平成21年度第25回大阪府戦略本部会議 議事概要

更新日:2015年8月5日

  • と き 平成21年11月5日(木曜日) 16時5分から16時40分 
  • ところ 特別会議室(大)
  • 出席者 知事、副知事、政策企画部長、総務部長等

議題1:「府政運営の基本方針(「大阪維新」2010)」(平成21年11月版)

※総務部より、前回会議資料からの変更点について資料をもとに説明。

【総務部】
・前回の案では要求上限の設定、いわゆるシーリングについて、100億円の効果を出すために実質10%+αが必要と書いていたが、前回のご指摘・ご議論を踏まえ、要求上限による歳出額の節減等による目標については5%とし、それに加え、各部局におけるマネジメント、財政状況を踏まえた各部局における取組みということにより、さらにもう少しの上乗せをお願いするという考え方で書きぶりを変更。「5%の抑制を行うとともに、各部局長がマネジメントの観点から自ら抑制することにより、要求段階でさらに同程度(5%)の抑制をめざす」とした。
・あわせて別添資料1の裏面「対応案」について。歳出抑制で140億円程度という部分があるが、前回は「要求額への上限設定」で100億円とさせていただいていたが、本文で要求の上限を5%とするとしたので、ここを50億円に修正。「各部局長における独自抑制」については50億円という数字をいれている。

【知事】
・各部局長のマネジメントに委ねるということか。

【総務部】
・そのとおり。
・本日「府政運営の基本方針」が決まれば、予算作業としては、予算編成要領の決裁をいただき、各部局に発出して具体的作業に入っていくこととしたい。

【政策企画部長】
・続いて知事重点事業について、知事からのご発言をお願いする。

【知事】
・知事重点事業については、10月30日の戦略本部会議で「項目を全て残したままだと各部に無用な作業をさせることになるので、ある程度私自身が絞込みをしなければ」と発言したところ。その後、まずは副知事会議において、行政的な観点からいろいろと検討をしてもらった上で、その報告を受け、最終的に今から言うように区分けをする。
・別添資料4に記載の項目のうち、まずは「F大阪マラソン」「G水都大阪(ライトアップと水辺の賑わい創出)」「Hパブリックアートのまち大阪(おおさか全体をカンヴァスに)」「R府立支援学校の整備」「S-1公私立高校生セーフティネット(府立高校の授業料無償化)」「S-2私立高校生セーフティネット(私立高校生セーフティネット)」。これらは、事業費、財源等については精査をしていくが、基本的には今の方向で進めてください。
・特にF、G、Hについては、この苦しい経済状況の下でも、府民にハッキリと見えるような形で展望を示したいと思っている。この3つは、文化行政についての予算の組み換えだと思ってください。センチュリー、ワッハ上方を含め、文化行政についていろいろ切込みを行ったので、私が意図している府民参加型の文化事業をサポートするという形での予算の組替えということ。あえて特別な予算を付け加えたというより、切ったものをこちらに振り替えたということ。この3つについては特に強力に進めていきたい。
・R、Sについても、特に私が掲げる「教育日本一」という視点から考えても、強力に進めていただきたい。
・次に、「A EV等普及、開発支援による新エネ産業振興」「C低炭素社会をめざしたまちづくり」「Dみどりの風を感じる大都市」「E『誰もが泳ぎたくなる川』をめざす」「I先進的がん医療」「J障がい者雇用日本一」「M大阪の地域力再生」「N市町村への乳幼児医療費支援」「O-2援護を要する子どもたちへのセーフティネット(就学児童)」「Q府立高校特色づくり」「T市町村への分権支援」。これらは、事業手法やスキーム、財源等についてさらに検討を深めてください。A、C、Dはどうしても私がやりたいことだが、このあたりは関連性をどうするのか。Eについても予算の分配・財源の配分といったあたりも含め、少し検討を深めなければならないと思っている。
・個別の指示事項については後で各部局に出すが、Dについては、みどり基金がなくて私自身相当ショックを受けている。やりたいがどう財源をもってくるのか非常に悩むところであり、少し検討を深めなければならないと思っている。
・Tについては、私が大きく声を上げて「大阪発“地方分権改革”ビジョン」を出し、府としては万全の体制、今の日本の中ではこれ以上にない府内分権改革のスキームを出したと思っているが、市町村の意気込みが足りないのではないか。今後市長会と徹底的に議論しなければならないと思っている。担当部局も山口副理事をはじめ一生懸命やってもらっているが、私の声が大き過ぎて、担当部局がどうしても分権を進めなければと市町村に対してかなり「お願いベース」になっているのではないか。果たしてこういうスタンスでよいのか。

【総務部長】
・大きな方向としては、昨年一年間、分権改革ビジョンをつくりながら市町村とも議論をし、一緒にやっていこうということになっている。ただ実際に個別の事務を移譲するとなると、各市町村にも相当頑張ってもらわなければならないところがある。そこが知事のおっしゃる「お願いベース」に映っているのだと思うが、我々は説得も含め、さらに理解を深めていただいてということなので、実務的に地道に話し合いを続けないとなかなか難しいと思う。

【知事】
・市町村の責任じゃないかと突き放すようなことではないのか。

【総務部長】
・それでは進まないと思う。

【知事】
・Tについても進めていきたいが、そういう意味で私が財源的にそこまで市町村に配慮しなければならないかという思いも少し頭をよぎったので。

【総務部長】
・そこの部分はまた議論させてもらったらいいが、我々のスタンスは、粘り強く市町村を説得してというのが基本。

【知事】
・わかった。財源等についてはさらに検討を深めてほしい。
・次に、「L泉北ニュータウン再生」「O-1援護を要する子どもたちへのセーフティネット(新生児〜乳幼児期)」「P中学校の学力向上策」。これらは事業手法・スキーム、財源等について再考、もう一度考え直してください。先ほどの項目は「検討を深める」ということで、さらに良い方向で進めるということだったが、これらについては、再考を要すると思っている。
・Pの学力向上については私も昨年からずっと言っていることだが、私の単純な感覚で、「また人を出すことばかり」というかんじ。学力向上策自体は府の教育委員会で一定のメソッドを出していると思う。それが現場から反対の声も上がり、きちんとやってくれて効果を出してくれている所もあるが、きちんとやってくれていない所もある中で、結局人を貼り付けるということで昔と同じ状態になっている。学力向上策で府教委が出した一定の方向性をやることを前提に人を貼り付けるということならわかるが、そこを飛ばして「とにかく人くれ」ということなら今までの府の学力が低位だったときの状況と変わらない。そのあたりはしっかりと府教委が示したことをやってくれるのか。市町村教委との関係もあるが、そことの関係がちょっと見えない。

【綛山副知事】
・昨年度学力向上策を打ち込んだが、今年4月の学力テストの結果が出るまでに実際できたことというのは、期間も短く、なかなか届かなかったところもあろうかと思う。しかし、府教委としては、効果の上がった中学校と効果の上がらなかった小学校がわかるので、きちんと分析した上で、財源を人に使うのではなく、たとえば今でもやっているが学習ツールを作って渡すなど、そういうところに特化し、また、その後も続けている「まなび舎」や地域における生活改善のための合宿など、改めて分析をして、何が良かったのか、何が無駄なのか、人を貼り付けただけではないのかといったことを精査できる余地はあると思う。今の知事のメッセージを府教委がきちんとこなして、真に学力向上につなげないと意味がないと思うので。府教委にすれば、小学校は教科担任ではなく担任の先生が子どもたちをきちんと見つめて学力向上策をとればよいが、中学校は教科担任制なので・・・という部分があるが、ただそれに逃げているといつまでも片がつかない。中学校は中学校の特性を踏まえ、市町村と協力してやっていくという意味はあるし、また、やらなければならない。内容的には「教育ゆめ基金」も頂戴しているのでそこも駆使して、「落とす」というのではなく、精査をした上で着実にやるという観点で知事重点事業に位置づけていただければ、教育委員会としても取組みが進むだろうと思っている。

【知事】
・私は人を配置することを全否定しているわけではない。

【綛山副知事】
・効果のある形で、しかも頑張っている所に届くように。頑張らない所は申し訳ないが、そういうことでやらないと仕方がない。

【知事】
・単純に人を出すということではなく、教育内容に政治が介入してはいけないという範囲で、一定の方向性を示した上で人を出していかないと、結局、単なる負担軽減だけの話になってしまう。そこをリンクさせてもらいたいという思いがある。
・次の「B中小企業域外(全国・海外)展開支援」「K産業人材の確保」については、課題としては良いが、知事重点事業としての打出しは再考を要する。これを重点という形で出すまで煮詰まっていないのではないかというところがある。

【木村副知事】
・部門として新しい切り口でチャレンジングな項目を出してきたということだが、今回の全体の調整の中では、部門の取組みとしたいと思う。特に「B中小企業の域外(全国・海外)展開支援」については、きちんとターゲティングをして、次にポジショニングというマーケティングのセオリーの中で、きちんと部門で重点的に取り組んでいきたいと考えているので、今回の調整については了解している。部門が了解しているわけではないが。

【知事】
・商工労働部で力を入れてやってもらう分には後は予算の配分だが、中小企業の域外支援は、特別参与のレポートに乗っかっているところがあると思う。

【木村副知事】
・それを少し範囲を広げて、取組みとしては肉付けをするが、来年度に一気にいくということではなく、もう少しFS的なことも深めていく必要があると思うので部門とも調整する。

【知事】
・域外支援については戦略本部会議で議論をして、本当にあのまま乗っかっていいのか議論が詰まっていなかったはずだが。

【木村副知事】
・詰まっていない。知事重点事業とするには少し煮詰まっていないというのはそのとおり。

【知事】
・特別参与のあのレポート自体に乗っかっていいのかどうかというのは、やはり元気な企業だから域外展開できるという「鶏が先か卵が先か」のような話になってしまっているので、私としてはあのレポートにそのまま乗っかれないと思っている。

【木村副知事】
・いずれにせよ、従来型の延長線上ではない、このようなチャレンジングなところにはきっちり対応していきたいのでよろしくお願い。

【知事】
・「K産業人材の確保」についても、教育との関連というのがある。いま「職業教育日本一」といった取組みを府民文化部で一生懸命やっているので、そことの兼ね合い。この項目を否定はしないが、「職業教育日本一」との重なりなどもあるので。

【木村副知事】
・引き続き、部門を中心に議論を深めていきたい。

【知事】
・「N市町村への乳幼児医療費支援」について。これまで市町村に助成をうつ場合は全市町村に対して均一に行ってきたが、乳幼児医療費助成を実施できていない市町村だけに助成をうつというような方針。私自身が子育て支援を言ってきたところもあるが、ここでは「検討を深めるもの」というグループに入っているが、優先順位は低くなるかと思っている。子ども手当て等が出る「子ども」という括りでのバランスや、他の市町村が頑張っている中で頑張っていないところの後押しをするということで私は進めていきたいと思っているが、その他の施策等を踏まえると、「検討を深める」というグループには入っているが、優先順位は低くなるかと思っている。

【小河副知事】
・「C低炭素社会をめざしたまちづくり」「Dみどりの風を感じる大都市」「E『誰もが泳ぎたくなる川』をめざす」について、特にDとEは来年度すぐにみせていくものと長期に進めていくものがあるので、予算をどう配分するか、どう見せていくかを考えながらやっていかなければならない。Eはすぐにできないが、見せるために来年度何をするかということ。それと少し前倒しができないかという感じでまとめてはどうかと思う。
・ただ、「Dみどりの風を感じる大都市」でも、事業内容は環境農林水産部と都市整備部からあがってくるが、お金がないということで非常に寂しい絵姿になってしまっている。たとえば企画室の誰かがきちんと全体像を見る、知事の言われていたスタッフを配置するなど、複数部局にまたがるこういう課題においては特に体制を整備して実施すべき。いまの企画室ではいろんなことをしているので事業量的に大変だが、両方を見て施策を企画できる人がいてくれればと思っている。体制整備も含めてやらないと、各部それぞれでは、組織内でもまれればもまれるほど事務的になり、せっかくの構想が萎んでしまう。

【知事】
・企画室でないとできないのか。

【小河副知事】
・企画か政策部門にそういうスタッフを置いてもらって、私と一緒になって取り組んでもらえる人が必要。

【総務部長】
・ご指摘の点は、体制の問題なのかどうかは非常に難しい。両部局でどのような議論が積みあがってきたのかもわからないので、体制の問題ということであれば私の方で引き取って、ヒアリングをさせていただいた上でどうするか、相談させていただきたい。

【小河副知事】
・普通ならそうだが、「財政が厳しい」という点が、特に事業部局にすれば制約が重くなっている。「そんなこと言っても・・・」という雰囲気にみんながなってしまっている。本来なら下からの積上げがいい方向に働くのだが、こういう政策を展開するときには、逆に上からいかないとダメだと思うのでまた議論させていただきたい。
・「L泉北ニュータウンの再生」については、財源再考というよりは、これから動かしていくべきものであり、最低限の措置をし、協議会を設置して取り組んでいくので、いまの段階で財源は、それほど心配いらない。

【綛山副知事】
・これで知事重点事業が決まって査定の議論になっていくが、F、G、Hといった大阪の魅力づくり、にぎわいも非常に大事だと思うし、こういったことで元気な大阪を作っていくことも重要だが、行政としては、別添資料4の下の方に書いているような障がい者、子ども、セーフティネット、安心といったこともきちんと議論をした上で、行政としての佇まいをきちんと作ってほしい。
・政策企画部長に確認だが、これが知事重点事業だが、これが来年度の大阪府のすべての新規施策、施策であるということではない。その他のこともきちんとやってくれるということも各部にメッセージとしてきちんと伝えてほしい。「これでおしまい」ということでは決してないと。

【政策企画部長】
・かねがね申し上げているとおり、府政の根幹は99%の方にある。別添資料3の1頁に知事からのメッセージとして書かせていただいているとおり、政策創造の新機軸に向けた一歩を踏み出すといった予算であるという位置づけの下に進めていきたいと考えている。そのメッセージはきちんと伝えていく。

【知事】
・厳しいこういう状況だからこそ、知事にならせてもらったからには、せめて、F、G、Hはやらせてほしい。自分なりに批判を受けながら、文化行政の組替えと思っている。
・各部局長も、批判を受けながら、今持っている事業を切るところは切ってほしい。利害関係者ときちんと議論して、今の状況から落とさなければならないとなったときには部局長がマネージャーとして、ある意味、政治的に踏ん張る。F、G、Hは僕が踏ん張った結果だと思っている。財政再建プログラムは小西総務部長が踏ん張ったが、今度は部局長さんがしっかりやってもらいたい。自分たちの事業をやりたいということであれば踏ん張って組替えをお願いしたい。

【政策企画部長】
・これで11月版の府政運営の基本方針は決定とさせていただく。予算編成要領と人員体制の編成要領は別途知事決裁で部局に通知させていただく。今後のスケジュールであるが、知事重点事業は予算編成過程を通じて、今日の知事の発言を踏まえてさらに検討を深め、来年2月の議会に向けて、1月をメドに確定させ、最終の府政運営基本方針を固めていく段取りにしたい。

【知事】
・人事関係について、府政運営基本方針に盛り込むのではなく、予算編成要領と同じ形で人事の要領というか、人事評価の目安というか、大きな要領を組織に出したい。こういうことを組織として望むこと、部局長マネジメントを重視しますということを、発しなければならない。

【総務部長】
・人事評価については、昨年知事から指示があり、今年度見直しをして、人事評価の手引きとしてかなり詳細な方針書を作っており、それに基づいて評価者の研修も行っている。

【知事】
・手引きに、こういうところを重視するということを記載し、評価を受ける側も皆知っているのか。

【総務部長】
・知っている。むしろ知事がおっしゃっているのは次年度の人事異動、昇任、昇任管理にあたっての視点ということだと思うので、そこは相談させていただきたい。

【木村副知事】
・おっしゃっているのは全体的なマネジメント力とか、仕事の優先順位、仕分けにウエイトを置いてという追加の指示か。評価方針のような。

【知事】
・そう。全部詳細に決めるということではなく。そこも相談させてもらう。

【木村副知事】
・仕事の仕方を指示するという形に近いもの。

このページの作成所属
政策企画部 企画室政策課 政策グループ

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