株式会社海翔

更新日:平成30年5月24日

 大阪府では、株式会社海翔(以下「本件事業者」という。)に対し、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号、以下「法」という。)の違反行為を認定し、法第8条第1項の規定に基づき、平成30年5月24日から平成30年8月23日までの3か月間、本件事業者に対して訪問販売に係る業務の一部停止を命じ、併せて法第7条第1項の規定に基づき指示を行うとともに、法第8条の2第1項の規定に基づき、本件事業者の代表取締役等に対して当該停止を命ずる範囲の業務の新たな開始の禁止を命じましたので、法7条第2項及び第8条第2項の規定に基づき、公表します。また、本件事業者と組織的関係を有する第三者の事業者名等について、併せて公表します。

1 本件事業者の概要

(1) 事業者名 株式会社海翔 (法人番号3120001130896)
(2) 屋 号   Rusty Perican、Ocean factory 心co.
(3) 代表者   代表取締役 齋藤久敏
(4) 所在地   大阪市大正区泉尾六丁目101番地
(5) 資本金   300万円
(6) 設 立   平成20年4月23日
(7) 取引類型 訪問販売
(8) 取扱役務 スキューバダイビング講習

2 取引の概要

 本件事業者の従業員が、いわゆるマッチングアプリで知り合った異性の消費者を、SNSのメッセージ機能を使って、飲食やイベント、ダーツゲームなどを理由に、同社の営業活動と密接に関連する事業者である株式会社プランクが運営する「キッチンハウスSWAN」(以下「SWAN」という。)などに誘引していました。その後、消費者をSNS等を使って、同様に勧誘目的を告げずに呼び出した際に、本件事業者のダイビングショップである「Rusty Perican」(以下「ショップ」という。)に立ち寄らせ、公衆の出入りしない場所において、迷惑を覚えさせる仕方でダイビング講習の役務提供契約を締結させていました。
 また、本件事業者の代表取締役らは、契約に際して支払いに必要な額の貯金が無いと申告した消費者に対し、金融機関に対して消費者がその支払能力を虚偽申告するように指示していたほか、消費者の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当な役務提供の勧誘を行い、通常必要とされる回数等を著しく超える契約を締結させていました。

3 処分の内容

(1) 業務停止命令(法人)
 平成30年5月24日から平成30年8月23日までの3か月間、法第8条第1項の規定に基づき、訪問販売に関する業務の内、次の業務を停止すること

 ア 訪問販売に係る役務提供契約の締結について勧誘すること
 イ 訪問販売に係る役務提供契約の申込を受けること
 ウ 訪問販売に係る役務提供契約を締結すること

(2) 指示(法人)
 ア 違反行為の発生原因について調査し、大阪府知事に報告すること
 イ 再発防止策及びコンプライアンス体制を構築し、大阪府知事に報告すること

(3) 業務禁止命令(個人)
 ア 業務禁止命令の対象者
   代表取締役 齋藤 久敏 (さいとう ひさとし)
   従業員    垪和 勇貴 (はが ゆうき)

 イ 業務禁止命令の内容
   平成30年5月24日から平成30年8月23日までの3か月間、業務停止を命ずる範囲の業務を新たに開始すること
   (当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含む。)

4 処分の原因となる事実

 本件事業者は、大阪府消費者保護条例第17条に規定する不当な取引行為を行っているとして、是正のために必要な措置を執ることを勧告されたにも関わらず、勧告を受け取った平成29年9月7日以降に締結された契約において、なお同様の不当な取引行為を行っていることが確認されたため、大阪府は、平成29年11月15日に本件事業者の事業者名等を公表していました。

 本件事業者の勧誘方法は、いわゆるマッチングアプリやLINEなどのSNSにより行われており、平成29年12月1日に施行された法改正により、SNSでの勧誘が新たに訪問販売の規制対象となったことを受け、同日以降に以下の不当な取引行為を行っていることが確認されたため、処分を行うものです。

(1) 勧誘目的不明示及び目的隠匿型勧誘後の公衆の出入りしない場所での勧誘 (法第3条及び法第6条第4項)
 本件事業者の従業員は、SNSで知り合った異性の消費者に対し、「友達が洋食屋をしてまして」「そこのパスタが美味しいんですよ」などと告げるのみで、役務提供契約の勧誘が目的であることを告げず、SWANに誘い出していた。さらに後日、再度食事等に呼び出した際に、SWANが開店するまでの空き時間などを理由にショップ内のラウンジスペースに立ち寄らせ、さらにショップ内の別室に移動させて、消費者を他の顧客等から引き離した環境で、本件事業者の代表取締役や従業員がダイビング講習の役務提供契約の勧誘を行っていた。

(2) 迷惑勧誘 (法第7条第1項第5号に基づく施行規則第7条第1号)
 本件事業者の代表取締役は、契約を断っている消費者に対し、「なんでやねんなぁ」「一生ものの趣味になる」などと、しつこく強引に繰り返し勧誘を続けるなど、迷惑を覚えさせる仕方で勧誘し、契約させた。さらに後日、100万円の追加契約について、当初契約と同様に迷惑を覚えさせる仕方で勧誘した。

(3) 支払能力虚偽申告教唆 (法第7条第1項第5号に基づく施行規則第7条第6号イ)
 本件事業者の代表取締役は、契約に際して支払いに必要な額の貯金が無いと申告した消費者に対し、金融機関での借入を勧めており、消費者の収入状況を確認して十分な収入の無い消費者に対して、同社で「働いていることにしよう」「年収は240万円と答えて」などと、金融機関に対して消費者がその支払能力を虚偽申告するように指示していた。また、本件事業者の従業員も消費者に対して、同社で「働いていることにする」旨を申告するよう指示していた。

(4) 適合性原則違反 (法第7条第1項第5号に基づく施行規則第7条第3号)
 本件事業者は、初・中級資格の取得を目的とする30万円の役務提供契約を結んだ消費者に対し、日を置かず、プール実習や海洋実習などを経ないままに、消費者の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当な上級資格の取得の前段階となる100万円の役務提供契約の勧誘を行っていた。

(5) 過量販売 (法第7条第1項第4号)
 本件事業者が消費者に締結させていた100万円の役務提供契約は、9つの専門的なコースをセットにして構成されており、この内、8つのコースが海洋実習を伴う役務提供契約であるが、過去2年間に実際に開催が確認された海洋実習は4コースのみである。さらに、修了証にあたるCカードが発行されたのは3コースの計5枚(2人分)のみであった。契約条件において、受講期限や解約手数料が期間に応じて定められていることを併せて勘案すると、9コース100万円の一括契約は、通常必要とされる回数等を著しく超えるものであった。

5 今後の対応

 業務停止命令及び業務禁止命令に違反した場合は、告発します。
 この場合、違反行為者は、3年以下の懲役又は300万円の罰金に処せられ、又は併科されることがあり、法人は3億円以下の罰金に処せられることがあります。
 また、指示に従わない場合は、行為者が6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられ、又は併科されることがあり、法人は100万円以下の罰金に処せられることがあります。

6 苦情相談等の状況

 大阪府内の消費生活相談窓口に寄せられた同社に関する消費生活相談は、これまでに108件です。
 内、73件が平成28年度以降に集中しています。
 契約者の年齢は、契約時点で20歳から35歳までです。
 同社は、平成29年12月1日以降、少なくとも26人の消費者と41件の契約を行っています。

7 勧誘事例

 本件の違反事実は、別表の勧誘事例等により認定しました。

8 第三者情報の公表

 下記の事業者は、本件事業者と組織的関係を有する第三者として認められることから、消費者被害の拡大防止等のため消費者に十分な情報を提供する観点から、その事業者名等を公表します。

(1) 事業者名 株式会社プランク (法人番号4120001140770)
(2) 屋 号   キッチンハウスSWAN(スワン)
(3) 代表者   代表取締役 藤澤圭子
(4) 所在地   大阪市大正区三軒家西二丁目1番17号
(5) 資本金   300万円
(6) 設 立   平成20年1月22日
(7) 本件事業者との関係
 同社は、尻無川河川敷で営業する飲食店舗を、本件事業者が勧誘した消費者の接客施設として使用させていた。また、同社の役員や従業員が本件事業者の従業員を兼ねており、消費者の勧誘に強く関与していたことが認められ、本件事業者の営業活動と密接に関連している事業者である。

別表(勧誘事例)

【事例1】
 消費者A(20代女性)は、いわゆるマッチングアプリである「タップル誕生」で、従業員X(30代男性)と知り合った。その後、LINE上でXからAに対し、「よかったら食事でも」と誘い、「友達が定食屋をしてまして」「そこのパスタが美味しいんですよ」とX自身が取締役を務める関連会社が経営するSWANにAを誘引して飲食を行うとともに、同じ従業員であるY(20代女性)に引き合わせるなどした。後日、XはLINEにより、SWANで行われるパーティに同行することを約束させ、パーティの後、「ショップで二次会をやるから行こう」と誘い、ショップのラウンジスペースにAを誘引し、さらに別のフロアにある仮眠室において1対1の環境の中で「ダイビングのライセンスを取らへん?」などと、ダイビングスクールの役務提供契約の勧誘を行った。Aにはダイビングスクールを受講する意思はなく、明確に断っているにも関わらず、繰り返し勧誘を行った。さらに後日、Xは、AをYにプレゼントを手渡すためとして、再度ショップに誘引し、Aをラウンジに隣接する別の個室に招いた上で、代表取締役ZとXがAに対してスクールの役務提供契約の勧誘を行った。Aが明確に断ったにも関わらず、個室から再度ラウンジに移動し、Yらも加わって執拗な勧誘を受け続け、30万円の契約をさせられた。契約後、代金の支払いのため、カードローンの契約を行うにあたって、XはAに対して、勤務先の会社名として本件事業者の社名を告げるように指示したほか、ZはAに対して「収入は240万円と答えて」、また、本件事業者で「働いていることにして」などと、支払能力を虚偽申告するように教唆した。

【事例2】
 消費者B(20代男性)は、いわゆるマッチングアプリである「Pairs」で、従業員Y(20代女性)と知り合った。YはBに対し、「メインは洋食屋さんでサブはダーツって感じですかね」「今度時間合ったら行きましょう」などと、SWANにBを誘い、LINE上のやり取りなどを通じて連絡を取り合った結果、SWANで飲食を行った。飲食の後、YはBをショップのラウンジスペースに誘引し、代表取締役Zに引き合わせるなどした。後日、やはりLINE上のやり取りで会う約束をし、ショップを訪ねたところ、Zから「契約の話をしようか」などとダイビングスクールの勧誘が行われ、Bが「今すぐにはしません」と断っても、「なんでやねんなぁ」「一生ものの趣味になる」などと執拗に勧誘され、断りきれずに30万円の契約に至り、即日預金を引き下ろさせられた。さらに後日、最初のレクチャー(座学)を受講するため、Bがショップを訪ねたところ、Zからの講義は数分程度で終わり、30万円の契約の対象ライセンスを取得した後に必要となるオプションライセンスの勧誘が行われた。Bは断ったが、Bの貯金額がZに知られていたこともあり、最終的に100万円の追加契約をさせられた。

このページの作成所属
府民文化部 消費生活センター 事業グループ

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