平成27年11月委員会会議会議録

更新日:2016年3月15日

大阪府教育委員会会議会議録

1 会議開催の日時

   平成27年11月27日(水曜日) 午前10時38分 開会

                  午後0時16分 閉会 

2 会議の場所

   新別館北館1階 災害対策本部会議室

 

3 会議に出席した者

教育長向井 正博
委員小河 勝
委員立川 さおり
委員井上 貴弘
委員岩下 由利子
委員竹若 洋三
教育監和田 良彦
教育次長橋本 正司
教育センター所長津田 仁
教育総務企画課長水守 勝裕
教育振興室長中野 伸一
高等学校課長橋本 光能
高校再編整備課長土佐 邦之
支援教育課長藤井 清
保健体育課長植山 勝秀
市町村教育室長浦嶋 敏之
小中学校課長坂本 暢章
地域教育振興課長津田 清
教職員室長河西 陽三
文化材保護課長星住 哲二

4 会議に付した案件等

◎ 議題1 平成28年度大阪府公立高等学校の募集人員について

◎ 議題2 平成28年度大阪府立知的障がい高等支援学校職業学科及び高等学校に設置する共生推進教室の募集人員について

◎ 議題3 平成29年度以降の府立高校入学者選抜における調査書の評定について

◎ 議題4 大阪府立学校条例及び大阪府立高等学校・大阪市立高等学校再編整備計画に基づく平成27年度実施対象校及び再編方針について

◎ 報告事項1 併設型中高一貫校として府立富田林高等学校に併設される中学校の教育課程や教育内容等の検討状況について

◎ 報告事項2 平成27年9月定例府議会追加提出予定の議案について

 

5 議事等の要旨

(1) 会議録署名委員の指定

 井上委員を指定した。

(2) 10月28日の会議録について

 全員異議なく承認した。

(3) 議題の審議等

 

◎ 議題1 平成28年度大阪府公立高等学校の募集人員について

【議題の趣旨説明(高等学校課長)】

 標記について、府内公立中学校卒業見込み者数の動向を踏まえ、決定する件である。

【質疑応答】

(井上委員) 北野高校と天王寺高校は全てが文理学科になるということだが、他の文理学科を置いている学校も全て文理学科にしていきたいという方針を持っているのか。

(橋本高等学校課長) この北野高校と天王寺高校を全て文理学科で募集することについては、以前も議論させていただいたが、元々は評価審議会のご意見を踏まえたもの。実績的にもこの2校が抜けているので、ここからスタートしたいと思っている。しばらくはその成果も見る必要があると思っているので、今の段階ではまだ何とも言えない。

(井上委員) 北野高校・天王寺高校以外の校長先生は、文理学科を増やしていきたいという思いを持って学校経営をしているのか。

(橋本高等学校課長) 学校によって多少の温度差はあるが、増やしたいという気持ちは多かれ少なかれ持っている。ただ、それに伴う教育活動ができるのかというところが課題となる。当面はこの2校の状況を見て、ということになる。

【採決の結果】

賛成多数により原案どおり決定した。

(賛成者 向井教育長、小河委員、立川委員、井上委員、岩下委員、竹若委員)

 

◎ 議題2 平成28年度大阪府立知的障がい高等支援学校職業学科及び高等学校に設置する共生推進教室の募集人員について

【議題の趣旨説明(支援教育課長)】

 標記について、決定する件である。

【質疑応答】

(立川委員) 募集人員に対しての倍率は。志願する生徒は入れている状況なのか。

(藤井支援教育課長) まず、高等支援学校については、27年度は、たまがわは60人の募集の中で、88人の志願があった。倍率は1.38倍。とりかいについては、32人のところが69人の応募で2.16倍。すながわについては、32人のところ57人で、1.78倍。むらのは32人のところ39人で、1.22倍。なにわについては、48人だが、応募は42人、0.88倍と、ここは定員が割れている状況。自立支援や共生推進については、概ね定員割れは少ないが、共生推進教室の金剛と北摂つばさの2校については、募集人員3名のところ2名という形で、2校だけ定員割れしている。

(立川委員) 高等支援学校は倍率が1倍を超えているとのことで、不合格者の受け入れ、どちらに進路を進められておられるのか、追跡調査はしているのか。

(藤井支援教育課長) 教育委員会としてしっかりとした調査はしていないが、学校等に聞くと、中学校の進路指導において、支援学校に行かれる方が大部分と聞いている。

(立川委員) 募集人員ということは、定員ということなので、これは今後検討していく課題と思っている。知的障がいの子の職業学科については、特に自力で登校される生徒ということで募集していると思うが、以前確認したところ、支援学校についてはまだ学区制が引かれている。ですので、大阪市立高校の移管も含めて、学区というものも今後検討していく課題なのかなと認識している。前回議会でも出ていたが、バスで40分以上かかって来ている生徒であるとか、過密状態であるとか、課題がいろいろあると思う。募集人員も今後計画の中に入っていくと思うが、課題と認識している。予算など努力していっていただきたいと思う。

【採決の結果】

賛成多数により原案どおり決定した。

(賛成者 向井教育長、小河委員、立川委員、井上委員、岩下委員、竹若委員)

 

◎ 議題3 平成29年度以降の府立高校入学者選抜における調査書の評定について

【議題の趣旨説明(高等学校課長)】

 標記について、決定する件である。

【質疑応答】

(和田教育監) この議題については、まず私から文部科学省とのやり取りについて説明させていただく。今週11月24日に、文部科学省に私と坂本小中学校課長とで赴いた。文部科学省は伯井審議官をはじめとして4名の方が対応され、次年度以降の全国学力・学習状況調査の使用についての文部科学省の考え方の説明があった。内容としては、「この間、下村大臣、馳大臣ともに、全国学力・学習状況調査について、入試の使用は好ましくないという考え方を示している。その考えについては文部科学省としては変わらない。ところが大阪府としては現状の考え方を改めようとしていないので、そこについては平行線をたどっているという現状である。今後、実施要領を定めていくにあたって、このままの曖昧さでは、次年度以降も同じ問題が続くことになるので、文部科学省としては、全国学力・学習状況調査の実施要領に、『入試に活用することは不可である』という内容を書き込むということで検討している。12月1日に、文部科学省で専門家会議を開催するので、その場に諮り、そのことを書き込むということについて確認していく。」ということだった。私の方は、今年度、大阪府の状況について、何の混乱も生じていないということをお伝えした。我々としては、誠心誠意、混乱が起きないように取り組んでおり、主張が認められず残念であるとお伝えした。ただ、実施要領に不可であるということを書き込むということであれば、我々としても、全国学力・学習状況調査の実施主体は市町村なので、我々が今の方針をそのまま続けることは、市町村に非常に迷惑をかけることになるので、そのあたり、持ち帰って検討させていただくということで、24日は持ち帰ってきた。その後、どうすべきかということを検討したものである。

(向井教育長) 7月以降、ずっと教育委員の先生方のご意見も踏まえた上で調整を行ってきた。目的、主旨が違うということで、具体的にどう違うとはお示しされなかったが、私どもはいろいろお話をさせていただいたが、先ほど教育監が言ったとおり、11月24日に、最終的には、実施要領に「使えない」という文言を明記する方向で、ということを明言されたので、それであれば、あえてやるのはどうかということで、今回、学テに代えて中3のチャレンジテストを行うという方向で、そこだけを入れ替える。考え方自体は全くこれまでどおりということにしているし、結果の扱いについても同じような仕組みで結果が出てくるということで、各市町村教育委員会のご意見も聞いた上で、本日議題としてあげさせていただいている。

(小河委員) この問題は、3年近く議論してきた。ご承知と思うが、3年生でチャレンジテストはしないということで来た。それは一つの原則として、私自身の中ではできている。テストそのものの意義も分かる。というのは、絶対評価としての各学校での評価バランスが、全体との整合性を確認するためということで、一つ考えられる。一方、学校の絶対評価の意味を大事にしていきたい。この2つの問題を巡って、議論をずっと続けてきた。最初の方の、絶対評価の全体の中での整合性についての確認は、2年生までのチャレンジテストで確認をしようということで来て、今年1月に行われたチャレンジテストで、非常にきれいな整合性が確認できた。3月に、私たちは報告を受け、非常に良かったなと、ここに大阪府下の現場の先生方の、絶対評価をつけて来られた力量、水準がはっきり示されたと、私自身は喜んでいた。この問題は片が付いたと思っていた。ここでまた3年生でのチャレンジテストというものが登場してきたが、これが最初からなぜ除外されたのかということだが、学校で統一テスト的な形の実施を行うということになると、学校自体の中で入試を行うのと同じじゃないかということになって、絶対評価そのもの、つまり学校での教育活動の意義がどこにあるのかということが、基盤そのものが揺らいでくるということで、そこは除外してきた。この問題そのものが元に戻るという問題点について、私自身は懸念が消えない。原則論を申し上げているが、従来から継続してきた考え方を大事にしたい。この案については反対申し上げる。

(和田教育監) ただいま小河委員がおっしゃった、特に3年生での実施について、入試の前倒しになるのではないかという懸念について、我々も、その点については、これまでの議論があったので、踏まえていかなければならないことから、慎重に考えてきた。その点については、今回の3年生のチャレンジテストの活用の仕方でクリアできると考えている。3年生のチャレンジテストを個人の評価とリンクさせるということは行わない。あくまで各学校で見ていただくのはOKだが、前提として、このテストそのものと、個人の評価を直接リンクさせることはやらない。府としては、学校全体としての評価活動が適切に行われているのかどうか、そのことにのみ活用する。そういう形で行うことによって、入試の前倒しであるという懸念についてはなんとかクリアできるんじゃないかという考え方で設計させていただいている。

(向井教育長) 小河委員の指摘については検討した。もちろん、今回、中3チャレンジテストという名称を使っているが、これまでご議論いただいたチャレンジテストは、教育監が言ったように、個人の評価を補正するという形で議論を進めていただいた点があったので、当然入試の前倒しという議論につながった。今回の使い方としては、個人の評価には反映させず、極端な絶対評価については少し考え直す、いわゆる線引きとして使うという考え方で、この前の学テと同じような使い方でやる。それと、先ほども中3で統一テストをやらなかったという前提は、当然当日の入試において補正するということとリンクしていた。そういう補正ということであれば、中3でチャレンジテストはやる必要はないという理解で考えてきたが、当日の点数を補正することをやめた点においては、名称は同じ名称を使いたいと思っているが、使い方としては違う使い方で検討をしたということである。

(竹若委員) 課長から説明があったが、中3のチャレンジテスト、私はよくここまで来れたなと思っている。というのは、この1月の中1、中2のチャレンジテストは学校現場において、絶対評価に移行してもスムーズにできたというのと同時に、変則的に全国学テが使われたが、今回同じように、中3においても府教委が主催する統一テストができるかなというのは前々から考えていたとおり。特に私は、中3チャレンジテストが中学1年生、2年生の内容を特に重視した問題を作っているという点が、ある意味、中3になって子どもたちがどれだけ2年生までの学習に到達できているかという尺度にもできる。8月には返却できるということになると、さらにそれを活用して子どもたちに合った学習支援も可能だし、意欲的に取り組むことができる。大変な作業ではあるが、そういう観点で考えだすと、子どもたちにとって中3のチャレンジテストをどう活用するかは非常に意義深いものとなると考えるし、またそうすべきだと考える。ただ、実施時期については、事務局の方で各市町村や学校現場の意向を踏まえていただく必要がある。6月下旬は、学校現場、特に中学校は、1学期の期末テストが7月の当初に行われるので、そう考えると、テスト1週間前は避けてほしい。色々な事情があるが、そういったことを加味していただいて、実施時期を決めていただきたい。

(井上委員) 先ほど小河委員がおっしゃったことと私の理解は180度違っており、これまでの議論の中で、教育委員のメンバーが一部変わってはいるが、事務局の方々としてきた議論は、どういうことであれ、中3でも評定の客観性・公平性を担保していく仕組みが必要だということだと思っている。その中で、去年出てきたのが学テだった。それが、文科省の方針で使えないということになったので、じゃあもう一回原点に立ち返って、中3で、名称はチャレンジテストというが、公平性を担保する仕組みを入れようという話になった。話は、若干右に行ったり左に行ったりはしたが、竹若委員がおっしゃったように、活用をしっかりやって行けば、非常に意義があるものになるし、今までの議論を踏襲した、いい制度ができたと思っている。このテストは、90点以上を取ればどこどこ高校に行ける、80点以上であればどこにしか行けないというものではないので、そういった誤解を生まないように、府教委がしっかりと広報活動をやっていく。学力テストから中3チャレンジテストに代わっただけだということを、中学校の先生や受験の中学生の生徒にしっかり説明していく。今日来ていただいているメディアの方々にもしっかりと主旨を踏まえて報道し、みなさんにお伝えいただきたいと考えている。

(立川委員) 全国学力テストが使えないということで、非常にもったいないなと思っている。当初から議論に関わってきて、中1、中2のものさしはできたが、中3もしなければいけないという認識の下、それでも子どもや現場への負担感が大きいので断念したという経緯がある。今回の試行で、中1、中2で、絶対評価を試行していただいて、現場の評価というものが信頼できるものであるということが分かったのは良かったと思うが、やはり精度を上げていく、さらに中3のものさしをもって精度を上げていくということは、今現在できる結論としても、ベストではないかもしれないがベターではないかと。3年間、勉強なり、研究なりして、みなさんと議論してきた中で、今の結論に至って、私自身は、揺れた議論ではあったが、より一層、このものさしを充実させていき、入試制度に不安がないように、保護者や子どもたちにしっかり説明していっていただきたいと思っている。

【採決の結果】

賛成多数により原案どおり決定した。

(賛成者 向井教育長、立川委員、井上委員、岩下委員、竹若委員)

 

◎ 議題4 大阪府立学校条例及び大阪府立高等学校・大阪市立高等学校再編整備計画に基づく平成27年度実施対象校及び再編方針について

【議題の趣旨説明(高校再編整備課長)】

 標記について、以下のとおり決定する件である。

 1 再編方針

  平成27年度は、エンパワメントスクールへの改編、普通科総合選択制から総合学科または普通科専門コース設置校への改編を行う。また、入学を志願する者の数が3年連続して定員に満たなかった高等学校2校については、再編整備の対象校とするが、募集停止の決定に際しての志願動向の見極めや再編整備の手法の検討を行う。

 2 実施対象校

  ○ エンパワメントスクールへの改編

   ・布施北高校

  ○ 普通科総合選択制から総合学科への改編

   ・門真なみはや高校

   ・伯太高校

  ○ 普通科総合選択制から普通科専門コース設置校への改編

   ・東淀川高校

   ・かわち野高校

   ・りんくう翔南高校

  ○ 募集停止の決定に際して平成28年度入学者選抜における志願動向を見極める学校

   ・西淀川高校

  ○ 再編整備の手法について検討を行う学校

   ・能勢高校

【質疑応答】

(向井教育長) 本議題は、9月府議会でも議論させていただいたもの。

(竹若委員) 西淀川高校を募集停止した場合、この学校をめざしている子どもたちの今後の受け皿を説明してほしい。

(土佐高校再編整備課長) 議題1でもあったが、公立高校全体の募集人員は、私立と併せてトータルで高等学校に進学を希望する生徒数を上回る募集人員が確保されている。また、この学校に通っている生徒の多くは、大阪市西淀川区、淀川区、東淀川区、豊中市、吹田市というところから来ているが、位置的なことも含めて考えると、他に学び直しを丁寧にやっている学校が複数あるので、受け皿の確保は十分できている。

(井上委員) 西淀川高校については、在校生や保護者、卒業生が非常に満足しているとのことだが、事務局はどのように考えているか。

(土佐高校再編整備課長) 府教委としても、西淀川高校に重点的に教員加配を行っていて、教員一人当たりの生徒数は非常に少ない。そのため、一人ひとりの生徒に向き合う、きめ細かい学習指導ができている。そういったことから、生徒、保護者は、満足しているという声がある。しかし、あまりにも生徒数が少なく、具体的には27年度で、1年生は152人、2年生は139人、3年生は44人という状況であり、生徒数が少ないので、教員加配を行っても、他の高校よりは先生が少ない。そのため、選択授業、展開授業ということになると、もっと生徒数がいれば、より生徒のニーズに応えられる選択授業の展開ができるのではないか、と感じている。文化祭、体育祭といった学校行事についても、もっと生徒数が多い方が望ましい。部活動も、サッカーやバレーボールと言った団体スポーツが成立していないということもある。

(井上委員) そういうことであっても、現状では勉強がしんどい、頑張っていこうという生徒が多い学校で、エンパワメントスクールとかに改編してやっていこう、というのは案としてはなかったのか。

(土佐高校再編整備課長) この学校は5年連続して入学を志願する者が定員を満たない状況である。府立学校条例による再編整備の対象から除外するのは難しい。エンパワメントスクールについては6校、順次整備を進めているが、これからも府域全体のバランスを見ながら、府民のニーズや教育効果を検証しながら、30年度までに10校程度、という目標で進めていく。

(立川委員) 西淀川高校を何度か訪問し、ゲストティーチャーもさせていただいた。学校は生徒と先生との信頼関係も厚く、教育環境としては、生徒に愛情を注いでいて、学び直しと言う点では非常に充実している学校と認識している。ただし、不本意で入ってきたりとか、あるいは意欲的にやり直したいと思って入ってきた生徒とか、多様な課題を抱えた生徒が入ってきている。学校に来るのが大変で、学ぶという生活基盤ができていない生徒が多数見受けられる。以前は、ゴールデンウィーク前にやめ、夏休みまでもたず、1年生の時点でやめる生徒が多かった印象だったが、ここ数年は、2年生は100人を超える生徒がいて、一時期、3年生も100人を切って卒業ということだったが、今回3年生が激減しているのが気になるところ。学校現場では、自転車で1時間ぐらいかけて家庭訪問して、電動自転車を購入してまで、涙ぐましいぐらい頑張っている先生方、また、支えられている生徒がいることはよくわかっている。ただ、やはり、大阪府全体としての予算の面とかを考慮して、結論は検討されて出されているとは思う。個人的な意見だが、以前、ライフサポートセンターという、青少年自立支援センターを訪問した際に、子どもは生活基盤があれば学習意欲をもう一度持てると感じた。生活基盤という点で、大阪市内で実現するかは別として、生活基盤を支えるサポートがあっての学び直しを検討していく段階にきているのではないかと、西淀川高校に行ったときに感じた。衣食住が足りてこそ学ぶんだな、と。

(竹若委員) 今の立川委員の意見は、国でも、貧困と子どもをとりまく状況が社会問題となっており、都道府県、市町村を含めて、行政がこれから立ち向かってゆかなければならない問題だが、今回の再編整備と結びつけて考えるには課題が多いのでは、と思う。あまり生活基盤の話が出てくると、間違った理解にならないように気を付けないといけないと思う。今、話を聞いて、10月3日、11月3日、19日、3回にわたって、説明会を開き、その都度、保護者、地域の方の思いについて報告を受けたが、私もかつて教育行政に携わった人間として、学校を廃校にするときの、される側の保護者、地域の痛み、十分わかりすぎるほど経験してきた。保護者、地域、様々な思い、意見が出ている中で、改めて西淀川高校の再編整備の考え方について、事務局の考え方を聞かせてほしい。

(中野教育振興室長) 保護者の方々から「非常に必要な学校」「子どもも保護者も満足して通っている」と強い意見をいただいている。私も授業を見たが、先生も丁寧に教えており、学んでいる子どもたちも、わからなかったことがわかった瞬間に、にこっと笑って喜んでいるところを何度か見て、いい教育が行われているな、というのが率直な印象。エンパワメントスクールも学び直しの教育に力を注いでいるが、そういう教育をする際にも、学び直しが必要な子どもたちには、いろんな理解の到達度の状況がある。たとえば3段階に分けて、同じ高校でも、授業のパターンを変える、とかやっていく必要がある。西淀川高校の小規模な状態では、教員数に限りがあるので、そこまで手を伸ばせていないのが実情。さらに、5年連続して入学志願者が定員に満ちていない現実もある。学校の小規模化が進んでいるが、西淀川高校に通っている生徒の3分の2が通っている、西淀川区、淀川区、東淀川区、豊中市、吹田市、この5行政区の卒業者数の推計をしてみると、平成27年の3月には9880名程度であるが、平成33年3月には1000人減って8810名になる予定で、1割以上減る。現在でも非常に小規模化しているが、現実の状況を見ると、小規模化はますます進むと見込まざるを得ない。非常にいい教育をしている学校だが、教育環境として小規模化の弊害が出てくるおそれがある。したがって、府立学校条例の規定に基づき、再編整備の対象とすべきと考える。ただ、28年度選抜において、選抜制度が抜本的に変更され、従前の前期後期制から、3月入試原則一本化に変わるので、志願者の動向に変化がある可能性があり、西淀川高校は以前にも選抜制度の変更に伴って志願動向が変わった年もあるので、その様子は一度28年度選抜の状況を見る必要があるかと考える。28年度選抜の志願動向を見極めた上で最終、判断したい。

(小河委員) 非常に納得のいく話を聞いた。この問題、ずっと考えてて、全体の大枠として、どれだけの学校をいつまでに削らざるを得ないのか、という状況が、長い見通しで決まっている。その中で、どの学校になるのか、というのは、問題、課題として、ある程度早く提起されるべきと問題と思う。2年くらい前からこういう事態になって、名前が挙がってしまうと、実際は動き取れない状況に追い込まれた中で、わーわーなっていく。西淀川高校の先生も生徒も保護者も大変だったと思う。ある意味、長い評価の上で議論をできなかったのか。打開策が限られてしまって、対応策がないという状況に追い込まれて、結論を出さざるを得ない。マイナスしかない、学校の体制としては。そういう状況でも廃校にせざるを得ないという状況に我々としても追い込まれて、納得がいかない結論を下していかないといけない、そういう状況を感じる。納得のいくような結論の出し方をお願いしたい。

(竹若委員) 西淀川高校は、ずっと募集人員、定員割ってきた中で、教員配置をよその高校と比べれば、重点的にやってきた。具体的には、優秀な若手教員を配置したりとか。意図的に、西淀川高校を盛り上げようとやってきた。府立学校総合活性化事業で学び直しを支援する教材の開発も進めてきた。タブレット等の情報機器を設置するなど、十分ではなくても精一杯取り組んできた。こういう経過がある中で、小河委員のおっしゃる、時間をかけて、というのも言えなくもないかもしれないが、私はずっと報告を聞いている中で、1年、2年ということではなく、長い経過の中で、こういう状況になってきたんだなと思っているが、そのへんはどう思うか。

(中野教育振興室長) 今、委員がおっしゃったように、定員割れが続いている学校なので、教員の数だけでなく、いい先生を配置するよう心掛けてきた。若手の教員も力のある方が多く、府教育委員会としても支援してきた学校ではあるが、こういった状況に立ち至ってしまった。

(竹若委員) 最終、28年度選抜状況を見てから、といっても、見てから判断も難しいと思うが、どう見ていくのか、具体的には言えないにしても、思いがあるなら、聞かせてほしい。

(中野教育振興室長) 残念ながら定員がまた割れるようなら、再編整備の対象とならざるを得ないと考える。ただ、動向が読めないところもあるので、定員を上回るような状況ならそのことも踏まえて検討していきたい。

(立川委員) 西淀川高校の校風や実態をよくわかっているが、今回、苦しい選択をせざるを得ない。平成28年度の入試選抜を見てからということで、甘いかもしれないが、定員を上回ることを期待はしている。エンパワメントも、倍率があがって、入れない生徒がいるとも聞いている。また、定時制に行った生徒も、やはり昼間の高校に行きたかったという生徒もいる。西淀川高校を知らなかったという生徒もいると思うので、是非、西淀川高校を見学に行ってもらって、志願を見極めてもらえれば、と思う。学校現場は頑張っているし、生徒も頑張っているので、そこは私たちも受け止めている、ということは是非伝えていただきたい。

【採決の結果】

賛成多数により原案どおり決定した。

(賛成者 向井教育長、小河委員、立川委員、井上委員、岩下委員、竹若委員)

 

◎ 報告事項1 併設型中高一貫校として府立富田林高等学校に併設される中学校の教育課程や教育内容等の検討状況について

【報告の趣旨説明(高校再編整備課長)】

 標記について報告する件である。

【質疑応答】

(竹若委員) 内進者も外進者もおり、初めてのケースなのでいろいろ不安な部分があるかと思うが、子ども同士がどうコミュニケーションとれるか。私立はこういう形式をとっているところがたくさんあるが、そういうノウハウを摂取してもらって、外部から入った子どもも早くなじめるような方針、指導計画を示してほしい。もう一つ、授業時数を見て驚いた。年間の授業時間、8月に午前中授業とのことだが、8月に授業を行うのか。

(土佐高校再編整備課長) 1−11ページに記載しているが、夏休みは7月21日から8月19日としており、8月は下旬には授業を始めようと考えている。秋休みや、高校の入学者選抜のときは中学校も休みになるので、年間を通じて、この学校が特別に休みが少ないことにはならない。

(竹若委員) そうなると、本当にこの授業時数が確保できるのか、という懸念があるが、そのへんは精査して出してもらったと思うので、これから開校に向けて取り組んでほしい。もう一つ質問だが、併設型ということで、富田林中学校、富田林高校、校長は別々か。

(土佐高校再編整備課長) 学校は二つになるので、6年間で子どもを育てるという考え方で、6年間の教育課程と考えるが、中学校、高校にそれぞれ校長を置く予定。

(竹若委員) 教員免許の考え方は。中学校の教員免許、高校の教員免許、二つあると思うが。

(土佐高校再編整備課長) 6年間で子どもを育てるということで、高校の先生が中学生に触れる機会、あるいはその逆があるので、できる限り両方の免許を持った方ということで、そのあたりは教員の確保という中できちんと考えていきたい。

(竹若委員) 教科でいうと、中学校、高校と、同じ人が二つ持っているのが普通と思うが、そのあたりも気を付けていただきたい。

(井上委員) どんな問い合わせが多いのか。

(土佐高校再編整備課長) 設置が決定したということだけで、まだ内容が不十分という中で、いつ入試があるかとか、どんな問題かとか、教育課程の特色はどうか、などの問い合わせが多い。保護者だけではなく、南河内の小学校からの問い合わせや、学習塾からの問い合わせなどもある。

(井上委員) 府内全域から関心が高いのか、それとも南河内からか。

(土佐高校再編整備課長) やはり通いやすい南河内からが多い。

 

◎ 報告事項2 平成27年9月定例府議会追加提出予定の議案について

【報告の趣旨説明(教育総務企画課長)】

 平成27年9月定例府議会に追加提出予定の、特に教育に関する事務について定める議会の議決を経るべき事件の議案について、次のとおり報告し、委員会に意見を求める件である。

 ○事件議決案

  1 指定管理者の指定の件(教育委員会所管施設)

 ○条例案

  1 大阪府認定こども園の認定の要件並びに設備及び運営に関する基準を定める条例一部改正の件

【質疑応答】

(井上委員) 「国家戦略特別区域限定保育士」とは何か。通常の保育士と要件が違うのか。

(水守教育総務企画課長) 大枠で言うと、要件が緩和されている部分がある。それによって、地域の活性化を進めていこうというもの。この規定がないと、全国と同じ基準になってしまうので、特別の基準で、制約を緩和する。法律を変えないと、他の地域との差が付けられないので、区域限定保育士、となっている。

(立川委員) 指定管理する団体について、現在運用している団体と、変わるところは。

(水守教育総務企画課長) 公募の結果、漕艇センターは今やっていただいている管理者から変わる。2−2ページの下の二つについては非公募で、今のところに引き続きやっていただく。その他のところは公募の結果、これまでと同じところとなる。

このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

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