第25回正蓮寺川総合整備事業に係る環境監視委員会について

更新日:2013年1月18日

第25回正蓮寺川総合整備事業に係る環境監視委員会の開催について

・今回の委員会資料ならびに議事については以下のとおりです。

・開催日時 平成24年8月30日
・開催場所場所 : 大阪府西大阪治水事務所 1階会議室

委員会次第

  1.現在の工事・現場状況について
  2.工事中の環境監視結果について
  3.環境監視計画の見直しについ
  4.今後の工事の進め方について
  5.閉


 委員会資料

目次

1. 工事中の環境監視結果について
 1.1
環境監視結果について
  1.1.1 河川水質
    1.1.2 地下水水質
  1.1.3 水生生物

  1.1.4 大気質

 1.2 環境監視計画の見直し
  1.2.1 水質調査に係る見直し

2. 今後の工事の進め方について
 2.1 北港大橋より上流の工事内容
 2.2 北港大橋より下流の工事内容

1. 工事中の環境監視結果について 

1.1 環境監視結果について

1.1.1 河川水質
 「工事中における河川水の環境監視結果(基本監視点)」の要約を表1−1に、工事8年目以降の結果を表1−2に、一般項目の経日変化を図1−1、DOと水温の変化を図1−2に、ダイオキシン類の経日変化を図1−3に示す。また、これまでの環境監視結果の詳細なデータについては、巻末資料に示す。

 (1) 一般項目(pH、SS、DO、BOD、濁度及びノルマルヘキサン抽出物質(OIL))
 工事中の河川水質(一般項目)は、SS、DO及びBODを除くと、いずれの項目も工事前の水質とほぼ同程度の値を示していた。この傾向は工事10年目以降も同様であり、工事による河川水への影響は認められなかった。

 なお、DOについては例年通り水温の変化による変動がみられた。
 また、正蓮寺川水門で2月7、14日それぞれBODで9.7mg/L、3.4mg/L、7月3日にSS43mg/L、BOD15mg/Lと監視基準(SS:25mg/L以下、BOD:3mg/L以下)を上回った。さらに、3月6日にはBODが正蓮寺川水門下流約300mで、3.4mg/L、六軒屋川嬉ケ崎橋で3.4mg/Lと監視基準(3mg/L以下)を上回った。
 いずれも調査日前日までの降雨状況(2月6日8.5mm、2月7日33.5mm、2月13日13mm、2月14日9.0mm、3月5日48.5mm、3月6日6.0mm、7月3日38.0mm:大阪管区気象台)や当日の工事内容(締切内陸地化部での函体工)から工事の影響ではないと判断した。

 (2) 健康項目(PCB、総水銀及びダイオキシン類)

 (PCB)
  PCBについては、工事前及び工事中を通じて、いずれの地点においても河川水からは一度も検出されなかった。

 (総水銀)
  総水銀については、工事前及び工事中を通じて、いずれの地点においても0.0005mg/L未満であった。

  (ダイオキシン類)
  ダイオキシン類については、正蓮寺川水門での工事中(10年目)は0.046〜0.58pg-TEQ/Lの範囲(平均値:0.099pg-TEQ/L、n=37)、正蓮寺川水門下流約300mでの工事中(10年目)は0.077〜0.19pg-TEQ/Lの範囲(平均値:0.13pg-TEQ/L、n=4)であった。

  六軒家川・嬉ケ崎橋での工事中(10年目)は、0.045〜1.7pg-TEQ/Lの範囲(平均値:0.11pg-TEQ/L、n=41)であった。
  いずれの基本監視点においても、環境基準(年間平均値1pg-TEQ/L以下)に適合していたものの、六軒家川・嬉ケ崎橋では平成23年9月6日の調査時に1.7pg-TEQ/Lと監視基準(1pg-TEQ/L以下)を超過した。本内容については、第24回の環境監視委員会にて報告済み(台風超過に伴う降雨の影響)であり、工事の影響ではないことを確認した。

以上、河川水質の監視結果から工事による水質への影響は認められないことを確認した。

 

1.1.2 地下水水質
 「工事中における地下水の環境監視結果」の要約を表1−3に、詳細データを表1−4に示す。

 (PCB)
  PCBについては、工事中を通じて、いずれの地点においても地下水からは一度も検出されなかった。

 (水銀)
  水銀については、工事中を通じて、いずれの地点においても0.0005mg/L未満であった。

  (ダイオキシン類)
  ダイオキシン類については、工事中を通じて、いずれも環境基準(年間平均値1pg-TEQ/L以下)を下回っており、一度も環境基準(年間平均値1pg-TEQ/L以下)を超過することはなかった。また、工事中(10年目)は、これまでの測定結果と比較しても大きな差はみられなかった。

以上、地下水質の監視結果から工事による水質への影響は認められないことを確認した。

 

1.1.3 水生生物
 年1回の頻度で実施している「工事中における水生生物の環境監視結果」については、最新のデータは平成23年9月調査であり、第24回の環境監視委員会で既に報告済みである。なお、平成24年度の水生生物調査は平成24年9月に実施予定である。
 

1.1.4 大気質
 3カ月に一回の頻度で実施している「工事中における大気質の環境監視結果」の要約を表1−6に、詳細データを表1−7に示す。

 (PCB)
  PCBについては、工事中を通じていずれの地点においても大気質から検出されなかった。

 (ダイオキシン類)
  ダイオキシン類については、工事中(10年目)か0.021〜0.040pg-TEQ/m3検出されたが、工事中を通じていずれも環境基準(0.6pg-TEQ/m3以下)を下回っていた。またこれまでの測定結果と比較しても大きな差はみられなかった。

  (水銀)
  水銀については、工事中(10年目)は1.8〜7.2ng/m3検出されたが、「環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るための指針となる数値(指針値)(平成15年9月30日 環管総発第030930004号通知)」の40ng/m3を下回っていた。また、これまでの測定結果と比較しても大きな差はみられなかった。

 (鉛)
  鉛については、工事中(10年目)は0.007〜0.020μg/m3検出された。なお、鉛については監視基準を設定していないためこれまでの測定結果(<0.008〜0.085μg/m3)と比較すると、ほぼ同程度であった。

  (悪臭)
  悪臭については、平成18年4月の大阪市における規制基準の改正に伴い、臭気指数を監視項目としている(第9回環境監視委員会で承認)が、いずれも10未満であった。

以上、大気質の監視結果から工事による大気質への影響は認められないことを確認した。

1.2 環境監視計画の見直しについて

1.2.1 水質調査に係る見直し
 平成23年9月29日に発生した土留壁崩壊事故を受け、基本監視点の監視頻度をそれまでの1回/月から1回/週に変更し、復旧工事を進めてきた。
 この間、基本監視点において当該項目(PCB、T−Hg、ダイオキシン類)について一度も監視基準を上回ることなく、また、一般項目も事故後以前の水質と同程度であることから、復旧工事を含め本体工事において河川水への工事の影響は認められないことを確認した。
 なお、平成24年4初旬に道路施工部に貯留されていた水の放流が完了し、復旧工事は平成24年5月初旬に完了している。
 以上を踏まえ、基本監視点における河川水質監視については、事故以前の頻度に戻すこととしたい。

2.今後の工事の進め方について

2.1 北港大橋より上流の工事内容

(1)今後の工事概要
 今後、躯体構築が完了した区間において、舗装及び施設工事等を行う。また、最下流部(北港大橋付近)においては、正蓮寺川ランプ(仮称)の施工を行うとともに、北港大橋盛土化、河川・下水構造物の築造等を行う。

(2)PCB対策対象土の封じ込め方法について
 工事において河川内で発生したPCB対策対象土については、これまで、上流側及び下流側封じ込め箇所にそれぞれ封じ込めを行ってきた(図2−1)。
 工事の進捗に伴い、PCB対策対象土の発生時期と封じ込め時期を考慮した結果、下流側封じ込め箇所においては、予定していた箇所での最終封じ込めができないことが判明した。一方、掘削したPCB対策対象土については速やかに封じ込める必要があるため、下流側封じ込め箇所において一時的に封じ込め壁の嵩上げを行い、暫定的に封じ込めを行ってきたところである(第20回環境監視委員会で審議)。
 今回、高速道路本体工事(掘削工)がほぼ完了し、最終基盤整備高さについて関係機関と協議・調整を行った結果、暫定的に封じ込めていたPCB対策対象土については、現況から一部鋤取ることにより、これまでの下流側封じ込め箇所での封じ込めが可能となった(図2−1)。
 なお、封じ込め構造物については、「共同命令(一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令 昭和52年総理府令・厚生省令第1号)」に示された機能を有する構造物とすることとされている(第6回環境監視委員会で審議)が、今回の最終封じ込め案において、PCB対策対象土の封じ込め構造物を表2−1に示すとおり一部見直すものとする。

(3)施工時の管理
 ・高速道路本体工事施工に伴う大気質日常監視について
 粉じん・臭気の発生を伴うと考えられる工事実施日に臭気指数および粉じん濃度の測定を行い、工事管理をすることとする。なお、日常監視基準に適合しない場合は、工事との因果関係の有無を確認するとともに、必要な場合は措置を講じるものとする。
(第15回環境監視委員会で承認)

 ・高速道路本体及び基盤整備施工に伴う排水処理について
 工事に伴って発生する水については事前に水質調査を実施し、放流先の基準を満足するように適切な処理を行った上で放流することとする。なお、放流にあたっては定期的に水質監視を実施するものとする。
(第15回環境監視委員会で承認)

2.2北港大橋より下流の工事内容

(1)今後の工事概要
 「此花下水処理場ポンプ場築造工事」は、現在「ポンプ棟1期」工事の本体築造工(躯体工)を施工中である。
今後も、引き続き「ポンプ棟1期」工事の本体築造工(躯体工)を行う予定である。

(2)施工時の管理
 ・此花ポンプ場本体工事施工に伴う大気質日常監視について
粉じん・臭気の発生を伴うと考えられる工事実施日に臭気指数および粉じん濃度の測定を行い、工事管理をすることとする。なお、日常監視基準に適合しない場合は、工事との因果関係の有無を確認するとともに必要な場合は措置を講じるものとする。
(高速道路工事において第15回環境監視委員会で審議)


 ・此花ポンプ場本体工事施工に伴う排水処理について
工事に伴って発生する水については事前に水質調査を実施し、放流先の基準を満足するように適切な処理を行った上で放流することとする。なお、放流にあたっては定期的に水質監視を実施するものとする。
(高速道路工事において第15回環境監視委員会で審議)

委員会資料はこちら [PDFファイル/871KB]

委員会結果概要 

1.現在の工事・現場の状況について

 北港大橋については、盛土化工事を施工中である。
 高速道路躯体構築のための函体工事については全て完了し、上部埋め戻しおよびその他対策対象土の仮置きを行っている。
 最下流部(北港大橋下流部)では、此花下水処理用ポンプ場築造工事を施工中である。現在はポンプ棟1期工事の掘削・底板コンクリートの打設が完了し、躯体構築中である。

2. 工事中の環境監視結果について

工事中の環境監視結果は以下の状況であり、工事による環境への影響はなかった。

河川水質

・ pH、SS、BODなどの一般項目については、DO、SS、BODを除くと工事前の水質とほぼ同程度の値を示していた。
なお、DOについては例年通り、水温の変化による変動が見られた。またBOD、SSは調査日前日までの降雨状況や当日の工事内容(締切内陸地化部での函体工)から工事の影響ではないと判断した。
・ PCB、総水銀については河川水からは検出されなかった。
・ ダイオキシン類については、、監視基準(1pg-TEQ/L以下)を上回ることがなく、環境基準(年間平均値1pg-TEQ/L以下)に適合していた。

地下水水質

・ PCB・総水銀については、いずれも地下水から検出されなかった。
・ ダイオキシン類については、いずれも環境基準(1pg-TEQ/L以下)を下回っていた。

大気質

・ PCBについてはいずれの地点においても検出されなかった。
・ ダイオキシン類については、環境基準値を下回っていた。
・ 水銀については「環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るための指針となる数値」を下回っていた。
・ 鉛についてはこれまでの測定結果と比較するとほぼ同程度であった。
・ 悪臭については、臭気指数はいずれも10未満であった。

3.環境監視計画の見直しについて

9月29日の土留壁崩壊事故を受け、当面の間、基本監視点における河川水質の調査頻度を1回/月から1回/週に変更することとして復旧工事を進めてきた。この間、基本監視点においてPCB、T−Hg、ダイオキシン類については一度も監視基準を上回ることはなく、一般項目についても事故以前の水質と同程度であり、復旧工事を含め河川水への工事影響は認められないことを確認した。また、復旧工事は平成24年5月初旬に完了していることから、河川水質の監視については事故以前の頻度に戻すこととする。

4.今後の工事の進め方について

今後の工事概要

今後、躯体構築が完了した区間において、舗装及び施設工事等を行う。また、最下流部(北港大橋付近)においては、正蓮寺川ランプ(仮称)の施工を行うとともに、北港大橋盛土化、河川・下水構造物の構築等を行う。

また、「此花下水処理場ポンプ場築造工事」については、引き続き「ポンプ棟1期」工事の本体築造工(躯体工)を行う。

PCB対策対象土の封じ込め方法について

下流側PCB対策対象土の封じ込め場所においては、一時的に封じ込め壁の嵩上げを行い、暫定的に封じ込めを行ってきた(第20回環境監視委員会にて承認)が、高速道路本体工事がほぼ完了し、最終基盤整備高さについて関係機関と協議・調整を行った結果、暫定的に封じ込めていたPCB対策対象土については現況の高い箇所から一部鋤取って低い箇所へ均し、基盤高さの整備をすることにより下流側の封じ込め箇所ですべて封じ込めることが可能になった。なお、封じ込め構造物については一部見直しを行うが、これまでの封じ込め箇所で採用してきた構造物であり、「共同命令に示された機能を有する」構造物であることから、妥当であると判断できる。

施工時の管理

高速道路本体工事施工、此花下水処理場ポンプ場築造工事施工については、いずれも以下のとおり、大気質日常監視、排水の放流監視を行う。

・大気質日常監視
粉じん・臭気の発生を伴うと考えられる工事実施日に臭気指数および粉じん濃度の測定を行い、工事管理を行う。なお、日常監視基準に適合しない場合は、工事との因果関係の有無を確認するとともに必要な場合は措置を講じるものとする。

・排水の放流監視
工事に伴って発生する水については事前に水質調査を実施し、放流先の基準を満足するように適切な処理を行った上で放流することとする。なお、放流にあたっては定期的に水質監視を実施するものとする。

このページの作成所属
都市整備部 西大阪治水事務所 企画防災グループ

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