平成21年度第16大阪府戦略本部会議 議事概要

更新日:2015年8月5日

  • と き 平成21年7月23(木曜日) 17時5分から18時15分 
  • ところ 特別会議室(大)
  • 出席者 知事、副知事、政策企画部長、総務部長、関係部局等

議題1:ワッハ上方

※府民文化部から資料をもとに説明。

※ワッハ上方については、大阪府以外の関係者との調整途上にあり、資料・議事録について、それらの方々に影響を及ぼすおそれのある部分については、現時点では公表しません。それらの部分については、大阪府以外の関係者との調整が終了した段階で公表します。
 なお、平成21年1月9日開催の第11回大阪府経営企画会議議題「ワッハ上方」の資料(抜粋)・議事概要についても掲載しました。


【総務部長】
・前回の経営企画会議でも「府として果たすべき機能・役割はどうか」という話があったが、本日の資料に記載されている「果たすべき役割」について、これまでどんな議論がされてきたのか。貴重な資料の寄付を受けているので、できるだけ広く府民に見ていただくという点については理解できるが、2点目の上方演芸に理解を深めてもらおうという点については、行政の役割なのか。民間がどんどんやっておられる中で、そこまでを行政の役割にせず、1点目の貴重な財産を府民の方に見ていただこうという位置付けだけでよいのでは。

【府民文化部長】
・基本的に民間でできるかどうか。当初スタートしたときは、せっかく新しくワッハができるということで、今からみれば幅広く役割を担っていたと思う。現時点でみれば、民間で様々な動きがある中で、「公共はそこにタッチする必要がないのでは」という議論がある。役割を絞るとすれば、上方演芸に関する資料そのものは、民間で保管・展示・活用することは、なかなかできない。また、寄贈者が「大阪府がやってくれるから」ということで寄贈されたという経過があるので、府としてきちんと受け取って、かつ、資料を皆さんに見ていただき、「上方演芸というのは、これだけ価値のあることをやってきた、すばらしい」ということを理解してもらう必要がある。単に資料を見せるだけでなく、収集した資料を活用するという部分についても、是非、府の役割として継続していきたい。そういう意味で、本日の資料に「果たすべき役割」として2点を記載している

【綛山副知事】
・資料の右側に『「公演」「育成」は民に委ねる』と記載してあるが、ホールなどを府が運営しなければならない理由がないので、そこはそれで良い。しかし、保存やレファレンス、特にライブラリーの部分は、行政が提供することで放送局が了解してくれているので、民に委ねられないということ。これは絶対に残してもらわないとダメなのだろう。

【府民文化部長】
・府民が見るものとして、展示だけでは楽しみがないし、ライブラリーは一番人気がある。

【綛山副知事】
・また、同じく資料の右側に、「現在活躍中の若手芸人の資料展示の検討(新規)」「高座体験コーナーの設置を検討(新規)」とあるが、これらは行政でないとできないのか。

【府民文化部】
・少なくとも、若手芸人を育てるとかプロにしていくとかは、民の役割と考えている。あくまで上方演芸の保存を図り、それを振興していくという範囲の中での位置づけとご理解いただきたい。

【政策企画部長】
・前回の会議での議論では、今後、府が担う機能として、資料・演芸を“残す”、演芸との出会いを“楽しむ”、研究・実践・創作に“挑戦する”という3つのキーワードのうち、“残す”という部分と、ライブラリーを中心に“楽しむ”の一部を府の機能として、それ以外については、府の役割ではないということであった。

【総務部長】
・寄贈された資料とか放送局から提供いただいているライブラリーがあるという前提にたって、それをきっちりと府民の皆さんにお見せできるようにしましょうということは理解できるが、そこを踏み出して何らかの手立てをすべきではないと考える。よって、府の役割をきっちりと整理すべきである。記載されたものが例示ということなら理解できるが、発想には違和感がある。

【府民文化部長】
・ライブラリーは府民にとっての楽しみになっている。現実にそういった声が多く寄せられている。府として提供いただいた資料を活用して上方演芸の保存・振興に取り組んでいるということを理解してもらわないといけない。

【木村副知事】
・私自身は、あのライブラリーがあってこその官の役割という思いがあり、それがないと存在意義が問われると思う。放送局サイドの意見はどうか。

【府民文化部長】
・放送局サイドはもともと移転反対。これから移転を前提とした場合、ライブラリーが必要だから協力してほしい、そうでなければワッハ上方は意味のないものになってしまうと理解してもらえるように説明していきたい。

【木村副知事】
・ライブラリーはかなり賑わっている。ニーズに応えられるライブラリーは維持できるのか。

【府民文化部】
・できる。条件面での話をきちんとしていく。

【綛山副知事】
・110万人の通天閣の集客、当方は展示場5万人がある。曲がりなりにも5万人の賑わいを持っていくのだから、通天閣にもメリットがある。
・通天閣への移転は、通天閣にとっても、ワッハにとってもいいこと。また、上方演芸にとってもいいこと。ライブラリーも、いいことをやるのだから、今までどおりで。

【政策企画部長】
・運営費の問題で人件費がある。今、学芸員がいるがどうするのか。企画、広報の人員をどの程度配置する必要があるのか。ライブラリーは放送局の貴重な財産だから、府民が利用する時、公の施設と位置づけて、きちんと管理してくださいよという要請はわかるが、それに対して応える最小限の人員構成になっているか。今試算だが、これから議論していかなければならない。

【府民文化部】
・学芸員は必要と思うが、管理要員については精査する必要がある。それ以外の方は、面積が減る、時間は増える中でどれだけ削減できるか、詰めていかなければならない。

【政策企画部長】
・学芸員の必要性は。

【府民文化部】
・専門性、資料の収集保存活用の中で、あと管理運営上必要。放送局側の要請としてもある。他の人を減らしても学芸員は置きたいという我々の思いはある。

【府民文化部長】
・現在の学芸員は大変よくやってくれている。

【総務部長】
・先ほど来の話で110万人がワッハの来館者になるという発想はなくしてもらいたい。110万人は通天閣に来ている人であって、2階を通ったのがワッハの来館者という発想はおかしい。本当にワッハの来館者が増える努力をしていただきたいので、110万人を所与の前提にしていただきたくない。
・入館料については、利用しない人の税も投入して施設を維持するのであるから、利用した人から応分の負担をいただくのは大原則。より多くの方に触れていただくから無料というのはどうか。他の博物館などの有料施設が、より多くの府民に触れていただく必要がないのかというとそうではない。物理的に無理というのは理解するので、絶対有料にしなければならないと主張するつもりはないが、無料にする理屈はきちんと考えていただきたい。

【府民文化部長】
・ここは特殊性がある。公の施設を作ってそこへ来てもらうということではない。通天閣への来館者をワッハ上方への来館者だと強弁するつもりはないが、来た人に垣根を低く、幅広く見て欲しいという思い。

【総務部長】
・本当は、料金を払っても見てくれるということに意味があると思うが。

【小河副知事】
・1人あたり100円としても、通天閣の来館者の半分に来ていただけたら5,000万円となる。最初から無料というのは気になる。

【木村副知事】
・心付けをいただいてはどうか。

【府民文化部長】
・寄付のような形でということは考えている。

【小河副知事】
・演芸ライブラリーがキーという感じだが、それがダメになれば止めるのか。これがあるから続けるというそこまでの判断はもっているか。

【府民文化部長】
・ライブラリーが無くなれば、改めてこの議論は廃止も含めてしなければならない。

【小河副知事】
・収集資料が6万点あり、保存場所が決まっていない。一方、レファレンスサービスも続ける。収蔵倉庫が違うところになったらうまく動くのか。

【府民文化部】
・館の展示の入れ替えにはストックヤードを作るので、展示そのものには影響はない。報道機関などの問い合わせに、学芸員がどれだけ対応するかだが、デジタル写真などで対応することが多い。

【小河副知事】
・収蔵庫がなければ、レファレンスサービスに限界があるのではないか。

【府民文化部】
・たとえば、有名な芸人さんが亡くなって、次の日に新聞に載せる写真が欲しいという場合、それがワッハ上方にしかないとなれば問い合わせがくる。それについては現物を見せるのはなくて殆どデジタル写真で対応するのが現状。

【政策企画部長】
・通天閣の110万人について、膨大な観光客の来客が見込めるという消極的な理由ではなくて、せっかく通天閣に行くのは観光名所になるので、もっと大阪に観光客を呼び込む、賑わいを創出するというアクティブな行動を。

【府民文化部長】
・そういうPRをしたい。

【木村副知事】
・ストックは今後も増えていくが、今の若手が古典になっていけば、ストックとして展示されるのか。時間軸の整理がわからない。どちらかと言うと、若い人たちは今頑張っている芸人を見たいのではないか。

【府民文化部】
・若手芸人を入れたのは、高座をしてもらうかは別にして、通天閣側もそういう要素を今よりも出してほしいとの思いもある。

【木村副知事】
・それなら、通天閣にもお金を出してもらって、きちんと協力していただいてという館の性格を再整理すべき。

【府民文化部】
・少なくとも110万人が来るから、それをそのまま貰うという意味ではなく、入館料も含めて、たとえば入館料は動線や展示スペースの確保を含めて、通天閣に移ることによりワッハ上方の魅力をどう出していくか、ライブラリー機能を残したいこともそう。魅力づくり、ワッハ上方にきてもらうためにどういうことがベストかという発想でやっている。
・賃貸料も含めて文書で交わしたわけではなくて、口頭で議論している最中。考え方も含めた整理なり交渉はこれからできるのではないかと思っている。

【木村副知事】
・そういう工夫がないと、いくら通天閣の帰りといってもワッハ上方に足を止めてくれないのではないか。

【知事】
・たとえ100円でも入場料を取るとすると、入館者がもしそこを避けたとしたら、その責任の所在が明らかになる。しかし無料だと、何も努力しなくても110万人が流れることになるので、一生懸命やろうというモチベーションを担保できるのか。来館者アンケートでもとるのか。

【府民文化部長】
・リサーチを定期的にやることで、館に対する評価になる。

【知事】
・人件費はどのような内容か。

【府民文化部】
・年中無休で9時から21時までとなるので2交代制で考えている。
・たとえば、管理費、光熱費、清掃費などは面積が減った分、経費も減るが、ライブラリー機能をそのまま維持しようとすれば経費はそのままにしている。また、学芸員の配置を前提にそれ以外の受付などの人員は減らすなどして積算した。

【知事】
・学芸員は、新たに選定するのか。

【府民文化部】
・指定管理者が選定することになる。

【綛山副知事】
・通天閣の地下に200席ほど劇場があるが、ワッハ上方が移ったときの運用のリンクは考えているのか。

【府民文化部長】
・通天閣側の主催で、何かイベントを開催するとかいう話の持ち掛けはできると思う。

【綛山副知事】
・今、劇場はフル稼働されているのか。

【府民文化部】
・土・日曜日が演芸、月曜日は歌謡ショーというように週3回の稼動。

【綛山副知事】
・通天閣に移る機会をどう捉えるかだと思う。単なる場所借りとするのか、それとも積極的に新たな仕掛けを考えていくのかということ。通天閣側のメリットも考えておく必要があるのではないか。

【木村副知事】
・メンテナンスの費用が一番気になる。将来、ストックがどんどん増えていくというイメージか。

【府民文化部】
・今でも選別している。全てのものを受入れているわけではない。
・今の収蔵庫はかなり贅沢。きちっとコンパクトに整理すれば面積はもっと狭くても可能と考えている。

【木村副知事】
・これからのストックの思想、基本的な考え方を整理しないといけない。

【府民文化部長】
・ストックの基準や考え方を整理して選別させていただく。

【知事】
・移転の全体の話としては、児童文学館と同じで、財政難で厳しいから先細りでこうなりましたというのではなく、大阪の強みを発揮するという機能強化と考えたい。マイナスのイメージではなく、プラスのイメージで。
・運営部分は皆さんと議論させてほしいが、入館のところが無料というのが若干気になるところ。責任という観点からみると、たった100円を取っただけで、大きく来館者が減るのなら、寄付というやり方ではどうか。

【木村副知事】
・払える人だけ払ってもらったらという思いもある。

【知事】
・お金がほしいというより責任という点なのだが。たとえ100円でも来てくれるぐらいのサービスができているかどうかということ。

【府民文化部長】
・ライブラリーは無料でやってきたので無料にしないと。

【綛山副知事】
・ライブラリーを無料にしないと著作権が問題になる。また別にお金を取る機能を考えないといけない。

【小河副知事】
・入るときに払って、入った場所が無料かどうかはわからないというのではだめなのか。

【府民文化部】
・そこだけ、無料で入れるようにライブラリーの機能だけの動線を作ることになる。

【木村副知事】
・仕掛けをつくらないといけない。

【府民文化部】
・逆に、動線上、有料スペースがどんどん制約されてしまう。だからこそ、魅力をどう出すかということが問題。

【総務部長】
・入館者の数はカウントできるのか。ワッハ上方に入館した人は何人ということ。

【府民文化部】
・それは工夫がいる。

【総務部長】
・少なくともそれがないとダメ。通っただけの人も入館者となるのもどうか。

【知事】
・著作権の話について、維持管理費用で収益になると、著作権者にロイヤリティを払わないといけないという問題が出てくるのだと思うが、ライブラリーの維持管理費に充てるということでもダメなのか。

【府民文化部長】
・ライブラリーに入るのは無料という物理的なスペースにしないといけない。

【知事】
・ライブラリーの部分をもって収益を上げているわけではないということ。

【綛山副知事】
・その説明で相手方に納得してもらえるか。

【小河副知事】
・移転後は施設の佇まいも変わり、我々も新しい考え方でやっていくことになる。そこを相手方に理解してもらった上で、最低限の維持管理費用だけ入館者からいただくということはできないか。

【府民文化部長】
・それは困難ではないか。

【綛山副知事】
・我々も考え方を変えていくが、相手方の理解を得ることが重要。

【府民文化部長】
・ライブラリーは無料のままで、入館料をとることはできる。ただ、動線の問題など物理的に難しいということ。また、本来は各放送局の財産であり、それを無償で貸していただいているのが現在の状態。その費用については借り手が負担するのは当然のこと。

【政策企画部長】
・入館料の問題については、少し整理をしていただくということでどうか。

【知事】
・そうですね。

【木村副知事】
・公共サービスの本質論に行き着くと思う。施設の運営によって儲けを出す必要はないし、そのために官が少し支出をするというのは良いと思うが、そのあたりの理屈をもう少し整理してもらう必要がある。私自身は、無料で良いと思うが。

【綛山副知事】
・必ずしも負担と受益がパラレルでなければならないということにはならず、私自身は無料というのもあっても構わないと思う。ただ、他の要因も含め、その理屈はきっちりと検討してもらえれば。

【総務部長】
・しかし、入館料が100円と200円という差と、100円と0円という差は実質的に全く違う。私は、そこはきっちりとした理屈がほしいと思っている。

【綛山副知事】
・100円の入館料をとるために500万円の費用が必要というように、どれだけの収入をとるためにどれだけのコストがかかるのかということもパラレルに考える必要。

【政策企画部長】
・それでは、今日の議論は、案1(通天閣移転案)で、関係者と具体的な移転調整を進めることとする。今の問題も含め、具体的な運営スキームや費用については、さらに整理をしていただくということとする。

【知事】
・時期はいつ頃になるか。

【府民文化部】
・移転は23年度末になるが、来年度当初予算で移転費用等を措置するための議論が必要。

【知事】
・原状回復や損害賠償について、契約書上はどうなっているか確認のために教えてほしい。

【府民文化部】
・原状回復は府の負担。損害賠償については特に記載はない。

【小河副知事】
・あと、施設のバリアフリーはできているのか。

【府民文化部】
・現在もできている。

【政策企画部長】
・本日の会議コストは、1時間10分で295,050円。

このページの作成所属
政策企画部 企画室政策課 政策グループ

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