令和元年(2019年)9月4日 知事記者会見内容

更新日:2019年9月6日

記者会見項目  ※この会見で使用した資料についてはこちら

    ・京都アニメーションに対する支援金の募集について
    ・プロボクシングWBA世界ライトフライ級タイトルマッチへの小中学生無料招待について
    ・カゴメ株式会社との包括連携協定について
    ・質疑応答

 職員

 ただいまから知事の記者会見を始めさせていただきます。
 最初に知事からお願いします。

京都アニメーションに対する支援金の募集について

知事

 僕からは3点です。
 まず、1点目です。1点目は京都アニメーションに対する支援金の募集についてです。
 7月18日に京都アニメーションでの放火殺人事件が発生いたしました。この事件は本当に戦後最悪と言われるぐらい極悪な犯罪行為で、一度で35名の方がお亡くなりになる、尊い命が奪われるという事件でした。平成以降最悪の凶悪事件ですけども、改めて、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げたいと思います。また、34名の方が負傷されておられます。一日も早い回復をお見舞い申し上げたいと思います。
 これは京都で起きた事件ではありますけども、京都アニメーションであったり、あるいは京都府、国がこれに対して支援をしていこうということを中心になってされています。お隣の府県である大阪においても何か側面から支援ができないかということで、我々ではできることをやっていこうという思いがまず一つあります。
 あわせて、お隣の府でもありますし、大阪自身も、アニメであったりコスプレであったり、これは日本橋であったり、咲洲もそうですけど、非常にアニメ・コスプレ文化というのは大阪にとっても貴重な、重要な文化資源でもあります。クールジャパンを代表するアニメというまさに日本文化に大打撃を受けているという状況の中で、大阪も今回のこの事件に対して何か側面で支援できることをやっていきたいという思いで、今回、大阪府と大阪観光局とで、共同で支援金の募集を行うことにしました。
 9月5日から11月29日まで、大阪府庁、ここの本館もそうだし、咲洲の正面玄関、あわせて、大阪観光局においてJR大阪駅、それから新大阪駅、それぞれ中央コンコースにトラベルセンターがありますので、そこと、あと、難波の観光案内所、それから大阪観光局の所在地、これは南船場ですが、そこにおいてここにある募金箱を設置しようと思っています。
 京都アニメーションの支援金を大阪府、大阪観光局でも募集して、これについては11月29日まで行う。そして、その支援金については、まとめて観光局から京都アニメーションにお渡しをしようと思います。
 現在、報道でもされていますけども、京都府と国とが口座の扱いについて、寄附金の対象、いわゆる税控除ができるようにする特別な対応をするということを検討中ということですので、あえて口座は設けませんけども、支援金をいただいたものについてはそのまま京都アニメーションにお渡ししようと思います。これが1点目です。

WBA世界タイトルマッチ「大阪決戦」(小中学生無料招待企画「夢の舞台」)について

 2点目です。2点目は、プロボクシングのWBA世界ライトフライ級のタイトルマッチに小中学生を無料招待するという、いわゆる夢舞台という企画についてです。
 先日、京口選手がWBAの世界ライトフライ級チャンピオンということで表敬にいらっしゃいましたが、そのタイトルマッチが行われます。大阪決戦とあるのは、大阪府立体育会館で10月1日に行われることに加えて、王者の京口選手も大阪の和泉市出身、そして、挑戦者の久田選手も大阪府の堺市出身ということで、まさに大阪決戦が行われると。
 この舞台で大阪出身の選手がボクシングのタイトルマッチを行うということで、これはワタナベジムとハラダジムの厚意で、地元の小中学生を招待したい、無料で招待しますということを言っていただきました。なので、府内在住・在学の小中学生とその保護者、時間帯が夜になりますので保護者さんが来ていただいてということになると思いますが、合計100名の皆さんに無料でこのタイトルマッチに招待しようということを実施いたします。無料招待した小中学生のうち、抽選で20名前後の子どもたちにリングインの体験もしてもらおうという予定にしています。
 まさに大阪の子どもたちが、ボクシングというスポーツ、この真剣勝負を目の当たりにすることで、一生懸命努力することの大切さだとか、あるいは夢舞台というのを肌で感じてもらえたらなと思っています。
 申し込み方法ですけど、なみはやスポーツネットを検索していただいたら、そこで取りまとめて行いますので、こちらをご覧いただきたいと思います。
 王者の京口選手、和泉市出身、それから挑戦者の久田選手、堺市出身、大阪出身のお二人が真剣勝負のタイトルマッチをするということなので、ぜひ多くの小中学生に応募いただきたいと思います。

大阪府とカゴメ株式会社との包括連携協定の締結について

 続いて、3点目です。カゴメ株式会社との包括連携協定についてです。
 この後16時5分からカゴメ株式会社さんと大阪府とで包括連携協定を締結いたします。
 カゴメさんにおいては、府民の健康づくりであったり、あるいは子どもたちの体験の機会の創出、さまざまなものにご協力をいただく予定にしています。食ということで、大阪産(もん)の消費の拡大であったり、あるいは百舌鳥・古市古墳に食を絡めていただいて発信するということも予定しています。
 健康、子ども・福祉、地域活性、女性活躍・雇用促進、防災、府政のPR、この6分野において包括連携協定をカゴメ株式会社さんと、この後、締結いたします。私も出席をしますが、ぜひ取材をお願いしたいと思います。

国のIRの基本方針案について

 今入った情報で、ちょっと追加の報告です。
 国のIRの基本方針案のパブリックコメントが開始をされました。これまで府市として早期の策定を要望してきました国の基本方針案が、本日、先ほど14時に示されました。また、その基本方針案の中に記載もされていますが、基本方針案の策定前であっても、都道府県において実施方針の作成、それから事業者の公募、選定の手続をしてもよいという旨が明示をされています。大阪府市としては、この基本方針案が策定されて、その方針が国の方針を示されましたので、速やかに実施方針案の策定に入ります。年内には事業者の公募(RFP)を行いまして、来年春ごろには事業者を決定したいと思っています。
 今回、国の基本方針案において、最終的な基本方針の策定を待たずに公募手続を開始してよいと、実施方針を早期に作成して公募手続を開始してよいという方向性が示されました。大阪府市としては、2025年大阪万博の開業と同時にIRを開業するということを必須の目標としてやっていきたいと思います。今回、こういった形で国が方針を示していただいたということは、大阪府市にとっては非常にありがたいことだと思って感謝をしています。
 今後の予定ですけども、この9月、10月で、今行っているRFC、リクエスト・フォー・コンセプトの対話というのを行って完了いたしまして、11月、12月、秋冬には、今年中に事業者の公募(RFP)を開始いたします。そして、来年の春ごろに大阪のパートナーを決定したいと思います。
 僕からは以上です。

質疑応答

 職員

 それでは、ご質問をお受けいたします。
 最初に、幹事社の毎日新聞さんからお願いいたします。

京都アニメーションに対する支援金の募集関連について(1)

記者

 毎日新聞です。よろしくお願いいたします。
 最初に、京都アニメーションの支援金の募集についてお伺いします。
 これは、事件後、多くの方が献花台に訪れたり、SNS上で支援の輪が広がっておりますが、改めて支援金を募集しようと思われた狙いと、もしあれば、その集まった支援金をどのように活用していただきたいかという思いがあれば、よろしくお願いいたします。

知事

 京都アニメーションに対する事件というのは、本当に卑劣で許されない事件だと思っています。35名の方の尊い命が奪われたということで、絶対にあってはならない事件だと思っています。事件の全容解明というのが捜査機関で行われることになると思いますが、これは全国で、そして、さらには世界にも広がりながら、支援の輪を広げていこうということが広がってきていると思っています。
 そんな中で、京都は我々のお隣であって、やっぱり関西の仲間ですから、お隣の府県として何かこの事件に対してできることをやっていこうという思いで、今回の支援金の募集を大阪で行いたいと思います。この大阪で支援金を募金いただいたものについては、今、京都アニメーションで口座をつくっていますけど、その京都アニメーションにそのままお渡しをしたいと思います。京都アニメーションの復興、アニメの復興、そして、何より被害を受けて亡くなられた方のご遺族、そして、今、被害を受けて一生懸命回復の処置を受けている皆さん、被害者の方に、本当に微力だと思いますが、ぜひ少しでも力になれたらなと思います。そして、こういう輪を広げていくことの一助になればなと、さらに全国に広がっていくことの一助になればいいなと思っています。
 今、当初は口座も開設しようと思ったんですけど、京都府と国とが調整をしながら、これは自然災害のような自治体への寄附ではありませんので、受ける側は、いわゆる所得とみなされて課税されるんじゃないかという問題と、そして、支援金をする側も、税の優遇の扱いを受けていないという中で、これはちょっと新たなルールをつくって特別の措置をすべきじゃないかという動きが出ています。これは京都府、国が今行われていますので、そこは、僕は一定のルールは必要だと思いますが、そうなればいいなと思っていますし、そういった意味で、口座は今回開設はしないですが、この募金箱に募金をいただいたものについては、そのまま支援の輪を広げていくという趣旨もどんどん広げていって、京都アニメーション、そして、その被害者の皆さんにお渡しができたらなと思います。
 大阪も、アニメとかコスプレは、日本橋に行ってもらったらわかりますけど、非常に人気ですし、これが魅力になっていることは間違いないです。日本のアニメは世界ではかなり評価が高くて、ここは僕らは再認識すべきぐらい、この価値は高いです。僕は万博で世界をぐるぐる回りましたけど、その中でも日本のアニメの話はよく出てきました。この間のG20のときも、サウジアラビアのムハンマド王子とお話しさせていただいたときも、日本が非常に好きだと、何でですかと聞いたら、日本の漫画をよく見ていたという話も聞いて、これは日本のアニメというのは世界に大きな影響を与えているなと。この魅力をさらに、今回の事件は本当に悲惨な事件ですけど、大阪もやはりアニメとかコスプレの人気も非常に高いですし、そういった意味で、大阪観光局とも連携をして、大阪府として、お隣の府県として、少ないかもしれないけども、何か側面支援としてできることをやっていきたいと、そういう思いです。

記者

 ありがとうございます。幹事社からは以上です。

夢洲の防災対策関連について

記者

 朝日放送の中村と申します。
 ちょうど1年前に台風21号が発生しました。夢洲にある大阪港周辺では暴風であったり高潮の被害が大きかったと思うんですけども、万博に向けて、この夢洲の防災対策であったり、特にこの暴風の対策を今後どうしていくか、お答え願えますでしょうか。

知事

 夢洲については、台風21号がまさに大阪湾として直撃しました。台風21号は、第2室戸台風を超える大阪の歴史上で過去最高の潮位を記録するという状況でした。そういった台風なので、神戸は浸水もしたというような状況でした。でも、神戸より大阪のほうが実は潮位が高かったという中で、夢洲において、当然、波がありましたから、その波で一部外側護岸は波の被害を受けましたが、夢洲のいわゆる内陸上陸は全く被害も受けてないという状況です。まず、これは客観的事実として認識する必要があると思います。というのも、夢洲というのはそもそも災害に強くつくっていますから、高さも10メートルの高さをつくっている、そして、護岸も外側護岸と内陸護岸の二重の護岸のような形になっていて、今回、外側の護岸が当然、波が来たわけですけど、浸水は一切しなかったという状況です。なので、夢洲自身はそういった台風や自然災害には強いエリアだと認識をしています。
 海面で見てもらったらわかるんですけど、夢洲というところは海にあるから非常に危険じゃないかと、これ、よく言われるんですけど、水平で見れば、これが海面だとしたら、夢洲というのは実は非常に高くつくられているんですね。咲洲なんかも、埋立地は高くつくられています。逆に内陸部の大正とか佃とか、内陸のほうが実はゼロメートル地帯とかがあって、実はそちらのほうが危険なんですね、防災上は。つまり、横からぱっと素人目で見たら海に近いじゃないかと思われるかもしれませんが、高さという意味では非常に、横から見れば、夢洲なんていうのは災害を想定してつくられているという特徴があります。
 今後ですけども、当然、これからも建物等々は建築されていくことになると思いますが、台風が近づいてきたときに必要なのはソフト対策だと思います。万博やIRが開催されるに当たって、もし台風が来たときにどうやって避難を確保するか、どうやって災害から守るかという、そのソフト対策の部分というのが非常に重要だと思っていますから、そこについて、これからまちの設計とともにしっかりとつくっていきたいと思います。いわゆるハード面においては今までもやっていますけども、非常に夢洲は災害に強いと。だからといって安心というわけではないんですけども、そういうエリアだと認識してもらってもいいんじゃないかなと思います。
 もちろん夢洲でも、いわゆるタンカーが入ってくるところは、荷づけするためにそこはわざと低くつくったりはしていますけども、人が移動するエリア、そういうとこについては、いわゆる内陸については、さっき言った10メートルの高さを確保するというのが夢洲です。咲洲とかあっちのエリアも、海べりの船着き場はもちろん合わせていくわけですけど、実際はそういう災害に強い埋立地はまちづくりをしていると。
 だから、僕自身は、これは大阪市長の話にもなってくると思いますけど、災害対策という意味においては、やはり西淀であったり大正であったり、昔からあるところのほうが実はリスクはあるので、そういったところの災害対策というのはきちっとやっていく必要があるだろうと思っています。それで、その面については、今、大阪府市で防潮堤の、10年間かけて橋下市長時代から始まりましたけど、耐震強化に対して進めていますから、そこは今後もしっかり進めていきたいと思います。
 それから、高潮に関していうと、大阪の三大水門が機能したので浸水はなかったですけど、もし三大水門が閉まっていなければ、何らかのトラブルで閉まっていなければ、大阪市域の、これは夢洲じゃないですけど、大阪市内のエリアは一部浸水していたという想定もありますから、そういった意味で高潮対策、それから、三大水門の補強ですか。建てかえ、補強というのは今回予算でついていますけど、しっかりそこは僕もやっていきたいと思います。

外国人への災害情報伝達関連について

記者

 ありがとうございます。
 あともう1点なんですけども、先ほど知事、ソフト面で対策が必要とおっしゃられていました。以前、大阪観光局と一緒に外国人へのその情報伝達をどうしていくかという対策もとられていたと思うんですけども、改めて今後の方針をちょっとお願いできますでしょうか。

知事

 やはり海外のお客様は非常にたくさん今いらっしゃっていますし、言語の問題というのがあるという認識をしています。なので、適時的確に海外の方にいわゆる防災情報を提供できるような仕組みというのを今観光局を中心にやっているという状況です。多言語化ですね。その発信というのをやっています。大阪府においても、この多言語化の情報発信というのを今年度予算化して準備を進めているところですから、できるだけ多くの国の方に的確に情報を伝える、多言語で情報を伝えるプラットフォームづくりというのを、今もしていますけど、さらに強化をしていきたいと思います。

記者

 ありがとうございます。

IR関連について(1)

記者

 産経新聞の有川です。お願いします。
 IRについてなんですけれども、ちょっと改めてスケジュール感を確認したいんですが、今回国の方針は、この夏だったのがずれ込んで秋のタイミングになったと思うんですけれども、来春の決定を目指す府市としては、このタイミングが公募で事業者決定するぎりぎりのタイミングだったということになるんでしょうか。

知事

 まあ、そうですね。来年の春にパートナーを決めないと2025年に同時開業というのは難しいなというのは、これまでの会見でも僕も言っていますし、実際そうだと思います。もちろんそれが、春が例えば初夏になったらどうかとか、細かいことを言い出したらまたあれかもしれんけど、大きくずれ込むようなことがあれば難しいと思っていましたが、今回基本方針案が示されました。そこの案の手続の中で、その自治体がこの案をもとに実施方針案をつくって事業者公募をしても構わないという国の方針が明確に示されたことというのは大阪にとって非常に大きいと思います。これに基づいて今年の秋冬に具体的な事業者公募を開始します。来年の春にはパートナーを決めます。そうすることで2025年、まだまだこれからもいわゆる行政としてできることはやっていきますけども、2025年の万博のときにIRも開業しているという状態に、これは必ずしていきたいと思います。

記者

 準備が進めば、最低来春ということですけれども、もっと早く年明けにも決めるということってあり得るんでしょうか。

知事

 これは公募の手続なので、来春までに決まればそれはいいと思います。それがちょっと前倒しになるかどうかもわかりませんし、ここはちょっと、ただ、適切な公募手続をやっていきたいと思います。普通に考えたら、今年中に募集を開始したら、大体半年弱ぐらいと考えたら春ぐらいが普通だと思いますから、しっかりと選定の時間はきちんととっていきたいと思います。今回の国の方針がこうやって示されましたから、きちんと選定の時間もとれると思います。

記者

 あと、自治体の誘致合戦がまた本格化していると思うんですけれども、先般横浜市も手を挙げまして、大阪のRFCに応募していた事業者が横浜に回ったということもあるんですけれども、大阪の迎え入れる準備ですとか、ギャンブル依存症対策ですとか、各自治体の中で大阪の持っている優位性というのを改めて教えてください。

知事

 他の自治体はまだIRの組織もないでしょうし、受け入れの組織もないし、誘致するかしないかというところあたりだと思います。横浜は誘致するという大方針は市長が示されましたけども、内部で、じゃ、組織ができているのかといえば組織もできていないという状況です。
 この点、大阪はそもそも当初から誘致するというのを明言してやってきましたし、そのために課題とも正面から向き合おうというので、IR推進局をつくって、その中にギャンブル依存症対策というのも、それを検証する部会も立ち上げて今進めています。専門家の方であったり、家族会の代表者の方であったり、さまざまな方の意見を聞いて大阪独自の依存症対策というのも一定程度発表もしていますし、高校生に対するギャンブル依存症の注意喚起なんかも、IRはまだ来ていないんですけど、既にパンフレットを配布したり、あるいは住民説明会というのも既に何度も開催していますので、一定他都市よりは進んでいると思います。
 あわせて、やっぱりIRのいいところを引き出そうということで、大阪が求めるIRというのを、何が大阪にとって世界最高水準でプラスになるかというのもずっと研究をしてきていますから、そして、今まさに対話もしていますので、RFCで。そういった意味では、手続としてはかなり大阪はトップランナーを走っていると思っています。
 ただ、もちろんこれで終わりじゃありませんから、来年度の予算化に向けても、さまざまな依存症対策であったり、あるいは推進に向けての予算化というのをしっかり行って、万全の体制で、大阪にとって世界最高水準のIRというのを誘致したいと思っています。
 他都市よりそういう意味で、行政としての準備という意味ではかなり優位性が高いとは思いますが、もちろん経済規模で考えたときに、首都圏というのはもちろん関西圏よりも非常に経済性が高いというのはこれは当たり前なので、僕らはその一極集中型よりは大阪、関西圏が成長しようというので一生懸命歯を食いしばりながらやっているわけですけど、客観的には当然一極集中というので国是としてやってきて、首都圏が経済性が高いというのはわかっている話なので、その首都圏がいわゆる経済性が高いという意味ではアドバンテージというのは当然これはあるとは思いますが、ただ、関西圏もこうやって準備をしっかりしていますし、首都圏にない、いわゆる京都であったり、奈良であったり、さまざまな歴史文化も関東圏にはないよさが、関西独自のよさというのもありますのでね。大阪はそもそもエンターテインメントが非常に昔から盛んだし、そういったものをしっかりと個性を生かしながら、首都圏に負けないIRを実現したいと思います。

記者

 最後に開業時期の確認なんですけれども、今まで万博が始まる前年度までにIRの全面開業を目指したいとおっしゃっていたと思うんですけど、今は万博と同時期の全面開業を目指すとおっしゃっていたと思うんですが。

知事

 意味としては一緒じゃないですかね。2025年の5月から万博は始まりますから、2025年の5月までにIRが開業している状態。普通に考えたら2024年度末までに開業ということになると思います。2024年度末か、そういう意味ではね。だと思います。要は万博が開催するときにはIRは横で開業しているというのが、双方にとってものすごく僕はインパクトだと思いますし、あわせて、そうすることで大阪の魅力というのを世界に発信する絶好の機会になると僕は思っています。

記者

 ありがとうございます。

記者

 日経新聞の木下です。
 IRについて引き続いて伺いたいと思います。来春の事業者決定から目標とする25年5月のIR開業まで5年間あるわけですけれども、この間にもう一つ、区域認定を受けるというハードルがあると思います。25年5月に開業させるためには、大阪にIRをつくってもいいという国の区域認定というのはいつごろまでに決まる必要があるんでしょうか。

知事

 これはちょっとスケジュール表で整理していますが、今、手元にスケジュール表がないのであれですけども、区域認定については、国のカジノ管理委員会だとか基本方針が定まれば、当然区域認定の手続にも入ってくると思いますから、区域認定のタイムスケジュールはそんなには気にはしてないです。むしろ区域認定されたら、そこからまず10年だと思うので、いろんな投資のことを考えたらその認定が後のほうがいいのか、先のほうがいいのかといういろんな考え方もあると思いますので、区域認定自体の時期というのはぜひ適時適切にしていただきたいなというふうに思っています。そこが極端におくれるということにはならないでしょうし、そうなることもないんだろうと思っています。大阪として、国に認定してもらえるように事業者ともタッグを組んで、すばらしい提案というのを国に行っていきたいと思います。
 だから、事業者も、じゃ、認定されていない段階でどこまでできるねんというのは当然あるとは思いますけども、そこは一緒にリスクをとってもらう必要はあると思います。そやから、大阪のパートナーとして認定を一緒にとっていこうと。それはある程度設計もしていく必要があると思いますし、設計をしていくのであれば当然お金もかかるでしょうし、そういったことも含めて、それは大阪のパートナーとしては認定されるということを目指して、一緒に認定をとるためにリスクはとってもらいたいと思いますし、認定の時期がそんなに影響するということは僕はないだろうと思っています。

記者

 ちょっと細かい話になりますが、工期というのはどのぐらい必要だというふうにお考えなんでしょうか。

知事

 中身にもよるとは思います。工事の中身。そういったことを今詰めていっているということです。今、たしか多分3年ぐらいで考えているとは思いますけど、それを4年にできないかとか、土地の引き渡し時期を部分的にできないかだとか、そういったことについてさらに詳細に詰めていきたいと思います。うろ覚えですけど、たしか2022年に土地の引き渡しの予定だったと思いますけども、2022年から約3年ですか、ここは事業者との対話の中で引き渡しできるところは先に引き渡すだとか、いろんなやり方があると思いますから、いずれにしても2025年に完成するという方針を共有したいなと思います。
 土地の引き渡しについても、いわゆる地盤を固めていく作業がほぼできているところとそうじゃないところがやっぱりあるので、ちょっと時間はずれると思いますから、そういった意味で引き渡せるところから引き渡して、工事の着工時間は長ければ長いほどそれはいいでしょうから、そこについても早めることができないかというのを今、実は内部で検討しています。もう少しこの2022年というのを早められないかというのを今、内部で検討していますから、そこは事業者との対話の中で、お互い協力関係のもとで、2025年に、万博前にIRも開業しているという状況に持っていきたいと思います。

記者

 国は大阪府市のIR開業目標について理解しているというふうに考えていいでしょうか。

知事

 僕たちはこれは強く要望していますので、国の認識はちょっとわからないですけども、そこは配慮していただいていると思っています。

記者

 あと、現在進行中のRFCなんですけれども、7企業グループが参加登録して、今、対話に入っていると思うんですが、現在何社と対話している状況なんでしょうか。

知事

 おそらく、この7社のうち幾つかは、横浜が手を挙げましたから、首都圏のほうに向かうということになるんだろうと思います。これは明確に表現しているのはサンズですけど、横浜もこうやって首都圏で手を挙げてますので、どこの社というわけにはいかないですけども、7社のうち幾つかは首都圏のほうに手を挙げることにはなるんじゃないかなと思います。だから、サンズ以外の社が、全てがRFPに参加するということにはならないと思いますし、場合によってはRFC自体から撤退するということもあり得るんじゃないですか。だって、大阪のパートナーは1社しかないわけですから、ここで残るということは大阪とやるということですから、大阪とやるイコール関東とはやらないという判断をしないといけないことになりますので、事業者にとってもこれは大きな判断だと思います。
 さっき言ったとおり、首都圏でIRをするというのはやっぱり事業者にとって経済規模も大きいですから、そういう意向が強いところもたくさんあると思うので、その中で、いや、首都圏じゃなくて大阪なんだというふうにきちんと意思決定しないと残れないでしょうから、そこの残るところの中で、最も大阪とパートナー、大阪のことを考えてくれるところ、世界最高水準のIRを実現してくれるところ、そういったところの選定手続をやりたいと思います。

記者

 わかりました。

 職員
  次のご質問をお受けいたします。

知事

 9月中旬にRFCの提案は締め切りをして、そして9月中旬から10月にかけてRFCの対話をする、そういうスケジュールです。10月中に終了して、11月、12月でRFP事業者公募に入ります。

京都アニメーションに対する支援金の募集関連について(2)

記者

 時事通信、天野ですけれども、京都アニメーション支援金募金箱は、これは観光局とも連携ということですが、英語表記でインバウンドの方にもやってもらうとか、そういうお考えはあるんでしょうか。日本語のみでしょうか。

知事

 ええ。これは募金箱だからこうなってますけど、英語表記も当然やろうと思ってます。このそばになるのか、わかるようにはしたいと思います。特に、大阪府庁とかはする必要ないかもわかりませんけども、大阪駅、新大阪駅、難波駅でもやりますから、いわゆる観光のお客さんが来るところについては、きちんと英語表記をして、意味がわかるようにはしたいと思います。

記者

 よく、おさい銭などで現地のお金を入れられて困るという声もありますけど、日本円でというような表記とかもするんでしょうか。

知事

 そうお願いすることになるでしょうね。

記者

 ありがとうございます。

IR関連について(2)

記者

 読売新聞の山崎と申します。今日の今日なのでちょっと言いづらいかもわからないですけど、政府の基本方針案の中身についての評価をお聞かせいただきたいと思います。

知事

 ごめんなさい、今日の2時発表なので、基本方針案の中身までは把握はしてないです。ただ、その基本方針案の中に先ほど申し上げたことが記載されてるということは僕自身も確認して今上がってきましたので、この基本方針案に基づいて、大阪府市としての実施方針案を作成したいと思います。
 ただ、もちろん我々もそうやって組織つくってやってきたわけですから、準備は当然してますので、全く違うようなものが基本方針案で示されてるとは思ってないです。もちろん、この基本方針案の中に、最終的に事業者を決定するという際に関しては、もちろん今、基本方針案ですけど、パブコメをするわけですから、基本方針が完成した、その完成した基本方針とこの実施方針、そして事業者の公募の中身が、提案内容が合致するようにというのは当然この基本方針案にも求められてますから、そこは、もし必要な修正があれば、基本方針案が確定する、最終的に確定したものに合わせていくということになると思いますが、そういったことも頭に入れた上で、この基本方針案をもとに実施方針案はつくって、その策定作業に入ります、実施方針案の。我々が報告を受けてる範囲では、そんな全く我々が想定してないようなものではないという報告は受けています。

ボーナスの返上関連について(1)

記者

 毎日放送の宇治宮です。今年4月の学力テストの結果で知事のボーナスを返上されるとおっしゃっていましたけれども、寄附先をなぜ広島市にされたのか、改めてお願いします。

知事

 僕の母が広島出身なんです。広島市の安佐北区出身で、広島市の安佐北区といっても、ここにいる方はあまり知らないかもしれませんが、広島の人以外は。広島市の安佐北区というところで、これは豪雨でも被害を受けたところなんですけど、安佐北区出身です。安佐北区は、僕から見たおばさん、母から見たらお姉さんが今も住んでる、おばさんとおじさんが住んでるところであるし、いわゆる母の実家というのもあって、僕自身も何度もそこ、行ってます。
 広島にはそういう縁もあって、僕が司法試験に受かったときも、修習希望地というのを書くんですけど、そのうちの一つに、大阪も当然入れたんですけど、広島も入れて、結果、広島になって、司法修習生時代も広島で1年間過ごした。広島は僕にとってそういう意味で思い入れの強いエリアなんです。子どものとき両親が共働きで、おばあちゃんに僕はいろいろ飯つくってもらったりしてましたけど、おばあちゃんが広島人で、いろいろ原爆の話を聞いたりとか、いろいろ世話してもらって、広島に対する思いというのはあるんですね。あとは福岡、僕が大学時代、九州大学で5年間福岡に住みましたから、福岡とか広島というのはちょっと思い入れがあって。
 なので、維新に聞いたら、維新が被災地に寄附をしていくというのは何かルールがあるわけじゃなくて、その都度決めてるということなので、僕は維新本部に広島に寄附しようという話をして、維新の本部のメンバーもわかりましたということで、広島に寄附をする。段取りは維新本部がやってくれましたけど、そこに僕も一緒に行くと。それが広島の理由。
 もちろん、平成30年の豪雨の被害を受けて、まちづくりをしていることの応援をしたいというのが寄附の趣旨です。ただ、動機として、被災地がたくさんある中、なぜ広島なんですかというのは、僕のそういう個人的な思いです。

記者

 じゃ、内訳としては、金額ではどういった内訳になるんですか。

知事

 別々です。日本維新の会は日本維新の会として、たしか500万だったと思いますけど、寄附するというふうに聞いてますし、僕自身はボーナスで、夏のボーナスを受けた手取り分。これは彼がいないから、読売のいつも、手取りですか、額面ですかとか市長時代にしつこく言うて、夏のボーナスだけですか、冬のボーナスもですかとかいろいろ聞いてくる記者がいたわけですけど、その記者とのおかげで、かなり僕も市長時代に整理できたと思ってるんですけど、夏のボーナスにします。1回受け取った上で手取り分を寄附します。だから、自分自身は取得はしませんという。税金とかあるから、そこは控除されるのは勘弁してくださいねというのはそこでやって、だから、僕については、夏のボーナスの手取り分、それを全額、1円単位で寄附をします。

記者

 今回、ボーナスの返上というのが、学力テストの結果を受けてのボーナス返上ということですけれども、学力向上に使うという手段もあったのかなと思うんですけど、なぜ豪雨災害の被災地にというと、さっきのご説明になるんですかね。

知事

 僕自身が大阪府知事なので、大阪府には寄附はできないというルールになってます。なので、何か特定の目的のために寄附するわけにはいかない、それは法律のルールで決まっているので。であるならば、僕の動機はそうかもしれないけども、純粋に寄附という形で、ちょっと離れたところでやろうと。だから、場所もちょっと近畿からは離れたほうがいいかなというふうに思ってまして、兵庫やったら、何で兵庫なのって大阪の人も思うでしょうし、ちょっとそこを離れたところでやろうという。関西圏から離れたところで。
 目的も、そういった意味で、僕の契機は、きっかけはそうですけど、純粋に寄附をしていこうと。被災地への寄附というのは、やっぱりこれは日本国中で行われていることだし、日本維新の会もやっていることなので、特に色もつけずにそういうふうにしようかなというふうに思ったわけです。
 もちろん学力向上は、僕自身大阪府知事だし、大阪市長は特に小中学校の管轄ですから、いわゆる市長の執行権限としてできますし、やる話なので、それはそこでしっかりやればいいと思っています。大阪府知事という立場になったら、これは小中学校の学力向上は支える側に回りますけども、支える側で、これはしっかり学力向上は努めていきたいと思います。なので、学力を向上させるために、やっぱりこれは経年で僕は見ていくべきだと。それぞれ個人差はあるんだけど、少しでも伸ばす努力をしていこうよ、その伸びを大事にしていこうよというのが基本的な発想なので、みんなが100点を目指すんじゃなくて、みんなが5点ずつ上がることを目指そうよというのが基本的な、5点か3点かとあるでしょうが、それぞれの個性に合った学力の向上というのは目指しているし、そのためには経過をきちんと把握できる仕組みが必要だろうと思っているので、今度新たに小学校5年生に大阪府域全域で経年テストができるような。大阪市長のときは小学校3年生からずっとやりましたけど、大阪府域でもそういった経年で確認できるようなテストを実施しようと。そして、それに基づいて、先生なんかもどこが弱いかというのをわかるようにして、今後教えていく上で参考になるような指標をつくっていこうということを府知事としても取り組みます。これは、知事として取り組めるところは取り組みます。
 ただ、今回、僕のボーナス返上分を何か教育資金に充てるとかというのはちょっと違うかなと思って、そこはちょっと離れたところでやろうと、やったほうがいいんじゃないかというような考え方です。

記者

 また、広島市の松井市長の受けとめとして、会見の中で、記者の質問で、政治的な姿勢を示すために利用される可能性があるのではという質問もあったということで、どういう問題があるか調べるとおっしゃっていたんですけれども、それについても受けとめというか、そういった姿勢はあるのかというところでちょっと。

知事

 僕自身は政治的な姿勢というのは全くそういう意味ではないんですけども、母方の実家もあるし、広島の思いもあるから、被災、復興に少しでも役立ててもらえたらなと、日本維新の会も含めてね、そういう思いでやっています。
 ただ、僕も広島に迷惑がかかるのは別に本意じゃないので、それで広島市長が「これはちょっと迷惑だよ」と言うのであれば別にやらないし、そこはきちんと、それでも受け入れてもらえるよというところがあれば、別に急ぐ話でもないので、そうしたいなと思います。今の現状では特にそういう話も聞いていないですし、僕が広島市長と会ったときに、これは学テでどうのこうのと言うつもりもないし、別に政治的な何か主張をするつもりもないし、僕の政治家個人として、広島の被災の復興に、日本維新の会の議員とともに、少しでも役に立てれればなと思います。
 ただ、僕はそう思っても、いや、それは迷惑がかかるというんだったら、別に広島ではやらないです。別に目的はないので。そのあたりは多分日本維新の会の事務局が足さばきをしてくれているんじゃないかなと思います。だから、僕が広島市長と会ったときに、これはこうこうこうですとかいう説明をするつもりもありません。

記者

 ありがとうございます。

IR関連について(3)

記者

 共同通信の山本です。
 まず、IRのほうの確認なんですけれども、手続としての今後の実施計画の策定等、RFCからRFPに移っていくところの順番を伺いたいんですが、今日この国の基本方針案がパブコメにかけられて公表されたということをもって、実施計画案の策定作業自体には直ちに入るということでいいんでしょうか。

知事

 そうです。今回、基本方針案が示されましたから、これに基づいて実施方針案の作成に直ちに入ります。もちろんこれは作成に一定の時間が必要になりますから、それを作成しながら、一方で、RFCの提案の受けと、その対話というのを9月、10月で行って、そして、実施方針案を作成した上で、11月、12月、今年中にRFP(事業者公募)をするという手続になると思います。

ボーナスの返上関連について(2)

記者

 あと、話変わって、先ほどのボーナスの返上寄附の話になるんですけれども、こちらは、スケジュールと寄附の方法としては、知事ご自身が近々にも広島に行ってお渡しになるということでよろしいでしょうか。

知事

 そうです。金曜日の予定をしています。

記者

 今週金曜日にご自身で広島県庁に。

知事

 僕と日本維新の会の政治家、議員とで広島に行く予定にしています。もちろん何か広島に迷惑がかかるようだったら、僕は別に行かないですし、やらないですけど、そうじゃないのであれば、一応予定としているのは、今週の金曜日に行く予定にはしています。
 その際、日本維新の会がやっているみたいですけど、いろいろ、これは別にここに限らず、被災地の視察とかも全国でやっているみたいなので、だから、そこは僕もしっかり見たいなと思います。
 ただ、これは大阪府庁は関係ないですから、大阪府庁とは離れたところでやります。政治家としてやります。

IR関連について(4)

記者

 日経新聞の大澤です。
 IRについて幾つか伺いたいんですけど、まず、万博の前の開業というのは全面開業を目指されているということで変わりないでしょうか。

知事

 変わりないです。

記者

 わかりました。
 あと、細かい点なんですけど、土地の引き渡しを一部、22年春から前倒すかとかというお話がありましたが、それはRFPをする際にもう既に方針を決めるんでしょうか。それとも、事業者が決定した後に、その事業者との間で調整するんでしょうか。

知事

 それは別に決まった事項ではなくて、今の予定では2022年に引き渡すということです。
 ただ、もちろんこれは事業者との対話の中で、スケジュールが厳しいのは、これは全員共通認識なので、そのために何か早められることはないか、早められることについては全て早めていくということです。その中の一つの候補として土地の引き渡しも挙げられる。
 ただ、土地の引き渡しといっても、やっぱりこれは大阪市が中心になって技術屋さんがやってくれていますけど、技術的にきちんとした形で渡していかないといけないので、それがクリアできるのであれば、早めに渡せるものは早めに渡していきたいなと思います。これはあくまでも、何か今技術家と話をして、じゃ、この部分については2021年とか、そういう具体的な話があるわけじゃないです。全体のスケジュールの中で、スケジュールが厳しいのはわかっているから、少しでも早められるところは早めていきましょう。その説明の中の理由の一つ一つと思ってもらったら。実際それは2022年で渡すことになるかもわかりませんし。目標は同時開業。このために何が必要かというのをお互い考えるということです。
 つい前にも一部報道もされましたけども、環境アセスの準備となる現況調査についても、できることは先にやりましょうというのもまさにその趣旨ですから。行政手続においても、今、大阪府市で一体になって、普通にやったら、あっちの部署に行ったり、こっちの部署へ行ったりといって時間がかかっていくのを一つにして、これは田中副知事のもとで大阪市の技術部隊が一生懸命やってくれていますから。工事のさばきなんかも含めてね。そこはしっかりとしたチームをつくって、行政として2025年に間に合わせるためのあらゆること、これはやっていきたいと思います。

記者

 そういった内容を含めた話というのは、事業者を決定する前から、候補者である事業者たちと対話していくということですか。

知事

 それはちょっと僕が直接対話していないからわからないですけど。職員には言っていますけど、ちょっと職員と事業者の会話の中身までは聞いていないので、ちょっとそこはわからないですね。
 いずれにしても、事業者に聞いていると思います、間に合いそうか、そうじゃないかという当たりは聞いているとは思いますけど。そこは、今職員がやっているところだと思います。いずれにしても、春に決まればその事業者はやっぱり2025年に間に合わせようという共通の思いを持った事業者が選ばれるんだと思います。

記者

 ありがとうございます。

児童虐待関連について

記者

 読売テレビの渕上です。
 児童虐待の警察と児相の情報共有に関してなんですが、昨日、松井市長は全件で情報共有をすべきだという考えを示されて、一方で知事は市長時代に、自分から言いやすいようにあえて例外を設けたというお話だったと思うんですが、そのあたり改めてお考えを教えてください。

知事

 今、大阪府は全件共有をやっています。大阪市の児相と警察との共有というのはそういった形で僕が市長時代にやったと。これは今、松井市長が市長として児相の全件共有というのを基本的な方針として指示をされているので、僕が大阪市の児相にどうこう言う立場ではないと思うから、そこは市の中で方針を決めていくんだと思います。
 ただ、大阪府、堺市、大阪市のオール大阪で重大な児童虐待をなくそうという組織もつくっていますから、大阪府や堺市、大阪市の対応が異なることがないように、どれがあるべき姿なのかというのをワーキングで検討するようにという指示もしていますから、そこでも議論をされるんだろうと思います。だからその中で、最終的に方針は決定されるのではないかと思います。もちろん、松井市長が大阪市長ですから、大阪市の児相がどういう方針でするかというのは、最終決定権限は松井市長にあると思います。
 僕自身がじゃ、大阪府知事になって、自主的に申告してきた人を警察の情報共有から除外するかといったら、まだそこまでの議論には至っていないから、そこについては、まず、ワーキングで詰めてもらいたいと。中間報告も受ける予定にしていますし、今年度末には方針を確定していく、次の会議を開きますから、そこで決められることになるんだろうと思います。
 これは、僕自身は全件共有すべきじゃないかというのが一つの考え方のもとで、大阪市長時代に児相と話をしました。児相は僕の方針も受けて、基本的に虐待事案は全件共有をすると。ただ、やはり親が自分から相談してくるケースもある。そこは、児童虐待は根が深くて、親が鬱になっていたり、精神的な疾患になっていて、やりたくないけどやっているという事案があるのも事実で、だから児童虐待をしているのに自分から申告してくるというケースもあるんですね。一見相反するようですけど、そういうわけではなくて、そういう事案も非常にあるわけです、一定数。その事案も全て警察と共有するとなったときに、これはいわゆる犯罪、加害者として処罰される可能性が出てくる。であるならば、相談自体を控えようか、相談控えが起きるんじゃないかというのが大阪市の児相の意見だったわけです。でも、僕はそこは一定その考え方もあり得るなと思ったので、そういう判断をしたというところです。
 今回の大阪市で起きた事案を見たら、一旦、大阪市の児相もやっぱり、僕らも児童虐待にかなり力を入れてやっているからもあると思いますけど、すぐ今回も一時保護をして、一時保護をした後の情報提供だから数日間たったわけですけど。報道では拒否したみたいな、けんかみたいになっていますけど、実態は多分そうじゃないのかなとは思いますが、ちゃんと一時保護で大阪市の児相が安全を確保した上で数日たったと。警察とやっぱり温度差はあると思います、児相との温度差。その温度差はどこから出るかというと、児相は再統合というのを目的としますから、親と向き合っていくわけです。どうしようもない場合はもちろん施設とかになるわけですけど、基本的には再統合しますから、親と児相というのは向き合って、時間をかけてじっくりやっていくと。児童虐待しないようにきちんと指導もしながらやっていくというのがスタンスなので、いわゆる警察と違うというのが児相の主張、それも一理あると思うんです。
 大阪府警は児相についてやっぱり、これは僕らでわあわあ児相の話を言っているから、児童虐待の話を言っているというのもあると思うんですけど、ほかの県警とかと違って児童虐待専門の室をつくってくれています。そこで僕いろいろ話をしましたけど、単に処罰することを目的とするのではなくて、児童虐待をなくしていこうというのが目的なので、かなり合ってきているんじゃないかなという思いもあります。ほかの都道府県に比べたら。そういった意味で大阪府警も進んでいると思うので、お互いの理解が合致できるようにしていけばいいんじゃないかとは思います。
 今回の事案で言うと、僕が聞いているのは警察は通報してくれと、児相は通報という形ではなくて、いわゆる情報提供という形で情報を渡していると。通報ということになると、これは処罰の方向に向いてくるわけですから、そこでやっぱりどうしてもそれぞれの考え方の違いというのがあらわれているなというのは思いました。ただ、重大な児童虐待をなくすためにどちらがいいんだろうかということを、もうちょっと詰めていけたらと思います。
 松井市長がそういう指示をされたというのは、それは、だって松井市長はこっち側で全件共有をやっているわけだから、その中でまたこれから松井市長と大阪市の児相との間でいろいろな話があって、最終決定がスケジュールも含めて決まってくると思いますけど、もちろん市長は松井市長ですから、その中での方針を示された上で、いわゆるオール大阪での体制で考えたときに、堺とか大阪市とか大阪府であんまり対応が違うような形はできるだけやめて、一番いい形を目指していきたいというのが僕の考え方です。

記者

 知事としては、今、現時点でこういう例外なケース、情報共有しないケースというのをつくったほうがいいというお考えなんですか。

知事

 ここはもうちょっと詰めてもらいたいと思いますね。大阪市長時代そういう判断をしてそう思っていますし、今もどちらかと言えばそういう考え方を持っていますけど、であるならば大阪府のほうを改めないといけませんからね。ここは本当に難しい問題だけども、児相自身、一生懸命仕事はしています、ものすごい激務の中で一生懸命仕事をしていますが、児相は時としてやっぱり部局から遠いところにあって、ほかの機関との連携だとか、そういった部分とちょっと乖離してしまう傾向にあるというのも大阪市長時代に僕は肌で感じていました。いろいろ児童虐待の取り組みをしていく中で。
 専門性があって一生懸命やっているがゆえに、ほかの機関はちょっと、自分たちだけで何とかやっていこうと。その中で少し認識が乖離する、あるべき姿ではないところにいく可能性もあるというのは、これは全国の児相は認識しないといけないと僕は思っています。大阪市の児相もそういう面はありました。最初は「警察とは連携できません」からスタートですからね。警察は処罰をするところで、我々は再統合をするところだから全く目的が違いますというのが僕と児相の出発点だったわけですから。
 情報共有というのは一応、覚書は結んでいましたけども、本当に重大な、頭蓋骨が骨折するとか、かなり少数な部分しか情報共有をしていなかった。僕は、それはあかんでしょうというので、やっぱりこれは情報共有をしていこうよというのがスタートやったけど、一番最初はそうだし。警察は警察であんまり児相は信用してないし、大阪市の場合ね。大阪府警と大阪府の児相はちょっと知りませんけど、僕が大阪市長のときは、実はそうだったんですよ。お互い信用してない状況からのスタート。だから、僕はやっぱりそれはだめだろうというので、基本的に虐待事案は全件共有するというところだった。ただ、そこの、自分から言ってくることについては、「じゃ、ここは除外しましょう」というのを話したわけです。そのときにやっぱり肌で感じたのが、これは全国の児相にも言いたいですけど、児相自体がひとりよがりになってないかどうかというのは、一生懸命仕事をして、非難するわけじゃないんだけど、少しほかとの連携をもっと深めたほうがいいんじゃないかというところは僕はあると思う。これはやっぱり首長が旗を振らないと無理だと思います。
 鹿児島の事案も見ていて、報道レベルの情報しか入ってこないですけど、あんなの、警察があそこまでやって一時保護しないとか、おかしいでしょう、明らかに。あれは多分、児相は、一生懸命職員はやってるかもわからないけど、やっぱり感覚がずれちゃってくるときがあるんです、どうしてもその世界だけにいると。なので、そういったところを、警察とかほかの機関をつなげていくというのは、首長が大きく旗を振ってやらないとならないですよ。だって、僕、最初、大阪市で、児童虐待会議で、警察、大阪府警を入れると言ったとき、「何で府警が入るんですか」というところからのスタートだったんですから。それが普通。多分そんな都道府県はいっぱいあると思う。特に政令市の児相は、政令市はそもそも府警を持ってないですから、余計ちょっとした警察との距離ってあるかもわからないけど、都道府県の児相にしても、僕はそこの問題意識というのは、児相が、一生懸命職員はやっているんだけど、絶対的に正しいという、最終の権限は持っているんだけど、ほかとの連携というのをちょっと真剣に考えないといけないし、それは、児相自身は真面目にやってそう思っていますし、学者なんかもみんなそう言いますからね、児童虐待の学者は、警察はどちらかというとしょっぴく係りだと。
 そんな中で、今こうやって悲惨な事件なんかも出てきてるから、「やっぱりそれはちょっと違うんじゃないの?」というのを首長が力わざでやっていかないといけないと思います。そこにいわゆる自首で申告する案件がどうするかというのは非常に難しいところもあるので。僕も、それ、「本当にそんなので相談が減るの?」という話を随分やったんだけど、証拠なんか出てこないわけで、実際それで相談が増えるか減るかってわからない。児相の現場の感覚でいくとそのようですけど。そこは、大阪はちょっと掘り下げていきたいなと思います。いずれにしても、オール大阪の体制をつくっているところなんかほかの都道府県にないと思うので、一番いい形というのを求めていきたいと思いますし、そういったところは、今、結論ありきでやるよりは、松井市長はああいう方針を出されましたけども、オール大阪の体制の中でもちょっとそこはしっかり議論したいなと思います。

記者

 ありがとうございます。

知事

 児相から言わせたら、これは、大阪府はそういうのはなくなってきていますが、児相から言わせたら、警察で、じゃ、犯人を逮捕して、処罰しました、罪を受けました。その後、何をするんですかというのが児相の発想なんですよ。警察の仕事はそこまでするじゃないですか。じゃ、有罪になりましたと。処罰しました。でも、その後、親は別に20年刑務所に行くわけじゃなくて、すぐ出てくるわけですよ。一緒に生活するわけ。そこの面倒を誰が見るんですかというのが児相の発想。でも、そこまできちんとやっていくのは僕らがやらなきゃいけないんだから。しかも、そうやって犯罪で処罰となると、どうしても行政から遠のいていくから、余計危険になるという発想も児相の中にはある。
 ただ、案件として、これは絶対処罰して、近づけないという案件、わかりやすいやつはいいんですよ。例えば、よくあるのが、僕らはリスク案件と言っていますけど、若い女性が子どもを産んで、小さいときに男性とは別々になって、今度、新しい彼氏かお父さんが来て、このお父さんからしたら自分の子どもじゃないですから、その中にこのお父さんが、お父さんとか彼氏が暴力を子どもに振って、ほんまはお母ちゃんが守らなあかんのに、お母ちゃんが、今度、男のほうにつくというのが一番最悪なケース。誰も守ってくれないから。死亡事案は大体そういうふうになってきているわけ。
 男性は処罰して、絶対離そうと、そういうわかりやすいやつやったらいいんですけど、そうじゃなくて、自分がやってしまったとか、悩みながらやっているとか、そういうことについて、処罰して、行政から遠のいていいんですかというのが児相の、いわゆる再統合で戻していく案件がほとんどなので、それをどうするのというのがやっぱり児相の問題意識やね。だから、なかなか根深いとは思いますが、今回は非常に報道もされて、ある意味、検証するような事例として最適だと思うので、オール大阪の会議の中で、いわゆる自分から申告してきた案件についてどうするかというのは、しっかり、今、ワーキングで検討してもらっています。その結果、全部、そういうのを含めて全件共有になるかもしれないし、そこを外すとなるかもしれないけども、できるだけ大阪府、大阪市、堺市の方針は統一していきたいなと思います。もちろん激務だから、いろんな情報でやりとりするというのも、一個一個打ち込んでって、そんなんできる、大変なのでね、システムの改修とか。ケツの時期はあると思いますけど、大きな方針というのは共通させていきたいと思います。

玉城知事来訪関連について

記者

 関西テレビです。
 玉城知事が来週の月曜日に表敬訪問されるかと思うんですけど、その際に副知事対応になるというふうに伺ったんですけど、知事が対応されないのはどういう理由があってという。

知事

 いや、別に特に理由はないです。もともと政治活動だったら一切参加もしませんけども、ただ、公務でいらっしゃるということなので、沖縄県の公務活動だということですから、これは大阪府としてもやっぱりきちんと対応させていただくと。その中で副知事に出席してもらうということです。僕自身が参加するというのは特には予定はしてないです。

記者

 それは何か裏で公務があるから、別の公務があるからという理由でもなくという話ですか。

知事

 公務はある。公務はありますよ。公務の予定はあるかな。

 職員

 公務は、はい。

知事

 その公務の調整ですけども、特に意図は、言うほど意図はないです。ただ、沖縄は大阪と違って、都道府県、全国の都道府県って、結構、政務と公務がごちゃごちゃになっているところも結構たくさんあるので、公務という形をとられているとは聞いていますけども、一定程度政治的なものがあるのであれば、さっきの広島の話じゃないですけども、きちんとこれは公務として対応するけど、僕自身が特に出席する必要もないんじゃないのかなとは思っています。

記者

 ありがとうございます。

関空の災害対策関連について

記者

 読売テレビの渕上です。
 全然別件になるんですが、台風の話、最初出たと思うんですけど、関西空港、去年の台風21号で大きな被害を受けて、関西エアポートなんか、かなり対策とかをしていると思うんですが、府として何かやられているとか、今後、その辺の対策というのは何か考えられていますでしょうか。

知事

 それは関空に対して。 関空は、関空エアポートと関空の会社が基本的な方針を定めて、今、その対策を練っていって、もちろん我々も報告も受けて、それも了解しながら、情報共有しながら進めていっているという状況です。なので、やはり災害に強い空港というのを目指してもらいたいと思いますし、前回、タンカーがぼかんと突っ込んで、越波で浸水もしましたから、そういったことがないように、防災体制を強化するという方針もまとめてきまして、まとめるに当たって僕らも当然共有をしていますから、それを着実に実行してもらいたいと思います。

記者

 ありがとうございます。

 職員

 ほかにございますでしょうか。
 それでは、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広報グループ

ここまで本文です。


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