要です。賃貸契約の特約等により蛍光灯の交換やふすま紙の張替えなどの借主が行う軽微な修繕を除き、通常、付帯設備の修繕は、所有者である貸主が行うことになっています。不具合があれば、借主は貸主や住宅管理会社への早期の連絡が必要です。また、貸主や住宅管理会社は速やかな対応が求められます。
 法令に基づく点検には、電気設備安全点検(※3)、ガス設備定期保安点検(※4)、及び長期使用製品安全点検制度(※5)があります。賃貸住宅の付帯設備に長期使用製品安全点検制度の対象となる特定保守製品に該当する機器を設置する場合、貸主は、機器の製造又は輸入事業者へ所有者情報を登録して点検を受ける等、その保守に努めることが必要です。

(※3)電気事業法に基づき、4年に1度、電気事業者がメータ付近の配線状態や漏電の有無の他、屋内の分電盤の状態を点検する制度。
(※4)ガス事業法に基づき、3年に1度、ガス事業者がガス配管の漏えい検査、給排気設備(ガスふろがま・ガス湯沸器)などの点検を行なう制度。
(※5)消費生活用製品安全法に基づき、長期間の使用に伴い生ずる劣化(経年劣化)により安全上支障が生じ、特に重大な危害を及ぼすおそれの多い9品目(屋内式ガス瞬間湯沸器(都市ガス用、LPガス用)、屋内式ガスふろがま(都市ガス用、LPガス用)、石油給湯器、石油ふろがま、密閉燃焼式石油温風暖房機、ビルトイン式電気食器洗機、浴室用電気乾燥機)に対して設けられた点検制度。9品目の製造・輸入事業者(特定製造事業者等)、販売事業者等(特定保守製品取引事業者)、関連事業者、消費者等(所有者)それぞれが適切に役割を果たして経年劣化による製品事故を防止することを目的とする。

<付帯設備の破損>
【事例5】
 賃貸マンションに入居し、初めて浴槽に足を入れたところ、底が抜けて、左足関節捻挫(外側じん帯損傷)等の重傷
(事故発生年月:平成24年8月 被害者:東京都 30歳男性 治療1か月以上)

【事例6】
 入居当初から作動時にガタガタと異音がするとは思っていたが、家主等への報告はしなかった。1か月半前に換気扇を作動させようとひもを引いたら、換気扇の外枠が外れて自分の腕に当たり、赤くなって少し腫れた。
(受付年月:平成26年6月 被害者:東京都 女性 医者にかからず)

<使用禁止設備>
【事例7】
 アパートのガス給湯器が古くなり、都市ガスの定期点検で危険と判定されたので、管理会社に取替えを求めたが対応されない。着火時にガス臭い。
(受付年月:平成24年5月 神奈川県)

【事例8】
 賃貸住宅の据置き型電磁調理器から漏電している。不動産業者に修理して欲しいと伝えているが返答がない。困っている。ブレーカーが落ちるので電力会社に調査してもらい、築20年以上の住宅で当時設置されたものなので老朽化が原因と説明を受け、危険なので使用を禁止された
(受付年月:平成27年4月 千葉県)

<リコール未対策品>
【事例9】
 賃貸マンションの台所に設置している電気こんろがリコール対象製品であるとわかったが、大家はすぐ交換しない。調理もできず不便で不安だ。
 帰宅したら室内に煙が充満していて、こんろの上のインスタント食品が燃えていた。消防に連絡し、消防からリコール対象製品で管理会社の責任ではないか、と言われた。
(受付年月:平成22年11月 大阪府)


2.賃貸住宅の関係業界団体への要請
 民法では、「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。」と規定されています(第606条第1項)。これに基づき、国土交通省の「賃貸住宅標準契約書(改訂版)」においても、賃貸住宅の契約期間中の修繕について、「貸主は、借主が物件を使用するために必要な修繕を行わなければならない。この場合において、借主の故意又は過失により必要になった修繕に要する費用は、借主が負担しなければならない。」としています。また、業界の定める賃貸不動産管理のガイドラインでは、建物の維持管理や設備故障・水漏れ等のトラブルについて標準的な対応を示しています。
 しかしながら、消費者庁に寄せられた不具合情報653件のうち約2割(147件)に「修繕を求めたが貸主がなかなか対応してくれない」という内容が含まれていました。
 建物の破損や老朽化を放置した場合、住人が事故に遭う可能性があります。また、付帯設備には、こんろ、給湯器、エアコン、屋内配電設備、ガスや水周りの設備等、長期に使用されているものも多く、定期的な点検や不具合の修繕を行わないで使用を継続した場合は、火災や一酸化炭素中毒等の重大な事故を起こすおそれがあります。
 消費者庁では、賃貸住宅の安全な利用のため、関係業界団体に、会員に対して以下の点を周知していただくよう要請しました。

(1)借主からの不具合の連絡に対して誠実に対応し、特に安全性に関する不具合については早急に点検し、必要な修繕を行うこと。
【事例2】【事例7】【事例8】【事例9】

(2)法令に基づく電気設備安全点検、ガス設備定期点検及び長期使用製品安全点検制度への対応はもとより、建物や付帯設備において、必要に応じた点検を実施すること。

(3)賃貸住宅の付帯設備の内容、使用期間及び状態等について、借主等賃貸住宅を利用する消費者に情報提供すること。


3.賃貸住宅を利用する消費者の皆様へ
 賃貸住宅を利用する際は、以下の点に留意しましょう。
(1)入居時にはしっかり確認を
 入居する前に建物の傾きや危険な箇所がないか、付帯設備のガス器具や電 気器具が長期使用された古いものでないか等その状態をよく確認し、入居前に不明な点や気になる点は十分な説明を受け、入居後に使用しなければ確認できない設備は早い時点で確認しましょう。また、廊下や階段などの共有部分や住宅の周辺の状況も合わせて確認するとよいでしょう。

(2)不具合があれば速やかに連絡を
 建物や付帯設備に不具合を見付けた場合は、貸主又は管理者(住宅管理会社等)に速やかに連絡し、対策を相談しましょう。自らも、日常の生活の中で利用している付帯設備などの状態を点検するようにするとよいでしょう。
【事例1】【事例6】

(3)不具合の対応に関して困ったときの相談
 建物や付帯設備の不具合について修繕を求めたが、貸主が対応してくれない、というような場合は、賃貸住宅に関する相談窓口やお近くの消費生活センターに相談しましょう。
 また、付帯設備については供給事業者(電気、ガス、水道、機器メーカー、保守サービス)の意見を聞き、これらを基に相談されると良いでしょう。

【本件に関する問合せ先】
消費者庁消費者安全課
Tel:03(3507)9137(直通)
Fax:03(3507)9290

3.消費者庁News Release
 ※詳細は「消費者庁News Release(外部サイト)」をご覧ください


4. 消費生活相談窓口

    消費者ホットライン (局番なし)188(いやや!)
      
お住まいの市町村等の消費生活相談窓口をご案内します

    大阪府消費生活センター  06−6616−0888(ゼロ・ハチ・ハチ・ハチ) 
    消費生活に関する電子メール相談はこちらです

     当センターへのご相談に当たって、電話番号のかけ間違いが増えています。電話番号のかけ間違えは、たいへんご迷惑となります。
     お電話をおかけの際は、番号をよく確認の上、くれぐれも間違いのないようご注意をお願いします。

このページの作成所属
府民文化部 消費生活センター 事業グループ

ここまで本文です。