自治の窓 地方公務員の任用と要員管理に係る一考察 「第2章 地方公務員の任用根拠」

更新日:平成27年5月1日

 第2章 地方公務員の任用根拠

1.正職員の任用根拠

 職員の任用については、地方自治法や地公法等で規定されている。地方公務員は一般職と特別職に分けられ、地公法は特別職に適用されず、一般職に適用される。また、地公法の第17条には職員の任命について規定されているが、「職員の任命」とは「職に人を就けること」と考えられている。
 その任命行為について、地公法第15条において、職員の任用の成績主義の原則を定めているが、ここで「任用」とは「任命」と同義であり、具体的には17条第1項に規定される、採用のほか、昇任、降任、及び転任の4つの行為を指す。
 任命権者が職員を任命することができるのは「職員の職に欠員が生じた場合」でありこの欠員とは、職員の任命を予定しうる地位に現に具体的に人が充てられていない場合という意味であると解される。
 正職員はこの地公法第17条の規定により競争試験(又は選考)を経て正式任用されており、勤務時間条例等に基づき、7時間45分のフルタイムで勤務し、職員には期限の定めのない終身雇用を前提として身分保障がなされ、地方公共団体の運営の中心として定数にカウントされる。

2.臨時・非常勤職員の任用根拠

(1)臨時的任用職員の任用根拠

 地公法22条に規定される臨時的任用は17条の“正式任用の”特例であり、任用は、ア)緊急の場合、イ)臨時の職に関する場合に限定されている。緊急の場合とは、地公法17条の任用の手続をとるいとまがなく、緊急に職員を採用する必要がある場合であり(例:災害復旧)、臨時の場合とは、臨時的任用が1年を限度とすることから職の期間存続期間が1年以内であることが予定されているものと解されている。なお、臨時的任用は地公法22条の規定により6月を超えない期間で行うことができ、6月を超えない期間で更新することができるが、再度“更新”することはできない。
 平成26年度の総務省通知によれば、臨時的任用職員の職は、臨時・補助的な業務とされており、その業務の内容や業務に伴う責任の程度は正職員と異なる設定とされるべきものであるとされている。
 勤務時間については、常勤か常勤に比し、短い時間の勤務時間とすることが可能である。
 なお、地方自治法第172条第3項の規定により定数から除外されていることが通常である。

(2)一般職非常勤職員の任用根拠

 常勤と非常勤の区別について、地方公共団体の職員は常時勤務することを要するか否かによって、常勤職員と非常勤職員とに区別されるが、その概念は地方公務員制度の中においては、必ずしも統一されたものではない。
 このため、具体的な基準がないことから、多くの地方公共団体においては、国との均衡の原則から国の考え方に依拠して、常勤職員について定められた勤務時間の3/4以下の勤務時間が定められている者を非常勤職員としている状況にあることが多い状況である。
 前項記述の勤務時間が3/4以下の臨時的任用職員は非常勤職員の範疇に入ると思われるが、それ以外に地公法第17条を根拠とする非常勤職員の任用が挙げられる。同条の任用については、任命権者が任意に一定の期限を定めることができるかどうかの明文の規定はなく、正職員の任用根拠となっているが、行政解釈や判例では、職員の任用は無期限のものとすることが法の建前であるとしながら、それを必要とする特段の事由が存在する場合に任期を限って任用することは、労働基準法の契約期間の定めに反しない限り差支えないものとされており、正式任用の“任期”の特例として、一定の事業の完了に必要な期間を定める場合はその期間任用することが可能とされている。しかしながら、任期を限った任用を繰り返すことで事実上正職員と同様の勤務形態を適用させるようなことは避けるべきとされている。
 なお、任期については、臨時的任用職員には明文の規定はあるが、一般職非常勤職員については明文の規定はない。しかしながら、総務省通知によれば、ア)臨時的任用が最長1年以内であり、「臨時の職」はおおむね1年以内の存続期間を有するものとされていること、イ)臨時・非常勤の職が臨時的・補助的業務に従事するという性格であること、ウ)職の臨時性、補助性に伴い基本的に毎年度の予算で職の設置について査定され、定員管理上も条例で定める定数の対象外であることを鑑みれば原則1年以内であると考えられている。

(3)特別職非常勤職員の任用根拠

 正職員の任用根拠の解説において、地方公務員には一般職と特別職があると述べたが、地方公務員法17条を任用根拠に任命された職員を一般職非常勤職員と呼ぶことに対して、地方公務員にはもう一つ、特別職非常勤職員という職がある。
一般職と特別職の区別について、地公法第3条の規定により、すべての地方公務員の職は一般職と特別職に分けられ、一般職は特別職に属する職以外のすべての職とされ、一般職に属するすべての地方公務員には地方公務員法が適用され、特別職に属する地方公務員は法律に特別の規定がある場合を除いて地方公務員には適用されない。
 特別職の範囲については、地公法第3条3項各号に限定列記されており、それ以外が一般職の職員ということになる。
 非常勤職員について、まず特別職か一般職の判断をするにあたっては、地公法第3条第3項第3項に掲げる職、いわゆる特別職非常勤職員に該当するかどうかを考えることになる。第3条第3項第3号では、「臨時又は非常勤の顧問、参与、調査員、嘱託員及びこれらの者に準ずる者の職」とあるが、総務省通知においては、「主に特定の学識・経験を必要とする職に、自らの学識、経験に基づき非専務的に公務に参画する労働者性の低い勤務態様」と想定されている。非専務的な職とは、生活を維持するために公務に就くのではなく、特定の場合に、一定の学識、経験、技能などに基づいて、随時、地方公共団体の業務に参画する職を意味する。そして、労働者性の低い勤務態様とは、担当する職務が厳格な指揮命令系統の中で行うことが予定されておらず、当該公務の他に職務を有していたり、公務のために使用する時間が短時間であったり、その期間が短い勤務態様であり、地公法を適用することが妥当ではないと判断される。また、使用従属関係があり、個人が地方公共団体の事務処理のために労働力を提供し、当該地方公共団体がその者を自らの支配下において労働に対して対価を払うという関係と同視できる場合には、その個人が地方公共団体との関係で労働者に該当すると解釈され、特別職非常勤職員はこのような性質が低い職である。このような要件に基づいて採用される者は特別職非常勤職員として任用することが可能であり、逆にこの要件に基づかないで任用された臨時職員あるいは非常勤職員は通常は一般職の職員と考えるべきである。
 また、職務の内容が一般職の職員と同一と認められるような職や、勤務管理や業務遂行方法において労働者性の高い職については、特別職として任用することが妥当なのかという点を検証すべきとされている。
 なお、一般職非常勤職員と同様、定数外であり、その業務の内容や業務に伴う責任の程度は正職員と異なる設定とされるべきものであるとされ、任期についても1年以内と考えられている。

3.再任用職員の任用根拠

 地方公務員の再任用とは、「任命権者が、その地方公共団体の定年退職者等を、従前の勤務実績等に基づく選考により、1年を超えない範囲内で任期を定め、常時勤務を要する職(フルタイム)または短時間勤務の職に採用することができる制度」であり、地公法第28条の4(定年退職者等の再任用)及び第28条の5(短時間勤務の職)等の規定を根拠に、地方公共団体が条例を制定し、実施する。
 市町村における再任用制度は、平成13年度から始まった公的年金の基礎年金相当部分の支給開始年齢が65歳へ段階的に引き上げられることに対応し、同年度に60歳定年後の継続勤務のための任用制度として新たな再任用制度が施行され、多くの職員が再任用されてきたところである。さらに、平成25年度以降は公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢も段階的に60歳から65歳へと引き上げられる。
 これに伴い、無収入期間が発生しないよう国家公務員の雇用と年金の接続を図るとともに、人事の新陳代謝を図り組織活力を維持しつつ職員の能力を十分活用していくため、当面、定年退職等をする職員が公的年金の支給開始年齢に達するまでの間、再任用を希望する職員については再任用することで、国家公務員の雇用と年金を確実に接続することとする旨の閣議決定が平成25年3月26日に行われた。
また、地方公務員についても雇用と年金を確実に接続するため、各地方公共団体において、この閣議決定の趣旨を踏まえ、能力・実績に基づく人事管理を推進しつつ、地方の実情に応じて必要な措置を講ずるよう要請する総務副大臣通知が平成25年3月29日に出されたところであり、各団体における再任用制度の拡大、充実化が求められている。
 国においては、再任用職員のうち常勤職員については、「恒常的に置く必要がある職に充てるべき常勤の職員」として、総定員法の定員規制の対象とされている。一方で、短時間勤務職員については、別途定数を定めるとされ、その導入により軽減される常勤職員の業務量に見合う定員を削減することが基本とされているところである。地方公共団体においても同様に任期の定めのない職員と同じく、恒常的に置く必要がある職に従事することとなり、臨時・非常勤職員が従事する補助的な業務に従事することは原則的に想定されていない。また、再任用常勤職員については定数にカウントされ、再任用短時間勤務職員については定数にカウントされない。なお、府内市町村では、集中改革プラン後も自主的に定員管理計画を策定し行政改革等へ取組んでいる団体が多くある中で、新規採用職員と再任用職員のバランスは大きな課題となっている。
 なお、再任用常勤職員については定数にカウントされ、再任用短時間勤務職員については定数にカウントされないが、国においては別途定 数を定めるとされているなど、その数については、別途管理すべきと考えられる。

4.任期付職員の任用根拠

 地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律(以下任期付職員法)第3条、第4条及び第5条で職員の任期を定めた採用について規定している。
 また、任期付職員法第3条第1項の規定により採用された職員は「特定任期付職員」、同条第2項の規定により採用された職員は「一般任期付職員」及び同法第4条の規定により採用された職員は「4条任期付職員」、同法第5条の規定により採用された職員は「任期付短時間勤務職員」と呼ばれる。
 なお、特定任期付職員、一般任期付職員、4条任期付職員はフルタイム勤務であり、定数にカウントされ、定員管理調査においても調査対象となっている。

(1) 特定任期付職員(任期付採用法第3条第1項)

 団体内では得がたいような特定の専門分野における高い専門性等を有する者を採用し、その者の有する高度の専門的な知識経験又は優れた識見を特定の行政課題の処理等に活用するための採用を念頭に置いた規定である。
  「高度の専門的な知識経験」とは、行政部内では得がたいような特定の専門分野における高い専門性や実務を通じて得た経験を、「優れた識見」とは、社会的にも評価されるような創造的、先見的な判断力等をいうものである。
  例えば、自治体においてバランスシートを作成し、民間企業経営手法の導入のための公認会計士を採用する場合、訴訟施策や政策法務の充実強化のために弁護士を採用する場合などがある。

(2) 一般任期付職員(任期付採用法第3条第2項第1号及び第2号)

 団体内では、業務に必要な専門的な知識経験を有する人材の確保・育成に時間がかかる場合や、当該専門的な知識経験が有効に活用できる期間が一定の期間に限られるような場合等の人事管理上又は業務上の事情から、一定の期間一定の専門性を有する者を活用するための採用を念頭に置いた規定である。

(3) 4条任期付職員(任期付採用法第4条第1項)

 特定のイベント開催準備等のために一定の期間必要な業務、将来ある時点において廃止することが決定されたサービスに係る業務など、新規施策の立ち上げに伴い一時的に人員体制を強化する必要がある業務、当該行政サービスの需要に大きな増加が予想される業務などで、職員を期間を限って従事させることが公務の能率的な運営を確保するために必要な場合に職員を任用可能とする規定である。
  「一定の期間内に終了することが見込まれる業務」及び「一定の期間内に限り業務量の増加が見込まれる業務」中の「一定の期間」とは、長くとも5年程度の期間を想定するとともに、数週間程度の短い期間は人事管理の煩雑さ等にかんがみ適当ではないものである。
 なお、任期付採用法第4条第2項については、任期付採用法第4条第1項各号に掲げる業務(以下「終期が見込まれる業務」という。)に職員を従事させる際、そのすべてが任期付職員であることが現実的でない場合があることを想定し、当該業務に任期の定めのない職員を充てる一方、その意味合いにおいて、本来任期の定めのない職員を充てることとされている恒久的な業務に任期付職員を充てることができることとする規定である。したがって、例えば、終期が見込まれる業務に充てた任期の定めのない職員の数以上の数の任期付職員を恒久的な業務に充てることは認められない。
 任期付採用法第3条と同法第4条の違いについて、特定任期付職員及び一般任期付職員は、専門的な知識経験等を有する者の任期付採用であり、相当程度に困難度が高い業務に従事することが想定されるものであるが、他方、4条任期付職員は、終期が見込まれる等の一定の要件を満たす場合に、一般的な業務に従事することが想定されるものであり、両制度の趣旨の相違に留意する必要がある。

(4)任期付短時間勤務職員

 任期付短時間勤務職員制度は、正職員と同様の本格的業務に従事することが可能な制度として、平成16年に「地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律(以下「任期付法」という。)」の改正により導入されたものである。
任期付法第5条では、任期付短時間勤務職員を採用できる業務の要件として、ア)一定の期間内に終了することが見込まれる業務又は一定の期間内に限り業務量の増加が見込まれる業務、イ)住民に直接提供するサービスの提供体制の充実、ウ)部分休業及び介護休暇を取得する職員の業務の代替、以上3要件が規定されており、上記に該当する場合には、条例で定めるところにより、任期を定めて採用することが可能となる。
 また、任期付短時間勤務職員の勤務時間については、柔軟な勤務形態を用意することが適切であり、能率的な公務運営を確保するための必要性等を踏まえ、その職に応じて、週31時間を超えないよう任命権者が決定することとして、各地方公共団体において条例によりその内容を定めることが適当とされている。
 業務内容については、任期付短時間勤務職員は、正職員、再任用職員と同様の業務に従事することが想定され、その採用は地方公務員法の成績主義や平等主義の原則の下、競争試験又は選考による能力の実証を経るべきとされている。
任期については、3年を超えない範囲内で任命権者が定めるほか、特に3年を超える任期を定める必要がある場合として条例で定める場合にあっては5年となっている。「特に3年を超える任期を定める必要がある場合として条例で定める場合」としては、例えば4年後など3年を超え5年を超えない期間の後に廃止等により終了していることが決定している業務に職員を就ける場合が考えられ、各地方公共団体の条例で具体的な業務を挙げて定めることが適当であるとされ、3年を超える任期設定は制限的に考えられている。
 また、任期付短時間勤務職員として採用した当該職員の任期が3年に満たない場合にあっては、採用した日から3年を超えない範囲内において、その任期を更新することができるが、任期を3年として採用した場合に、その任期を採用した日から5年を超えない範囲に更新することはできない。なお、任期付短時間勤務職員を採用する場合、任命権者は当該職員に対してその任期を明示しなければならない。

 以上、地方公務員の任用根拠について解説し、その特徴を述べたが、次章では、これらの任用根拠により任用された府内市町村の職員数の推移とその傾向を明らかにする。

「第3章 任用根拠別府内職員数の現状」はこちら

このページの作成所属
総務部 市町村課 行政グループ

ここまで本文です。