大量調理施設衛生管理マニュアルの改正について


大量調理施設衛生管理マニュアルの改正について

 

 ノロウイルスによる食中毒及び感染症の発生が大幅に増加したことを踏まえ、薬事・食品衛生審議会の提言「ノロウイルス食中毒の対策」を取り入れて「大量調理施設衛生管理マニュアル」が平成20年6月18日に改正されました。

 

【改正点の概要】

1.調理時等における汚染防止対策(加熱調理等)

(1)加熱調理食品は、校正された中心部温度計を用いるなどにより、中心部が75℃で1分以上(二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれがある食品の場合は85℃で1分以上)又はこれと同等以上まで加熱されていることを確認するとともに、温度と時間の記録を行うこと。

 

2.調理施設等の衛生対策(手洗い設備、便所の衛生管理)

(1)手洗い設備は、感知式の設備で、コック、ハンドル等を直接手で操作しない構造のものが望ましい。

(2)調理施設内は、床から1mまでの内壁に加え、手の触れる場所も毎日清掃する。

(3)ネズミや昆虫の駆除だけではなく、繁殖場所の排除と殺虫剤等の食品への混入防止をはかる。

(4)便所は、調理従事者等専用のものが設けられていることが望ましい。

(5)便所については、業務開始前、業務中及び業務終了後等定時的に清掃及び次亜塩素酸ナトリウム等による消毒を行って衛生的に保つこと。

(6)飲食施設やロビーなど共用施設で利用者等が嘔吐した場合、ついてノロウイルス感染防止のため200mg/ℓ以上の次亜塩素酸Naで嘔吐物を衛生的に処理する。

 

3.調理従事者等の感染予防対策(検便検査、手洗い、自己管理)

(1)調理従事者等は、便所及び風呂等における衛生的な生活環境を確保すること。またノロウイルスの流行期には十分に加熱された食品を摂取する等により感染防止に努め、徹底した手洗いの励行を行うなど自らが施設や食品の汚染の原因とならないように措置するとともに、体調に留意し、健康な状態を保つように努めること。

(2)調理従事者等は、定期的な健康診断及び月に1回以上の検便を受けること。検便検査には、腸管出血性大腸菌の検査を含めること。また、必要に応じ10月から3月にはノロウイルスの検査を含めること。

(3)調理従事者等は、調理中や用便後、配膳前等の手洗い必ず流水・石けんによる手洗いによりしっかりと2回(その他の時には丁寧に1回)手指の洗浄及び消毒を行うこと。

(4)手洗いの際、タオルの共用を禁止し、消毒方法を逆性石けんからアルコールによる方法に切り替える。

(5)部外者がやむを得ず調理施設に立ち入る場合は、専用の清潔な防止、外衣及び履き物を着用させ、手洗い及び手指の消毒を行わせる 。

 

 4.調理従事者等による汚染防止対策(体調管理・衛生管理体制)

(1)責任者は、 下痢又は嘔吐等の症状がある調理従事者等については、直ちに医療機関を受診し、感染性疾患の有無を確認すること。ノロウイルスを原因とする感染性疾患による症状と診断された調理従事者等は、リアルタイムPCR法等の高感度の検便検査においてノロウイルスを保有していないことが確認されるまでの間、食品に直接触れる調理作業を控えるなど適切な処置をとることが望ましいこと。

(2) 責任者は、調理従事者等について、ノロウイルスにより発症した調理従事者等と一緒に感染原因と考えられる食事を喫食するなど、同一の感染機会があった可能性がある調理従事者等についてリアルタイムPCR法等の高感度の検便を実施し、検査の結果ノロウイルスを保有していないことが確認されるまでの間、調理に直接従事することを控えさせる等の手段を講じることが望ましいこと。

(3) 高齢者や乳幼児が利用する社会福祉施設、保育所等においては、平常時から施設長を責任者とする危機管理体制を整備し、感染拡大防止のための組織対応を文書化し、対応訓練を行っておくこと。また、従事者及び施設利用者に下痢・嘔吐症がないかどうか、日常的に有症者数を把握する。

 

 5.みかん等の殺菌工程(原材料等の保管管理マニュアル)

細切せずに皮付きで提供されるみかん等の果物にあっては、洗浄、消毒等を省略して差し支えない。

 

関係資料・リンク先

大量調理施設衛生管理マニュアル(厚生労働省)

ノロウイルスに関するQ&Aについて(厚生労働省)

ノロウイルス食中毒について(食品安全委員会)

ノロウイルス食中毒対策について(提言)(平成19年10月薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒部会)

ノロウイルス関連情報(大阪府感染症情報センター)

老人福祉施設等感染対策マニュアル(大阪府健康福祉部高齢介護室)

ノロウイルス感染症とその対応・予防(国立感染症研究所感染症情報センター)

 

 

食品事業者の皆様へ

大阪府健康福祉部食の安全推進課・大阪府保健所

 

 


ノロウイルス食中毒対策について(提言)

平成19 年10 月12 日

厚生労働省 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒部会

 

平成18/19 年シーズンにおけるノロウイルスによる食中毒及び感染症が大幅に増加したことを受け、発生状況等が分析・検討され、ノロウイルス食中毒の発生防止対策(提言)としてまとめられました。(皆様と関係の深い部分について抜粋してお知らせします。)

 

1 ノロウイルスの特徴

●潜伏期間は、1〜2 日であると考えられており、嘔気、嘔吐、下痢が主症状である。

●ノロウイルスは、症状が消失した後も一週間ほど(長いときには1 ヶ月程度)患者の便中に排出されるため、二次感染に注意が必要である。

●(食中毒事件を起こした施設の)調理従事者等からは症状の有無にかかわらず、同レベルの量のウイルスが検出された事例もあり、不顕性患者も発症者と同レベルのウイルス量を排出しうることが示唆された。

●ノロウイルスの感染者の糞便は1 グラム当たり数億個ものウイルスを含み、一方、僅かに10〜100 個のウイルスで十分に感染が成立する。加えて、このウイルスは環境中で安定している。従って、調理従事者等がノロウイルスに感染すると、患者から排出されたウイルスから容易に食中毒が発生する可能性がある。

●ノロウイルスを不活化する方法としては、85℃・1 分間以上の加熱及び次亜塩素酸ナトリウムの使用が有効である。

 

2 発生及び拡大防止対策

(1)下水等環境汚染対策

●ノロウイルスについては、人の腸管内のみで増殖し排泄され、これらが下水処理で除去されなかった場合、河川から海に流れ込み、二枚貝に蓄積し汚染させる可能性がある。

●二枚貝の生産地においては、定期的な検査の実施等により生産海域の環境衛生の監視に努める。

(2)調理施設等の衛生対策

施設内のトイレについては、定時的に清掃及び次亜塩素酸ナトリウム等による消毒を行って衛生的に保つ。

冷蔵庫の取っ手、調理施設内の排水溝及びトイレのドアノブについては、ノロウイルスによる汚染実態が明らかとなっていることから、調理施設の清掃・消毒、特に手指の触れる場所及び調理器具の洗浄・消毒を徹底する。

 

(3)調理従事者等の感染予防対策

●調理従事者等は、トイレ及び風呂等における衛生的な生活環境の確保、流行期には十分に加熱された食品を摂取する等により感染防止に努めるとともに、徹底した手洗いの励行を行うなど自らが施設や食品の汚染の原因とならないように注意する。

●調理施設においては、調理従事者等は飲食店等の利用者とは別の専用トイレを設けることが望ましく、使用後は流水・石けんによる手洗い(1 回では不十分な可能性があるので2 回以上)が不可欠である。

●トイレ後は使い捨てペーパータオルを使用して手を拭き、タオル等の共用はしない

●施設管理者は調理従事者等を含め職員の健康状態の把握を組織的・継続的に行い、調理従事者等の感染及び調理従事者等からの施設汚染の防止に努める。

(4)調理時等における汚染防止対策

●下痢又は嘔吐等の症状がある調理従事者等については、直ちに医療機関を受診し、感染性疾患の有無を確認する。感染性疾患による症状と診断された調理従事者等は、調理等への従事を控えるとともに、下痢又は嘔吐等の症状がなくなっても、ウイルスが一定期間排出される可能性を考慮し、食品に直接触れる調理作業を1 ヶ月程度控えるなど適切な処置をとることが望ましい。

●常に手洗い専用の設備を使用して、調理等の前及び調理中の流水・石けんによる手洗い(1 回では不十分な可能性があるので2 回以上)を徹底するとともに、使い捨て手袋を活用する。

●大量調理施設の調理従事者等については、発症した調理従事者等と一緒に喫食するなど、同一の感染機会があった可能性がある調理従事者等について検便を実施し、検査の結果ノロウイルスを保有していないことが確認されるまでの間、調理に直接従事することを控えさせる等の手段を講じるべきである。

(5)拡大防止対策

ノロウイルス感染者の嘔吐物及び糞便には、ノロウイルスが大量に含まれることから、調理施設及び関係施設(飲食店の客席、旅館及びホテルの宴会場、ロビー、通路など)において利用者等が嘔吐した場合には、次亜塩素酸ナトリウムを用いて迅速かつ適切に嘔吐物の処理を行う。

●食中毒が発生した時、原因究明を確実に行うため、原則として、調理従事者等は当該施設で調理され、顧客に提供されたものと同じ食品を喫食すべきでない。

(6)危機管理体制の整備

高齢者や乳幼児が利用する社会福祉施設、保育所等においては、平常時から施設長をトップとする危機管理体制を整備し、感染拡大防止のための組織対応を考えておく。

 

ノロウイルス食中毒対策について(提言)(平成19年10月薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒部会)

ノロウイルスに関するQ&Aについて(厚生労働省)

このページの作成所属
健康医療部 食の安全推進課 安全推進グループ

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