ワーク・ライフ・バランスの実現

更新日:平成25年9月13日

■ いま、なぜワーク・ライフ・バランスなのか?

  社会的・経済的環境やライフスタイルが変化する中で、働く人がその能力を十分に発揮するためには、性別や年齢、そのおかれている状況にかかわりなく多様な人材が仕事に就ける社会にすることが大切です。

  しかし、現実の社会には、
   ・ 安定した仕事に就けず、経済的に自立することができない、
   ・ 仕事に追われ、心身の疲労から健康を害しかねない、
   ・ 仕事と子育てや老親との両立に悩む、
 など、仕事と生活の間で問題を抱える人が多く見られます。

 企業にとっても、優秀な人材を確保し、従業員の意欲と能力を高め、多様な人材を生かすことで、企業の活力を維持・発展させていくことが必要です。

 そこで、多種多様なライフスタイルを持つ個々人の生き方に合わせて、また子育て期、老親の介護等に追われる中高年期といった人生の各段階におけるニーズにも対応して、多様な働き方を選べる「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)」の実現に向け、平成19年12月に、関係閣僚・経済界・労働界・地方公共団体等の合意により「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」・「仕事と生活の調和推進のための行動指針」が策定され、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取組がスタートしました。

■ ワーク・ライフ・バランスが実現した社会とは

 国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会のことです。

 具体的には、以下のような社会を目指します。(ワーク・ライフ・バランス憲章(外部サイト)より)

  1. 就労による経済的自立が可能な社会
     経済的自立を必要とする者、とりわけ若者がいきいきと働くことができ、かつ、経済的に自立可能な働き方ができ、結婚や子育てに関する希望の実現などに向けて、暮らしの経済的基盤が確保できる。
  2. 健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
     働く人々の健康が保持され、家族・友人などとの充実した時間、自己啓発や地域活動への参加のための時間などを持てる豊かな生活ができる。
  3. 多様な働き方・生き方が選択できる社会 
     性や年齢などに関わらず、誰もが意欲と能力を持って様々な働き方や生き方に挑戦できる機会が提供されており、子育てや親の介護が必要な時期など個人の置かれた状況に応じて多様で柔軟な働き方が選択でき、しかも公正な処遇が確保されている。

 また、ワーク・ライフ・バランス行動指針(外部サイト)には、ワーク・ライフ・バランス憲章で示す「ワーク・ライフ・バランスが実現した社会」を実現するため、企業や働く者、国民の効果的な取組、国や地方公共団体の施策の方針が定められています。 

■ 企業がワーク・ライフ・バランスに取組む必要性

 働く人のワーク・ライフ・バランスの実現には、「働く場」としての企業の理解や取組の促進が不可欠です。
 では、企業にとって、ワークーライフ・バランスの取組が、なぜ必要なのでしょう。
 それは、ワーク・ライフ・バランスが企業の将来の成長・発展につながる「明日への投資」であり、経営戦略の重要な柱である、ということに大きなポイントがあります。
  
【従業員のニーズへの対応】
 子育て世代の多くが、仕事も家庭も大切にしたいと考えています。
 また、共働き世帯が増加し、夫婦で育児を分担できる職場環境は男女共通のニーズとなっています。
 企業を支える子育て世代が意欲を持って働けるようにするためには、そのニーズや意識の変化に対応し、育児参加できる働き方を実現する必要があります。

【仕事時間と生活時間のバランス実現】
 従業員の働きすぎによる疲労や意欲の低下、心身の健康状態の悪化は、企業にとって深刻な損失となります。
 また、夫が家庭を顧みることができず、妻が心身の健康を損ねれば、夫は安心して仕事に向かうことができず仕事に支障をきたすことにもなりかねません。
 従業員が健康で意欲を持って仕事に取組めるようにするためには、仕事時間と生活時間のバランスを取れるようにすることが不可欠です。

【多様な人材の活用】
 厳しい競争環境の中で企業の力を高めていく上で、性別、年齢、価値観、個性の異なる多様な人材の能力を活用することが不可欠となっています。
 近年、女性の活躍を推進する企業が増えていますが、女性だけに育児が集中する環境は能力発揮の阻害要因の一つになっています。
 女性の活躍を進めるためにも、男女とも子育てできる働き方が必要です。

【企業の社会的責任(CSR)の遂行】
 女性の活用やワーク・ライフ・バランスの推進をCSRとして位置づけ、従業員の多様性を尊重し、安心して快適に働ける職場づくりに取組む企業が増えています。
 企業は、単に業績だけではなく、社会的公正や環境問題への取組などの側面も含めて評価されるようになってきており、投資家、顧客、従業員等の利害関係者からの信頼を得るためにも、こうした取組が求められます。

■ 企業には、こんなメリットがあります!
   ワーク・ライフ・バランスは、従業員の働く意欲を高め、生産性向上にも貢献する「新しい報酬」です。

  • 従業員の定着(離職率の低下)
    ○ それまで従業員に培われた知識や経験が失われない。
    ○ 新たな従業員の採用、育成にかかるコスト等が不要。
    ⇒ 育児休業や短時間勤務の制度が整い、女性が出産後も働き続けることができれば、出産を機に退職する場合と比べ、大企業で22万円、中堅企業で16万円のコスト削減!
  • 優秀な人材の確保
    ○ 学生は仕事と家庭を両立させたいという就職観が多数派。
  • 多様性に富む従業員の確保、定着
    ○ 多様な人材の定着により、企業に求められる顧客や市場の多様なニーズへの対応も可能。
  • 従業員の満足度や仕事への意欲、企業へのロイヤリティの向上
    ○ 従業員が抱える様々なニーズに応えることにより、従業員の満足度や仕事への意欲が高まる。
    ○ 日常的に他部署からの応援を受けられる体制の整備、多能工の育成、業務の共有化等の工夫で、お互い様意識」が醸成され、職場のコミュニケーションやチームワークも向上。
  • 従業員の心身の健康の保持・増進
    ○ 従業員の心身の健康の保持は、企業の活力向上に不可欠。
    ⇒ メンタル面等の理由で休職者1人当たりにかかるコストは422万円!
  • 従業員の生活者としての視点や創造性、時間管理能力の向上
    ○ 子育てや介護、自己啓発、地域活動といった多様な経験が、業務にもプラスに影響。
    ○ 短時間で効率よく働くよう心がけることで、時間管理能力が向上。
  • 部下や同僚従業員の能力向上
    ○ 業務分担の見直しや業務応援を行い、時には上の役職の業務を代替する経験等もすることで、
      部下や同僚従業員の能力の向上が期待。
  • コスト削減
    ○ 長時間労働の是正により残業代や光熱費が、テレワークの推進によりオフィス賃料等が削減可能。
    ⇒ 従業員1人当たり残業時間を1日30分短くした場合、企業規模により年間1千万から3億円ほど削減!
  • 生産性や売り上げの向上
    ○ 業務目標を下げずに業務の見直し(棚卸し)、業務分担の見直し等効率化を進めることにより生産性が向上。
    ○ 生活者としての視点を活かした、アイデア商品、ヒット商品の開発も。
  • 企業イメージや評価の向上
    ○ 社会的責任を果たす企業として企業イメージや評価が向上。
    ○ また、企業イメージ向上により、自社に対する誇り、愛社精神の高まり。

(内閣府男女共同参画会議 仕事と生活の調和に関する専門調査会「企業が仕事と生活の調和に取組むメリット」より)

■ 参考資料

  1. 「仕事と生活の調和の実現に向けて」(外部サイト)
    内閣府

  2. 「労働時間等見直しガイドライン(労働時間等設定改善指針)」(外部サイト)
    厚生労働省

  3. 「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」(外部サイト)
    大阪労働局

このページの作成所属
商工労働部 雇用推進室労政課 労政・労働福祉グループ

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