大阪府建設工事元請・下請関係適正化指導要綱

更新日:平成31年4月1日

大阪府建設工事元請・下請関係適正化指導要綱

 

【第1 趣 旨】

公共事業に係る建設工事の適正な施工は、公共の資産の充実と住民の福祉向上に寄与するばかりでなく、ひいては、建設業の健全な発展を図るという社会的要請にもこたえるものである。

建設工事は、各種の工事の組合せにより数多くの下請によって総合的に施工されるものであるから工事を施工する元請及び下請は、工事の適正な施工を確保するため、合理的な元請・下請関係を確立する必要がある。

すなわち、元請及び下請は、工事の施工にあたり、関係法令を遵守し、施工能力の向上、雇用管理及び労働安全管理等の改善に努めることはもちろん、それぞれの義務と責任においてその役割を果たすことが肝要である。

この要綱は、以上のような趣旨から、大阪府(以下「府」という。)の建設工事を施工するに当たって、元請及び下請の遵守すべき必要な事項を定めるものとする。

 

【第2 定 義】

1. この要綱において「元請」とは、下請契約における注文者をいい、一の工事が数次の下請契約により行われる場合は、府から直接工事を請負った者はもちろん、それに続くすべての下請契約における注文者をいう。

 

2. この要綱において「下請」とは、下請契約における請負人をいい、一の工事が数次の下請契約により行われる場合は、府から直接工事を請負った者からその工事の一部を請負った者はもちろん、それに続くすべての下請契約における請負人をいう。

 

【第3 一括下請負の禁止等】

一括下請負は、中間において不合理な利潤がとられ、これがひいては、工事の質の低下及び下請の労働者の労働条件の悪化を招くおそれがあること、工事の施工上の責任の所在を不明確にすること、発注者の信頼に反するものであること等種々の弊害が考えられるので、これを禁止する。
また、不必要な重層下請は、同様に種々の弊害を有するので避けるものとする。

 

【第4 下請の選定】

1. 元請は、下請の選定に当たっては、その工事の施工に関し建設業法(昭和24年法律第100号)により許可を受けるべきであるにもかかわらず許可を受けていない者及び営業を禁止され又は停止されている者を除くとともに、下請に関し

(ア)施工能力

(イ)雇用管理及び労働安全衛生の管理の状況

(ウ)労働福祉の状況

(エ)下請との取引の状況

等を総合的に勘案し、優良な者を選定するよう努めるものとする。

 

2. 前項においては、少なくとも次の各号に掲げる事項のすべてが満たされるよう留意するものとする。

(1) 過去における工事成績が優良であること。

(2) その工事を施工するに足りる技術力を有すること。

(3) その工事を施工するに足りる労働力を確保できると認められること。

(4) その工事を施工するに足りる機械器具を確保できると認められること。

(5) その工事を施工するに足りる法定資格者を確保できると認められること。

(6) 経営内容が不安定であると認められないこと。

(7) 事業所ごとに雇用管理責任者が任命されていること。

(8) 一の事業場に常時10人以上の労働者を使用している者にあっては、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出ていること。

(9)過去において労働災害に関する重大な違反又は災害をしばしば起こしていないこと。

(10) 賃金不払を起こすおそれがないと認められること。

(11) 現に事業の附属宿舎に労働者を寄宿させている者にあっては、寄宿舎規則を作成し、労働基準監督署に届け出ていること。

(12) 工事の性質上、工事の一部が再下請されると認められる場合にあっては、下請代金不払を起こすおそれがないと認められること。

 

【第5 下請契約の締結等】

元請は、請け負った工事の一部を他の請負人に請け負わす場合は、次の各号に定める事項を遵守するものとする。

(1)  工事の開始に先立って、建設工事標準下請契約約款(昭和52年4月26日中央建設業審議会勧告)又は同契約約款に準拠した内容を持つ下請契約書により、下請と下請契約を締結すること。

(2)  自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金とする請負契約を締結しないこと。

また、契約締結後、その注文した建設工事に使用する資材若しくは機械器具又はこれらの購入先を指定し、これらを下請に購入させてその利益を害しないこと。

(3) 下請契約を締結する以前に、当該下請契約に関しできる限り具体的な内容を提示し、かつ、下請が当該建設工事の見積りをするために必要な一定の期間を設けること。

(4) 請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目、作業方法等を定めようとするときは、あらかじめ下請の意見をきくこと。

(5) 施工方法、工期について、安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を付さないよう配慮すること。

(6)下請工事が完成した旨の通知を受けたときは、その日から20日以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その完成を確認するための検査を完了すること。
また、検査によって工事の完成を確認した後、下請が申し出たときは、直ちに、当該建設工事の目的物の引渡しを受けること。

 

【第6 元請の代金支払等】

1. 元請は、当該下請契約により定められた事項を適正に履行し、建設業法に規定する下請契約に関する事項のほか、次の各号定める事項を遵守するものとする。

(1)  下請契約の締結後、正当な理由がないのに、下請代金の額を減じないこと。

(2)  注文した下請工事に必要な資材を元請から購入させる場合は、正当な理由がないのに、その工事の下請代金の支払期日前にその工事に使用する資材の代金を支払わせないこと。

(3)  前払金の支払を受けたときは、下請に対して資材の購入、労働者の募集、その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をすること。

(4)  請負代金の出来形部分に対する支払又は工事完了後における支払を受けたときは、当該支払の対象となった建設工事を施工した下請に対して支払を受けた金額の出来形に対する割合及び下請が施工した出来形部分に相応する下請代金を、当該支払を受けた日から1ケ月以内で、かつ、できる限り短い期間内に支払うこと。

(5)  下請代金の支払の方法は、次のア−エによること。

ア 支払は、できる限り現金払とすること。現金払と手形払を併用する場合であっても、少なくとも、労務費相当分については現金払とする。

イ 手形期間は、できる限り短い期間とする。

ウ 元請の都合により現金払の約定を手形払に改める場合、又は手形期間を延長する場合は、下請がその手形の割引に要する費用又は増加費用は、元請が負担する。

エ 一般の金融機関による引受けが困難であると認められる手形を交付しない。

 

2. 元請が特定建設業者である場合は、その責務を十分認識し、下請の保護及び指導に努めるものとし、特定建設業者が注文者となった下請契約(下請契約における請負人が特定建設業者又は資本金の額が4,000万円以上の法人であるものを除く。)における下請代金の支払期日は、第5第6号の引渡し申し出の日から起算して50日を経過する日以前において、かつ、できる限り短い期間内に定めなければならない。
なお、契約により支払期日を定めなかった場合又は51日以降の日を支払期日と定められた場合においても、支払期日は50日を経過する日に定められたものとみなす。

 

【第7 下請における雇用管理等】

下請は、この要綱に定める事項について元請の指導に従うほか、労働者の安全と適正な雇用管理を図り、次の各号に定める事項を遵守するものとする。

(1)  雇用管理責任者を任命し、その者の雇用管理に関する知識の習得及び向上を図るよう努めること。

(2)  労働者の募集は適法に行うこと。

(3)  労働者の雇入れに当たっては、適正な労働条件を設定し、労働条件を明示し、雇用に関する文書の交付を行うこと。

(4)  一の事業場に常時10人以上の労働者を使用する者にあっては、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出ること。

(5)  前項以外の者にあっても、就業規則を作成するよう努めること。

(6)  賃金は毎月1回以上一定日に通貨で、その全額を直接労働者に支払うこと。

(7)  労働者名簿及び賃金台帳を適正に調整すること。

(8)  労働時間管理と休日の設定を適正に行うこと。

(9)  労働者に対して技能訓練を実施するよう努めること。

(10) 新たに雇用した労働者、作業内容を変更した労働者、危険又は有害な作業を行う労働者、新たに職長等労働者を直接指揮監督する職務に就いた者等に対する安全衛生教育を実施すること。

(11) 常時使用する労働者(季節移動労働者を含む)に対し雇入れ時及び定期の健康診断を行うこと。

(12) 以上のほか、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)に従う等、工事を安全に施工すること。

(13) 災害が発生した場合は、当該下請契約における元請、及び府から直接工事を請け負った元請に報告すること。

(14) 雇用保険、健康保険(日雇労働者健康保険を含む。)及び厚生年金保険の保険料を適正に納付すること。

また、健康保険又は厚生年金保険の適用を受けない労働者に対して国民健康保険又は国民年金に加入するよう指導に努めること。

(15) 任意の労働者災害補償保険に加入する等労働者災害補償に遺漏のないよう努めること。

(16) 建設業退職金共済組合に加入する等退職金制度を確立するよう努めること。

(17) 事業の附属寄宿舎に労働者を寄宿させる場合は寄宿舎規則を作成し、労働基準監督署に届け出るとともに、その管理を適正に行うこと。

(18) 前号の寄宿舎については、建設業附属寄宿舎規定に定める設備及び安全衛生基準を遵守すること。

(19) 前各号に定める事項のほか、建設業法施行令第7条の3各号に規定する法令を遵守すること。

 

【第8 元請の下請に対する指導等】

1. 府から直接工事を請け負った元請は、適正な工程管理の実施、建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和51年法律第33号)及び労働安全衛生法の遵守、労災保険料の適正な納付等の措置を講ずるとともに、その工事におけるすべての下請が第7に定める事項について措置するよう指導、助言その他の援助を行うものとする。
また、その建設工事における他のすべての元請に対して、第3から第6までに定める事項を遵守するよう指導に努めるものとする。

 

2. 府から直接工事を請け負った元請は、前項に定めた指導等を行うため、次の各号に定める事項を遵守するものとする。

(1) 事業場ごとに、他のすべての元請・下請に対して総括的に指導等を行う責任者(以下「下請指導責任者」という。)を置くこと。
なお、下請指導責任者は、現場代理人と兼ねることができる。

(2)下請指導責任者は、この要綱の趣旨と内容を十分認識し、元請・下請関係の実態を常に把握しながら、一次以降の下請に対して、元請・下請関係の適正化に関する指導助言を行うとともに、万一、紛争等が生じた場合は、積極的にその解決に努めること。

(3) 工事の一部を第三者に委任し、又は請け負わせようとするときは、府と請負契約を締結後、速やかに下請指導責任者の届けを府に提出するとともに、下請負人通知書を提出すること。また、工事現場の工事関係者の見やすい場所及び公衆の見やすい場所に施工体系図を掲示すること。

(4) 工事現場における労働災害を防止し、安全で衛生的な下請作業が行えるよう責任者を定め、協議組織を設置する等必要な措置を講じること。

(5) 工事現場に現場代理人及び主任技術者(特定建設業者で下請契約金額が4,000万円以上〔建築一式工事である場合においては、6,000万円以上〕の場合は監理技術者)を置き、工事現場における工事の施工の技術上の総括的管理を行うこと。この場合、現場代理人は工事現場に常駐すること。
なお、主任技術者、監理技術者は、現場代理人と兼ねることができる。

 

3. その他のすべての元請は、前各項の下請に対する指導、助言その他の援助に関して協力するものとする。

 

【第9 府の指導・助言等】

府は、この要綱の適正な施行を確保しその趣旨の徹底を図るため次の各項に定める措置をとるものとする。

1. この要綱の遵守に関し、府から直接工事を請け負った元請に対して、必要に応じ指導又は助言を行うものとする

 

2. 前項のほか、この要綱に定める事項に違反し、工事の適正な施工の確保が困難となるおそれが生じた場合において、必要があると認めるときは、府から直接工事を請け負った元請に対して、調査及び是正、その他必要な措置を講ずるよう指示するものとする。

 

3. 元請又は下請が前項の指示に従わない場合又は指示した事項に関する措置の結果が適切でない場合、若しくは指示した事項が通常必要と認められる期間を経過してもなお適切に措置されない場合において、府が発注する建設工事を施工するに適さないと認められるときは、工事の入札における入札参加の停止等適切な措置をとるものとする。

 

附 則
  この要綱は、昭和57年1月1日から施行し、同日以降大阪府が発注する建設工事に適用する。

附 則
  この要綱の変更は、昭和59年10月1日から施行し、同日以降大阪府が発注する建設工事に適用する。

附 則
  この要綱の変更は、平成6年12月28日から施行し、同日以降大阪府が発注する建設工事に適用する。

附 則
  この要綱の変更は、平成7年6月29日から施行し、同日以降大阪府が発注する建設工事に適用する。

附 則
  この要綱の変更は、平成14年4月1日から施行し、同日以降大阪府が発注する建設工事に適用する。

附 則
  この要綱の変更は、平成20年4月1日から施行し、同日以降大阪府が発注する建設工事に適用する。

 附則
  この要綱の変更は、平成31年4月1日から施行し、同日以降大阪府が発注する建設工事に適用する。

このページの作成所属
住宅まちづくり部 公共建築室計画課 推進グループ

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