【自治大阪H29年7月号 相談室】公共施設等適正管理推進事業債について

更新日:平成29年7月31日

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質問

 本市では公共施設等総合管理計画を策定し、現在、公共施設等適正管理推進事業債の活用を検討していますが、この事業債の概要や活用の際の留意点について教えてください。

回答

1.はじめに

 「公共施設等適正管理推進事業債」創設の経緯について説明します。
 
依然として財政状況が厳しい地方公共団体にとって、過去に建設された公共施設等がこれから大量に更新時期を迎える中、保有する施設を計画的に維持管理・更新等を行うことで、財政負担の軽減・平準化を図ることが重要であり、また、人口減少等に対応した施設配置の最適化についても計画的に進める必要があります。こうした状況から、地方公共団体の公共施設等の適正管理を推進するため、平成26年度には施設の除却を対象とした特例債が創設され、平成27年度には施設の集約化・複合化事業を対象とした「公共施設等最適化事業債」が創設されました。
 平成28年度末現在、全国で98.2%の地方公共団体において「公共施設等総合管理計画」の策定が完了し、今後、老朽化対策等の取組みが本格化していく見通しとなったこと、熊本地震の被害状況を踏まえ庁舎機能の確保等の必要性が高まっていることなどを踏まえ、既存の「公共施設等最適化事業債」を再編し、平成29年度新たに「公共施設等適正管理推進事業債」が創設されました。これまでの集約化・複合化、転用、除却に加え、長寿命化、立地適正化、市町村役場機能緊急保全といった事業もこの事業債の対象となりました。

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2.公共施設等適正管理推進事業債の概要について

(1)事業区分ごとの対象事業や充当率などは次のとおりです。

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(2)各事業債を活用する際の留意点について
 1、2、4、6のいずれの事業も個別施設計画に位置付けられた事業又は施設等が対象となるという点に留意が必要です。
 個別施設計画とは、各地方公共団体における公共施設等総合管理計画に基づき、個別施設ごとの具体の対応方針を定める計画で、具体的な内容は、インフラ長寿命化基本計画(平成2511月、インフラ老朽化対策の推進に関する関係省庁連絡会議)や当該施設を所管する省庁が示す指針・ガイドラインを踏まえ、策定します。
 
継続事業である「集約化・複合化事業」「転用事業」「除却事業」の取扱いについては、個別施設計画が地方債適用の要件に加わったことを除き、平成28年度までの取扱いと大きな変更はありません。(平成277月の相談室「公共施設等の老朽化対策に係る地方債について」http://www.pref.osaka.lg.jp/shichoson/jichi/2707sodan1.htmlを参照してください。) 
 
今回は、新たに設けられた「長寿命化事業」「立地適正化事業」「市町村役場機能緊急保全事業」の留意点について説明します。

ア.長寿命化事業について
 
「公共用の建築物」又は「道路若しくは農業水利施設等」に区分され、それぞれ留意する点が異なります。

【公共用の建築物】
・当該施設の管理に係る計画(個別施設計画)が定められ、法定耐用年数を超える使用目標年数が設定されていること。
・法定耐用年数を超えて使用するために必要な事業であることが個別施設計画上明らかにされていること。
・原則として施設の床面積が増加しないこと(床面積増加を伴う施設改修の場合は、改修前の床面積相当で按分した事業費を起債対象事業費とする。)。

【道路若しくは農業水利施設等】
・所管省庁が示すインフラ長寿命化計画等を踏まえ実施する事業であること。
・点検を踏まえて効率的に実施されることが個別施設計画において明らかにされていること。

イ.立地適正化事業について
立地適正化計画に基づく事業であること。
・コンパクトシティの形成に向けた長期的なまちづくりの視点に基づき実施される事業を対象とし、国庫補助事業を補完し、又は一体となって実施される地方単独事業であること。
  
(事業例)
   
・国庫補助事業に伴って実施する継ぎ足し単独事業
   
・国庫補助事業と方向性を同じくしつつも、その要件の一部を満たさないために国庫補助対象とならない事業

ウ.市町村役場機能緊急保全事業について
個別施設計画に本庁舎の建替えを位置づけており、建替え後の庁舎を業務継続計画に位置付けること。
・地方債の充当残(一般財源)部分については、基金の活用を基本とすること。
・起債対象事業費は、原則、建替え前延床面積を上限として算出されるものであるが、建替え前延床面積が、建替え後の本庁舎の入居職員数に一人当たり35.3平方メートルを乗じて得た面積を下回る場合は、建替え後の本庁舎の入居職員数に一人当たり35.3平方メートルを乗じて得た面積を上限として、起債対象事業費を算出すること。
・用地費は、本事業債ではなく、一般単独事業債(一般事業)による対応とすること。

 

3.個別施設計画について

 前章のとおり、公共施設等適正管理推進事業債を活用するには、除却事業及び立地適正化事業を除く全ての事業において個別施設計画が必要となります。
 
個別施設計画の具体的な内容については、インフラ長寿命化基本計画(平成25年11月 インフラ老朽化対策の推進に関する関係省庁連絡会議)に示されているとおり、以下の6項目を基本とした計画が求められます。

  (1)対象施設 (2)計画期間 (3)対策の優先順位の考え方 (4)個別施設の状態等
  
(5)対策内容と実施時期  (6)対策費用

 また、集約化・複合化事業、転用事業、長寿命化事業及び市町村役場機能緊急保全事業について起債協議等を行う際は、総務省へ個別施設計画を提出する必要があります。その際、上記6項目の記載状況を確認するためのリストについても併せて提出する必要があります。
 

4.おわりに

 平成28年度末時点で、ほぼ全ての市町村が公共施設等総合管理計画の策定を完了し、保有する施設の状況、維持管理、更新等に要する費用がある程度把握されてきているところです。
 
公共施設等管理推進事業債の活用にあたっては、個別施設計画の策定が前提となります。計画策定にあたっては、まずはインフラ長寿命化基本計画や当該施設を所管する省庁が示す指針・ガイドラインをご覧いただくようお願いします。 
 
その上で、この事業債活用にあたって個別施設計画策定について不明な点がありましたら市町村課へご相談ください。

このページの作成所属
総務部 市町村課 財政グループ

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