「こころの再生」宣言

更新日:2020年6月2日

「こころの再生」宣言

「こころの再生」を考える有識者懇話会において、大阪「こころの再生」宣言などがとりまとめられました。

 

大阪「こころの再生」宣言文

今、子どもたちをめぐる状況は、危機的なものになっています。家庭では、親が子どもを、子どもが親を傷つける事件が続き、学校では校内暴力やいじめも深刻な状況です。また、幼い生命が突然奪われる事件が相次いで発生しました。少年の非行や犯罪も後を絶たず、大人の目に余る行為も枚挙にいとまがないほどです。

かつて大阪では、正直・勤勉・倹約の精神が、豊かな町人文化を育みました。教育に熱心な大阪人の心意気が、私塾を創り、多彩な人材を送り出しました。「民」の力が、まちづくりや文化の発展に貢献し、内外に輝きを放ちました。大阪は、時代をリードする気概と風土を備えてきたのです。今の大阪にも、個性輝く明るい笑顔の子どもたちがいます。夢と希望あふれる若者たちがいます。その姿を見失ってはいけません。そして進取の気性とチャレンジ精神。「やってみなはれ」と応援する。大阪のエネルギーの源です。

昔も今も、これからも、私たちが最も大切にしなくてはならないこと。それは、大人が、子どもたちの「こころ」を信じ、守り、育み、鍛えることです。大人が、子どもをしっかりと応援することです。先人に学び、私たちの大阪への誇りを、より確かなものとしていこうではありませんか。「こころ」とは、人としてよりよく生きる力と、それを映し出す行動や生き方までも含めたものです。私たち一人ひとりが、長い年月をかけて自分で大切に育んでいくものです。だからこそ、今、呼びかけたいのです。

まだ間に合います。「生命、人としての尊厳を大切にする」「互いを思いやる」「感謝する」「努力する」「公共のルールやマナーを守る」。社会や時代がどんなに変わっても、私たちが、決して忘れてはならない大切な「こころ」があります。今一度、大人も子どもも、そのことを改めて確認し、一人ひとりの行動を見つめ直してみましょう。日々の暮らしの中で、できることから実践しましょう。

この宣言は、そのことを、子どもたち、そして大人たちに、呼びかけていくものです。

 

平成十七年十二月二十日

 

子どもたちへ

君たち一人ひとりが、多くの生命のなか、「ただひとり」の「生かされている」存在であることに気づいてほしいのです。そして、今一度、生命の大切さ、人としての尊厳の大切さを確認しましょう。

よりよく生きるため、自分が一番大切にしたいこと。「一生懸命努力する」「思いやりの心を持つ」「自分に責任を持つ」「感謝の気持ちを忘れない」。ひとつでもいいのです。「こころ」のよりどころを確かなものとするため、自分の『「こころ」のルール』を持ちましょう。決めるのは、君たち自身です。

自分の夢や希望、目標に向かって、全力で取り組みましょう。「自分の本気」が、自分の未来を拓くのです。大人は、君たちを応援します。やってみなはれ。

 

大人たちへ

今こそ、本気で子どもたちと向き合いましょう。子どもたちに、本気でぶつかっていきましょう。「大人の本気」は、子どもたちの「こころ」に必ず届きます。子どもたちは待っています。

同時に、大人が自らの行動を振り返り、正すべきは正し、大人の背中で子どもを育てましょう。

 

府民の皆さんへ

子どもにも大人にも、家庭で、学校で、職場で、地域で、実践できることを提案します。

 

〇「あかんもんはあかん」とはっきり叱ろう

人を傷つける。嘘をつく。ごまかしたり、盗んだりする。子どもたちのそんな姿を見かけたら、周りの大人が、「あかんもんはあかん」と、はっきり叱りましょう。

 

〇「ええことはええ」と、はっきりほめよう

本気で何かに打ち込む人。ひたすら努力する人。人の役に立とうとする人。その人たちに、「かっこええやん」と伝えましょう。皆で、「ええことはええ」と、はっきりとほめましょう。

 

 〇「おかげさんで」を大切にしよう

「おかげさんで」は、大阪に伝わる美しい言葉です。お世話になった人に伝えるのも、心でつぶやくのもいいでしょう。一日の締めくくりに「おかげさんで」と言葉にしてみませんか。

 

 〇「あいさつ」をもっと大切にしよう

「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」。その一言で、互いの存在を確認し尊重しあえます。出会いやふれあいがはじまります。笑顔で交わす「あいさつ」をもっと大切にしましょう。

 

〇 「ユーモア」を大切にしよう

「ユーモア」は、コミュニケーションの潤滑油です。心のふれあいから生まれる温かい思いやりです。大阪人は、本音を語り、笑いで包む。「ユーモア」には、まず、笑顔で応えましょう。

 

〇 子どもの話をじっくり聞こう

「子どもファーストデイ」を設けてみませんか。家族で、皆で、食事の日。外出の日。それをきっかけに、子どもの話をじっくり聞いてみませんか。

 

 〇地域にどんどん出て行こう

まちの清掃やボランティア。子育てサークル。様々な活動が地域で行われています。出会い、ふれあう楽しみを見つけに、地域にどんどん出て行きましょう。そして、参加しましょう。

 

 座長/上田 正昭、宮原 秀夫、桂 三枝、井村 雅代、吉永 みち子

このページの作成所属
教育庁 教育総務企画課 広報・議事グループ

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