平成21年度第7回大阪府戦略本部会議 議事概要

更新日:2015年8月5日

  • と き 平成21年5月8日(金曜日) 10時5分から11時15分
  • ところ 特別会議室(大)
  • 出席者 知事、副知事、政策企画部長、総務部長、関係部局等

議題1:健康医療部長マニフェスト案について

※ 健康医療部から資料をもとに説明。

【木村副知事】
・重点課題1の「(2)施策推進上の目標」として「救急医療などに関する啓発」を掲げているが、単なる啓発でそれほど効果が出るとは思えない。「罰則的」とまでは言わないが、軽症者の利用に一定の料金を課するなどの方策も考えているのか。

【健康医療部長】
・啓発だけでどれだけ効果が出るか難しいが、昨年来、いろいろなメディアで救急患者の受入が難しくなっていることが報道され、また、各消防隊も市民向けに広報を行った結果、7%から10%の利用が減ったという実績がある。
・今年度からは、大阪市の消防本部が電話で医療相談を受け、アドバイスをするというモデル事業も始める。
・こういった取組みを地道に進めていくことが重要と考えている。

【木村副知事】
・そのためには広報などとも部局横断的な取組みを。

【知事】
・大阪市のモデル事業は横浜市のようにトリアージを実施するということか。

【健康医療部】
・トリアージそのものではなく、従来一部やっているものであるが、専用電話を設け、救急救命士のOBを活用した電話相談を行い、必要に応じて看護師、医師などにつなぐもの。搬送が必要な場合は、そのまま消防本部につなぐ。

【綛山副知事】
・搬送の問題と受入病院の確保の2つの議論がある。搬送については啓発で対応できるが、本当に重篤な人の受入病院がなかなか決まらないということに対しては、施策、目標が必要。それについては、救急情報システムの再構築などで対応できているということか。

【健康医療部長】
・救急情報システム再構築で採用した「緊急搬送要請システム(まもってNET)」が有効に機能していると現場からも聞いている。救急隊から受入を要請する際に、より広いエリアの病院が一斉に対象になるため、受入病院を探すのに役立っている。
・また、「(3)アウトプットの数値目標」として、重症者の救急搬送において受入までに要した医療機関への照会回数「6回以上要した件数」を対前年度比10%削減と掲げているが、現在、救急搬送で問題となるのは、薬物中毒など受入が難しい患者さんが多い。現在、どのような患者さんが6回以上必要となっているのかデータを分析中。

【木村副知事】
・印象として「10%削減」では志が低い気がするが。

【健康医療部】
・「6回以上要した件数」は、20年で308件、全体の重症患者のうちの2.8%。19年は373件、3.9%で2割近く減っている。20年はマスコミで救急の問題が大いに取り上げられ、また、府としても救急医療情報システムを昨年10月から再構築。加えて、脳卒中などについては南河内、泉州地域で搬送しやすい体制を整えるなどの事業を既に展開している。その上で10%削減するということは簡単なことではない。

【綛山副知事】
・生命の危機に瀕するような重症者の救急搬送で6回も医療機関へ照会しなければならないというのは多いと感じる。

【健康医療部】
・消防庁の概念で、「重症」というのは3週間以上の入院が必要なケース。たとえば倒れて骨折した場合など外傷の入院は長期に及ぶことが多い。必ずしも生命の危機に瀕している患者さんばかりでない。

【健康医療部長】
・もう少しデータを解析することが必要。その上で、新たにどういう体制を組めばどれくらい削減できるのかというメドはつけたい。現時点では10%削減という数字でいきたい。

【知事】
・ここで、たとえば「5回以上要した件数」を削減とせず、「6回以上」とした理由は何か。

【健康医療部】
・消防庁が昨年度から全国データをとっており、その数字が4回以上、6回以上、11回以上となっており、「6回以上」を採用。

【知事】
・「4回以上」ではどうか。

【健康医療部】
・4回以上は、891件。

【知事】
・「4回以上要した件数」を削減というのを目標とすると、具体的な目標値はどうなるか。

【健康医療部】
・平成20年の実績値では重症での搬送のうちの8.2%を占めている。

【木村副知事】
・過去のトレンドをさらに努力して下げないと目標にならない。どれだけ努力できるかが大事。「6回以上要した件数」を削減でもよいが、目標値を15%にするなど、トレンドに上乗せした目標を設定しないとダメ。そうでないと普通にやっているという印象がある。

【総務部長】
・4回、6回の意味がわからない。なぜ消防庁が4回や6回のデータをとっているのか。たとえば、医療的な観点から4回を越えると生命に危険が及ぶ可能性が高いなどといったことがあるのか。

【健康医療部】
・全国データで見ると、地方は医療機関数が限られているので照会回数が少ない。一方、東京や大阪など都市部では、照会回数が多くなる傾向がある。これらを一律に比較することは難しいが、何回も照会しなければならないケースを減らしたいというのが我々の思い。

【綛山副知事】
・府民へのメッセージという観点からすれば、「6回以上」という大きな数字より「4回以上」の方がわかりやすい。そういう意味で、「4回以上要した件数」を削減という目標を立てるべきでは。

【知事】
・「4回以上要した件数」で目標設定していただき、削減幅についてはもう一度検討してほしい。

【小河副知事】
・「(2)施策推進上の目標」や「(3)アウトプットの数値目標」に、「脳卒中など搬送困難な患者の受け入れ態勢の強化」や「産婦人科の救急搬送に一次的に対応する体制を確保」などとあるが、具体的にどうしていくかということをきちんと書いた方がよい。また、「患者数の増加」といった抽象的なものには具体的数値を記載し、記載されている数値については、なぜこの数値を設定したかということを具体的にわかりやすく示すべき。
・重点課題2の「がん医療の充実」については、「がん死亡率ワースト2を返上」を目標に掲げるといった発想はないのか。

【健康医療部長】
・「(4)アウトカムの数値目標」に掲げている「がん年齢調整死亡率を10年間で20%」下げれば、平成19年度でいうと、がん死亡率は全国11位相当になるはず。

【小河副知事】
・それがわかるような表現にするなど工夫をした方がよい。
・「都道府県がん診療連携拠点病院(府立成人病センター)の機能強化」については、成人病センターの建替えの件と機能強化の件とが、どういった関係にあってどうしようとしているのか、そろそろ意識して議論していくことが必要。財政上の理由もあるだろうが、機能強化するためには建替えが必要というなら、少しずつ計画に向かって進んでいかないとダメ。そういうことをきちんと目標に書くべき。

【木村副知事】
・今年度の予算措置はどうなっているのか。

【健康医療部長】
・前知事のときに建替えで判断をいただいているが、財政状況も踏まえて、どういう機能が必要か、もう一度きちんと議論しようと思っている。

【木村副知事】
・今回、ハード面で病院を整備するというよりもあり方をきちんと議論していくということか。

【健康医療部長】
・これまでもどういう医療をやっていくのかといった点で、かなり議論を深めている。その上でどれくらいのハードが必要か見極めたい。

【綛山副知事】
・ハード面の整備について、この「機能強化」に含めているという理解でいいか。これまでも何度か議論されているが、成人病センター単体だけでいいのか。敷地条件の問題もあり各論的には書きにくいので「機能強化」という表現にしているという認識でいいのでは。

【知事】
・重点課題1の「(2)施策推進上の目標」に「産婦人科の救急搬送に一次的に対応する体制を確保」とあるが、それに対応する「(3)アウトプット目標」が記載されていない。

【健康医療部長】
・今年度から3箇所の当番制で体制を確保していく。体制がスタートした後の実態を見て、次年度以降、目標を検討していきたい。

【知事】
・がん診療拠点病院については、「ずっと以前から決められた病院があって、大学病院がなかなか選定されない」という意見があったが、選定基準は見直してもらったのか。

【健康医療部】
・昨年度検討委員会を立ち上げ、そこでの議論を踏まえて基準を見直した。

【知事】
・「(3)アウトプットの数値目標」の「緩和ケア研修受講医師数」について、府民には数字の意味がわかりにくいので説明を加えてほしい。
・また、「相談支援件数」の2,300件はどういった数字か。

【健康医療部長】
・現在のがん診療拠点病院38病院が、昨年受け付けた相談件数の1ヶ月平均。今後の状況を見た上でどういう目標にするかをもう一度議論して、次年度になると思うが設定したい。

【政策企画部長】
・最終的な目標値を具体的に書いてほしい。

【綛山副知事】
・がん検診の受診率向上のため、府民の協力を求めるという目標はいらないのか。

【健康医療部長】
・受診促進は市町村事業として定着しているので、それを伸ばしていくのは当然であるが、都道府県としては医療体制の確保が最重要任務であり、今年度はこれをやりたい。

【綛山副知事】
・死亡率の改善は治療も大事だが、早期発見をしないと改善には繋がらないのではないか。

【健康医療部長】
・それは通常の事業として引き続き取り組んでいく。

【知事】
・がん検診の受診率は、大阪が最低だったのではないか。受診率を上げるためには都道府県の啓発が必要では。

【健康医療部長】
・がん対策の推進計画にも盛り込んで、市町村にもきちんと取り組んでもらいたいと思っている。

【知事】
・「(4)アウトカムの数値目標」で「がん年齢調整死亡率」を「95.6以下」とすることの意味、全国、他府県と比べてどうかを書いてほしい。

【健康医療部長】
・府民からみてわかりやすいものにする。

【総務部長】
・「がん拠点病院の整備」というと、普通は病院数の増加をイメージするが。目標はそうでないのか。

【健康医療部長】
・現在38病院を指定しており、ほぼある一定水準はカバーしている。

【知事】
・マニフェストには載せないとのことだが、新型インフルエンザへの対応についてよく頑張ってくれているので、私もきちんと発信していく。

【政策企画部長】
・知事、副知事の指摘を踏まえて、内容や表現を修正していただきたい。

議題2:教育長マニフェスト案について

※ 教育長から資料をもとに説明。

【総務部長】
・「(3)アウトプットの数値目標」について、「全国平均をめざす」としているところと「上回る」としているところがあるが、この違いはなにか。

【木村副知事】
・気持ちが出ているのでは。
・「(2)施策推進上の目標」の施策内容および目標をきっちりと決めているのがよい。アウトプットやアウトカムについて、最終、結果責任を問わないというのもあるが、施策に目標値をもってしっかりとPDCAを回してもらうのが大事。特に、教育はすぐに効果が出ないので、具体的な施策に対する評価をやってもらいたい。

【教育長】
・アウトプットの成果がどうなるのか、正直なところ私もわからない。綛山副知事(前教育長)に頑張っていただき施策を組み立てていただいた。ここに掲げた取組みを21年度実施して、22年度具体的にどういう数字に結びつくか、私にも予想はつかないが、府民ニーズや要望から、全国平均をめざすということは掲げたい。

【小河副知事】
・全体的な記載が非常にわかりやすい。
・自分の経験からいうと、体力の問題が気になる。スポーツでも、子どもには得手・不得手があり、私自身も劣等感があった記憶がある。ぜひともスポーツを好きになるような取組みをお願いしたい。子どもが運動を好きになるような取組みを通じて、自然と体力がつくようにしてほしい。

【教育長】
・昨年のスポーツ大会では、縄跳びとドッジボール。そして、今年、駅伝大会を増やす予定。

【知事】
・縄跳びも重要だと思うがランニングはどうか。私たちも競って走った。東京駅から博多駅までマスをつぶすなどして、みんな必死になって走った。技術が必要ないようなランニングなども重要かなと思う。
・このマニフェストはすごくわかりやすい。ただ、大阪市との関係が気になる。「基礎・基本の徹底」に掲げている「全国学力・学習状況調査」においても、府だけが頑張っても、市にも頑張ってもらわないと都道府県の成果として出てこない。市との連携はどうするのか。

【教育長】
・先日、教育長同士で話をしたときに、そういう話題も出た。市の教育長は、やれることは一緒にやろうと言ってくれている。具体的に何ができるのかを検討するため、まず、課長同士で打ち合わせを予定している。とりあえず、課題の抽出からやろうとしている。

【知事】
・了解。今は、私と平松市長との関係もある。そして、綛山前教育長時代からは、府市教育長同士の連携も取っている。次は、課長さん同士で連携を取っていただければと思う。
・学校支援地域本部も、マニフェストの左側だけを見ていたら本部を設置するだけで終わってしまうのかなと思ったら、右側できちんとボランティアなど中身を重視して目標を掲げてもらっている。今、PTAですら集まるのが大変な状況。どうすれば地域でよい活動ができるのか、しっかりとアイデアを出してもらえればありがたい。

【綛山副知事】
・居場所づくり事業をやっていくので、それを進めていけば自ずと人は集まり、広がっていくのではないか。府民文化部の地域力再生でもあがっており、部局間連携課題として、しっかりやっていく。

【知事】
・地域をどうしていくかについては、すごく重視しているので是非よろしく。
・重点課題2について、高校の専門コースは新たに24校で設置するということか。

【教育委員会】
・新たに設置する予定。

【知事】
・重点課題3について、障がいのある生徒を「平成22年度約460人受け入れる」とあるが、それも新たなプラス枠ということか。

【教育長】
・校舎は仮設の分校ではあるが、新たな枠を設定し、受入れる。

【綛山副知事】
・今年度、定時制高校でオーバーフローした生徒の受入を今後どうしていくのか、新たな観点から考えていかなければいけないと思う。公私教育の議論をしたり、セーフティネットの議論をしていく中で、この点も意識しながら進めていってほしい。

【教育長】
・問題意識は持っている。

【知事】
・スクールランチについて、各市町村長さんと意見交換する中で、「子どもに対する愛情の一環で、親が弁当を作るべき」という意見が非常に多い。しかし実際には、親が共働きであるといった事情で、昼ごはんがパンとジュースだけという子どもも多い。親子の愛情を重視する見解も理解できるが、それについてはスクールランチと弁当の選択制ということで分けて考えたい。とにかく、毎日、パンとジュースだけという子どもたちを何とか無くしたい。学力との相関関係もあると思う。子どもたちの状況についてのリサーチもしっかりやってもらって、市町村の理解が得られるよう頑張ってほしい。

【綛山副知事】
・さまざまな経緯もあって、大阪は中学校の給食実施率が全国平均約80%に比べて低いが、できるならばきちんと実施していくべき。それが学校給食法の趣旨。「食育」という観点もあるので、しっかり取組むべき課題。

【政策企画部長】
・アウトカムの数値目標の設定については、今後、企画室とも調整してほしい。
・今日の会議コストは、1時間10分で25万8800円。

このページの作成所属
政策企画部 企画室政策課 政策グループ

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