新聞購読契約に関する消費者トラブルについての注意喚起

更新日:2020年3月4日

 新聞購読契約における消費者トラブルについては、平成25年8月に国民生活センターが消費者に対する注意喚起を行うとともに、新聞公正取引協議会及び一般社団法人日本新聞協会に対し要望を行い、これを受けて同年11月に新聞購読契約に関するガイドライン(以下「ガイドライン」といいます。)が策定されたところです。

 ガイドラインの策定から5年余りが経過しましたが、大阪府内の消費生活センター等には、高齢者を中心に長期契約における解約時のトラブルが依然として数多く寄せられており、中には悪質な事例も見受けられます。

 大阪府では、事業者(新聞発行者及び販売店)に対する指導などを行っていますが、府民のみなさんに注意していただくため、大阪府消費者保護条例(以下「条例」といいます。)第21条第1項に基づいて、次のとおりトラブル事例を情報提供します。

 【新聞勧誘時のトラブル】

 Q1 新聞の勧誘に来た販売店が、3万円の商品券を付けるから、5年間の契約をして欲しいと言ってきた。退職間際なので、5年後のことはわからない。どうしたらいいか。

 A1 最寄りの消費生活センターなどに相談してください。高額な景品類の提供の申し出に惑わされず、契約の必要性を考えてください。販売店の高額な景品類の提供は、不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」といいます。)に違反します。また、長期の契約は、条例違反となる場合があります。

 景品表示法に基づく告示制限により、新聞購読契約に伴う景品類は、取引価額の8%か、6か月の購読料金の8%のいずれか低い金額の範囲までと定められており、これを超える景品類の提供は、景品表示法違反となります。5年間の契約であっても、6か月分の購読料金の8%となりますので、高額な景品類の提供はできません。また、大阪府では、事業者に対して長期の契約の自粛を求めており、高齢者や学生など、消費者の家族構成その他契約締結に至った状況等によっては、条例違反となります。

Q2 玄関のチャイムが鳴り、「お届け物です」と言うので扉を開けたら、新聞の勧誘だった。家の中に入り込み、「契約しないので帰って欲しい」と言っても、なかなか帰ってくれず怖かった。

 A2 最寄りの消費生活センターなどに相談してください。販売店のこのような行為は、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」といいます。)と条例に違反します。

  新聞購読契約の勧誘であることを隠して扉を開けさせて勧誘を行ったことや、「帰って欲しい」と伝えているにも関わらず、退去せず怖がらせた行為は、特定商取引法や条例に違反する違法、不当な取引行為となります。

 【新聞契約時のトラブル】

 Q3 一人暮らしの高齢の母親が新聞購読契約を締結させられていた。母親は認知症で判断力が低下しているので、以前から販売店には契約しない旨を伝えていたし、玄関先に「訪問勧誘お断り」のステッカーを貼っていた。

 A3 最寄りの消費生活センターなどに相談してください。販売店のこのような行為は、条例に違反します。

 高齢者などの判断能力の不足に乗じて契約を締結させたことや、拒絶の意思を表明している消費者に対して契約を勧誘したことは、条例に違反する不当な取引行為となります。「訪問勧誘お断り」のステッカーを玄関先に貼ることは、拒絶の意思を表明する方法の一つです。

Q4 一人暮らしの高齢者で、現在購読している新聞は、半年後までの契約になっている。以前、別の新聞販売店が勧誘に来て、半年後から1年間の契約をしている。昨日、また別の新聞販売店が来て、次の契約が決まっていることを説明しても、しつこく勧誘され、断り切れずに1年半後から1年間の契約をしてしまった。いつまで元気でいられるかわからないので、1年半後からの契約は解約したい。

 A4 最寄りの消費生活センターなどに相談してください。特定商取引法により、昨日行った1年半後からの契約はクーリング・オフすることができます。また、販売店のこのような行為は、条例に違反します。

 訪問販売は、契約書を受け取ってから8日間以内であれば無条件で解約できます。大阪府では、条例の逐条解説において、「一人暮らしの高齢者であるが、数回にわたり、合計で3年分の新聞購読契約をさせられた」場合を条例に違反する事例としており、他の販売店の契約があることを知りながら、合計で3年分の契約を締結させた販売店の行為は条例に違反する不当な取引行為となります。したがって、クーリング・オフ期間の経過後であっても、ガイドラインに基づく解約を求めることができます。特に必要の無い限り、先付の契約をしないようにしましょう。

Q5 1か月前に訪問販売で、1年間の新聞購読契約を締結した。その時は、千円くらいの洗剤とタオルを景品にもらった。今月に入って、別の新聞販売店が、1年間の契約をしてくれたら、その内の2か月は無料にすると言ってきた。洗剤とタオルを返すので、最初の契約をやめて、新聞と販売店を変えたい。

 A5 クーリング・オフ期間を過ぎると、正当な理由が無い限り、最初の契約を解除することはできません。また、2か月分を無料するという販売店の申し出は、景品表示法などに違反します。

 訪問販売は、特定商取引法によりクーリング・オフが認められていますが、無条件解約ができるのは、契約書を受け取ってから8日間以内になっています。また、景品表示法に基づく告示制限により、新聞購読契約に伴う景品類には制限があります。新聞の価格は、新聞社と販売店の契約により、無料にすることや値引きすることはできません。

 【新聞解約時のトラブル】

 Q6 1年前に亡くなった夫が契約した新聞を読み続けてきたが、年金暮らしで生活が苦しいので、購読をやめたい。新聞販売店に解約を申し出たら、以前に液晶テレビを渡しているので、解約できないと言う。

 A6 最寄りの消費生活センターなどに相談してください。販売店のこのような行為は、条例に違反します。

 購読者(契約者)が亡くなっているため、契約は解約できます。景品表示法に基づく告示制限に違反する景品類の提供を理由にした解約の妨害は、条例に違反する不当な取引行為となります。

Q7 急な転勤で、遠方に転居することになった。新聞販売店に解約を申し出たら、すぐに解約に応じてもらえず、契約期間が残っているので転居先の販売店に引き継ぐと言われた。転居先を教えなければならないか。

A7 最寄りの消費生活センターなどに相談してください。販売店のこのような行為は、条例に違反します。

 契約は、現在の販売店と結ばれたものですので、転居先で同じ新聞を購読する義務はありません。遠方への転居は、ガイドラインの「解約に応じるべき場合」にあたるため、販売店が直ちに解約に応じないことは、条例に違反する不当な取引行為となります。

 ※ 消費生活相談窓口への連絡は、消費者ホットライン(局番なしの188)でご案内しています。

このページの作成所属
府民文化部 消費生活センター 事業グループ

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