令和2年(2020年)1月29日 知事記者会見内容

更新日:2020年1月31日

記者会見項目  ※この会見で使用した資料についてはこちら

     ・ギャンブル等依存症対策について
     ・食品ロス削減の取組みについて
     ・万博の桜2025実行委員会の設立
     ・質疑応答

 職員 

 ただいまから知事の記者会見を始めさせていただきます。
 最初に知事からお願いいたします。

ギャンブル等依存症対策について

知事

 僕からは3点です。
 まず、1点目です。1点目はギャンブル依存症対策についてです。大阪府におけるギャンブル依存症対策について、府独自の取り組みをまとめたので、その内容についてです。
 まず、過去1年以内でギャンブル依存症が疑われる人数についてですが、これは国のAMEDが調査しています。これは既に発表済みですけども、全国で約70万人と。そして、大阪府で約4万9,000人と推計をされています。府内でこれまで調査したことはありませんから、割合でいけばそのぐらいじゃないかという府内の推計です。
 今の相談体制、府の相談体制ですけども、ちなみに大阪府下にどのぐらい依存症や依存症と評価される人がいるかということについては、独自の調査を新年度でやりますが、今は推計値でこういうことです。
 こう推計されていますが、一方で、じゃあ、どういう相談状況かといいますと、まず、相談支援体制として、相談拠点は府内で19カ所あります。その中で相談人数というのは374人です。土日ホットラインを設置していますが、44件。相談者数はこれ、3年前からだと127人から370人に増えていますが、4万9,000人と推定されている中で300人ですから、非常に少ないと。少ないというのは、実際、この相談拠点で相談を受けているのが少ないんじゃないかというふうに今、見ています。
 治療体制ですけども、現在、治療機関としては1カ所、大阪精神医療センターがあります。そこで府における依存症の拠点となります、治療拠点となります医療機関として、治療プログラム、それから、研修なんかを実施しているということです。
 ギャンブル依存症の専門の医療機関は5カ所府内にあります。国の基準を満たして、ギャンブル依存症に関する専門的な知識を有した、専門的な医療を提供できる医療機関。そこの外来の受診者数は370人という状況です。
 これを見てもらったらわかりますが、ギャンブル依存症が疑われる人と、実際にちょっと相談支援を受けている人の数の間に、非常に大きな差がある。乖離がある。ここを治療に結びつけていく、あるいは相談に結びつけていくということが、この4万、こっち側の真実いるほうを抑えていけるんじゃないか、減らしていけるんじゃないかというふうにも考えています。
 じゃあ、そのための対策の充実・強化をしていこうということです。
 次、ギャンブル依存症の推進に関する計画案を策定いたします。依存症対策を推進するために、府の実情を踏まえた推進計画というのを3月末に策定をいたします。1月末からパブコメを実施する予定です。どういうことをやるかというと、基本的な事項として、まず、計画の趣旨ですけども、一応大枠ですけど、ギャンブル等依存症対策を総合的に推進していくと。それから、その依存症の本人とか家族に対する支援をしていく。この二つが大きな柱になっています。計画の期限は令和2年から4年度までの3年間、この計画を実施していきます。
 計画の進捗管理については、見える化を図っていこうと。そして、その計画の実効性を確保していこうと。重点施策ごとに評価の指標を数字で設定していこうという計画を立てております。その計画、数値自体は計画の中に盛り込んでいきます。
 大きな、具体的な取り組みですけども、まず、普及啓発の強化ということで、特に若年層、高校生向けです。つまり、若年層、高校生の時代に全くそういった教育がなされていない、ほとんど教育がなされていないという状況ですけども、この若年層に、ギャンブルというのは自分のこの範囲内でやるんだと。依存症というのは怖いんだよということをきちんと教育することが大事だろうというふうに思っています。そうなる前に、その高校生、若い世代にそこをきちんと周知するということ。
 それから、いろんなものの普及、相談窓口の周知と。普及啓発を強化していこうということが一つ。もちろん高校生に限らずですけども、高校生を中心としながらということです。
 2本目の柱ですが、支援体制を強化していきます。相談支援体制を強化していきます。
 そして、三つ目の柱で、治療体制を強化していきます。
 四つ目の柱、切れ目のない回復支援体制の強化をしていきます。
 それぞれ強化を図っていきますが、特に大きな方向性としては、この四つ目の支援体制として、新たな支援組織というのを立ち上げます。いわゆるシンガポールでNAMSという国家機関がありますけど、シンガポールのNAMSを参考にした支援機関、大阪版NAMSと言ったほうがNAMSのことを知っている人はわかりやすいかもしれませんが、そういった支援機関OATIS(オーティス)というものを構築しております。5個目か。済みません。5個目の柱、大阪独自の支援体制の強化ということで、予防から相談、そして、治療、そして、回復。これは研究も含まれますけど、この後に説明しますが、その独自の支援拠点というのを構築していきます。
 四つ目の切れ目のない回復支援体制の強化は、自助グループとか民間団体に対する支援。こういうのをやっていこうという連携。連携強化の支援。
 大きくこの五つの柱です。啓発、相談、治療、そして、民間との協力、切れ目のない支援。これを強化しながらも、大阪独自の支援組織というのを立ち上げるということです。
 そのOATISとは何なのかということですが、海外の先進事例、先ほど申し上げたNAMS、僕も行った機関なんですけど、NAMSなんかも参考にして、相談支援の拠点、今、相談支援の拠点になっています、依存症総合支援センター、こころの健康センターと、それから、依存症の研究センター、これは大阪精神医療センターがありますが、そこをつないで、これを有機的に連携させる。そして、依存症の総合拠点というのを形成していきます。
 このOATISの事務局は、こちらのこころの健康相談センターのほうに置きますが、この治療、研究や治療をする医療センターと、相談支援をするところとを一つにする機構をつくると。ここはもちろんほかの保健所であったり市町村であったり自助グループ、民間団体とか、さまざまな依存症対策、依存症に悩む人がいろいろ支援する体制があるわけですけど、ここをネットワークでつないでいくという組織にしていきたいと思います。
 じゃあ、OATISとはどんなことをするのということですが、普及啓発から相談、そして、治療、そして、回復継続の支援、そして、連携の構築と、さらに人材も養成していきます。そして、研究をしていこうと。依存症対策について、相談から支援から研究から人をつくる。そして、治療と。その総合的な依存症対策組織というものを、このOATISでつくっていきたいと思います。
 取り組みの予定、OATISは4月から開始しますが、まずは医師をはじめとします多職種による土曜相談というのを開始します。それから、AIを利用したデジタル薬。普通、薬といえば化学物質の薬が想定されますけど、この依存症の分野では、デジタル薬というのも実際、非常に注目されています。デジタル薬の開発とか、あるいは依存症に関する臨床研究の実施、そして、OATISの医師やケースワーカー等が相互に連携して、その支援を実現していく。
 将来的には、4月の段階ではまだまだ動き出す組織ですけど、将来的には相談、治療というのをシームレスに提供する体制の整備というのをしっかりとつくっていきたいと思います。
 これが1点目です。

食品ロス削減の取組みについて

 2点目が、食品ロスの削減についてです。SDGsのゴールの12の中に食料の損失、廃棄の削減というのがあります。これをもとに国が法律を昨年の10月に策定をしました。自治体が計画を立てるかどうかは任意ですけども、大阪府としては、この計画を立てていきたいと思います。
 現状ですが、まず、世界の食料廃棄量は年間約13億トン。そして、日本の食料品のロス量については643万トンと。これは1人当たりに換算したら、大体年間1人当たりの米消費量に匹敵すると。重さで言えば51キロ。だから、51キロ、年間捨てていると。51キロといったら、僕は70ちょっとですから、50キロぐらい、成人かな。成人女性、ちょっとわからないけど、人ひとり分ぐらいの食品が処分されている。それは米に換算したら、大体年間1人当たりの米の消費量と同じ分が捨てられているということです。
 なので、これをちょっと何とか減らしていきましょうということで、家庭におけるロスが291万トン、そして、事業者によるロスが352万トンという状況です。大阪府としては、この家庭、家庭も多いし事業者も多いから、家庭、事業者それぞれ支援していこうということです。
 まず、いろんな実態調査によれば、冷蔵庫内の整理頻度が少なかったら廃棄率が高くなるということで、リーフレットなんかで定期的な冷蔵庫の整理なんかを消費者にPRしたり、あるいは10月のキャンペーンにおいて、フードドライブ、いわゆる家庭で余っている食品を持ち寄って、社会福祉施設とか団体に寄附をしていこうという、このフードドライブでの取り組みを発信していきます。
 それから、事業者の支援ということで、それぞれの事業者に対して調査を実施しまして、その製造事業者向けのアンケートであったり、大阪食品ロス削減パートナーシップ制度を創設しまして、府と連携して、効果的に食品ロスを下げていこうと。食品ロスを、削減を進めていこうという事業、取組みをしていきたいと思います。
 まずはその食品ロス量の5分の1を外食産業で占めていますから、外食産業と府とが何か連携してできないかということで、新たな取組みをしたいと考えています。
 その中身、ごめんなさい。その前ですけど、いや、行ってください。外食産業における食品ロス、これは非常に多い状況にあると。外食時においては、66%の人が食べ残すことがある。宴会だったら92%の人が残すことがあるというのが回答。皆さんも何となく肌で実感されるかもしれませんが、現状はそういう状況。
 だけども、飲食店では、食べ切りとか持ち帰りとかは進んでいないという状況です。これはいろんな食品衛生上の問題とか、周知の問題とか、お店の人に持ち帰るのを何か言うのも言いにくいなみたいなことも考えられます。いろんな原因があって、それは持ち帰りとか食べ切りというのは進んでいないという状況です。
 なので、この食べ切りとか持ち帰りしやすい環境をつくっていきましょうよという実証実験を行います。食べ切り・持ち帰りが進まない要因としては、まず、飲食店側としては、まず、消費者にそれをそもそも伝えていないと。消費者からのクレームもちょっと心配だから、そのまま捨てたほうが誰かに文句を言われることがないという飲食店側の事情。消費者からすると、持ち帰れるかなと思っても、ちょっとそれは何か飲食店に言いづらいという、そういう状況もあると。
 そういった課題を解決するために、外食事業者、大学との連携で、それをやりやすくするような実証実験を都道府県で初めて実施していこうということになります。どういうことをするかというと、こういうことです。
 まず、実施店舗は6店舗で、この実験に協力してくれる店舗。ここにある6店舗です。それから、愛知工業大学が進んだ研究をしていますから、愛知工業大学との共同調査を実施していきます。千房とか鳥貴族とか、皆さんよく知っているところでございます。それ以外に、茨木の雁飯店、それから、大阪産(もん)料理の「空」、それから、鍋料理の「元(はじめ)」かな、という、それぞれの6店舗と共同でやっていきます。
 何をやるかといいますと、飲食店側はまず、ポスターとかこういうカードを使いまして、店員から、あるいはそのテーブルなんかに置くなんかして、こういう食べ残し持ち帰り宣言カードというのを配ります。これはポスターですけど、このポスターとかテーブルのポップかな。テーブルにこういうのを残しておいて、ポップで置いて、宣言カードで、「私は食べ切れずに残した料理を自己責任で持ち帰ります」というカードを置いていると。だから、お客さんはそのカードを店員さんに渡せば意思が伝わると。そのカードには、裏面に食品衛生上の注意なんかも書いている。熱処理をこうやってくださいとか、生ものは控えてくださいとか、いろいろ裏に店側が伝えたい項目が書いていると。店側がなかなか全部説明し切れないようなことはきちんと、店側がこういうのを伝えたいということは後ろに書いてると。表側は、お客さんが言いにくいことが書いてある。これはカードを渡せば、それですぐハードルを越えやすくするということ。
 それをしてもらったら、今度は持ち帰り箱というので、この食べ残し持ち帰りキャンペーンという、「もずやん」も入ってくれてるけど、その持ち帰り箱で袋と一緒に持ち帰ってもらう。これで、この持ち帰りというのをどんどんやったほうがいいんじゃないのと、捨てるのはやっぱりもったいないよね、食品ロスを減らしていこうよということを広げていきたいと思います。
 そこにアンケート用紙なんかもあったりします。このカードの裏かな、QRコードで読み込めば、ネット上でもアンケートできるというものがありますから、それでこの事業についていろんな質問をして、改善点があれば改善していこうという、その実証実験を行います。
 実証実験の期間は2月12日から25日の期間に実施していきます。ぜひ、この大阪全体で食品ロス削減を進めていきたいと思います。店舗のほうも取材は可能だということですから、もし詳しくということであれば、ぜひ、この店舗側も取材をしていただけたらありがたいと思います。これは担当室に連絡をしていただければ、しっかりつなぐようにはいたします。SDGsで食品ロス、それを減らしていこうよということがやっぱり大きな方向性だと思いますので、そういったことがやりやすい環境というのを目指していきたいと思います。

万博の桜2025実行委員会の設立等について

 三つ目です。万博の桜2025実行委員会の設立です。2025年の大阪・関西万博、これはまさに府民の皆さん、市民の皆さんと一緒に誘致を勝ち取って、そしてまたこれをつくり上げていくものだと思っています。その中で、皆さんと一緒に活動できる、そういったことをやっていこうと思っています。
 そのために、2025大阪・関西万博ですから、2025本の桜を植えていこうと。それは府民・市民の皆さんの寄附で2025本の桜を植えていこうと。そこの桜には2025分の1から2025分の2025までのナンバリングもして、寄附いただいた方はお名前も残して、万博の開催直前ですけど、桜が満開になると。それで、ぜひ、万博を迎えていこうということです。毎年毎年、桜のシーズンになればこの2025年の万博のことを思い出してもらえるような、そんなレガシーを残していきたいと思います。機運醸成とレガシーを残していきたいと思います。
 これについての会合を本日の4時から開催いたします。呼びかけ人として建築家の安藤忠雄先生に入ってもらいます。それから、事務局として、花博協会の角さんにも入っていただきます。僕自身も呼びかけ人です。この会議を開催しますので、詳細はこの後4時からやりますから、ぜひ、皆さんにも取材をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 以上です。

質疑応答

 職員

 それでは、ご質問をお受けいたします。
 最初に、幹事社の日経新聞さんからお願いいたします。

ギャンブル等依存症対策について(1)

記者

 幹事社、日本経済新聞社です。
 依存症対策拠点の構築について伺います。ギャンブル等依存症対策について、依存の疑いがある人が相談や支援につながらない理由はどういうところにあると思いますか。

知事

 まず、依存症自体が病気であるという認識、それから、そういった社会的な正しい知識というのが、やっぱりこの社会の中に広がってきていないのが原因だろうというふうに思います。やっぱり依存症は病気であって、そして、それは専門の相談を受けて、そして治療を受けて、あるいは支援というのを受けて治していくものだということの認識がまだまだ社会的に薄いのが、相談や支援につながらない大きな理由だというふうに思っています。
 また、依存症は否認の病とも言われていますが、「いや、僕、依存症ちゃうよ」と。「いや、ほかから見たら、あんた、明らかに依存症やで」と。お母ちゃんから見たら、「あんた、明らかに依存症やんか」。でも、お父ちゃんは「俺、依存症ちゃうやんか」と、そういう、まさに病気と気づかないという、そういった特質もあるだろうと思います。なので、どんどん重症化していくと。
 普通の病気であれば、体がしんどくなったり、熱が出たりとか、そういうのがわかりますから、本人も自覚できますが、体で何か自覚するものじゃないですから、そういった意味で自分自身はそうじゃないと思い込んでしまうということも、やっぱり相談支援につながらないという原因にもなっているんだろうと思います。そういう意味で、なかなか依存症の疑いがある人の相談支援につながらない場合が多いということを前提とした対策を打つ必要があるんだろうなというふうに思っています。

記者

 ありがとうございます。
 引き続きなんですけども、OATISについて。大阪府市はIRの誘致も目指されていると思いますが、ギャンブル依存症の予防や早期介入にはIR事業者の協力も欠かせないと思います。連携はどのように考えてらっしゃいますか。

知事

 これは当然、IR事業者と依存症対策についての連携を図っていきます。IR推進を進めるに当たって、やっぱり課題とされる依存症対策について、万全の対策は実施していかなきゃいけないと思っています。なので、国で、IR整備法で依存症対策についての規制はありますが、それを超えて、府市独自でIR事業者とさらに依存症対策で組んでいきたいと思います。
 予防啓発とか早期発見の取り組みもそうですし、24時間365日対応できる相談機関の設置、そういったものも事業者にも求めていきながらしっかり連携していきたいと思いますし、あわせて今回、依存症の支援拠点、OATISというのをつくりますが、大阪府でさまざまに取り組んでいく依存症対策について、IR事業者にも幅広い協力を求めていくことになります。IR事業者も、その課題について割けていくというのは、大手IR事業者、みんな認識していることですから。しかも、独自のノウハウを持っていたりもしますので、それに加えて、大阪が求めるものというのをしっかり協力しながらやっていくということです。
 本来、パチンコもパチスロもすごくたくさんあって、競輪、競馬もあります。厚労省の調べでは、そこで依存症になっているのがほとんどですけど、実際はもっと依存症対策というのを並行してやってこなきゃいけなかったことだと思いますが、それができてこなかった。だから、もう既に依存症、たくさんいますので、これからそれを減らしていくというのはぜひやりたいと思います。こういった取り組みが進めば、既存の、今までほとんどしていなかったギャンブルの事業者もいろんな取り組みをすることになると。IRが入ってきても、全体としてギャンブル依存症を減らすということは、僕は実現可能だと思っていますし、諸外国でもそういう事例もあると。そういったことに取り組んでいきたいと思います。

記者

 ありがとうございます。
 最後、1点伺います。取り組みのポイントにある医師らによる土曜の相談についてですが、海外の先行事例では、24時間対応の電話やチャットのヘルプラインがあります。自治体としての相談体制の拡充は十分との認識でしょうか。

知事

 まず、一昨年から土日の電話相談というのは、これはもう既にホットラインを開設してやっているところです。今回、新たに医師を初めとします他職種による対面の土曜相談、まさにお医者さんやそういった専門家の人と対面で相談を受けて話ができると、より深く相談することができるということを開始するという予定です。それに加えて、さらに相談体制の拡充というのは、さっき質問があったような海外の事例なんかも参考にしながら、必要な対策を検討していきたいなというふうに思います。

記者

 ありがとうございます。
 幹事社からは以上です。

新型コロナウイルス関連について(1)

記者

 朝日新聞の吉川です。
 コロナウイルス関連でお伺いします。ツイッターでも国の感染者の情報公開のあり方についてご意見されていますが、その辺の考え方と、また、松井市長が先ほどぶら下がりで、府のほうから国に要望なのか、意見表明みたいなものをしているとお伺いしまして、そのあたりの対応の状況についてお伺いします。

知事

 まず、これまでの国のあり方、情報開示のあり方、これはあまりにも新型コロナウイルスの肺炎を過小評価し過ぎだというふうに思います。情報公開をすれば、それは混乱を招くじゃないかとか、いろんな意見はあるかとは思いますけども、あまりにも公開しなさ過ぎだというふうに思っています。
 これはやはり、厚労省も感染力というのをベースにしながら、いろんな風評被害を防ごうというので考えているというのは、それは理解できます。ただ、その感染力というのが、WHOが出しているあれも、本当にそのまま信用していいのかどうなのかというリスク管理の面においては、やっぱり先を見通した対応というのが、僕は必要だと思います。そのリスクというのを読み取った対応が必要だと思っています。
 じゃないと、国民の皆さんはやっぱり不安になりますよ。適切な情報が開示されなければ、やっぱり不安になると思います。本来、行政が持っている情報というのは、行政のものではなくて、これは府民・市民・国民のものです。それが出発点です。国が持っている情報は国の持ち物じゃないんです、これは国民の持ち物なんです。それをまず出発点としなきゃいけない。厚労省は、国民・府民の利益に例外的に反するというものは制限できると。制限して、僕は将来公開するべきだと思いますが、だけど、逆になっていると思うんですよね。何かもう、国の情報なので、これは基本的には国民に発しないというのは、僕はやっぱりちょっと違うと思います。
 特に、今回のようなリスク事象については、もちろん風評被害というのは考えなきゃいけませんが、きちんとした情報を出すことによって、国民・府民・市民が自己防衛をする機会にもなるわけです。なので、個店情報とか、確かに個人情報とか、今、ネットもこれだけあふれていて、やっぱり本人も非常に、あるいは個店があらぬデマ情報なんかでえらい目に遭うとか、そういうのもたくさんあると思いますから、そういった意味で個店情報、個人情報というのを重視するというのはわかりますが、そうじゃない範囲で必要な情報報というのは、やっぱり僕は開示していくべきだろうと思います。
 もう一つ前提になっている感染力の部分なんですけど、WHOはRoが1.4から2.5と言っています。これは、つまり人から人へのうつりやすさが、大体、人1人から、1.4人から2.5人ぐらいだというふうに言って、厚労省もそれをベースにやっていると思いますが、本当にそれ、正しいのという、そういう目で政治家は見ていかないといけないと思います。
 確かに、厚労省の職員、大阪府の職員もそうですけど、そういった公的機関の情報をベースにやっていくというのは当たり前ですが、ただ、選挙で選ばれた政治家が国にも自治体にもいるわけですから、その政治家は、やっぱりそれも踏まえて、府民・市民・国民が思っていることの立場に立った政治判断というのが、時には僕は必要だと思っています。ぜひ、国には僕はそれをやってもらいたいと思っているんですけど、ほとんど開示しないと。どこに行ってるか、どういう行動しているかも全くわからないと。その人がマスクをつけていたか、つけていないかも何かよくわからない。そういったマスクをつけているか、つけてないかで、今回は空気感染しないということですから、飛沫感染。そうしたら、マスクをしているかどうかというのは、疫学的には非常に重要らしいんですけど、これは大安研から聞きましたけど。マスクをしているか、していないかにかかわらず、とにかく情報を出さないというのは、僕は国民からしたら、不安しか残らないんじゃないかなというふうに思っています。
 本当に感染力がWHOの言うとおりの感染力なのであれば、それは今の中国のあの数の増え方が、説明がやっぱりこれはつかないですよ。1週間前は400人ぐらいだと言われていたのが、もう今、昨日の段階で4,000人を超えている状況じゃないですか。昨日、対策本部を大阪府で開いて、寝て起きたら、次、もう5,000人以上になっていると。もう今6,000人ぐらい行っているんじゃないですか。ちょっとわからないけど。かつてのSARSのあれも超えているというふうにも聞いています。1,100万都市の武漢を閉鎖するという事態にもなっています。となれば、これ、本当に感染力ってそんなにないと言い切れるんですかと。客観状況からしてね。もちろん、その前提となる情報が間違っているかもしれません。もともと、もっと多いのが今、明るみに出ているだけかもしれないけども、その情報は自治体じゃわかり得ないし、国も本当に正確にどこまでつかんでいるのかなというふうにも思います。なので、やっぱり感染力は一定程度あると。死者もこれ、日に日に増えていっているわけですから、そういった意味では、リスク管理という意味では、きちんとした情報を、風評被害が生じない範囲ではやっぱり出していくべき。これは自己防衛できるように出していくべきだと思います。
 これ、突き詰めて考えたら、本当の意味での自己防衛をするんだったら、個店名を言ったり、あるいは個店でどこに何分滞在していなかったら、こっちは、ほかの人はわからないわけですからね。本当はそういうとこになってくるんだろうと思いますが、そこは、だから、感染力との中で決まってくるんだろうと思います。個店にものすごく大きなダメージが出るかもしれないけど、感染力がやっぱり明らかこれは危険だとなれば、そこも発表していかなきゃいけない。そうじゃないと、でも、感染力が強いという範囲で、やっぱり適切な情報を国民の皆さんに知ってもらうということで冷静な対応ができると思いますし、昨日、本部会議で随分やりましたけど、一定程度のエリアで、特にマスクをつけていなかったような場合は、ある程度詳細なエリアで情報開示することが、そのとき、そのエリアにいた人がもし発症した場合、でも、インフルエンザもたくさんある中で、いろんな発症をした場合に自己防衛の措置をとり得る機会が少しでも出るんじゃないのかなというふうに思います。命が失われている人がたくさんいるわけですから、そういう病気だという認識が必要ですし、しかも今、治療薬もない、ワクチンもないという状況なので、今は、だから対症療法しかないわけですよね。だから、その対症療法も適切にとるというためには、やっぱり一定の範囲での情報公開というのは、特にリスクがある事案では、やっぱりだから、マスクをつけていないような、感染者がマスクをつけていなくって、うろちょろしていたような事案には、特に僕は必要じゃないかなと思います。
 ただ、そんなのを含めて、一切情報は出さないから、その厚労省のやり方、僕はこれはやっぱり不十分だと思うし、過小評価し過ぎていると、対応は間違っていると思います。だから、情報がまずは国が出すということで、もう一つは、やっぱり自治体が責任を持って出すということだろうと思います。選挙で選ばれている、やっぱり政治家が最後の判断をするべき事項だと思っています。となれば、それぞれの自治体に長がいるわけで、厚労省の意見も当然、判断も尊重しながらも、僕自身は今、厚労省とは考え方がちょっと違うというか、自治体独自の、府民の命を守るための、自己防衛のための情報開示をさせてくださいという状況です。
 何でしたっけ、もう1個、質問。奈良県の何かあったよね。

記者

 府から国のほうへ何かアピールとかはされているんですかね、具体的に。

知事

 いや、それは、府から国に対する要望という意味では、書面を持って、何か要望書みたいな形でやっているものはないです。ただ、国に対しては、大阪府はこういう方針でいきますということを国には申しています。

記者

 その方針というのはあれですかね。先般定められた独自ルールというか。

知事 

 そうです。昨日決めた大阪府の公表独自ルール。大阪府で、もし陽性者が出た場合はこれで公表しますということを国は言っています。国からしたら、それを了解しましたということじゃないとは思いますが、ある意味報告ですね。知事判断を報告したということです。もちろん国とは連携してやっていきたいですし、本来国も、国に右倣えというのが本来あるべき姿だとは思いますが、ちょっと僕の政治家としての判断からすると、右倣えできないなと。尊重したいですけど、ちょっとできないなというのが今の現状です。

記者

 ちょっと半分かぶりながらなんですけど、例の独自ルールの件なんですけど、これをこの時期に改めてまとめたお考えと、内容について多分いろいろ議論があったと思うんですけど、その辺を踏まえて、知事のルールの内容についての、少し解説じゃないですけど、なぜこういう基準のレベルにしたのかって、ちょっと聞かせてください。

知事

 でも、そのために僕は議論をオープンにしたんですけどね。よく、何でそれがルール決まったかわかんないってなったら、やっぱりよくないから。やっぱりこれはデュープロセス、適正手続という観点から、この基準を決めるときは本部会議でオープンにしようというのを言ってあそこでやったというのはあります。もちろん部局は、国に右倣えをやってくれというのが出発点です。どこの役所でもこれは当たり前です。でも、僕はそれはやっぱりちょっと違うと思うよというのは部局とやりとりはしましたが、ただ、その部局とのやりとりというのは、やっぱり国と違うことをやる以上はオープンでやって、やるべきだと思っています。それが最後、判断が間違えていたら、批判を受けなきゃいけないし、その批判を受けるための材料にもやっぱりそれがなるし、その批判を受けるのは僕になるわけですけど、それでも何か知事レクのような詳細に記録をとっていないとこでやるんじゃなくて、これはオープンでやりましょうというのを言ったという経緯が。だから会議でオープンにしたという経緯もあります。
 基本的な考え方ですけども、まず二つあって、一つは、府民の皆さんからして、やっぱり知る権利というのがあると思うんです。もともと情報というのは、さっき言ったとおり、府民の皆さんの情報だから、国民の情報だからというのがあると思います。だから、自己防衛にならなくとも、ある意味マスクなんかもきちんとその人がしていて、これは医学的、今の疫学的な観点からすると、そこから広がるということはどうもなさそうだというような状況のときでも、やっぱり一定、情報は公開すべきじゃないかと思っています。
 だから、まずはそういうときに第1基準として、基準、広い範囲になりますけど、市町村とか、漠っとした範囲の行動歴、一番最初の上に書いていたやつ、それを公開していきたいと思います。ただ、それを見ても、自分の行動・行為となかなか合わせるというのはちょっと難しい範囲だから、府民からしたら、ちょっとそれは広過ぎるよとなるかもしれないけど、それはその事案自体が、例えばマスクをつけているだとか、あるいはすれ違っただけではなかなかリスクがそこまで高くないというような状態のときにはそうしようと。もう一つは、マスクをつけていないとか、これはちょっとリスクが高いねというようなときは、さっき言った行動をとれるようにぜひしたいという思いで、その二重基準にしています。
 そういった、ちょっとこれはうつるリスクがあるなと。濃厚接触者というのはきちんと調べるんですけど、濃厚接触者には個別に当たるというルールで、それはそれで当然やるんですけど、それを超えて、濃厚接触者ではないけども、その人はマスクをしていないというときに、府民がある程度自己防衛できるという観点から、一定のエリア、例えば心斎橋周辺とか、どこどことか。それは個別事案で、その人がどれぐらい滞在したかとか、条件にもよるんですけど、ある程度そういったことは開示していこうと思います。ただ、個店名までは開示はやっぱり今の状況ではできないです。それが、その情報があれば、例えばの想定例ですけど、府民もある程度自己防衛に役立てることができると思いますし、そういった情報をきっちり管理しているというのを府民の皆さんにお伝えすることで、府民の皆さんの安心にもつながると思います。
 例えばですけど、何か自分が子連れのお母さんとして、小さい子がいて、自分の子どもがせきをすごいして、熱も出てきたと。インフルエンザの検査をしてもインフルエンザでもないと。報道でされているコロナウイルスと症状にものすごく似ているねと。ただ、武漢の人と会ったところはないよ。でも、あのとき、例えば大阪城公園に行っていたねと。じゃ、大阪城公園に行って、例えばエレベーターでそういった中国語をしゃべっている人と、せきをした人と一緒になったねと。その人しかわかり得ない情報ですけど、そういうのをお母さんが把握したとしたら、大阪府が公表している情報で、例えば1時から5時ぐらいまで大阪城公園で陽性者がいたという情報があれば、そのお母さんとしては、その情報をもとに、僕は判断、自己防衛する一つの鍵にもなり得ると思っています。もちろん、今の状況では治療薬もワクチンもないわけですけど、でも、ひょっとしたらあれかもしれないから、ちょっと病院に行って入院しておこうとか、あるいは、家で、自宅で仕事があるけど休んできちんと見ておこうとか、栄養状態とか、そこをきちんと気をつけようとか、そういうきっかけになる、これも一つの自己防衛だと思いますから、事前抑止は無理だけども、自己防衛として、結局はその人の体力と戦うしかないわけでしょ、今回の病気は。だから、そこの対症療法というのはきちんとできる、その選択肢にも僕はなるんじゃないかなと思っています。
 なので、そういった意味でも、特にそういったマスクをしていないとか、一つの基準は、昨日の大安研の専門家の意見を聞いて、マスクの有無を一つの基準にした。それがあるのであれば、ある程度詳細に情報を開示していこうと。マスクをつけていたような場合でも、そのときはなかなか自己防衛につながらないかもしれないけども、一定やっぱり府民の皆さんの知る権利というものも含めて、あるいはちゃんと情報を持っていますよということも含めて、一定公開していこうということを、その趣旨でルールを決めたということです。だから、今後発症するであろう陽性者が出た段階で、そのルールに基づいて公表していくということになると思います。
 もう1個、質問何でしたっけ。何かあったよね。

記者

 繰り返しで恐縮なんですけど、この時期に大阪府として。

知事

 そうそうそう。その時期にやったのは、要はやっぱり、こういったことをやるというのは、陽性者が出てからやったら遅いと僕は思いました。対策本部を立ち上げたのもそうです。対策本部を立ち上げたら、遅いとかいうふうな人もいるんだけど、その前から当然やっているんですよ、実務者、担当者レベルでは。それはほかの自治体だってそうですよ。対策本部を立ち上げていなかったら、その自治体として何もやっていないかというのは、ちょっと素人感覚があまりにも、素人感覚というか、皆さん知らなかったらあれかもしれないけど、やっているんです。やっているんだけども、やっぱり全庁的に意識を高めるという意味で、対策本部を立ち上げようと、知事をトップとする対策本部を立ち上げようとしたわけです。本来、対策本部を立ち上げるマニュアルというのは、感染症者が大阪府下に複数出た場合というときに感染症対策本部を立ち上げると、マニュアルになっていましたが、今回、そのマニュアルとは違う対応ですが、事前に立ち上げようと思いました。
 理由として、やっぱり中国の状況を見たときに、これは危険だなと。リスク管理の点から、これは広まる可能性が高いんじゃないかと。それから、水際措置の対策、これは国がやるわけですけど、国の水際措置の対策というのを見たときに、これだと必ず入ってくるだろうなと思いましたので、だから、水際対策も不十分ですけど、でも、それは入ってくると。国の専権事項だから入ってくると。じゃ、入ってくることを前提にした対策というのは、これは陽性者が複数、多分出るだろうから、事前に立てようと。事前に陽性者が出た場合に、どういう行動計画を起こすのか、役所としてどういう対策をとるのか。医療機関とか保健所との連携というのを万全にしておく必要があるというのでこれまでの措置をとってきたということです。
 公表基準についていっても、やはり感染者が出てからでは、出てからよりも、出てからではやっぱり遅いと思いますので、出る前にこういうことをやりますよということをきちんと府民の皆さんにもお伝えする。これをすることで困る人もやっぱりいるわけです。困る人というのは、ある程度エリアを特定して発表したら、そのエリア内で商売している方とかは、「いや、これちょっとお客さん減るんじゃないの」と。そうじゃなくても、そこに行かない人はもともと行かないと思いますが、「言わんといてよ」と思う人たちもやっぱりいるのは事実。でも、やっぱりここは府民の命を守るという判断を第一にやらなきゃいけないから、そういう人たちの理解も得るというか、そういう事前に、府は申しわけないけど、これでいきますということはやっぱり事前に公表しておいたほうがいいという判断でやったということです。だから、事後につくるより、事前にルールをつくって、そこに当てはめてやっていくということが適正な対応かなと思ったのでそうしたということです。

記者

 わかりました。

記者

 共同通信の山本です。
 今ご指摘のコロナウイルスの対策のあり方なんですけども、今回のリスク評価について、国の評価が甘いというご指摘だと思うんですけど、かなり踏み込んで発言しておられるようにお見受けするんですけれども、感染力の評価について、特に国の評価、WHOの評価にのっとった考え方が甘いというふうなご指摘というのは、何か大阪府あるいは大安研のほうでエビデンスを持って主張されていることなんでしょうか。

知事

 大安研に、もちろん情報は入ってきませんから、国が情報を一元で持っていますので、そういう特別な情報というのがあるわけではありません。ここは最後は政治家の判断になってきますけども、客観的に見たときに、中国での感染者の増加度、これはもともとの発表が事実じゃないという可能性ももちろんありますけど、感染者の増加度、それから、中国当局自身が、感染力が強まっているという発表をしたということ。あとは、これはどこまで信用できるかというのは確かにありますが、各種の、香港とかいろんな調査機関、大学かな、研究チーム、これはあくまで参考で事実かどうか確認はできないけども、その感染率(Ro)というのは1.4とか2.5とかではなくて、4とか5とか行っているんじゃないかというような報道もされていると。そして、中国自身が武漢という町を閉鎖したこと。1,100万人都市を閉鎖するというのは相当な判断がないとできないですから。これ、逆の立場になったらわかるんですけど、僕が大阪府を閉鎖するということですからね、880万都市大阪府を。大阪府民に、出るなと。飛行機にも乗るなと。兵庫県にも行くなと。閉鎖しますと。道は全部、土で盛り土して行かせませんと。ちょっと国の体制が違うのはあっても、中国がそこまで判断しているということ。なので、もちろん僕たち大阪は外交は持ち合わせてないですから詳細な情報というのはわからないけども、そういった、既に公知の事実になっているような情報を僕が政治家として総合的に判断したときに、1人から1.何人とかいうレベルはちょっと甘いんじゃないかと。あわせて、やっぱり政府の水際対策というのを見たときに、いわゆるサーモグラフィーでチェックする、あとは自己申告にするという状況で、やっぱりどんどん武漢から入ってきているわけですから、これは国内に広がるなと。日本政府の判断を踏まえても、中国政府の判断を踏まえても、感染力は甘く見るべきではないと思うし、広まっていくということを前提にしたリスク対応をするべきだという判断です。
 だから、何か特別、調査事実があるわけではありませんし、そこまでの能力は大阪府は兼ね備えてないです。

記者

 この感染力の評価と、それに対して対策をどうとるかという問題、それぞれ別の問題だと思っているんですけれども、感染力の評価については、少なくとも政治家の判断として政府評価、WHO評価は信頼が置けない、もっと強いものだと発信していかれるということなんでしょうか。

知事

 いや、大阪府としてはWHOを前提にしていますよ。じゃ、別に独自の、Roが1.4から2.5と違う数字なんですかって、大阪府としてはそういうことだと思います。だから、知事としてもそういうことだと思います。ただ、それを前提としたとしても、実際の感染力というのは非常に高い可能性があると僕は知事としては思っています。なので、別に数字をつくるわけではないですけども、対策というのは強化しなきゃいけないんじゃないかというのが僕の考え方です。
 やっぱりリスクというのは先を見通す力だと思いますから、それを考えたときに、当初の段階からこれは大阪では非常に、大阪というか、国内で感染が広がるんじゃないかという危惧は持っています。それが、わかりませんよ、これは今の症例で収束するのかわかりませんが、後で間違っていたとなるかもわからないですけど、さっき僕が申し上げたような事実からしたら、僕は政治家としては、やっぱりそこは感染力というのはあまり、今発表されているのを完全にうのみにすべきではないと思っていますし、もう少し強い可能性があると予測はすべきだと思っています。
 あわせて、感染力だけじゃなくて、中国政府の対応や日本政府の対応というのを見たときに、府民の命を守るのが僕の仕事ですから、その観点から見たときに、やっぱり対策は強化しないといけないなという判断をして、それを実行していると。公表基準についても、それは厚労省に右に倣えしたほうが僕も政治家として楽ですよ、批判されないですから。国に従っただけですと言えばいいのでね。皆さんからも批判されないし、一番楽だけど、やっぱり政治家として、それは僕はできないなというところです。だから、間違っているかもしれない、将来、それが批判されるかもしれないけど、それはそれで受けるということです。

記者

 今、個人が多重防衛を考えたときに自分ができることというと、確かに体調が悪くなれば経過観察を見るか、医療機関に連絡の上、かかるか、抗体検査につながるような取り組みをするかどうかというのと、その未然防止では、手洗いからマスク着用とかアルコール消毒ということになると思うんですけれども、どういう行動をとるかという評価がまさに感染力の評価だと思うんですけれども、今、国では1.4から2.5というのにのっとって主張されておられるので、その評価を信じている人にとっては、通常、そのようなマスクをつけて手洗いを励行してアルコール消毒していれば多分かからないだろう、かかる蓋然性は低いだろうと皆さん思われると思うんですけども、知事がそうではない可能性に言及されることによって対応は結構変わると思うんですね。それが、例えば4とか5とかいう香港の数字とかを言及されることによって、外出をそもそも控えようかなとか、府民・市民の行動が変わり得ると思うんですけども、その評価自体、私も素人ですのでどちらが正しいという答えは持ち合わせてないんですけども、知事としては、行政対応を強化するのみならず、感染力に疑義があるということも今後やっぱり言っていかれるということでよろしいんですか。

知事

 感染力について、何回も言うように、大阪府、そして国、いわゆる行政としての現在ある公式な感染力の評価は1.4から2.5、WHOの基準です。僕は今回、この記者会見でもいろんな調査チームの報道が流れているのを言いましたけど、そのときに言いましたけど、それは府の正式見解でもありません。それを僕がうのみにしているわけでもありません。あくまでそういった意見があるよねということです。
 それだけじゃなくて、感染の増える率とか死亡者の日に日に増加する率とか、さっき言ったいろんな事情を考えたときに、確かに行政としての公式は1.4から2.5だけども、それより高い可能性はあるんじゃないかと僕は思っています。じゃ、その数値が何なのといったら、それは数字を持ち合わせてないから言えないけども、じゃ、府としての見解は何ですかといったら、1.4から2.5ですよ。ただ、僕は高い可能性があると思っているから、それを前提にした、やっぱり府としての対策はとっていきたいと思います。
 府民の皆さんにお願いするのは、やっぱり手洗いとかうがいとか消毒、これは飛沫感染ですから、それが非常に重要だと思っています。これは別に感染力にかかわらず、今までも言ってきたし、これからも言っていくことだと思います。
 さまざまな情報はあふれていますから、府民の皆さんも、自己防衛という意味ではいろんな情報があったほうが判断しやすいんじゃないかなと。報道機関の皆さんの報道も含めて、行政から発信する情報も含めて、さっき言った公表ルールで公表した情報も含めて判断したほうが冷静で的確な判断ができるんじゃないかなと僕は思います。

記者

 すみません、重ねてもう1点だけ、恐縮なんですけども、対策の面で、情報開示のあり方ということで、府としては、発生確認された場合には市町村名まで出すということにしておられて、さらに、個別のケースで濃厚接触者がいる可能性がある場合とかエリアを絞ることも検討されるということだと思うんですけれども、自治体名から、さらに詳細におりてエリアを特定していくというのは、どの程度、より具体に言うと、府民の方が自分の行動を振り返ったときに、どういうことに気づける程度まで具体化すべきとお考えなのか。要するに梅田エリアとかいうと何万人が毎日行き来しているので、それが出ただけでは、私はあの日、梅田にいたからと、自分の体調とコロナウイルスを関連づけて考えるというのがなかなか現実的ではないと思うんですけれども、例えば駅構内とか、より詳細に絞っていく程度の閾値があると思うんですけど、知事のお考えとしては、どの程度、府民の方が自分の行動を振り返るところまでエリアを限定しようとお考えなんでしょうか。

知事

 自己防衛という点からいうと、そういう症状というのがあり得たときに、自分はそのエリアにいたなという判断ができる程度だと思っています。なので、それはエリアだけじゃなくて、時間もやっぱり重要かなと思っています。その感染者が滞在していたか、単に通っただけかでは全く意味が違うし、滞在していた時間というのはやっぱり重要になってくると思います。時間とエリアの範囲ですね、そういった振り返りができるレベルでの公表というのはしていきたいと思います。
 例えばイメージですけど、大阪城公園であれば大阪城公園周辺とか、なんばエリアであれば心斎橋周辺とか、多分そういった判断になってくる。梅田やったら梅田駅周辺というのはあり得るとは思います。ただ、梅田駅のどこどこの構内とか、別にそこまでは考えてはないです。でも、梅田駅、梅田周辺に、例えば2時から3時まで、例えば買い物していたとなれば、例えば僕に当てはめたら、僕はその時間に梅田におったかどうかというのはわかるわけですから、一つの自己防衛の材料になるんじゃないかなとも思います。マスクもしていない状況で同じ場所に滞在しているのであれば、そこは一定、開示すべきなんじゃないかなと思います。ただ、マスクして行動していたということになるのであれば、行動の振り返りまでできないかもしれません。例えば大阪市といったら広過ぎるから、その範囲になってくるとわからない。でも、市町村単位というのはそういうことなので、そのときはやっぱり拡散リスクがあるかどうかというのを個別に判断したいなと思います。

 職員

 医療対策課長の田邉です。
 先ほどの対策ですけども、多分、感染力と感染様式って別で考えておりまして、感染力については1から2.5というところになってくるかなと思いますけれども、それが増えたとしても感染の様式、人から人に感染させる能力については、今、飛沫感染と接触感染となっておりますので、基本的にはインフルエンザの対策と同じになるのかなと思いますので、やっぱり自己防衛という観点では、今のインフルエンザの対策、飛沫感染と接触感染対策を行うというところが重要で、せきが出る人についてはマスクであったりとか、あと、手を洗うことがやはり重要かなと考えております。

知事

 感染者数も多くなってきたら感染する確率も高まってくるわけですから、単に数字の1.4から2.5という感染力のあれだけで全てが判断されるわけではないというのは当然だし、役所、大阪府もそう考えています。

記者

 毎日放送、柳瀬です。
 昨日、奈良でバスの運転手の方が感染していたことがわかったということなんですけれども、大阪にいたということも厚労省では言っておりましたが、改めて、府としてはどこまで今現状で把握されていますでしょうか。

知事

 まず、情報の発信のあり方ですけど、一義的にはこれは国がやるというのはそうだと思います。じゃ、国を超えた枠組みって何なのというのは、今は道州制がないですから、大きなところは都道府県です。ということは、今回、陽性者から聞き取りもして、保健師が対応して詳細情報を把握できているのは奈良と国だけです。だから、僕たちに詳細情報は把握できていません。もちろん大阪府から行ったということは間違いなく大阪は経由しているわけですけど、詳細情報というのは受けていないというのが現状です。もちろん担当者レベルで受けている情報もありますが、その情報の開示としたら、これは奈良県で全ての情報を把握していますから、やっぱりこれは奈良県、奈良市か、奈良と国が発信は一元化していかないと、府が独自のルールをつくったからといって、奈良の事案を府がわっとやっていくというのはできないだろうと思っています。
 なので、一定、事務方レベルで情報を得ているというのは確認はしていますが、公表についてはやっぱり奈良と国で、そこには選挙で 選ばれた代表がいるわけですから、そこでやってもらわざるを得ないなと思っています。
 ただ、それでも、大阪におったことは事実ですから、これは府民の命を守るという意味で、必要であれば、そのルールもさらに飛び越えて、むちゃくちゃな話ですけど、こっちで勝手に公表するというのも政治家としての判断はあるかもしれないですけど、それは、僕自身がこの事案を極めて危険だと判断すれば、むちゃくちゃなやり方ですけど、大阪府の独自判断というのはあるかもしれませんが、そういう事案ではないとは思っています。
 ただ、1点あるのは、今回のこの奈良の事案に関して、奈良から濃厚接触者として大阪に調査依頼があり、そして、それは今、疑似症例になっています。この結果がしばらくすれば出るという状況です。ちなみに、擬似症例でいうと、これまでこれを入れて3件、擬似症例までに至らない、武漢でもありましたけど、それは4件です。実質3件ありますが、今までの2件はいずれも陰性ということで、陰性だから当然発表はしていません。だから、そういう意味では、毎日のように擬似症例が僕からしたら出てくるわけですけど、それを1件、大阪では抱えていると。奈良に関係している案件が一つあるという状況。その情報については奈良からは得ていますしという状況です。

記者

 一応、擬似症例が大阪で出て、実際に陽性だとわかった場合は、大阪府としては発表する可能性があると。奈良に仁義を切るのか、そういった形で大阪として独自に発表する可能性ももしかしたらあるという。

知事

 あります。というか、その案件自体は、擬似症例として大阪で今保健師さんが対応していますから、大阪案件になります。ちなみに、公開ルールでいうと、大阪から当然その方は府外に出るときもありますから、府外の情報は、もうこれは開示はできません。さっき言ったとおり、それぞれ都道府県か国かで一元化して情報を発信すべきだから、僕が府外の情報を知っていたとしても、それは発信できないです。逆に言うと、今まで東京とかいろんな事例があったけど、その事例も、大阪でどう行動していたかは僕らはわからないんです。濃厚接触者はわかりますけど。なので、情報公開という意味でいえば、大阪府で発信していたのは、大阪府内のことに関しては、これはきちんと僕が府知事としてやりますが、府外のことはもう対応できないと、本来、国がやるべきだということです。この擬似症例については大阪で今対応しているということです。それは奈良から連絡も受けています。

記者

 擬似症例は一応3件。

知事

 擬似症例は3件です。今のを入れて3件。

記者

 ああ、3件。すいません、4件と聞こえました。3件ですね。

知事

 今入れて3件で、一番最初、擬似症例になりかけたやつが1件あったんですけど、ならなかった。だから、擬似症例は3件です。

記者

 3件というのは、これまであった。3件というのは別。NHKです。

知事

 だから、擬似症例というのは。

記者

 陰性だったのは3件ありましたよね。それとまた別で。

知事

 陰性だったのは、だから、正確に調べたのは2件で、次が3件目。

 職員

 感染研に送った擬似症例が3件で、陰性なのが2件ということで、今、1件が検査進行中、検査中ということです。

知事

 もう1回言って。

 職員

 感染研に送った擬似症例が3件で、2件が陰性で、今、1件検査をしている状況になります。だから、擬似症例、感染研に送った件数では計3件になります。

記者

 1個が奈良の感染。

 職員

 今、検査進行、はい、してます。

記者

 感染研に今送っている1件は、その奈良の件と関連、具体的に奈良のバスの運転手さんと濃厚接触した可能性のある方が大阪にいらして、その方の検体を今感染研に送っていて、陰性か陽性かわからない状態だと。

知事

 それは、大阪にいらしてというのは、ちょっとまた、もし陽性だったら公開しようとは思っていますが、その奈良の今回要請のあった事案に関連した濃厚接触者であることは間違いないです。

記者

 その方が、大阪に依頼が。

知事

 今、検査中です。

記者

 大阪で依頼があって、大阪で取り扱っていてと。

知事

 ええ。もうちょっと正確に言うと、その人は奈良から要請があった濃厚接触者なんですけども、この人は、奈良から濃厚接触者で要請依頼があったから感染研に送ったのではなくて、この人自身がそういう擬似症例の疑いある症例に達したので、既に大阪市で対応していて、そして、今は送っているという状況。それが、たまたまというか、奈良から要請した人と同一人物だということです。だから、その人は、大阪独自で把握していた擬似感染症者ですが、奈良からの要請があった人とひもづいたというところです。という状況。だから、ちょっと陽性者じゃないから何とも言えないけども。だから、それは大阪として情報は持っているということです。

記者

 その方々も大阪市で対応しているというのは、大阪市の医療機関にその方がもうかかっていたということですか。それとも保健所にひっかかっていたと。

知事

 その詳細については、陽性者であれば発表していきたいと思います。今、既に当然大阪市内の医療機関にあります。

記者

 大阪市内の医療機関に既にかかっていて。

知事

 かかっている。

記者

 それが同時にあわさったということですね。

知事

 そう。

記者

 あと、すいません、関連です。NHKです。
 奈良県からバスが大阪府内に移動した経路とか、そういう情報は来ているんでしょうか。

知事

 来ていません。

記者

 来ていない。

知事

 少なくとも僕のところには来ていないです。担当者に来て。でも、来ていないと思います。

 職員

 まだ来ていないです。

記者

 まだ来ていない。

 職員

 はい。

知事

 でも、来ていないけど、厚労省が言っているから、大阪から出発しているんだから。大阪から出発したのを2回やったというのは聞いていますよ。

りんくう総合医療センター関連について

記者

 時事通信、中嶋です。
 泉佐野市のりんくう総合医療センターの関連なんですけれども、先週の金曜日、総務省のほうが医療センターの運用費の大部分を見込んでいた特別交付税について、泉佐野市に支給しないという方針を維持しましたけれども、現在、コロナウイルスをめぐってこういう状況が続いている中で、総務省の判断ということについて、知事としてどういう考えを持っているか、お願いします。

知事

 やっぱり総務省の対応というのは、今、泉佐野が総務省と法的な争いまでしていますが、やっぱり僕は総務省の対応はおかしいと思います。狙い撃ちだと思います。もちろん、ふるさと納税に関して泉佐野が、僕はちょっとそれはやり過ぎじゃないのと思う節もありますけど、でも、泉佐野は泉佐野で、やっぱり非常に財政が厳しい中で、住民サービスを増やしていこうというので、そのルールの中でやっていたわけですよ。だけども、それについて、そのルールの範囲内でやっているのに、総務省の助言とか、それとちょっと違うじゃないかというので、明らかに新しいルールにも入れませんでしたし、と僕は評価しているんですけど、それがあって、このいわゆる特別交付税の措置の減額というのも、それはやっぱり要因としてあるんじゃないかと僕は思っています。それは正しいかどうかというのは泉佐野が争っているという状況で、僕は、そういうふるさと納税の趣旨に鑑みれば、それはやっぱり総務省がちょっとやり過ぎなんじゃないのと思いますよ。
 なので、その前提で、このりんくうの医療センターだって、いざとなれば西日本で唯一指定感染症にも対応できるという装備を備えていると。これは泉佐野が独法として持っているわけですけど、そういったところに充てるお金も回らなくなっている、本来、通常なら来るべきはずのお金が来ないから回らなくなっているというのは、やっぱり僕はゆゆしき事態だと思っています。現に、こうやって国家的な、いわゆる国民の皆さんが非常に不安に思ってリスクが生じているような状態のときに活躍する医療機関なのに、それは、泉佐野市民だけじゃなくて、どう考えたって大阪府民、もっと言えば西日本に1個しかないわけだから、西日本の中でも国家に対して役割を尽くしている病院なのに、ふるさと納税のところでそういう泉佐野のことを狙い撃ちするようなことをやるのはどうなの、おかしいんじゃないのと思います。それでも、やっぱり泉佐野、そして、あのりんくう病院というのは、関空の対岸を支える自治体として、いざというときはリスクも抱えてきちんと対応できる体制もお金をかけて整え、実際やるわけですから、そこを国はもうちょっと考慮してもらいたいと思います。じゃあ、もうやりませんと言っていいんですかという話ですよ。特別交付税が来ないんだったら、じゃあ、もうやめますよと、大阪府民しか見ませんと、もっと言えば泉佐野市民しか見ませんよといったときに、そんなことは千代松市長は言わないですけど、やっぱり国のために大きな役割を果たしている病院でもあるんだから、ああいうふるさと納税で何かこう狙い撃ちみたいなことをするのは、僕は納得できないし、おかしいと思います。

記者

 ありがとうございます。

新型コロナウイルス関連について(2)

記者

 読売新聞ですけども、コロナの関係で、ちょっと簡単に確認だけ。奈良県の症例に関係して、ルート上、バスの通行ルートとしては大阪・東京間という話があると思うんですけど、その他、勤務先とか親族宅等々の頻繁な立ち寄り先として、大阪府に関係するものがあるとかないとか、そういった連絡というのは入っているんでしょうか。

知事

 実務方では、一定情報はある程度は得ていると思います。それは僕にもある程度報告は受けています。その上で、やっぱりさっき言った政治家としてむちゃくちゃな判断するかどうかという事案には至っていないと思いますし、もう1個は、何より僕が思うのは、やっぱりその奈良で発生した事案というのは、情報公開というのは、それはやっぱり奈良のルールがあるわけだから、国のルールがあって、奈良は国に従ってやっているという中で、僕が大阪府域をはみ出してまでやるというのは、やっぱり情報の一元的発信という意味からはちょっと踏み込み過ぎだから、そこまでは考えてはないです。

ギャンブル等依存症対策について(2)

記者

 別件で、冒頭のギャンブル依存症の関係で、新年度、独自の調査をするというふうなお話がありました。国のほうもギャンブル対策基本計画に基づいた調査というのを始めると思うんですけど、府として独自調査する狙いですとか、その結果を対策の部分にどう反映させていきたいのかとか、そこら辺、知事のお考え、知事の言葉でお聞かせいただきたいんですけども。

知事

 やっぱりギャンブル依存症の対策については、今まで正面から取り組んでこなかったけど、やっぱりこれは取り組むべきだと。そのきっかけはやっぱりIRです。これは、部局から言うと、当然すべきことをしていますから、IRとは関係ないと言うかもしれないけど、これはやっぱり僕自身はIR特区がきっかけだというふうに認識はしています。というのも、まずそういった対策を正面からとってこなかったらあれぐらいの数が要るわけでしょう。パチンコなんかだって、僕はギャンブルだと思いますけど、市中にあふれているわけですよ。さっき言った高校生に依存症というのは怖いよという教育をしなきゃいけないのに、それをするどころか、何かテレビCMで、「パチンコおもしろいよ」みたいなCMが流れてきたりとか、競輪、競馬とかも非常に何かドラマチックな広告が流れてきたりというので、そういった啓発というのはやっぱり僕は不十分だったと思います。これは、大阪府も国も全て。なので、IR、カジノを誘致する以上、やっぱり依存症対策について、カジノも含めて、今、分析上はパチンコによるあれが一番多いですけど、やっぱりそこも含めた依存症対策というのを、先進的なもの、実効的なものをやっていこうと。今、ある大阪府の依存症の患者が、IRを入れても、入れたから少ななったやんかと思ってもらえる、そういう評価されるぐらいの厳しいというか、充実したギャンブル依存症対策というのを僕はやっていきたいと思います。あと、中身はさっき言ったとおりです。

記者

 調査というのは。

知事

 調査は、やっぱりそういうことがまず基本的な理念。こういう基本的な理念をきちんとやっていくためには、現状の客観的な事実が把握できないと、将来、ほんまに減ったか増えたかわからないじゃないですか。国の調査は非常に抽象的な調査であって、調査法自体は正しい調査法なんだと思うんですけど、アメリカか何かで活用されている手法を活用して依存症というのを調査すると。それは、過去1年間、つまり、最近依存症になった人と、人生において依存症になった人、この二通りで調べています。やっぱり過去1年間というのが対応すべき対象かなというふうに思います。
 その調査の仕方としては、サンプルで何か調査をして、それは、統計的に優位なサンプルを調査してパーセントが出てくる、そのパーセントを都道府県の人口に当てはめているだけですから、実際の数字と違うと思うんです。なので、それと同じ調査の仕方をして、実際、大阪府域には1年以内でどのぐらいの依存症になったとされる方がいるのかというのを、調査の仕方を同じにしようと思っています。実数というのを把握したいと思います。大阪の実態に合わせた実数。やっぱり大阪でのいろんなパチンコとかの状況等、例えば北海道とかも違うしね。だから、単純に人口で掛けたって、やっぱりそれは違う数字が出てくると思いますから、現実は。なので、大阪府市で一緒にやろうとしているのは、やっぱり大阪の実数をきちんとまずは把握すると。それをもとに、それをどれだけ減らしていくのか、どういう対策をとっていくのかというのは、初めてその実数があって増えたか減ったかもわかりますから、まずは大阪の客観的状況を把握しよう、エビデンスをまず獲得しようということです。それを来年にやります。ただ、どのぐらい減らすとかという目標数値、ちょっと僕、最初の説明でここに系統に入れ込むとやったけど、ちょっとまだそこの段階では数字は出てきてないのかもわからないですね。実数をまず把握するのは来年度の。そこをちゃんと把握して基点にして、そこから減らす効果的な。増えたら、やっぱりやっている施策は効果的じゃないということだから、減らすための対策をとっていくと。世界最高水準のIRという、誘致する以上ね。もちろんこれ、カジノが当然ありますから、カジノが中核施設であって、エンターテインメントとかMICEとかビジネス、いろんな本当に統合型リゾートと。ラスベガスやシンガポール、マカオに負けないようなものをつくりたいと思っています。だから、それをする以上、やっぱり依存症についても減らしていく努力というのをぜひやりたいと思います。

記者

 わかりました。

新型コロナウイルス関連について(3)

記者

 すいません、読売テレビです。
 昨日の対応にはなると思うんですけれども、今朝9時から電話相談窓口、開通したと思います。その設置意図を改めてお願いします。

知事

 まず、さっきじゃないですけど、僕はこれから感染者というのは日本全体でも増えてくると予測しています。今の感染がさっき言った1.何ぼとかいう数字もありますけども、実際はやっぱり増えてくるんじゃないかという認識があります。その中で、やっぱりいろんな情報の中で不安に思われて言いる府民の方がいらっしゃいますから、やっぱり正しい知識・情報を伝えていくのが大事だと思っています。なので、その専門相談窓口があれば、それは武漢に渡航歴がある人は当然ですけど、ない人でも不安に思われていると。ちょっと発熱があるけど、武漢に行ってないけどどうですかとか、中国のお客さんとよく接する仕事をしているんですけどどうですかとか、いろんな府民の皆さんには心配事もありますから、そこに対して的確に回答していく、相談に応じていくというのがまず一つの理由。最初の出発点として、的確な情報を発信すべきだというのが本部を立ち上げたときの一つの理由にもしていますから、やっぱり的確な情報発信というのは、広報だけじゃなくて、そうした具体的な困り事がある人に対して的確な情報を発信するのも重要なことだと思っているので、そういうのが一つ。
 もう一つは、実際の擬似症の定義に当てはまるような人、そういった人にきちんとこの保健所とつないだり対応をするということも役割として大事だと思っています。もちろん各市保健所はあるんですけど、各市保健所はやっぱりいろんな問い合わせがありますから、この専門相談窓口を設置することで各市保健所のちょっと負担も下げながら、あわせて府民の皆さんがいろんなことを相談しやすい窓口をつくっていくということがやっぱりこれだけの状況になってきたら行政として重要なんじゃないかという思いで設置をしました。だから、困っている府民の皆さん、この新型コロナで何か不安に感じている府民の皆さん、そして、具体的な何かそういう事象があって相談したいという方は、この電話にかけていただけたらなと思います。
 もちろんこれはホームページとかでもQ&Aも出していますから、そのレベルで解決することがたくさんあるわけですけど、本来そこで見て解決してもらいたい事案もたくさんあるんですけど、でも、それでもやっぱりちょっとどうしても相談したいということに関してはそこで相談を受けると。それが府民の皆さんの不安解消にもつながるし、的確な行動にもつながると思っています。的確な行動を誘引することにもつながると思っています。

記者

 例えば感染の疑いある方が自分の判断で地域の診療所とかに行って感染拡大するという可能性もあるかと思うんですけど、そういうことを防いでいくという役割でもあるんですかね。

知事

 もちろんありますよ。それは当然です。だから、まず、適切な行動を誘引するというのは、適切にというたら、保健所につないで、必要であれば11の病院を準備していますから、対応できる11の病院につないでいくというのが重要な役割。これ、設置するときに言ったかどうかわかりませんけど、自分はその擬似症例かもしれないけども、どこに相談したらいいかわからない、じゃ、ちょっとかかりつけのお医者さんへ行こうかということで、近所の知っている、知り合いの内科に行っちゃうと。内科の先生はそこから保健所につないで、いろんな除外診断というのをやった上で、インフルとかいろいろやって、これ、どうもそうだなと思ったら、感染症科とかにつないでいくわけですけど、そうすると、そこに行っちゃうわけじゃないですか。もしその人が陽性だったら。だから、そういうのを少しでも減らしていこうというのは大きな目的です。まず、保健所とかこういう相談窓口に連絡してもらって、小さい病院に行く前に連絡してもらいたいと思います、そういう症例があると自分で自覚される方は。そうすることで、小さなクリニックとか医院で感染が広がるのを防止したいと思います。そういう目的は当然あります。
 現状ですけど、1時半現在で、今日の9時から設置しましたが、約90件の相談がありました。いわゆる擬似症例に該当する人はなしです。だから、擬似症例というのは37度5分以上の発熱と呼吸器症状、そして、武漢エピソードがあるのが擬似症例と定義されていますので、それに該当する方はない。だから、保健所につなぐのはないです。一般的なちょっと相談、不安に関するものがほぼ大多数です。
 ただ、武漢エピソードを満たすんだけども発熱とか呼吸器症状が出てないというのが数件ありました。なので、そういう疑わしい事例については、若干数ですけども保健所につないでいるという状況です。発熱とか症状は出てないんだけど、武漢に行っていたとかね。その個別案件によって違いますけど、ちょっとこれは受けている専門の対応として疑わしいかなというものについては、保健所につないでいます。だから、そこから近くの保健所に行って、手順としてはそういうルートになるか、違うルートになると思います。でも、そうすることによって近くのクリニックには行かないわけですから、そういう目的は果たせているんじゃないかなと思っています。だから、相談件数は結構多いわけですね。

記者

 テレビ大阪の矢野と申します。
 先ほどから政府が国内での感染について、バスの経路とか詳細ないということはお話しされていたり、あるいは、だから国のほうでは情報は出すべきということをお話しされていますけども、今のところこの大阪に行ったという情報もある中で、何か具体的に対策を変える等々の動きがあれば教えていただきたいです。

知事

 奈良から情報を得ている擬似症例、これについての対策を万全にしたいというのが今の状況です。

記者

 具体的には万全な対策というのはどういったことになりますか。

知事

 だから、それはもし陽性が出た場合に、これまで準備した対応に従ってきっちりやっていくということです。さすがに、奈良で情報を一元化していて、奈良と国で情報発信するという中で、大阪が全体像の把握してない中で五月雨式にそこの情報の発信というのは難しいかなと思います。ただ、それはさっきも言ったのが繰り返しになるけど、それでも僕自身が政治家として、情報を発信すべきときというのはあると思います。そういう事例ではないと思っています。事務方から聞いている範囲では、それ以外の濃厚接触者もないし、移動のあり方なんかも見ても、そういう状況ではないかなと思っています。より詳しい情報はやっぱり国や奈良県が発信すべきだと僕は思います。

記者

 ありがとうございます。

記者

 すいません、繰り返しで確認だけさせていただきたくて。最初のほうにおっしゃっていた国とその情報発信のあり方で、必要な情報はもっと開示していくべきだという趣旨の発言をされていて、ということは、具体的に、ケース・バイ・ケースだと思うんですけど、国が今まで述べてない内容で、例えばどんなことをもっと出していくべきだとか、その辺をもう一度聞かせてもらっていいですか。

知事

 だから、今、大阪府がやっている情報、ルール、あの範囲では出していくべきだと思います。やっぱり個別事案によってリスクは違いますから、感染者がどういう行動、どういう対応をとっていたかで違いますから、そこをきちんと把握した上で、国民が自己防衛手段をとれるような情報は開示すべきだと思います。それは本来国が責任を持って開示すべき情報だと思います。

記者

 ありがとうございました。

 職員

 コールセンターですけれども、追加で多言語のコールセンターがありまして、28日現在、27日でコールセンターで6件で、5件がマスコミ各社からの問い合わせで取材の依頼があったことと、1件は中国人で、29日来阪予定だが、コロナウイルスの影響はどうかというところの問い合わせがありますので、追加で。

知事

 府民向けの情報窓口と、中国人の専門スタッフを置いて外国人対応している。ちょっと分けてやっていますので、後者のほうはそうだということです。

記者

 ABCの内田です。
 先ほどの奈良県の方の濃厚接触者の感染疑いについてなんですけど、その今検査中の方は、武漢の方と直接会ったわけじゃなくて、奈良県のバスの運転士さんと濃厚接触していたという認識でよろしいですか。中国人という。

知事

 奈良県のバスの運転士さんが感染者ですから、その感染者から見て濃厚接触者の人です。なので、その範囲ですね。

記者

 国籍とかが言えたら教えていただきたいのと、無理であれば、日本在住という、大阪府内在住とかも言えないですか。

知事

 それ、陽性になったらちゃんと言います。陽性じゃない可能性もありますから。

記者

 日本に在住している、もちろん中国にいらっしゃった方ではないですね。

知事

 そのバスに乗られていた方はもう全員帰国していると聞いています、観光客はね。

記者

 ありがとうございます。

知事

 ちなみに、今、擬似症例で大阪市が調査している方は入院中です。

記者

 すいません、産経新聞、井上ですけれども。
 今の陽性であればちゃんと言いますという分で、判断、陽性かどうかというのが出るめどというのはいつごろになりそうなんですか。

知事

 今日の夕方ですね。今日の夜。夜か夕方、そのあたりです。

記者

 ありがとうございます。

記者

 関連で、すいません。国のほうは国籍は発表してないんですけど、大阪府としては国籍まで発表するということなんですか。

知事

 だから、国籍を隠す必要は全然ないんじゃないですか。言う必要もあるのかな。武漢から来た人かどうかは言うし、国籍は必要であれば全然開示すべきだと思います。ただ、それが別に開示する意味がないんだったらどうかなという気もしますけど。特に言わないという判断はないです。

記者

 何度もすいません。擬似症例の方なんですけども、厚労省が発表したバスの運転士に接触した人が104人で、濃厚接触者は18人で、いずれも発症はしてないと厚労省のほうは発表しているんですけども、この中に含まれている方とはまた別なんですか。

知事

その18人か誰かわからないですもん、厚労省の情報がないから。でも、厚労省の立場に立って言えば、発症してないというのは、まだ発症の確認がとれてないという意味では発症してないんじゃないですか。よくある官僚のあれですけどね。その18人かどうかわからないけども、奈良からの濃厚接触者の陽性の人物です。多分18人に含まれているんじゃないですか。

記者

 わかりました。ありがとうございます。

 職員

 ほかにご質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、これで終了させていただきます。ありがとうございました。

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府民文化部 府政情報室広報広聴課 広報グループ

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