大阪府教育委員会懲戒処分指針

更新日:平成23年7月25日

大阪府教育委員会懲戒処分指針

 平成22年1月15日策定

  この指針は、高い倫理意識が求められる府教育委員会事務局及び府が設置する教育機関に勤務する教職員並びに市町村立学校に勤務する府費負担教職員(以下「職員」という。)の違法行為や全体の奉仕者としてふさわしくない非行等(以下「非違行為」という。)に対する懲戒処分の透明性を高め、より一層厳正に行うことで、職員の不祥事を未然に防止し、本府における教育行政に対する信頼を確保することを目的とする。

 第1 基本事項

 本指針は、代表的な事例を選び、それぞれにおける標準的な懲戒処分の種類を掲げたものである。

 具体的な処分内容の決定に当たっては、

(1) 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか

(2) 故意若しくは過失又は悪質性の度合いはどの程度であったか

(3) 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、また、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか

(4) 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか

(5) 上司等への報告が速やかに行われているか

(6) 過去に非違行為を行っているか

 等のほか、適宜、日頃の勤務態度、非違行為後の対応等を含め総合的に考慮の上、判断するものとする。

 個別の事案の内容によっては、標準例に掲げる処分の種類以外とする場合もある。

 例えば、複数の非違行為に該当するとき又は虚偽の報告を行ったときなどは、標準例より更に重い処分とすることや、非違行為の発覚前に職員自らが申し出たとき又は特に酌量すべき事柄があるときなどは、標準例より軽い処分とすることがある。

 なお、標準例に掲げられていない非違行為についても、懲戒処分の対象となり得るものであり、これらについては標準例に掲げる取扱いを参考としつつ判断する。

第2 標準例

 1 一般服務関係

 (1)欠勤

   ア 正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた職員は、減給又は戒告とする。

   イ 正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた職員は、停職又は減給とする。

   ウ 正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた職員は、免職又は停職とする。

 (2)遅刻等

    勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた職員は、戒告とする。

 (3)休暇の虚偽申請

   ア 病気休暇又は特別休暇について虚偽の申請をした職員は、減給又は戒告とする。

   イ アのうち、繰り返し虚偽の申請を行うなど常習性が認められる職員は、免職又は停職とする。

 (4)勤務態度不良

   ア 勤務時間中に職場を離脱して職務を怠り、公務の運営に支障を生じさせた職員は、減給又は戒告とする。

   イ アのうち、繰り返し職場を離脱するなど常習性が認められ、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、免職又は停職とする。

 (5)職場内秩序を乱す行為

   ア 他の職員に対する暴行により職場の秩序を乱した職員は、停職又は減給とする。

   イ 他の職員に対する暴言により職場の秩序を乱した職員は、減給又は戒告とする。

 (6)違法な職員団体活動

   ア 地方公務員法第37条第1項前段の規定に違反して、ストライキ等の争議行為を行い、又は職場の活動能率を低下させる怠業的行為をした職員は、減給又は戒告とする。

   イ 地方公務員法第37条第1項後段に規定する違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおった職員は、免職又は停職とする。

 (7)秘密漏えい

   ア 職務上知ることのできた重要な秘密を漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、免職又は停職とする。

   イ その他守秘義務が課されている職務上の事柄について、故意に漏らしたと認められる職員は、減給又は戒告とする。

 (8)個人情報の目的外収集・漏えい

    職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人情報が記録された文書等を収集し、若しくは職務上知り得た個人情報を流出させた職員は、減給又は戒告とする。

 (9)入札談合等に関与する行為

    府が入札等により行う契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合をそそのかし、事業者その他の者に予定価格等の入札等に関する秘密を教示し、又はその他の方法により入札等の公正を害すべき行為を行った職員は、免職又は停職とする。

 (10)営利企業等の従事制限違反

    地方公務員法第38条第1項の規定に違反して、営利を目的とする企業や団体の役員等の職を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする企業を営み、又は報酬を得て事業や事務に従事した職員は、減給又は戒告とする。

 (11)セクシュアル・ハラスメント

   ア 暴行若しくは脅迫を用い、又は職場における上司、部下等の関係に基づく影響力を用いることにより、強いて性的関係を結び、若しくはわいせつな行為をした職員は、免職又は停職とする。

   イ 相手の意に反することを認識した上で、わいせつな発言、性的な内容の電話、性的な内容の手紙若しくは電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「性的な言動」という。)を行った職員は、減給又は戒告とする。

   ウ イのうち、性的な言動を繰り返し行うなど、常習性が認められる職員は、停職又は減給とする。この場合において、相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患した場合、当該職員は、免職又は停職とする。

 (12)児童生徒に対するわいせつ行為

    児童生徒にわいせつ行為を行った職員は、免職とする。

 (13)児童生徒への体罰

    児童生徒に体罰を行った職員は、停職、減給又は戒告とする。

 (14)児童生徒へのセクハラ行為

   ア 児童生徒にセクシュアル・ハラスメントを行った職員は、停職、減給又は戒告とする。

   イ アのうち、性的な言動を繰り返し行うなど、常習性が認められる職員は、免職とする。

   ウ アのうち、相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患した場合、当該職員は、免職とする。

 2 汚職・綱紀保持関係

 (1)収賄

    職務に関して賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をした職員は、免職とする。

 (2)金銭又は物品等の贈与・貸与

   ア 教育委員会綱紀保持指針(平成9年11月25日策定)に違反して利害関係者から金銭、物品等の贈与又は貸与を受けた職員は、減給又は戒告とする。

   イ アのうち、定期的に贈与又は貸与を受けるなど、常習性が認められる職員は、免職又は停職とする。

 (3)その他綱紀保持に関する指針違反

     その他綱紀保持に関する指針に違反した職員は、減給又は戒告とする。

  3 公金・公物取扱い関係

 (1)横領

    公金又は公物を横領した職員は、免職とする。

 (2)窃取

    公金又は公物を窃取した職員は、免職とする。

 (3)詐取

    人を欺いて公金又は公物を交付させた職員は、免職とする。

 (4)紛失

    公金又は公物を紛失した職員は、戒告とする。

 (5)盗難

    重大な過失により公金又は公物の盗難に遭った職員は、戒告とする。

 (6)公物損壊

    故意に職場において公物を損壊した職員は、減給又は戒告とする。

 (7)失火

    過失により職場において公物に係る火災を引き起こした職員は、戒告とする。

 (8)給料又は諸手当等の不適正受給

    故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして給料、諸手当等を不正に受給した職員は、停職又は減給とする。

 (9)公金等の不適正処理

   ア 故意に公金等の不適正な会計処理を行うことにより、現金等を捻出した職員は、免職又は停職とする。

   イ 故意に公金等の不適正な会計処理を行い、公金等を本来使用すべき目的や用途以外の業務に使用した職員は、停職又は減給とする。

   ウ 公金等の不適正な管理又は公金等に関する虚偽の報告を行った職員は、減給又は戒告とする。

 (10)コンピューターの不適正使用

    職場のコンピューターをその職務に関連しない不適正な目的で使用し、公務の運営に支障を生じさせた職員は、減給又は戒告とする。

  4 公務外非行関係

 (1)放火

    放火をした職員は、免職とする。

 (2)殺人

    人を殺した職員は、免職とする。

 (3)傷害

    人の身体を傷害した職員は、停職又は減給とする。

 (4)暴行・けんか

    暴行を加え、又はけんかをした職員が人を傷害するに至らなかったときは、減給又は戒告とする。

 (5)器物損壊

    故意に他人の物を損壊した職員は、減給又は戒告とする。

 (6)横領

    自己の占有する他人の物(公金及び公物を除く。)を横領した職員は、免職又は停職とする。

 (7)窃盗・強盗

   ア 他人の財物を窃取した職員は、免職とする。

   イ 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した職員は、免職とする。

 (8)遺失物等横領

    遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した職員は、停職、減給又は戒告とする。

 (9)詐欺・恐喝

    人を欺き、又は人を恐喝して財物を交付させた職員は、免職又は停職とする。

 (10)賭博

   ア 賭博をした職員は、停職又は減給とする。

   イ アのうち、常習性が認められる職員は、免職とする。

 (11)麻薬・覚せい剤等の所持又は使用

    麻薬、覚せい剤等を所持し、又は使用した職員は、免職とする。

 (12)酩酊による粗野な言動等

    酩酊して、公共の場所や乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野な、又は乱暴な言動をした職員は、減給又は戒告とする。

 (13)淫行(児童買春)

    18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して淫行をした職員は、免職とする。

 (14)痴漢・わいせつ行為

   ア 公共の乗物や場所において痴漢行為を行った職員は、免職又は停職とする。

   イ アのうち、常習性が認められる職員は、免職とする。

   ウ 暴行若しくは脅迫を用い、又は心神喪失若しくは抗拒不能に乗じてわいせつな行為をした職員は、免職とする。

 (15)盗撮

    人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさえるような方法で盗撮を行った職員は免職又は停職とする。

  5 交通事故・交通法規違反関係

 (1)飲酒運転

   ア 酒酔い運転をした職員は、免職とする。ただし、一定の情状が認められるときは、停職とする場合がある。

   イ 酒気帯び運転をした職員は、免職又は停職とする。

   ウ 酒気帯び運転により人身、物損等の事故を起こした職員は、免職とする。

   エ 酒酔い運転又は酒気帯び運転となることを知りながら、運転する者に飲酒を勧めた、又は飲酒運転の車に同乗した職員は、免職、停職又は減給とする。

 (2)飲酒運転以外での交通事故(人身事故を伴うもの)

   ア 交通事故((1)によるものを除く。)により人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた職員は、免職、停職又は減給とする。

   イ アの前段のうち、措置義務違反(ひき逃げ、あて逃げ)をした職員は、免職又は停職とする。

   ウ 交通事故((1)によるものを除く。)により人に傷害を負わせた職員は、減給又は戒告とする。

   エ ウのうち、措置義務違反(ひき逃げ、あて逃げ)をした職員は、停職又は減給とする。

 (3)飲酒運転以外の交通法規違反

   ア 著しい速度超過等の悪質な交通法規違反((1)によるものを除く。)をした職員は、停職、減給又は戒告とする。

   イ アのうち、当該交通法規違反が原因となる事故を起こし、措置義務違反(ひき逃げ、あて逃げ)をした職員は、免職又は停職とする。

 第3 監督責任関係

   部下の職員に対して通常指導すべき義務を怠ったと認められる職員は、部下の非違行為に対する監督責任を負う。

   懲戒処分の可否及び具体的な処分の決定等に当たっては、

  (1) 非違行為を行った部下の職員の処分内容はどの程度であったか

  (2) 部下の職員の非違行為が公務上のものか、公務外のものか

  (3) 管理監督者として通常行うべき指導等がなされていたか

  (4) 管理監督者の関与はどの程度であったか

  (5) 府の組織及び社会に与えた影響はどの程度であったか

   等を総合的に考慮の上、判断するものとする。

 (1)指導監督不適正

    部下職員が懲戒処分を受けた場合等で、管理監督者としての指導監督を適切に行わなかった職員は、減給又は戒告とする。

 (2)非行の隠ぺい・黙認

    部下職員の非違行為を知得したにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認した職員は、停職又は減給とする。

 第4 公表基準

   懲戒処分を行った場合は、報道機関への資料提供等の方法により速やかに公表する。

 (1)公表する内容

   公表する内容は、原則として次のとおりとする。

  (1)    処分年月日

  (2)    学校種

  (3)    職階及び職種

  (4)    年齢

  (5)    処分内容

  (6)    処分理由の概要

   なお、次のいずれかに該当するものについては、報道機関に対し当該職員の所属及び氏名を併せて公表する。

  ア 懲戒免職かつ報道機関に対し当該職員の氏名の公表が当該職員の勤務校等に在籍する幼児児童生徒に特に影響が及ばないと認められる場合

  イ 職員を捜査機関に告訴し、又は告発した場合

  ウ 氏名を既に捜査機関が発表している場合

 (2)公表の例外

   職員の非違行為による被害者が公表しないように求めるとき、又は公表により被害者が特定される可能性が大きいなど、被害者の人権に十分配慮する必要があると認められる場合等は、当該職員の所属及び氏名を公表しないことができる。

   附 則

1 この指針は、平成22年1月15日以後に発生した事案から運用する。

2 教職員懲戒処分基準(平成18年3月30日策定)は平成22年1月14日をもって廃止する。

3 前項の規定に関わらず、平成22年1月14日以前に発生した事案については、教職員懲戒処分基準はなお効力を有するものとする。

このページの作成所属
教育庁 教職員室教職員人事課 管理・公務災害グループ

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