悪質事業者によるカードローンへの誘引についての注意喚起

更新日:2020年3月4日

大阪府消費者保護条例第21条第1項の規定に基づいて、下記のとおり情報提供します。
 
※ 大阪府消費者保護条例では、「知事は、不当な取引行為による被害の発生及び拡大を防止するため必要があると認めるときは、速やかに、その行為の方法、内容その他の必要な情報を府民に提供するものとする。」としています。

 商品の購入や役務の提供に係る支払いに際して、消費者を金融機関(銀行や貸金業者)の自動契約機のある窓口に誘引し、カードローン契約を締結させた上で、「返済はこちらでする」、「返済に必要なので、暗証番号を教えて」などと嘘を言って、悪質事業者が消費者からローンカードを預かり、当該カードを使って現金を詐取する事案が発生しています。

 
 この場合、悪質事業者が消費者に対する詐欺や窃盗などの罪に問われることになりますが、次のような点については、消費者本人も金融機関に対する詐欺などの罪に問われることがあり得ますので、くれぐれもご注意ください。

1 職業や収入の虚偽申告

 現在、貸金業法において「総量規制」が導入されており、貸金業者(いわゆる消費者金融)が個人にお金を貸す際は、年収の3分の1を超えて貸付けてはならないとされています。そのため、学生やアルバイトなどで収入が無かったり、少なかったりする場合は、貸付を受けることができる金額も少なくなります。現在は、一つの貸金業者で50万円までの借入を行う場合(他の貸金業者からの借入が無い場合に限る)は、職業や収入は基本的に自己申告とされています。
 悪質事業者は、「○○に勤めていることにして」、「年収は○○万円だと言って」というように、「その方が借りやすいから」などと言葉巧みに、職業や収入を虚偽申告するように勧めてきます。このような虚偽(嘘)の申告で金融機関から借入を行った場合、金融機関に対して実際に申告を行った消費者自身が詐欺の罪に問われる可能性があります。
 なお、上記の総量規制は、貸金業者に適用される制限で、銀行などは適用外となりますが、平成28年11月以降は銀行においても同様の制限が自主規制として行われています。

2 虚偽の収入証明書の提示

 一つの貸金業者で50万円までの借入の際には、職業や収入は基本的に自己申告とされていますが、50万円を超える場合や、借入総額が100万円を超える場合には、収入証明書の提出が必要になります。収入証明書とは、源泉徴収票や給与明細書(直近2か月分以上)などを指します。
 悪質事業者は、「この明細書を見せてくれたらいいから」などと、偽の給与明細書などを手渡して、新たな借入を行ったり、融資枠を増額させたりしようとします。このような虚偽(嘘)の申告で金融機関から借入を行った場合、金融機関に対して実際に収入証明書を提示した消費者自身が詐欺などの罪に問われる可能性があります。

3 ローンカードの貸与や暗証番号の漏洩(名義貸し)

 悪質事業者は、消費者に対して次々と契約を持ちかけ、「返済はこちらでする」、「立て替えておいて」、「名義だけ貸しておいて」などと嘘を言って契約に持ち込み、金融機関から借入をさせた上で、「返済するのでカードを貸して」、「返済に必要なので、暗証番号を教えて」などと言葉巧みにローンカードを借り受け、暗証番号を聞き出しています。
 金融機関の「カードローン規定」では、一般にローンカードの所有権は金融機関に帰属し、借主は「善良なる管理者の注意義務をもって管理する」こととされ、貸し借りができるものではありません。また、暗証番号についても、「相当の注意をもって厳格に管理する」こととされ、他人に教えてはならないものとなっています。これらの規定に違反して、消費者に損害が生じたとしても、金融機関は責任を負いません。
 悪質事業者は、しばらくの間は消費者に代わって返済を行い安心させた上で、その後、融資限度枠いっぱいに借入を行って詐取するなどしています。この場合、悪質事業者が消費者に対する詐欺や窃盗の罪に問われることになりますが、金融機関に対する返済義務を負うのは、消費者本人です。

※ 貸金業者の総量規制や銀行の自主規制は、無理な借入によって返済が滞り、自己破産などに追い込まれることを防ぐための制度です。虚偽の申告などにより、過度な借入を行い返済が不可能になると、消費者本人の信用情報に記録され、今後、金融取引などで不自由なことになるかも知れません。悪質な事業者の誘いに乗らないことはもちろんですが、カードローンは消費者本人の契約であることにご注意ください。

 なお、こうした被害に遭われた方は、お近くの消費生活相談窓口に相談してください。消費生活相談窓口への連絡は、消費者ホットライン(局番なしの188)でご案内しています。

このページの作成所属
府民文化部 消費生活センター 事業グループ

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