平成21年7月7日開催 部長会議の審議・報告の概要

更新日:平成22年2月19日

○と き 平成21年7月7日(火曜日) 午前10時35分から11時30分
○ところ 特別会議室大
○出席者 知事、副知事、各部長等



【知事】
・知事に就任してから1年余り。情報の扱い方とリスク管理について、私と行政の決定的違いを感じている。私の感覚は府民感覚という自信があるので、大阪府は体質改善をすべき。
・特に、情報の扱いでは、府民にとって不愉快な情報・不安を抱く情報、行政にとって不都合な情報については一刻も早く提供し、府民を安心させる情報は慎重を期して提供すべき。しかし、今の大阪府の情報の扱いは、逆の取扱いを行っている。
・以前、新型インフルエンザでの対応でも、5月25日に“都市機能回復宣言”を出した途端、観光客を呼ぶため、ひとまず安心という“大丈夫宣言”を出してはどうかと、私のところに相談があった。安心安全との違いを聞いたところ、医学的な保証まではないが、安心といった、よく分からない理由を付けてきた。
・これだけでは府民への説明ができないことから、宣言することを取りやめた。平松市長からは、なぜメッセージを発しないのかと言われたが、市長は危機管理についてよくご存知ないのだろう。メリットは慎重を期すべき。
・今、南部の学校で学級閉鎖が行われているが、もしメッセージを発していたら大変なところだった。整合性を取らないと困ったことになっていた。
・不安事象は逐次報告すべき。府営住宅の延焼問題についても、確定してからでないと不安を煽るとか、国交省との協議や体制準備のため1日待つといった理由で先延ばしにした間に、また事例が発生したら大変。
・情報の扱い方は、府民に軸足をおいて行動するべきであり、行政側に軸足おくべきではない。役所はいくら混乱してもよいので、情報が確定してから提供するのではなく、不確定情報であっても、不確定要素がある旨を示した上で、府民に有効な情報を提供するべきである。事件が確定するまで対応を留保していると、その間に、同じ事件が生じたら、さらに混乱を招く要因にもなる。
・経済センサス基礎調査の事業所名簿の紛失にしても、大阪市との協議なんて後でもいい。これから協議すると言えば良い。国との協議を待つ必要はない。情報提供が遅れ、その後に挽回することは労力が生じることから、不確定要素を含んだ情報であっても、先に、不確定情報ということを前提に、提供するほうが府民にも説明をしやすい。
・トップが謝るのは構わないと言ってきたが、あくまでも果敢に挑戦した結果、失敗して謝る場合の話。大阪府は情報について謝らし過ぎ。こんな組織は見たことがない。
・新型インフルエンザウイルスの確認についても、不安感を煽るのは良くないが、専門家に話すのは問題ないから論文に投稿したという理屈はおかしい。確定調査の結果が出るまで、最終的な判断は待ってくれと言えば済む話ではないか。
・危険な情報はすぐに出すこと。以前、フィットネスが問題になったとき、私のスケジュールを一部非公表にするといった話も出たが、私はすべて公表するように指示をした。隠すのは通らない。運転手に聞けば分かる話だし、後でわかれば取り返しが付かないことになっていた。その危機意識の認識が足りない。
・とにかく、繰り返し謝ることが多い。改めてもらいたい。安全・安心は慎重にじっくり待つ。危機的で危ない情報は条件付で公表すること。役所の協議を理由に非公表は認めない。役所は混乱すればいい。それが仕事。

<決裁システム等について>
【知事】
・障がい者郵便証明の件。所属からは、色々な報告を受け、意識改革の問題であったので研修していくことが必要とのことであったが、これは組織としても重大な問題をはらんでおり、副知事でもんでほしい。
・永田先生(改革評価委員)と意見交換をした際、行政というものは問題が生じると、すぐにコンプライアンスとかルール作りに走ってしまうが、それより重要なのは、どこに原因があるのか、システムの問題なのか、個人の問題なのかを確認して、どのように対応するのかという学習が必要と意見を頂いた。
・今回はいい事例となる。
・簡易決裁でハンコが羅列されているが、電子決裁の入力指示がなされていない。中身を見ているとすれば、団体の証明や機関紙の証明といった当たり前の作業がなされておらず、職員の研修はどうなっているのか。中身を見ていなかったとすれば、決裁システムに問題がある。
・永田先生をはじめ、特別参与に意見を求めながら、この問題が生じた原因を洗い出し、どのように対応していくべきか、副知事の間でしっかり議論を行ってほしい。根源的な問題と考えている。

<行政的価値と政治的価値について>
【知事】
・行政的価値と政治的価値は異なるということを改めて認識してほしい。
・7月4日(土曜日)に池田中学校へ視察に行き、地域の方との懇親を行った際、学校現場に、方針等を上から押し付けられるのはアレルギーがあるといった意見があった。
・とある新聞紙上でも「上から指示するのではなく、学校現場で担うべき」といった論調が掲載されていたが、現場の校長や教員は教育カリキュラムしか見ていない。私は、大阪全体の学力向上を図ることで、子どものドロップアウトを防ぎ、犯罪率など様々な大阪のワースト事象の立て直しにつなげたいと考えている。
・反復学習や百マス計算については、政治的責任を負うものとして、私が大阪府全体のことを考え、やるべきと政治的判断をした結果である。行政的判断をせず、対応してもらいたい。
・教員も組織人として働く以上、自分のやり方に合わなくても、大阪全体のことを考えて対応してほしい。
・水道部についても、その役割等は認識しているが、政治的展望に立って取り組んでいる。行政的価値と政治的価値を分けて考えてほしい。政治的価値は、行政的に違和感があるかもしれないが、議論を重ねた上で、最終的に私が決断した結果であり、きちんと執行してもらいたい。

<意見交換>
【健康医療部長】
・今回の報道提供の遅延については、ご迷惑をおかけして大変申し訳ない。発生原因を検証したところ、つかんだ情報を迅速に出すという原理原則の意識が職員に徹底されていなかったことが一番の原因。原理原則を認識していれば、情報の共有ができ、複数の目で見て、価値判断ができたはず。部長から担当に至るまで、今後はこうした意識共有を行い、府民に対して心配な情報はすぐに出し、動きがあればその都度、修正等を加えていくということを徹底したい。

【環境農林水産部長】
・富田林市内の土壌・地下水汚染に関する報道提供ついても危機管理の意識が足らなかった。報道提供の遅れについては、富田林市との連携や、周辺住民や半径1キロメートル以内の井戸の所有者への連絡を優先して行っていたなどの理由としていたが、これをケーススタディーとする、課長会議を2回開催したほか、本日も夕方から報道対応に関する勉強会を行う予定。今後しっかり意識を改めていく。

【住宅まちづくり部長】
・府営住宅建設時の床仮設開口部の調査等については、3日(金曜日)に知事レクを行い、6日(月曜日)に報道提供するつもりでいた。理由としては、関係機関等が混乱することや、他の事業主体への影響もあるため。こうした情報を速やかに出すというのはおっしゃるとおり。今回、記者会見を行ったが、実施してよかったと思っている。1時間以上、技術的な議論を行い、報道関係者に理解していただくことができた。今後は府民の目線に立つことを徹底していきたい。

【知事】
・情報を流して、仮に府民を混乱させても、あとで謝るのは私の仕事。結果として「実は安全でした」となれば最高の結果。しかし、状況が確定するまで情報を出すのを待っていた、その間に、思わぬ事態が生じたら、取り返しがつかない。これまでは、「不安をあおる」とか「組織が混乱する」といった理由で情報提供が遅くなっていたようだが、今は、情報をどんどん出していくべき。今の民間では危機管理として行われていること。不確定情報であっても、前提条件を付けながら出せばよい。

【総務部長】
・平成21年経済センサス基礎調査の調査区内事業所名簿の紛失については、6月25日から3件の紛失があったもの。報告を受けていたが、大阪市内での紛失であり、市がまとめて発表すれば良いと考えていたが、誤っていた。自らが公表すべきであった。今後はきっちりと対応していきたい。

【危機管理監】
・今の事例を聞いていて、これまでも情報総括者会議の場などで情報共有が図られてきたところだが、きちんと組織的に行われていないのではないかと感じた。そこで、この機会に3つの提案を行いたい。一つ目は、危機事象が発生した場合の情報の取扱い、マスコミ対応について。各部次長が各部における情報総括の責任者であり、伝達については各部総務課の総括補佐が責任者となっているが、人事異動もあることから、年度当初に対応要領を確認し、それぞれの手元においておくようにすべき。
・二つ目は研修メニューについて。今年度から主査級昇任考査の要件に、危機管理対応に関する研修の受講が加えられたが、これを受講した職員はまだ管理職になっていない。管理職も危機管理に関するセミナーを受講し、実践していくサイクルを確立すべき。
・三つ目は情報の共有。危機事象が発生した場合、情報総括者が次長会議などで対応経過や顛末について報告し、情報共有することを定着させるべき。

【知事】
・是非ともお願いする。

【水道企業管理者】
・コンプライアンスやリスク管理などについては、知事のおっしゃるとおり。難しいのはどのように対応していくか。組織的な対応を行うとすれば、各部次長や総務課長を通じて対応ということになるが、問題なのは、大半の事象は、担当職員は悪いと思ってやっていないということ。担当がそれなりに判断して対応しており、全ての案件を一つ一つ次長が対応していくのは無理があるのではないか。問題が発生した場合は、直属の上司にきちんと報告すべきではないか。

【総務部長】
・職員の多くは、問題事象を隠しておこうと思っているのではなく、公表するタイミングを見計っているうちに遅くなってしまっているのではないか。やはり、発表すべき事象が発生すれば、直ちに各部の次長に一報を入れることを徹底するべき。次長は様々な情報を集約して判断を下すべき。

【水道企業管理者】
・全てを次長に報告する、となると報告が行いにくい担当者もいるのではないか。

【総務部長】
・そのような場合は、所属長から次長に報告するということで良いのではないか。

【環境農林水産部長】
・情報には一刻を争うものがあり、本来はもっと早く処理しなければならないのだが、担当者が上司に伝えにくい悪い情報もある。これは特に窓口に近い若手職員が持つ可能性が高い。私は、異動するたびに職場に「Bad News First」という言葉を書いて、壁に貼り出していたが、これを現実に動かすには対話、風通しの良い職場が必要。こうした案件は職場の風通しとセットで考えるべきではないか。

【知事】
・確認するが、今回のそれぞれの案件について、報道提供遅延の責任者は誰になるのか。

【健康医療部長】
・タミフル耐性を示す遺伝子を持つ新型インフルエンザウイルスの確認については、私が責任者になる。

【住宅まちづくり部長】
・府営住宅建設時の床仮設開口部の調査等については、私が責任者になる。

【環境農林水産部長】
・富田林市若松町西地区における土壌・地下水汚染については、私が責任者になる。

【総務部長】
・H21年経済センサス基礎調査区域内事業所名簿の紛失等については、私が責任者になる。

【知事】
・堺屋太一氏もおっしゃっていたが、悪意の無い方が重症。普通に感じているのは、意識を持っていないから。情報総括者が危機情報の判断をするのではなく、報道長と相談しながら危機情報について、前提条件を付けながらいち早く提供していくべき。
・危機情報はとにかく早く出す。安心・安全情報は慎重を期す。これを徹底して欲しい。今は逆になっている。

【総務部長】
・何が「政治的判断」かが分からないことがある。議論の中で理解できればよいが、意見が合わない場合に、政治的判断で決めたと言われると、中身が十分理解できず、我々としても対応できない。大きな政治目標に向かって動くことはおっしゃるとおりだと思うが、なぜそうなのかという点については、しっかりと理解できるよう議論させてほしい。

【知事】
・もちろん一方的に押し付ける気はない。戦略本部会議の場でも議論したい。
・教育委員会についてはお願い。強制ではない。現場の校長や教員が目の前の課題に一生懸命になってしまうことは理解できるし、それは当然尊重しなければいけないと思うが、私の思いは、その先にある大阪全体の子ども達をどうかしたいという点にある。さらに言えば、非行率や離婚率など大阪が高い水準にある指標を改善していくためにも、学力を向上させ、ドロップアウトを防ぎたいという思いがある。
・先日の意見交換会で私の思いが十分伝わっていないということがよくわかった。私の今までのやり方によって、溝ができてしまったという点は反省しているが、教育委員会を通じて、改めて私の思い、感覚の違いを伝えてほしい。

【教育次長】
・先程の知事が言われた新聞記事では、一部強調されている面もあると思う。知事の思いはしっかりと伝えていきたい。

【小河副知事】
・情報の共有に関して、知事メールはすぐに担当者まで周知されるのに、担当者レベルのメールはなかなか上に伝わらないという話を聞いた。メールの良い点を上手に使って、しっかりと各段階のコミュニケーションを図ってもらいたい。

【木村副知事】
・理念と実行の一致は難しいが、最終的には個々人の危機意識だと思う。社会人採用の職員からのレポートにもあったが、長年の仕組みが阻害している面もあると感じている。この一年間改革を進めてきたが、足元の仕組みを変えないと意識改革が進まない。府民目線と情報公開を組み合わせれば今回の問題を回避できたように思う。個人の意識が府民に向いていなかったのだろう。一朝一夕ではいかないが、今回の事例を突き詰めることで、今後の発生を少しでも減らしていきたいと思う。副知事の間でもきっちりと議論していく。

【知事】
・障がい者郵便証明の件については、副知事の間でも議論してほしい。

【福祉部長】
・かなり基本的な事務処理、文書決裁の部分が、十分徹底できていなかった。システム問題と人の問題の両方を内包している。H18年の事例ではあるが、今も当てはまる問題なので、十分検証し、副知事とも相談しながら原因を究明していきたい。

【知事】
・部長会議の場で参照事例として配付してほしいと思うが、今回の件で残念だったのは、「○○が障がい者団体であり、○○という雑誌がその団体が発行する機関紙であることを証明する。」という証明事項のわずか2行について、職員が、規約や機関紙の現物等を確認するという当たり前のことに誰も思いが至らなかったということ。審査基準やマニュアルがどうこうという問題ではない。
・複雑な申請書なら、添付資料の確認のためにマニュアルが必要になるということも理解できるが、たった2行の証明書の発行で、それが漏れてしまうものなのか。
・職員の能力ということであれば、主査試験や研修でフォローしていく必要があるし、職員の能力の責任ではないとしたら、今回何があったのか。

【福祉部長】
・精査して改めて報告するが、事務処理のノウハウが十分でなかった。非常にレベルが低い話。

【知事】
・職員が中身を見てないとすれば、決裁システムの問題。これについても前から疑問を持っている。ポジションごとに確認のルールはあるのか。私のところに来る決裁は30人近い関与者がいるが、細かい点についてまで確認していない。ポジションによって見るところが違うはずだが、誤字脱字を発見することもある。ポジションごとのチェックのポイントを「形式的なもの」と「実質的なもの」「行政的判断」と「政治的判断」に分けるべきではないか。
・障がい者郵便証明の件では、簡易決裁した後は必ず電子決裁というルールが徹底していなかったことを誰もが気がつかなかったというところも問題だったと思う。
・今のままでは、形式的で意味のないことをやっていることになり、一体どこを見ているのかということになる。推敲チェックから判断チェックへと流れていかないとダメだと思う。

【府民文化部長】
・内容に応じ「誰が関与者になるか」「誰が決裁権者になるのか」については規定があるが、ポジションごとにどういう視点でチェックするのかについては、明確なルールがないのが現状。

【知事】
・今のままでは、責任の所在が明確ではない。決裁することとあわせて責任を裏付けさせるシステムに変えないといけないと思う。私や部長で全てをチェックし、責任をとることはできない。今のままでは危険。

【総務部長】
・確かに明確なルールはないが、私は、形式的なものは部下が見ているということ前提に、実質的な判断を行っている。基本的に決裁権者にも責任はある。課長決裁についても、相談を受けることがあり、そうした以上マネージャーとして責任があると思っている。今回の経済センサス基礎調査の件についても、私は決裁権者ではないが、報告を受けて判断したことから、私に責任があると考えている。

【府民文化部長】
・決裁システムについては調査しているところであり、決裁者には何の責任が生じ、何を見るべきかについて、関与者の削減を含めて検討していきたい。

【木村副知事】
・決裁については、供覧的な意味もある。決裁のラインと、見知っておきたいという人とは明確に整理しておく必要がある。決裁を見た人の全てに責任があるということにはならないと思う。本来の決裁の持つ意味を考え、体系的に整理すれば問題は解決するように思う。

<技術職の昇任制度について>
【環境農林水産部長】
・5月12日の部長会議の場で、技術職昇任制度について問題提起させていただいた。私自身の出先機関での経験や現場感覚で率直に申し上げたのだが、その後、昇任関係のデータを詳しく調べてみたところ、行政職と比べて「極端な差があるとまでは言えない」ことがわかった。
・また、職種を問わず、管理職にふさわしい人材を選ぶ手段として「試験制度の活用」に着目していたが、部のトップとして、職員と率直に話し合いをしたところ、試験制度の導入よりも、技術を高めながら幹部に昇任していくプロセスが重要で、そのためには、若いうちから幅広い職場を経験したいという意見が多かった。今後、人事交流の対象となる職域を広げ、新しい人事制度にも期待しながら、技術職として幅広い能力が磨けるようしっかりと人材育成を進めていきたいと思うので、よろしくお願いしたい。

<御堂筋イルミネーション基金について>
【府民文化部長】
・みなさまのご協力もあり、6月19日に目標の7,500万円に到達。7月6日現在で、881件、1億1,405万円の寄附が集まった。
・府職員については、OBを含めて目標額1,000万円を掲げていたが、7月1日に到達し、340件、1,028万円の寄附が集まった。件数では全体の4割。厳しい状況の中でご協力いただき大変ありがたく思っている。
・目標は達成したが、次年度のこともあるので、可能な限り、引き続きのご協力をお願いしたい。他にはない、あっと驚くものに仕上げていきたいと思っているので、12月12日のオープンの日を是非ともご期待下さい。

【小河副知事】
・募集はまだ行っているのか。

【府民文化部長】
・目標は達成したが、できる限り多くの協賛が得られるよう引き続き寄附を募っている。

【木村副知事】
・ご紹介いただいたところがあるので、7月中に周りたいと思っている。

※ 本日の会議コスト(出席者・陪席者の人件費)は約22万円です。

 ≪以上≫

このページの作成所属
政策企画部 政策企画総務課 

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