一般財団法人大阪府視覚障害者福祉協会 議事要旨(1)

更新日:2023年4月10日

(1) (2) (3) ※3ページに分割して掲載しています。

団体名一般財団法人大阪府視覚障害者福祉協会
応接日時令和4年7月29日(金曜日)
応接場所大阪赤十字会館3階 301会議室
参加者

団体側
 ・会長他 10人

府側
 ・危機管理室       8人
 ・総務部          4人
 ・スマートシティ戦略部  3人
 ・府民文化部       4人
 ・福祉部          26人
 ・健康医療部       10人
 ・商工労働部       4人
 ・都市整備部       10人
 ・教育庁          15人
 ・警察本部        16人

議事要旨危機管理室、総務部、スマートシティ戦略部、府民文化部、福祉部、健康医療部、商工労働部、都市整備部、教育庁及び警察本部関係の要望項目(59項目)について、本府から下記回答骨子のとおり回答し、その後、質疑及び意見表明があった。

回答骨子

午前の部1(10時00分から11時40分)

(要望項目)
 1 大阪府は、これまで積み重ねてきた視覚障害者福祉の制度、施策を発展・充実してください。
(回答)
 大阪府では、障がい施策全般を、総合的かつ計画的に推進していくため、貴会をはじめとする関係団体等からの参画を得た「第5次大阪府障がい者計画策定検討部会」及び「大阪府障がい者施策推進協議会」から意見を頂戴しながら、令和3年3月に「第5次大阪府障がい者計画」を策定いたしました。
 同計画に基づき、視覚障がい者の方が安心して暮らせるよう、厳しい財政状況ではありますが、知恵を出しながら、障がい者福祉の推進に一層努めてまいります。
(回答部局課名)
 福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課

(要望項目)
 2 「第5次大阪府障がい者計画」を早期に完全実施してください。
(回答)
 第5次大阪府障がい者計画は、貴会をはじめとする関係団体等からの参画を得た「第5次大阪府障がい者計画策定検討部会」及び「大阪府障がい者施策推進協議会」から意見を頂戴しながら、令和3年3月に策定いたしました。
 本計画は、「全ての人間(ひと)が支え合い、包容され、ともに生きる自立支援社会づくり」を基本理念とし、また三つの最重点施策として「入所施設や精神科病院からの地域生活への移行の推進」、「障がい者の就労支援の強化」と「専門性の高い分野への支援の充実」を位置づけております。
 本計画の実施におきまして、その進捗状況を大阪府障がい者施策推進協議会に、適宜、報告を行い、評価をいただきながら、障がい者の地域における自立と社会参加の実現に向けて総合的・計画的に、施策を展開してまいります。
(回答部局課名)
 福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課

(要望項目)
 3 大阪府立福祉情報コミュニケーションセンターにおいて、視覚障害者福祉のための事業が、円滑、継続的かつ十分に実施できるように予算の確保等に努めてください。
(回答)
 視覚障がい者福祉のための事業が、円滑、継続的かつ十分に実施できるよう、必要な予算を確保し、また、感染症対策にも十分配慮しながら、引き続き取り組んでまいります。
 あわせて、当該施設が視覚障がい者の方や近隣住民の方にとって利用しやすいものになるよう、引き続き、大阪府視覚障害者福祉協会の皆様方のご意見もお伺いしながら進めてまいります。
(回答部局課名)
 福祉部 障がい福祉室 自立支援課

(要望項目)
 4 すべての府民(公務員・警察官・教員・児童生徒を含む。)を対象に、視覚障害者を正しく理解するための啓発活動を充実してください。
(回答)
 啓発活動を通じて障がい者に対する理解を深めることは、障がいのある方々が社会の一員として障がいのない方々とともに生活し、活動することができる社会の実現に向けた重要な取り組みであると認識しています。
 このため、府政情報室では、府民を対象とした取り組みといたしまして、関係部局と協力しながら、府政情報室が有する媒体を活用し、障がい者施策や障がい者への理解を深めるべく広報活動を行っているところです。
 中でも、広報紙「府政だより」においては、府民に障がい者への理解を深めてもらうメッセージ性の高い記事づくりに努めています。
 令和3年度は、1面特集として、障がい者スポーツや「障がい者週間」を周知するなど障がい理解のための広報を行いました。(令和3年12月1日発行号)
 また、「心のバリアフリーへ 知ろう、始めよう!合理的配慮」(令和4年3月1日発行号)と題し、合理的配慮についての理解を深めるための広報も行いました。
 その他、視覚障がい者に関連する記事として「盲ろう者通訳・介助者養成研修受講者の募集」(令和3年7月1日発行号)や「点訳・朗読奉仕員(ボランティア)中級養成講座受講者の募集(令和4年3月1日発行号)」など、さまざまな機会をとらえ府民一人一人が考え行動してもらえる紙面づくりに努めたところです。
 また、障がい福祉室では、さまざまな障がいについての理解を深めていただくために、ハンドブックを作成しています。その中で、視覚障がいにつきましても、主なお困りごとや望ましい配慮の例を掲載するとともに、白杖、盲導犬、点字ブロックについても紹介しております。
 この冊子については庁内での研修はもちろんのこと、府内市町村が実施する研修で活用していただいたり、事業者団体を通じて会員企業に配布いただくなど、多くの方に活用いただけるよう努めております。
 今後とも、ご要望の趣旨を踏まえつつ、大阪府が有する広報媒体を活用し、関係部局と連携しながら啓発活動に努めてまいります。
(回答部局課名)※太字部について回答
 府民文化部 府政情報室 広報広聴課
 福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課

(要望項目)
 4 すべての府民(公務員・警察官・教員・児童生徒を含む。)を対象に、視覚障害者を正しく理解するための啓発活動を充実してください。
(回答)
 従来から、採用時や昇任時等の研修の機会をとらえて、視覚障がい者を取り巻く課題に関する意識啓発を行っているところです。
 令和3年度は、約540名の新規採用職員への研修にご協力いただき、点字体験実習及び視覚障がいへの理解を深めるため、障がい特性への理解・対応について、熱心かつ丁寧にご講義いただき、誠にありがとうございました。これらの直接指導を受けることのできる研修は、公務員としての福祉感覚を養う貴重な機会であると考えております。
 今後とも、新規採用職員研修のほか、全職員が受講できる「視覚障がい者に関する理解を深める研修」や、課長補佐級職員昇任者全員が受講する「人権問題研修」等を通じまして、職員の人権に関する意識を高めていきたいと考えておりますので、引続きのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
 (回答部局課名)
 総務部 人事局 人事課

(要望項目)
 4 すべての府民(公務員・警察官・教員・児童生徒を含む。)を対象に、視覚障害者を正しく理解するための啓発活動を充実してください。
(回答)
 視覚障がいのある児童生徒と周りの児童生徒が「ともに学び、ともに育つ」教育を進めていくためには、視覚障がいに対する理解を深める教育を推進するとともに、互いに尊重しあえる人間関係づくりを推進することが重要です。
 府内小中高等学校においては、障がいについて理解を深める教育を行っており、特に、視覚障がいについては、アイマスクによる体験学習や、自分たちの町のバリアフリーの状況を調べる学習、視覚障がいのある方を講師とした講演会など、様々な取組みを実施しています。
 大阪府教育センターでは、小学校、中学校、高等学校、支援学校の「初任者研修」において、「視覚障がいの特性や指導・支援のポイント」、「視覚障がい者のための教材・教具」等について理解を深めております。また、「支援学校初任者研修」では、「授業づくり」研修の中で、視覚障がいのある子どもが安心して学習することができる環境の整備について、「点字ブロック」や「音声化と触察」等を説明し、「点字」「拡大教科書」や「単眼鏡・ルーペ類」「拡大読書器」等の視覚補助具等を示しながら、視覚障がいのある子どもの教育に関する専門的な知識・技能について研修を実施しております。
 さらに、府内の教職員を対象にした「支援教育実践研修A」においては「視覚障がいのある子どもの支援と機器」というテーマで、視覚障がいのある子どもの特性を知り、白杖などの歩行補助具やDAISY図書再生機などの情報取得補助具、また点字器や点字ディスプレイを示し、支援の方法や指導の実際について学ぶ機会を設けるとともに、視覚障がいのある当事者の願いや経験をもとに、子どもへの実際の指導にどう生かすかをお聴きする研修を実施しております。
 今後とも、より障がい者を正しく理解するための教育や研修の充実に努めてまいります。
(回答部局課名)
 教育庁 教育振興室 高等学校課
 教育庁 市町村教育室 小中学校課

(要望項目)
 5 障害者差別解消法の趣旨を徹底するため、府が制定したガイドラインが実効性を発揮するよう努めてください。
 (1)市町村とも連携してより一層積極的かつ効果的に、合理的配慮の必要性について府民(事業者を含む。)啓発を行ってください。
 (2)大阪府や市町村の職員対応等の運用に当たっては、職員による代読、代筆をはじめ、視覚障害者が不自由しない窓口対応に努めてください。
 (3)小売店舗、飲食店、医療機関を始めすべての事業所で、視覚障害者に対する誘導や情報提供を行うよう働きかけてください。また、スーパーのセルフレジや飲食店のタッチパネルなどで視覚障害者が困っていることを啓発し、有人レジの設置や使用の手助けなど視覚障害者が困らないよう配慮するよう働きかけてください。
(回答)
(1)大阪府では昨年4月に大阪府障がい者差別解消条例の改正条例を施行し、事業者による合理的配慮の提供を法的義務としました。また、国においても昨年6月に改正障害者差別解消法が公布され、施行はまだされておりませんが、将来的には全国で事業者による合理的配慮の提供が法的義務となる予定です。
 このような状況からも合理的配慮の理解に向けた取組みは重要と認識しております。
 大阪府では障がい理解ハンドブックや障がい者差別解消ガイドラインを用いて条例改正前より、周知啓発に取り組んでまいりました。その際には市町村にも周知啓発の依頼を行い、啓発物の配布等で連携してまいりました。また、昨年度は動画を活用して、これまで啓発の届きにくかった層へ合理的配慮等の周知に向けた取組みを行いました。
 引き続き、市町村をはじめとする関係機関とも連携して、広く啓発に取り組んでまります。
(2)大阪府では、任命権者ごとに職員対応要領を定めており、「職員対応に係る留意事項」の中で「合理的配慮に当たり得る意思疎通の配慮の具体例」として「本人の依頼がある場合には、代読や代筆といった配慮を行う」等の記載をしております。
 今後とも、府職員に対して合理的配慮に関する認識を徹底し、適切に対応できるよう、引き続き各部局職員への出張研修等の実施や、庁内ホームページ等を活用し、対応要領の周知を行ってまいります。
(3)大阪府では、「大阪府障がい者差別解消ガイドライン」に、障がいのある人に対する情報保障の配慮姿勢や対応例を盛り込むとともに、合理的配慮の提供に関して、「視覚障がいのある人等への介添え」や「タッチパネル操作が困難な顧客への声かけ、操作の代行」等の具体的な事例を掲載しています。
 それぞれの事業者における障がい理解が深まり、各場面に応じて必要な配慮を考えることができるよう、今後とも、具体的な事例も含めたガイドラインの周知・普及に努めてまいります。
(回答部局課名)
(1)から(3)福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課
(2)大阪府部分のみ:総務部 人事局 人事課
              教育庁 教育総務企画課
                              教育庁 教職員室 教職員人事課
                              大阪府警察本部
(3)健康医療部 保健医療室 保健医療企画課

(要望項目)
 5 障害者差別解消法の趣旨を徹底するため、府が制定したガイドラインが実効性を発揮するよう努めてください。
 (4)府立高校の入学試験や大阪公立大学の2次試験でスクリーンリーダーが導入されているパソコンを使用しての受験もできるようにしてください。
 (回答)
 大阪府公立高等学校の入学者選抜における障がいのある生徒に対する配慮事項については、その内容・手続きを毎年度定め、中学校に通知しております。
 府教育委員会といたしましては、配慮の必要な生徒に対して、入学者選抜における公平性を確保しつつ、受験者が普段の実力を十分に発揮できるよう、適切な配慮を行っているところです。
 現在は、志願者の障がいの状況を踏まえ、学力検査時間の延長、代筆解答、問題の代読、介助者の配置、点字受験、別室受験、英語リスニングテストの筆答テストによる代替、拡大した問題用紙等の使用、物品の持込み等の配慮について、個別に精査し実施しています。
 今後もこれらの配慮事項がそれぞれの受験者に対して遺漏なく適切になされるよう、引き続き万全の体制を整えてまいります。
(回答部局課名)
 教育庁 教育振興室 高等学校課

(要望項目)
 5 障害者差別解消法の趣旨を徹底するため、府が制定したガイドラインが実効性を発揮するよう努めてください。
 (4)府立高校の入学試験や大阪公立大学の2次試験でスクリーンリーダーが導入されているパソコンを使用しての受験もできるようにしてください。
 (回答)
 大阪公立大学の入学者選抜個別学力検査等において、障がいがある等で受験上の配慮を希望する際は、事前相談の手続きを経たうえで、所定の申請書を提出することとしており、学生募集要項等でその旨を周知しています。
 具体的な対応については、本人からの申請内容と、大学入学共通テストでの配慮内容を基に検討を行うこととしており、スクリーンリーダーが導入されているパソコンの使用についても、申請があれば受験者への配慮内容として対応を検討することとなります。
(回答部局課名)※太字部について回答
 府民文化部 府民文化総務課

(要望項目)
 7 家電製品をはじめあらゆる商品について、視覚障害者にも使いやすいユニバ―サルデザインの推進を事業者に働きかけてください。特に、視覚障害者にも利用しやすいスマートフォン、ワンタイムパスワードやタッチパネルの開発を事業者に働きかけてください。併せて、非接触型操作パネルの開発や無人化の取り組みの中で、視覚障害者が取り残されることのないよう、事業者に働きかけてください。
(回答)
 ユニバーサルデザインの推進は、障がい者のみならず、全ての人にとって使いやすい工夫や配慮であり、誰もが暮らしやすい社会をつくることにほかならず、共生社会の実現に向けた重要な取組みです。
 今後とも、障がい及び障がい者に対する更なる市民の理解が促進されるよう、あらゆる機会を活用して、様々な啓発等の取組みを粘り強く着実に展開してまいります。
(回答部局課名)※太字部について回答
 福祉部 障がい福祉室 障がい福祉企画課 

(要望項目)
 8 視覚障害者を対象としたスマートフォンの講習会を各市町村あるいはブロック単位で開催するよう市町村に働きかけてください。その際、府で講師を派遣するなど支援してください。
(回答)
 先端技術の活用による府民の生活の質の向上の観点から、視覚障がい者を対象とする市町村による取組みの推進は重要と考えています。
 このため、視覚障がい者等がスマートフォンの活用を学べる講習会等について、講師の育成、確保を含め、市町村での開催に必要な経費を補助する国の「デジタル活用支援推進事業」について、市町村の活用が進むよう関係部局と連携し働きかけに努めるとともに、市町村が補助事業を実施する際には、必要に応じ、携帯通信事業者との連携などを支援します。
(回答部局課名)
 スマートシティ戦略部 戦略推進室 地域戦略推進課

(要望項目)
 14 読書バリアフリー法について
 (1)同法の目的を実現するため、視覚障害者の読書環境の整備を積極的に推進してください。
(回答)
 大阪公立大学においては、全学的取り組みとして、障がい等を理由とした支援を必要とする学生のための相談・支援窓口となるアクセシビリティセンターを設置しており、合理的配慮に基づき、必要に応じて対応することが可能な環境を整えています。
 具体には、大阪公立大学においては、低視力や弱視など見えづらい方の読み書きを支援するため、拡大読書器を設置しており、大阪公立大学工業高等専門学校においては、視野狭窄等の視覚障がいのある人の読書をサポートするリーディングトラッカーを設置し、視覚障がいのある学生等の読書環境の整備を進めています。
 また、大学において、対応が難しいサービスについては、国会図書館で実施している視覚障がい者用データ送信サービスや、公共図書館で実施している点字・録音図書の貸出サービス等との連携を図っていくことが必要であると考えており、今後の検討課題としています。
(参考)
 リーディングトラッカー
 リーディングトラッカー(リーディングスリットやタイポスコープとも呼ばれる)は、読書補助具の一つ。ディスレクシア(学習障がい(LD)の中心的な状態の一つで、読み書き困難や読字障がいなどとも呼ばれる)のある人や視覚障がい(視野狭窄や黄斑変性など)のある人の読書をサポートするツール。
(回答部局課名)※太字部について回答
 府民文化部 府民文化総務課 

(要望項目)
 14 読書バリアフリー法について
 (1)同法の目的を実現するため、視覚障害者の読書環境の整備を積極的に推進してください。
 (2)同法に基づく市町村計画の策定を積極的に働きかけてください。また、市町村の公立図書館における「サピエ」への登録、端末操作指導員の設置、購入した図書等のデータの出版社等からの提供協力、ICT機器の使い方の講習会の開催を進めるよう市町村に働きかけてください。
(回答)
(1)
 大阪府では、令和元年6月施行の「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」に基づき、令和3年3月に「大阪府視覚障がい者等の読書環境の整備の推進に関する計画」を策定いたしました。
 同計画を推進するにあたり、様々な読書方法及び読書支援サービス等の周知を目的としたリーフレットを作成し、公立図書館等において配布を行ったところです。
 今後も引き続き同計画の周知を行っていくほか、府立図書館等におけるアクセシブルな書籍等の収集・製作、製作したデータ等のサピエ図書館等への提供、書籍・データの相互貸出などを継続して実施し、施策がより活用されるよう努めてまいります。
(2)
 出版された図書のデータ提供等について国に要望するとともに、府内市町村において、読書バリアフリー法にかかる理解を深め、計画の策定をはじめ地域の状況に応じた施策が推進できるよう支援し、府域全体の読書環境整備を図ってまいります。
(回答部局課名)
 教育庁 市町村教育室 地域教育振興課
 福祉部 障がい福祉室 自立支援課

(要望項目) 
 15 視覚支援学校に点字指導のできる教員を中長期的に確保してください。
(回答)
 府立視覚支援学校においては、教員の点字指導に係る専門性の維持・向上のため、新たに視覚支援学校に赴任した教員等に対し、校内研修を実施しております。
 引き続き、幼児児童生徒のニーズもふまえた点字指導に取り組んでまいります。
(回答部局課名)
 教育庁 教育振興室 支援教育課

(要望項目)
 17 視覚障害者の職業自立を支援してください。
 (1)大阪府や民間企業において、視覚障害者がより多く雇用されるようにしてください。
(回答)
 大阪府では、「障害者の雇用の促進等に関する法律」の趣旨を踏まえ、昭和55年度より、身体障がい者を対象とする職員採用選考として、令和元年度からは障がい者を対象とする職員採用選考として採用選考を実施し、雇用の促進に努めてきたところです。
 この採用選考の実施においては、受験資格を視覚障がい者に限定した電話交換手職を設ける等、視覚障がい者の雇用促進にも努めており、これまで、視覚障がい者54名を含む256名を採用し、視覚障がい者については、電話交換や事務系職場で勤務いただいているところです。
 また、障がい者を含む幅広い方々に受験いただける競争試験等においても、より多くの視覚障がい者に挑戦していただけるよう、従来から点字、音声パソコン、拡大文字による受験機会を設けております。
 今後とも、障がい者が幅広く能力を発揮できるよう、職域開拓に努めながら、着実に取組んでまいります。
(回答部局課名)
 総務部 人事局 人事課

(要望項目)
 17 視覚障害者の職業自立を支援してください。
 (1)大阪府や民間企業において、視覚障害者がより多く雇用されるようにしてください。
(回答)
 大阪府では、民間事業主の障がい者の雇用状況を改善するため、「大阪府障害者等の雇用の促進等と就労の支援に関する条例(ハートフル条例)」に基づき、契約の締結や補助金の交付の相手方など府と関係のある事業主に対し、法定雇用率の達成に向けた指導や支援を行っているところです。
 大阪府内における民間事業主の障がい者の雇用状況(令和3年6月1日時点(大阪労働局公表))は、雇用者数、実雇用率とも過去最高を更新し、着実に障がい者雇用が進展しているものの、全国と比べると、実雇用率や法定雇用率達成企業割合は低位にあり、特に中小事業主において法定雇用率が達成されていない状況が続いています。
 このような状況を踏まえ、令和2年9月に施行した改正ハートフル条例では、法定雇用率未達成の特定中小事業主(府内にのみ事務所・事業所を有する常用労働者43.5人以上100人以下の事業主)に対し、障がい者の雇用状況の報告や雇用推進計画の作成・提出を努力義務として求めるとともに、雇用推進計画の作成支援等、計画の達成に向けたきめ細かな支援を行っているところです。
 今後とも、視覚障がいのある方をはじめ、一人でも多くの障がいのある方がより多くの企業に就職することができるよう、大阪労働局をはじめ関係機関との連携を図りながら雇用機会の拡大に努めてまいります。
(回答部局課名)※太字部について回答
 商工労働部 雇用推進室 就業促進課 

(要望項目)
 17 視覚障害者の職業自立を支援してください。
 (2)介護保険施設等で視覚障害者機能訓練指導員がより多く雇用されるよう支援してください。
(回答)
 府においては、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)に対し、平成30年度の機能訓練指導員の資格要件に鍼灸師等が追加されて以降、介護報酬の個別機能訓練加算も活用し、積極的に視覚障がい者の雇用を進めていただくよう呼びかけており、令和4年度当初では、府所管の134施設中8施設で9名が雇用されております。
 視覚障がい者の機能訓練指導員としての採用は、障がい者の就労の機会を広げ、利用者へのサービスを向上するという観点からも、大変重要なことであると考えており、令和4年5月10日付で、各施設に「視覚障がい者あん摩マッサージ指圧師及び鍼灸師等の雇用に関する求人情報の提供」を依頼し、求人情報の収集にも努めております。
 また、政令市、中核市に対しても、所管する施設において、視覚障がい者が積極的に雇用されるよう、昨年度に引き続き、今年6月に働きかけるなど、府として、視覚障がい者機能訓練指導員がより多く雇用されるよう努めているところです。
(回答部局課名)
 福祉部 高齢介護室 介護事業者課

(要望項目)
 17 視覚障害者の職業自立を支援してください。
 (3)ICTなどを活用した在宅勤務なども含め、視覚障害者の職業拡大・開拓を積極的に進めてください。また、その職で自立できる職業訓練を充実してください。
 (4)職業に必要なスキルを得るための教育・ICTなどの訓練をより受けやすくするとともに、求職中の者だけでなく、在職者や学生も受けやすいものとなるよう配慮してください。
(回答)
(3)
 視覚障がい者全般の職業拡大・開拓については、障害者雇用促進法に定められているとおり、障がい者の雇用に関する情報の収集、分析及び提供等をおこなう独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の障害者職業総合センターの役割として認識しています。
 なお、大阪府としては、障がい者の社会参加や雇用・就労支援について、福祉部、商工労働部、教育庁が役割分担と連携の下、各種の施策を推進しており、視覚障がい者の職業能力開発や人材育成についても各部局が次の取組みを進めています。
 ▽福祉部:大阪府ITステーションにおける「視覚障がい者就労支援IT講習」、「e-ラーニング講座」を実施
 ▽商工労働部:
 ・大阪障害者職業能力開発校における職業訓練として「オフィス実践科※」、
 ・特別委託訓練として「情報処理科 パソコン活用コース」、「ビジネス科 電話交換コース」、「ビジネス科 会計・経営コース」、
 ・民間教育訓練機関等における短期委託訓練として「PC活用科」を実施
 ※「オフィス実践科」は視覚障がい者を含む障がい者(障がいの種別を問わない)科目として実施しています。
 ▽教育庁 :
 ・府立視覚支援学校における、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師を養成するための教育課程の編成
 ・職場実習等、生徒の障がいの状況をふまえた進路指導・支援 等を実施
 今後も視覚障がいのある方がより多くの企業に就職することができるよう、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の障害者職業総合センターをはじめ関係機関との適切な役割分担の下、連携を図りながら雇用機会の拡大に努めてまいります。
(4)
 求職者を対象とした職業訓練につきましては、大阪障害者職業能力開発校及び社会福祉法人等への特別委託訓練において、訓練期間が1年間の2科目3コースで、4月と10月に入校時期を設定するとともに、民間教育訓練機関(社会福祉法人)への委託訓練で、訓練期間が3か月間の科目を5月と10月に入校時期を設定するなど、ニーズに応じた職業訓練を受けることが可能となるようにしております。
 在職者を対象とした職業訓練につきましては、大阪障害者職業能力開発校等で「テクノ講座」を実施しております。また、民間教育訓練機関(社会福祉法人)から、職業訓練指導を担当する職員を在職する事業所に派遣する3か月以内の職業訓練を実施しており、視覚障がい者のスキルアップと職場定着を支援する仕組みづくりに取組んでおります。
 大阪府IT ステーションでは、障がいのある方が、IT を活用して就労できるよう、就労支援相談やIT 技能習得のための講習などを行うことにより、就労をめざす障がいのある方と障がい者雇用を考える企業等を支援する「障がいのある方の雇用・就労支援拠点」を担っております。
 利用対象者については次のとおりです。
 1.大阪府在住者で、身体障がい者手帳・療育手帳・精神保健福祉手帳をお持ちで15歳以上の方(精神保健福祉手帳の場合、医師の意見書が必要)
 2.IT を利用した就労を希望し、IT 講習を受ける能力がある方(能力の有無は、スキルチェック・利用相談・初回受講等で判断)
 3.上記の1、2の要件を満たし、現在未就労の方
(回答部局課名)
 商工労働部 雇用推進室 人材育成課
 商工労働部 雇用推進室 就業促進課
 福祉部 障がい福祉室 自立支援課
 教育庁 教育振興室 支援教育課

(要望項目)
 18 視覚障害者の職業自立を図るため、視覚障害者の三療業を守る支援をしてください。
 (1)三療業者(鍼・灸・マッサージ)の無免許営業、無資格類似業者の取締りを強化してください。
 (回答)
 施術所の開設については、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(以下、「法」という。)の規定に基づき、保健所に届け出なければならないことから、その際に、業務に従事する施術者の資格確認を徹底しております。
 また、施術所において免許資格を持たない者が従事しているとの情報の提供を受けたときは、速やかに保健所職員による調査や適切な指導等を行っており、今後とも、しっかりと取り組んでまいります。
 なお、平成28年6月29日付けで施術所に関して広告し得る事項(※)が一部改正され、開設届を提出済みであることが広告可能事項に追加されたことに伴い、府保健所においては、平成29年5月から、施術所開設者からの申請に基づき「開設届出済証」の発行を開始し、大阪市など保健所設置市保健所においても同様に対応しております。また、視覚障がい者の申請については、代行入力を行っております。
 広告物として掲示していただくことにより、施術所の利用者自身が施術を受ける前に、法の規定に基づき府に開設届が行われている施術所か否かを確認できるようになりました。
 施術所及び利用者の双方にとって有益なこの制度について、府ホームページや広報紙で、今後とも周知を図ってまいります。
 ※あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第七条第一項第五号の規定に基づくあん摩業等又はこれらの施術所に関して広告し得る事項
(回答部局課名)
 健康医療部 保健医療室 保健医療企画課

(要望項目)
 18 視覚障害者の職業自立を図るため、視覚障害者の三療業を守る支援をしてください。
 (2)柔道整復に係る不正な保険請求を取り締まってください。
(回答)
  大阪府では、患者等からの情報に基づき、柔道整復師への指導が必要であれば、近畿厚生局と協力して、個別指導を実施します。指導の中で、不正又は著しい不当な療養費の請求が疑われた場合は、監査を実施し、不正等の事実が認められれば、療養費を返還させるとともに、向こう5年間の受領委任の取扱いを中止する行政措置を行っています。
 令和3年度における指導・監査の実績は、4件となっています。
 また、受領委任取扱いの承諾にあたって、施術管理者の要件として、研修の受講等があります。1年以内に研修修了証の写し等を提出する旨の確約をしたにもかかわらず、期限までに提出しなかった柔道整復師は、受領委任取扱いを中止する措置を行うこととなりますが、令和3年度は、2件の中止措置を行いました。
 次に、柔道整復施術における健康保険証の適正な使用のためには、患者に対する啓発も重要であることから、「府政だより(令和4年3月号)」や、保険者から加入者あてに発送される医療費通知を活用し、府民への周知・啓発を行っています。
 令和元年度における府内の市町村国保に係る柔道整復施術療養費は、約127億円と、ピークだった平成21年度に比べ、約168億円、約57%減少しています。
 本年度においても、新型コロナウイルス感染症の状況を見極めながら、柔道整復師に対する指導・監査に取り組むことになりますが、実施にあたっては不正な保険請求は、許さないという厳しい姿勢で臨んでまいります。
(回答部局課名)
 健康医療部 健康推進室 国民健康保険課

(要望項目)
 18 視覚障害者の職業自立を図るため、視覚障害者の三療業を守る支援をしてください。
 (3)あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師養成校の新設を無制限に認可しないよう、国に働きかけてください。 
 (回答)
 あん摩マッサージ指圧師の養成施設の新設又は生徒の定員増加の申請については、都道府県知事より所管官庁である厚生労働省あて進達します。
 その際、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第19条第1項の規定等に照らして、当該養成施設の認定や生徒の定員増加の承認の妥当性に関する知事の意見や厚生労働省による当該認定等の可否判断の参考となるべき事項を書面で添付しています。
 本府においては、これまで申請書を厚生労働省に進達する際には、
 ・晴眼者のあん摩マッサージ指圧師が増加すれば、府内の視覚障がい者の就職の機会等が著しく減少する恐れがあること
 ・晴眼者との競合が激しくなることにより、視覚障がいのある施術者の生計の維持が困難になること
 ・多くの団体から設立に対し反対の意見が表明されていること
 から、申請内容の審査にあたっては慎重な取り扱いをお願いしたい旨の意見を付しております。
(回答部局課名)
 健康医療部 保健医療室 保健医療企画課

このページの作成所属
府民文化部 府政情報室広報広聴課 広聴グループ

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