8.B事件(平成27年(不)第57号事件)命令要旨

更新日:平成29年7月18日

1 事件の概要

 本件は、組合員1名の再雇用後の労働条件を議題とした組合からの団体交渉申入れに対し、学校法人は、労働条件に当たらず義務的団交事項でないとして、当該議題の団交に応じないことが不当労働行為であるとして申し立てられた事件である。

2 判断要旨

(1)義務的団交事項に該当するかについて

 学校法人は、教職員は満60歳をもって一旦定年退職するため、再雇用後の労働条件は、採用時の労働条件の決定と同様に学校法人の専権事項であり、労働条件の変更に当たらないため義務的団交事項には該当しない上、以前、定年退職後に再雇用された組合員については、組合から団交の申入れを受けたことは一度もなかったにもかかわらず、組合員Aについてのみ団交を求めるのは、一貫性がない旨主張する。
 しかしながら、本件団交申入れの団交事項である定年退職後も引き続き再雇用されることを前提とした組合員Aの再雇用後の労働条件に関する事項は、定年前の労働条件を踏まえた組合員Aの個別の労働条件の変更に該当し、労使で協議することが可能な労働条件であるとみるのが相当であり、義務的団交事項に該当するのは明らかである。
 
また、たとえ組合が以前に定年退職した組合員に係る団交申入れを行っていなかったとしても、学校法人が義務的団交事項である本件団交申入れに応じなくてもよい理由に全く当たらないことはいうまでもない。
 
従って、学校法人の義務的団交事項でないとの主張には理由がない。

(2)3回の団交及び2回の団交申入れに対する学校法人の対応について

 学校法人は、組合員Aの再雇用後の労働条件については、義務的団交事項ではなく団交で協議する必要はないと考えているものの、3回の団交に応じて、定年退職後の再雇用者の労働条件等について具体的な説明をし、誠実に対応していた旨主張するが、(1)3回の団交で、学校法人が、定年退職後の再雇用者の労働条件について具体的な説明を行ったとはいえないこと、(2)3回の団交でその都度説明を行ったこと等を理由に、2回の団交申入れにも一切応じていないこと、から、かかる学校法人の対応は、不誠実団交及び正当な理由のない団交拒否に当たる。

(3)以上のとおり、組合員Aの再雇用後の労働条件は義務的団交事項であるにもかかわらず、学校法人は交渉に一切応じていないのであるから、学校法人の主張はいずれも採用できず、組合の本件団交申入れに対する学校法人の対応は、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為である。

3 命令の内容

(1)団交応諾

(2)誓約文の手交

※なお、本件命令に対して、被申立人は、大阪地方裁判所に取消訴訟を提起した。

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労働委員会事務局 労働委員会事務局審査課 運用グループ

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