平成22年11月9日開催 部長会議の審議・報告の概要

更新日:平成22年11月9日

○と き 平成22年11月9日(火曜日) 午前10時5分から10時50分
○ところ 特別会議室大
○出席者 知事、副知事、各部長等


【会議資料】
≪資料1≫ 事業スキーム検証の視点
        [PDFファイル/194KB] / [Wordファイル/53KB]


<事業スキーム検証の視点について>
【知事】
・これからの予算編成に先立ち、事業スキームを検証する際の私の考えを整理してもらった。検証すべき領域は行政全てというわけではない。

【企画室副理事】
・行政には、「許認可や警察行政など公権力の行使にかかるコアの部分」「基礎的なセーフティネットの部分」「市場からの供給も可能な普遍的なサービスの部分」の三層構造があると考え、この検証の視点は、主に三層目の領域にターゲットを絞っているものと考えている。

【知事】
・私の議会答弁を聞いて感じてもらっているとは思うが、全て市場原理が良いと考えているのではなく、一度決めたら、今のままで良いということで、事態均衡に陥っている事業が多々ある。その団体だけではなく、他に頼めば良いと感じるものがある。
・りんくうタウンで公園用地を商業用地に用途変更した。これまでの行政であれば、一度決まったことを変えるという発想はなかったと思うが、このような前向き取組みが出てきたのは良いこと。
・当事者が努力する仕組みになっているかどうか。努力しないと予算は出さないという環境になっているかどうか、事業組み替えの際にしっかり検証してほしい。そのためには、当事者一人ひとりが前向きな気持ちを持たないと先に進まない。一旦、予算の枠が決まれば、これで何年か変わらないというものではなく、前向きに努力しないとダメという仕組みに切り替えてほしい。
・まずは公の責任を明確にすべきで、公の事業として必要なものについては、真正面に言えば良い。これまでは、間に団体を入れる事業スキームが、行政の知恵として評価されてきたのかもしれないが、公金が迂回することで、責任が曖昧になるので、今後、それを整理したい。
・詳しくは配布資料を読んでほしいが、事業を実施する際に、特定の団体を固定化するのが良くない。
・例えば、観光事業を実施するための窓口として観光コンベンション協会という団体がある。組織の必要性は否定しないが、運営者を固定する必要はないと思う。イギリスには、ビジット・フォー・ロンドンという観光団体がある。5年ごとに運営者と契約し、数値目標が未達成であれば、市から委託金が支払われないという厳しいもの。当然5年後は競争になるが、その団体は「必ず競争に打ち勝つ」という思いを持っていた。
・日本の場合は、いつまでたっても運営者が変わらない。もちろん、警察行政などでの委託は無理だが、多くの事業では、運営者を固定化せず、数値目標や提案を出させて、仕事が他の団体にも移り得るという形にすべきだと思う。
・どうしてもその団体しかできないという事業は、先ほどの三層目の領域ではほとんどないはず。そういう視点で財政課には厳しくチェックしてほしいが、まずは、部局長マネジメントをお願いしたい。
・資料の1ページ目に、「サービスの受益者による選択の重視」ということを記載しているが、原則は「サービスの提供と対価の支払い」に構成し直して、まずは、適正な対価を算出すべき。以前、国際会議場の事業スキームをこの視点で見直した際、現行の仕組みの方が得だと判明したが、一度、様々な行政サービスについて、受益と負担についてしっかり検証してほしい。
・2ページ目2つめの矢印のところに記載されているように、どうしても受益と負担で構成できないものは、社会の装置・公器として、対価を求めないということがあり得ると思う。例えば、産業技術総合研究所では対価を得ることが可能だが、環境農林水産総合研究所が行う事業や今の農業政策では、対価を求めるのは困難。農政サービスに対して、個人的な考えはあるが、大阪の取組みだけではどうしようもない。
・このように、どうしても構成し直せないものは、社会の装置・公器として対価を求めないということはあり得るが、現状を見ると、行政サービスだから無料は当たり前という視点で行われている事業も多い。まずは、受益と負担、サービスと対価に構成し直して、対価を抑える必要があるものについて、いくら公金を払うかという思考で考えてほしい。
・2ページ目の2のところで、「公が介入する領域をはっきりと」と記載しているが、団体が介在しているため、公の事業なのか、市場原理に委ねるべきものなのかが曖昧になっているものは最悪。公としてどうしても必要であれば、複雑な構成を取らず、真正面から必要性を明確にすべき。
・どうしても公金を投入するのであれば、投入目的を府民に示さなければならない。過去は過去で、そのときの政策・政治判断があったのだろうが、りんくうゲートタワービルなど疑問がある。このビルはスポンサーに40億円で売却したと聞いているが、府の支援が既に売却額と同程度になっていて、実質的には無償の形になっている。

【総務部長】
・府からは国際会議場の運営委託料を出しているが、ゲートタワービルの経営そのものをサポートしているわけではない。ただ、府の支援もあってホテルを維持しているので、間接的には支援していることになるかもしれない。

【知事】
・40億円で売却処理をしても、賃料を出すことによって公金の流れができている。賃料収入で売却額を相殺していれば同じこと。

【総務部長】
・40億円は賃料も前提にして算定され、市場原理に基づいて算定された額。賃料が入っていなければ、40億円でも買ってくれなかった。

【知事】
・本来であれば、賃料補助を除いた額で整理しておけばわかりやすかった。

【綛山副知事】
・例示が良いか悪いかは別として、国際会議場という行政目的を設定して、これを大阪府が借り上げようというようなもの。借り上げてくれるという前提で、ビル運営ができるのであれば、スポンサーも入りやすい。
・ゲートタワービルも会社更生を行い、スポンサーを見つけて売却をしたが、売却代金と借り上げるという目的は、それぞれリンクしているものではない。当時はそのような議論を行っていた。

【知事】
・私はそのような状態を良くないと思っている。

【総務部長】
・今後、議論をしていくが、ホテルに対して府は委託料等を出しているので、知事がおっしゃるように、公金を迂回して出しているように見える。

【知事】
・40億円で売り切ったという形に見えるが、迂回であろうと、こちらにも負担が生じる。いろんな事業スキームがあると思うが、形をはっきりとわかりやすく、改めるべき。公金を入れるのであれば真正面から説明ができるようにしておいてほしい。
・団体の固定化は避けるべきということが私の強い思い。団体を固定化することには、一見、理由があるように感じるかもしれないが、よくよく見直すと大した理由は無いもの。
・国の独立行政法人が継続のためのアンケートを出してきたときにも言ったが、独立行政法人は必要かもしれないが、運営主体が別でも良い。アンケートの回答でいくつか視点を変えてもらったこともあるので、その点にも留意を。運営主体もそのメンバーでなければならないのか。専門的技術集団ということであれば、その団体しかないが、ほかにも同じ集団あれば、市場原理を導入して競争を行う環境づくりをしなければならない。今後の予算編成にあたり、各部局と財政課との間で、努力する環境づくりに留意しておいてほしい。

【木村副知事】
・過去の経緯等を踏まえて、今の価値観で見直していくことが必要。国際会議場のときは、相手方の協力を得ることができたが、過去の経緯がある組織や、府庁自身が作った組織は、なかなか対応が難しい。観光コンベンション協会は府庁の仕事の別働部隊という目的があり、21世紀協会などは官民が集まって、民間からもお金を集められる仕組みを作ってきたという長い経緯がある。府の都市魅力の発信のためのお金を集める一役も担ってきたが、大阪府が関わらないことで、逆に民のお金が集まらず、事業が成り立たなくなる恐れもある。相手の立場に立って、我々のスタンスをしっかり説明しないと、相手方には不満が残り、仕事にも支障が生じるので注意しなければならない。
・りんくうゲートタワービルの清算は、外から見ても、スマートに処理できたと思う。ホテルの話を聞いて、私もすぐに整理をすべきと感じたが、実際、1年付き合ってみて、影響の大きさに足踏みをしてしまい、今回、客観的に見直していこうとなった。議論にあたっては、原則はあるものの、地元の痛みやマイナスの要素も考えて議論すべき。きっちりと相手の立場に立って、他への影響も見ながら、筋道を立てて説明していく。本府の各事業を共通の認識のもと、今回のターゲットは団体だが、広い視点に立ち、府としての関与を整理していかなければならない。

【府民文化部長】
・新たな視点で見ていくことは必要。団体の置かれている立場はそれぞれ異なるので、いきなり今までのやり方が間違っていたと示すと、感情的になることも考えられ、前に進まない。議論をした上で、相手方に対し、過去の経緯を踏まえ、理解を得ながら見直していく。例えば、観光コンベンション協会はこれから改革をしていかなければならないが、海外からお客を迎えたときに、ここなら信頼できるというブランドが必要。事業は実際にそこでしなくても、もっと合理的にできるところがあれば、そちらにお願いすることもありうるが、その場合でも観光コンベンション協会が認めたものという形にして、信頼のブランドは大切にしていきたい。そういった新たな工夫を検討していきたい。

【知事】
・観光コンベンション協会は必要でも、運営メンバーは固定化しなくても良い。

【府民文化部長】
・観光コンベンション協会が自ら事業を実施しなくても、民間で良い効果を発揮するところがあれば、指標、効果を提示していき、広く実施団体を求めていく。観光コンベンション協会には、ここは大丈夫というブランドを民間に与えられるようにできればよいのではないか。我々が海外に行ったときにも、どこを信頼したら良いのかということが一番問題になる。

【知事】
・今のメンバーが悪いということではないが、ずっと固定化するのではなく、イギリスのビジット・フォー・ロンドンのように、5年ごとにメンバーを入れ替える。

【府民文化部長】
・メンバーが代わるとかえってよくない。観光のプロが育たない。

【知事】
・メンバーが代わるのではなく、請け負う組織自体が代わるというもの。

【府民文化部長】
・事業については競争の中で実施主体を考える。

【総務部長】
・知事が示されているロンドンの例は、看板の問題ではないか。看板を担う団体は5年ごとに入れ替えていくというようなイギリスの競争入札の仕組みを今の日本にストレートに入れろと言われても、すぐには難しい。

【府民文化部長】
・全てを観光コンベンション協会が担うのではなく、事業を行う中で一番良い団体を観光コンベンション協会が認めて使っていけば良い。やり方はこれから議論したい。

【知事】
・りんくうタウンはケーススタディーになる。ゲートタワービルは、ホテル機能が必要だったのか、国際会議場を持ちたかったのか、地域の灯を消したくなかったのか。そこがはっきりすれば、府以外にも、泉佐野市などの地元も負担すべきかどうか話ができる。

【木村副知事】
・そこが今度の検討会のポイントであり、議論してもらうところ。

【総務部長】
・ホテルや国際会議場機能をつくったが、うまくいかなかったので、行政の役割に置き換えざるを得なかった。

【綛山副知事】
・関空の開港に伴い、ゲートタワービルは、りんくうタウンの象徴として建設した。しかし、ゲートタワービルの破綻が明らかになり、今後どうしていくのか議論した結果、会社更生しかないとの結論に至った。金融機関に多額の債権放棄をしてもらうとともに、府が国際会議場の運営を支援する等の前提があったため、やっとスポンサーが出てきて、破綻処理ができた。

【知事】
・ホテルや国際会議場の運営を固定化せずに、同条件で競わせる方法もあったのではないか。

【総務部長】
・そういう手法もあったかもしれないが、当時は手をあげる企業がなかった。

【住宅まちづくり部長】
・りんくうゲートタワービルはりんくうタウンの象徴。その灯を消してしまうと、りんくうタウンはダメだと対外的に表明することになる恐れがある。そこを踏まえて検討する必要がある。

【知事】
・何でもかんでも残すということになれば、努力しなくなるのではないか。

【住宅まちづくり部長】
・努力する仕組みはつくっていく必要がある。

【総務部長】
・りんくうゲートタワービルは、改めて議論していく。

【知事】
・りんくうタウンは、これまでマイナスイメージが強かったが、もう一回テコ入れすべき。ここは、WTCと同じく大事な拠点。関空がLCCの拠点になり、国際戦略総合特区が動けば変わってくる。定期借地の見直しなど、努力する環境をつくっていくべき。
・りんくうタウンの道路一体建物は、鉄道が上にあるために、特殊な維持管理のノウハウが必要との理由で、ずっとタウン管理財団が運営しているが、本当にそうなのか。

【住宅まちづくり部長】
・りんくうタウンの道路一体建物のあり方については、現在検討中。

【綛山副知事】
・WTC、府営住宅、泉北ニュータウンなど、大阪府には貴重なストックが沢山あるので、最大限知恵を絞りながら、それらのストックを活用していきたい。

【知事】
・今のスキームのままではなく、知恵を出してほしい。

【綛山副知事】
・当時はその時の知恵でやってきたと思うが、これからは、今の知恵で変えていく必要がある。

【住宅まちづくり部】
・今回、りんくうタウンの公園用地を商業地に変えるに当たって、多くの関係者と調整等に時間がかかってやっとできたもの。

【知事】
・そういう前向きな取組みの積み重ねで変わってくる。
・資料の3ページ目に黒字事業と赤字事業の分離を記載しているが、赤字と黒字のパッケージ
はあり得ない。黒字の収益で赤字を補てんするような抱き合わせ・均衡型ではダメ。利益混同しないように、しっかり財政で議論すべき。赤字と黒字は切り離し、黒字事業はどんどん伸ばしていく。赤字事業については、公の役割としてお金を入れるべきかをしっかり考えてほしい。

【木村副知事】
・りんくうタウンのホテルや国際会議場、コンベンション協会、万博公園機構もプロパー職員の存在があり、簡単に組織を整理することができない。私もこれまでやってきたが、組織整理は修羅場。相当の覚悟が必要。

【知事】
・プロパーを解雇できないから、公金を入れるというのであれば、公金を入れるかどうか真正面から議論すべき。それを避けて、わざと仕事をつくるのはおかしい。

【水道企業管理者】
・当時、りんくうゲートタワービルをなぜつくるのか議論した際、りんくうタウン活性化のため、シンボルとなる建物をつくらないと企業が来ないとの結論に至った。今また当時のように、シンボルをなくすと、りんくうタウンがダメになってしまうと決めてかからない方がいいのではないか。

【知事】
・市場原理を可能な限り尊重し、努力する仕組みが重要。今すぐ、象徴をなくすことは言わないが、象徴があれば何とかなるということではない。一度決めたスキームでずっとやるのではなく、みんなで知恵を出して、スキームを変えながら、企業が集まるように、市場原理の歯車が回るような仕組みにしていきたい。現行のバスの運行なども単なる支援策にしか見えない。お金を入れる必要があるところは真正面から議論していく。

<知事メールについて>
【知事】
・今回の教育視察で、校長や現場の教員と話をしてよくわかったが、私のメールに現場の職員は戸惑っているようだ。私は、号令をかけて、組織を動かしていかなければならない立場。私のメッセージに全員の合意を得られるとは思っていない。当然、職員の反発も出るだろう。皆さんには、マネジメントとして、現場の職員としっかりコミュニケーションを取って、私の意向をかみくだいて伝えてほしい。しっかりフォローをお願いする。

≪以上≫

このページの作成所属
政策企画部 政策企画総務課 

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