平成21年度第23大阪府戦略本部会議 議事概要

更新日:2015年8月5日

  • と き 平成21年9月24日(木曜日) 10時から11時55分 
  • ところ 特別会議室(大)
  • 出席者 知事、副知事、政策企画部長、総務部長、関係部局等

議題1:中央卸売市場の現状と課題

※ 安井特別参与から資料をもとに説明。

【木村副知事】
・中央市場にしても地方公設市場にしても、公のサービス、持ち出しの構図。一方で、地方の民間市場はたくさんあり、民間である以上、一定の収益は出ていると思うが、この収支構造の根本的な差はどこにあるのか。

【環境農林水産部】
・市場法では、中央市場は公、地方市場は民間という色分け。中央市場が公である理由は、中央市場は大規模で安定供給を図ること。もう一つは、価格形成機能として適正な価格を形成するのは公が行うべきということ。

【木村副知事】
・中央市場では、セリという形で価格形成が行われている、民間では相対取引が殆どという理解でよいか。

【環境農林水産部】
・基本的には地方市場では規制があまりない。セリ取引をしなければならない訳ではない。極端にいえば、卸、仲卸という概念もなくなる。

【木村副知事】
・セリを維持するために赤字にならざるを得なくなり、相対取引ならば儲けも出るという差か。

【環境農林水産部】
・さらに、中央市場となると指導監督業務が位置づけられており、その分の人件費増がある。その機能は地方市場にはなく、経営がやり易い。

【木村副知事】
・中央市場の公的な機能が低下しつつあるという分析があったが、その分析の根拠は。

【安井特別参与】
・価格形成機能は、売り惜しみや買い叩きなど公正な食品流通を阻むようなことが起きないようにということにあったが、川上・川下の強大化により、直接取引などの増加で卸売市場の経由率が下がってきている。経由率が80%であれば、公的な機関とみなされるかもしれないが、経由率が下がってきていることから公益性が下がっていると判断した。
・全国から卸売市場が無くなって良いとは決して思っていない。卸売市場はずっと存在すると思うが、統合・再編はありえる話で、実際に起こっている。大阪府域には、幸いにも中央卸売市場が3つあるので、公益性を担保するという意味では十分と考えている。相対的に価格形成機能が下がっているという面と、大阪府域の事情として、大阪市中央卸売市場が2つあるという意味で、たとえ大阪府市場の運営形態を変えても必要な公益的機能が損なわれることはないと考える。

【木村副知事】
・大阪市の本場が身近で有名だが、それとの比較で、収益性などで際立った差はあるか。市がどの程度公費を投入しているか状況がわかれば。

【安井特別参与】
・本場のほうは、一般会計から33億円の繰り入れがあり、管理棟の大きな建築をしてしまったために大きな赤字、資金不足になっている。

【政策企画部】
・大阪市は2つの中央市場を持っているが、平成19年度で一般会計から33億円、ここ数年30億円以上の繰り入れ。大阪府の中央市場は2〜3億円程度。これは施設の整備との兼ね合いもあり、大阪市は近年大きな設備投資を行った負担の影響もある。

【木村副知事】
・設備投資負担を除けば収益構造に大きな差はないのか。

【政策企画部】
・設備投資をやめた場合の詳細な分析はしていないが、仮に大阪府がコールドチェーン化等の市場の最先端化を図るとなれば、少なくとも数十億〜100億円近い投資が必要。

【安井特別参与】
・効率性という意味では、大阪市は人的投入が多いので、それに比べると大阪府は効率的である。

【総務部長】
・資料1の40頁「今後の方向性」で、市場を通じての取扱高が全国的に減少している中で、「府内に中央卸売市場が3つ存在する必要があるか」という根本的な問題提起があった。しかしながら同時に「立地面での大阪府市場の優位性」の指摘がある。この両者は相反する方向性なので、そこを検証して今後の方向性を決めていくのかと思っていたが、50頁ではもう運営形態の変更の方向性が提示されている。部としてもこういう方向で決定していくと理解してよいのか。

【環境農林水産部長】
・決定というより、現状認識を踏まえ、流通構造が変化して、取扱量が減っているのは全国的に事実だが、大阪府市場は全国で10位の取扱量があり、その6割が北大阪地域に供給され、現段階では府民への生鮮食料品の供給という面で重要なポジションにある。
・しかし長期的には赤字が増えており、放置すれば赤字が増えていく。今から市場のあり方について方向性を見据えながら議論することが重要。市場関係者や議会と議論しながら検討していきたい。

【安井特別参与】
・40頁の記載について。大阪府市場は立地条件を見るととても魅力的で、将来プラスに転化できるようなすばらしいところと思う。だからと言って、中央卸売市場として府の財政投入をして前向きにやっていくことは不可能ではないか。それならば立地条件を活かすためにまず指定管理にして民間の知恵を入れ、併せて地方転換するのが現実的ではないかという意味で二つ(の記載内容)を並存させている。

【木村副知事】
・公的なサービスの根本論だが、今後とも市場の価格形成機能という点において、公的な中央市場の存在意義はどう理解すればよいか。

【安井特別参与】
・セリや委託集荷の割合は減っているが、相対取引も全体の価格を見ながら行うものであり、とんでもない価格をつけることはない。市場で流通する限りは価格形成に影響を与え、形成機能の範囲でやっていると理解している。公的な卸売市場の価格形成機能が無くなるということはない。

【木村副知事】
・セリの比率は?

【環境農林水産部】
・全国的には20%ぐらいだが、大阪の場合、青果は50%ぐらいと高い。水産は低めで10数パーセントぐらい。青果の場合、例えば見本セリなどをやっており、その結果高い数値になっている可能性はある。

【木村副知事】
・平均で20〜30%というのは、価格形成機能として影響を与える役割を果たしているといえるのか。

【環境農林水産部】
・セリ、入札という概念からいうと低くなっているのは事実。先ほど、安井特別参与から話があったように相対取引をどう見るかというところもある。実際、相対取引も前日の取引の量、価格をベースにして取り引きしているという実態がある。そういうところをみると、それなりの価格形成機能もあると思う。

【綛山副知事】
・以前、同じことを言った記憶があるが、市場というのは、大阪府として捉えて、大阪の消費者のためにどういう形の機能を果たすべきかという目的もあるが、全国的に市場全体がどういう形でどういう機能を果たしていくのか、それをどう捉えて大阪府として取り組んでいくのかということも大切。おそらく大正12年の米騒動が象徴的な出来事。このときが卸売市場法の始まり。消費者・生産者に対して適正な価格、つまり買い叩きや売り惜しみなどをしないようにということで、ずっと運用してきたもの。いま、市場内取引が6割、セリも低下している中で、価格形成機能も大事だと思うが、それほど決定的な要因になっているのか。
・これを受けて、農林水産省は卸売市場法を改正して、再編の促進をうたっている。再編と聞くと、2つあるものを1つにするということをイメージしてしまうが、府の市場は1つしかないので、再編はできないかもしれない。将来的に絶対量が少なくなってきているとはいえ価格形成機能も重要であり、他のメカニズムの中で価格が維持されている方がいいということではない。そう考えると、開設後、既に30年も経っているので一定のリストラをして、指定管理に移行していくのもいいかもしれない。ゆくゆくは大阪市も含めて再編となるかもしれないが。
・大阪市本場、大阪市東部市場、北部(府中央市場)という3つの中央市場の機能はどうなのか。大阪府の中央市場の建物が30年、40年経っていく中で再度議論しないといけないのかなと思う。今回示された方向性の後に、もう一段階あるような気がする。次の段階まで視野に入れたこれからのリストラ、投資計画をきちんと整理した方がいいと思う。もちろん、このレポートはきちんと分析されているので、役に立つと思うが。

【環境農林水産部】
・市場の再編について、国の再編基準では、取扱量が減っていくと中央市場を再編することになる。また、それによらない場合でも、5つの方法がある。1つは、市場運営の効率化。広域開設者への地位継承。2つ目は、今、議論になっている地方卸売市場への転換。3つ目は他市場との統合などによる市場機能の集約。4つ目は、市場間連携。5つ目は市場の廃止。これが国から示されている基準。
・現状からいうと、府の卸売市場は、一定の価格形成機能を果たしており、また、全国10位という取扱量もある。当面の方向としては安井特別参与からもご指摘もいただいているので、今後、ステップを踏んで、具体的な課題について検証していきたいと思っている。

【安井特別参与】
・選択肢を考える中で、当然、大阪市との市場統合をシミュレーションしてみたが、相手があることであり、これを前提にして議論を進めることはできないと判断した。こういう可能性もなくはないという中で、府自らの市場をどうしていくかということを考えなければならないと思う。
・その意味では、中央卸売市場であるがゆえの手かせ、足かせをなくす。たとえば、生産者は地方卸売市場になったら本当に困るのかどうかをきちんと検証して、地方卸売市場になったらいいことばかりなのだということを確信できれば問題がない。中央卸売市場は研究開発、特に情報化が非常に遅れている。他の業界と比べると、一時代昔の状況。大阪府の市場が手かせ、足かせを外してピカピカになり、スリム化することで将来の選択肢もいろいろと広がってくるのではないかと思う。

【小河副知事】
・先ほどの話の中で、立地条件が非常に優れているということはそのとおりだと思う。地方市場への移行となると、ブランドが落ちて、モノが集まるのかという問題もある。たとえば、三重県の場合、指定管理者導入後のアンケートでは、看板(ブランド)にこだわらないという回答であったということであるが、実態としても取扱量などは減っていないということか。
・また、そのほかにも中央卸売市場から地方市場に転換したところがあるが、そこでどういう傾向が出ているかつかんでいるか。

【環境農林水産部】
・大分市の事例でも、取扱量などはあまり変わっていないとのこと。しかし、それぞれの市場の実情が違うところはある。三重県では卸売・仲卸入れて10数社しかない。一方、府では仲卸業者を入れると150社以上あるので、そのあたりの地域事情がある。また、産地の反応も違うかと思うので、これから精査していきたい。

【小河副知事】
・規制緩和という意味ではいいと思う。
・資料の「具体的な行動計画」の中で、「用途規制の見直し」が第2ステップになっているが、これは時間がかかるものなのか。早くできそうな気もするが。

【政策企画部】
・用途規制の見直しについて、第1ステップの段階から並行して取りかかっていこうと思っている。

【小河副知事】
・今、これをやってしまうと混乱してしまうということではないのか。

【政策企画部】
・そういうことではない。仮に、地方市場にするといった方針が出れば取りかかれるが、今のままでは中央市場の規制がかかっているので、直ちに用途の変更はできない。方針を定めつつ、並行してこの作業を行っていくということになる。

【小河副知事】
・中央市場である限り、用途規制の見直しはできないということか。

【政策企画部】
・今の規制がかかっているということ。

【環境農林水産部】
・たとえば、大分県でもそういうケースがある。都市計画の審議会で規制を変更して、地方市場化しているケースもある。

【小河副知事】
・中央卸売市場に変えないと規制ができないのか、それとも、規制を変えて、形は中央卸売市場でも中身的には変えられるのかということ。中身的に変えられるのであれば、あまりこだわらずに自由にできる。

【環境農林水産部】
・形式的な話であるが、流通業務市街地の整備に関する法律(流市法)の中では、用途指定について、中央卸売市場用地として指定されている。たとえば、地方市場となれば、地方市場用地として変更しなくてはならないといけないということ。

【小河副知事】
・先ほどの説明の中で、中央卸売市場内にある鉄道用地が使えればより収益が上がるが、それを行うためには、国にお金を返さないといけないという話があったが、それはどういうことか。

【政策企画部】
・今の制度上でいけば、使用料の3分の1相当額を国にかえさないといけない。

【小河副知事】
・中央卸売市場として機能を持っていれば、目的外使用でないので返却の必要はないのではないかと思うが。

【木村副知事】
・地方卸売市場かどうかという大きな方向性は理解できるが、もう少し、メリットとリスクを数量化していただければ。中央市場から地方市場への移行は大きな変化でもあるので、データを整理すべきだと思う。大きな検討としてはこれでいいと思う。

【安井特別参与】
・ひとつ補足。大阪府の市場に入っている青果の卸売業者2社と水産の2社はいずれも本場(大阪市)に本社を持っている会社の支社若しくは子会社。中央市場から地方市場に変わった場合、生産者が来なくなるかというと、同じ業者なので、そこは少し安心材料なのかなと思う。

【木村副知事】
・そのような個別の仲卸業者のシミュレーションを入れていただき、整理してほしい。

【安井特別参与】
・卸売業者はそれほど心配していない様子。心配しているのは、仲卸業者。

【知事】
・中央卸売市場について、取引に伴う様々な規制があるということだが、地方卸売市場になれば、具体的に何が自由になるのか。

【安井特別参与】
・資料1の75頁を見てほしい。卸売業者・仲卸業者の明確な区分が必要ない。検査の問題。それから、職員について、今24人いるが、実質的にはゼロでも大丈夫。但し、府庁の流通対策室の方に人員は必要になるが。

【知事】
・中央市場の場合は、常駐人員がいるのか。

【環境農林水産部】
・指導監督業務があるので必要。

【安井特別参与】
・国の許認可業務もある。

【知事】
・(資料1に記載されている)こういう方向性でいいということか。

【環境農林水産部】
・あとは、場内業者さんの理解を得られるかといった具体的な課題もあるが。

【政策企画部長】
・今日の意見交換を踏まえて、環境農林水産部として改めてあり方の検討を進めるということでどうか。

【知事】
・それはいつまでか。

【環境農林水産部長】
・年内をメド。

【政策企画部長】
・では、年内メドに、戦略本部会議で環境農林水産部としてのあり方を議論させていただくということでよろしくお願いする。

議題2:中小企業政策を考え直す

※ 大庫特別参与から資料をもとに説明。

【総務部長】
・非常におもしろい提案。
・この提案の最大のポイントは資料2の8頁にある 「域外展開することが成功の要因」という仮説を前提におかれていることだと思う。ただ、本当にそうなのかという気はしていて、成功企業が事業拡大される際に、なかなか府内に工場適地もない状況の中で、成功企業だからこそ域外展開されているのではないかと思う。また、域外展開されて失敗している企業はこの統計の中に入ってこないので、域外展開すればそれが成功の要因になるというのは直ちに言えないのではないか。
・私自身も以前、商工労働部にいて、府内の企業に留まっていただくということを一生懸命取り組んできた。事業拡大される企業が域外展開するよりも、府域内で展開できる条件が整って府域内で新たな工場をつくっていただく方が、税収面からプラスだということは確かなので、そこをいきなり域外展開に重点を置いて商工施策を展開していくというのは、税収面からみてどうなのかと思う。また、雇用の面でも問題が生じるので、前提のところをさらに掘り下げて分析していただきたい。

【大庫特別参与】
・まず誤解のないように申し上げたいのは、域外展開を支援することも政策の一環として付け加えてみてはどうかということであって、「域内の支援をやめましょう」ということではない。その上で今回いろいろとヒアリングをさせていただく中、「機会があればマーケットが大きい首都圏などに拠点を構えたい」という声はやはり聞こえてくる。ただ、いきなり東京に行って拠点を構えるということで、営業拠点であったり、あるいは人件費であったり、固定費がすぐ出てきてしまうので、企業としては怖いという思い。そこでもう少し背中を押してあげるとか、そういう企業に対して何らかの支援をしておくことは、大阪の会社が日本のマーケットの中で大きくなっていく上では、いいきっかけになるのではと思った。おっしゃるように、大阪から出て行けば全ての会社が成功するということはあり得ない。もし、こういう政策でやっていこうということになったとしても、ポテンシャルがあるような企業を公正な観点で抽出して、その企業の背中を押してあげるということを、政策の根幹に据えるべきではないかと思っている。

【木村副知事】
・今回の提案は、マーケティングでいうところのセグメンテーション(市場の切り分け)からターゲティング(標的市場の設定)で止まっていて、ポジショニング、具体的に何をするのかというイメージまでは行き着いていない。これは行政の分野だと思うが、どんな施策をどんな体制、スケジュール、予算で行うのか、商工労働部として具体的なイメージがあるのかというのが一つ。予算的にブランチ(支店・支社)の進出にいくらか金を出すとして、今の財政状況なら、府内で使っている企業進出のための補助金を廃止するぐらいの覚悟がなければ、数十億円単位の予算を投入するなどというのは非現実的だと思う。このあたりのことは、特別参与の提案を受けて、商工労働部が行政として具体的なイメージをもっているのか。

【商工労働部長】
・この提案を踏まえて具体的に何をやるのかという詰めた議論までは現時点では行っていない。ただ、特別参与のご指摘は、大変重要だと思っている。
・これまでの商工労働部の施策というのは、セーフティネットであるとか団体経由の施策など、前向きのところが少なかったのは事実。ただその一方で税収増といった観点でみれば、こういう効果があるということが当然言えると思うので、商工労働部のリソースをこれまでから少し転換していけばどうかといった視点は提供していただけたと思っている。
・具体的に詰めているわけではないが、商工労働部としては総合商社化、顧客化ということに取り組んでいるので、そういう中で、あまりお金を使うのではなく、情報提供等を行うことによって、府外進出という課題に対しても対応していけるのではないかと思っている。また、金融的な支援であれば、現行制度の中でも工夫することによって対応は可能ではないかと思っている。

【綛山副知事】
・使っている言葉のなかで、「域外展開」などの表現があるが、これは具体に何を意味するのか。企業が販路を開拓して自社製品を広く日本国内で販売していく。これを支援するということによって企業が成長し、大阪府に対するメリットが大きい、ということはよくわかる。一方、たとえば、自社工場が手狭で、他府県に移転し、大阪府の工場は空き地になる、というようなものも域外展開というのか、それも支援するのか。何を支援するのかということをきっちりとターゲットに入れて議論していただきたい。後者の場合は、支援する必要はないと思うし、雇用の問題や土地の空洞化の問題もある。ターゲットをどうするのかは次の議論なのかもしれないが、そこは非常に気になる。

【大庫特別参与】
・言葉の定義の問題として、域外に出て行くということにはいろいろな捉え方がある。ただ単に府外に販路を広げるということもある。ここで分析しているのは、府外に拠点を持つか持たないかをもって域外か域内かを区別している。
・生産拠点については、商工労働部と随分議論をした。いまこの段階で明確に言えるのは、営業やマーケティング目的で域外に出て行くということは、確実にプラスになる要素が大きいだろうということ。ただ、生産拠点については十二分に解明ができていない段階。その点については、できればもう少し検討させていただきたい。工場を移したいという会社であっても、中小企業で社員が一斉に引越しするというのも大変なので、あまり遠くでないところ、近隣に移したいと思っているようだ。そこは今後じっくり検討していきたい。

【小河副知事】
・具体的な施策としてどのようなことをするのかは今後検討ということだが、そこが一番重要。
・また、今回は「中小企業」という言葉で一括りにしているが、その中にもいろいろな種類の中小企業があるはず。そこをきちんと類型化し、「こういう類型のものは良いので伸ばしていく、活かす」ということにすべきと思う。

【大庫特別参与】
・ご指摘の点はごもっともと思っている。中小企業と言っても、いわゆる行政が定義している中小企業は、資本金3億円といった基準等で切られており、ほとんどが中小企業だという話にもなる。また、資本金5千万円未満といっても、業種によって全く違う事業規模である。特に、私から申し上げたいのは、ポテンシャルのある企業とそうでない企業、どちらかというとセーフティネット型の施策がふさわしい企業というのも現実問題としてあるのだということを明確に理解しながら、次のステップに進んでいきたいと思っている。セーフティネット型施策についても、有効に機能しているものとそうでないものが混在していると思うので、そこを見分けることもしていきたい。

【知事】
・先ほど総務部長が指摘したが、うまくいっているから府域外に出て行くのか、府域外に出て行ったからうまくいっているのかという点については、あまり議論しても仕方がないのかもしれないが、要はマーケットを広げていくということか。

【大庫特別参与】
・基本的にはそういう考え方。

【知事】
・そうなると、いま具体的な施策としてメージできるのは、府域外に販路開拓してあげるということになると思うが、販路開拓としては、現在4,200万円の予算となっている。現在の商工労働施策110億円の中身をどう評価すればよいのか。

【木村副知事】
・先ほども言ったとおり、本気で取り組むのであれば思い切った予算の差替えが必要。

【総務部長】
・特別参与からもご指摘があったとおり、商工労働部の予算は大半が制度融資の預託金などセーフティネットとなっている。

【知事】
・今年度見直した小規模事業経営支援事業への助成21億円について、それはそれで必要な面はあるのだろうが、これはどうか。

【木村副知事】
・直ちに小規模事業経営支援事業に手をつけるのはどうかと思う。
・確かに、ブランチを府域外に持っていくために府が何を支援できるかというと、実際の方策は難しい。従来の販路拡大みたいなことでは面白くないというのが特別参与のご意見だと思う。行政として、府外進出への積極的支援とは何かということについて知恵を出して具体案にすべき。その過程の中で、総務部長が言うように仮説の検定ではないが、どの程度の意味があるかということも出てくると思う。ぜひ商工労働部のほうでしっかり取り組んでほしい。

【政策企画部長】
・本日は、大庫特別参与から提案いただいてディスカッションさせていただいた。今後の中小企業政策の展開については、商工労働部で具体化していくということで検討を進めていくこととする。

【知事】
・それを出してもらい、予算の組み換えを使いながら、必要であればそちらに予算をつけるということもやっていかなければならない。具体策をどうするのかという案を出してほしい。

このページの作成所属
政策企画部 企画室政策課 政策グループ

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