平成20年度第11回大阪府経営企画会議 議事概要

更新日:2015年8月5日

  • と き 平成21年1月9日(金曜日) 15時から16時45分
  • ところ 特別会議室(大)
  • 出席者 知事、副知事、水道企業管理者、危機管理監、政策企画部長、総務部長、関係部局

※議題2:「ワッハ上方について」は、大阪府以外の関係者との調整途上にあり、それらの方々に影響を及ぼすおそれのある部分については、現時点では公表しません。それらの部分については、大阪府以外の関係者との調整が終了した段階で公表します。

議題1:文化施策、センチュリー交響楽団について

生活文化部から資料をもとに説明。

【政策企画部長】
・他の民間オーケストラと異なり、センチュリーには公的支援が必要であるという理屈付けは。

【生活文化部】
・社会的機能としての次世代育成という観点。われわれとしてセンチュリーを何のために作ったのかという原点に立ち返ると、次世代育成という部分が民間オーケストラと違う点。

【知事】
・以前は、次世代育成という観点はなかったのか。

【生活文化部】
・ここ5〜6年の話。

【三輪副知事】
・公の関わりという点で、他の民間オーケストラとの峻別がすっきりしない。次世代育成というが、逆に民間が自主的に小中学校を回るとしたら、そこに公が関与するのかということにもなる。

【生活文化部】
・他のオーケストラは、センチュリーのような低廉な額で学校を回るのは無理だという意見。

【知事】
・次世代育成というなら徹底的に、センチュリーが府内の全中学校を回るというのは無理か。年1回というのでなく、少なくとも年2〜3回は必要では。

【生活文化部】
・依頼公演の収入が減る分の補填が必要となるので、補助金が増えてしまう。

【知事】
・府民の立場からすると府・市それぞれがオーケストラをもっている必要はないのではないか。

【生活文化部】
・われわれが作った楽団をどうやって引っ張っていくか。楽団は合併できないので、どちらかをつぶすことになってしまう。

【知事】
・そうなると、存続のための議論になってしまう。行政の都合ではなく、府民・市民感覚として考えてほしい。大阪市も大フィルに対して補助金を出しているとのことなので、府のセンチュリーに対する関与もその程度でいいのではないか。寄付を増やしたいというが、要はパイの取り合い。寄付する側から言えば「2つも勘弁して」というのが本音ではないか。

【生活文化部】
・大フィルに比べると後発の分、寄付を集めるのは容易でないが、大口寄付の話もある。

【知事】
・頑張ってきた分、実際に寄付は増えている。さらにもっと血の滲む努力をしてもらいたい。

【総務部長】
・この3年間にきちんと水準を維持できるようにするとか、さらに発展させるとか、そのあたりの計画が必要。

【政策企画部長】
・将来の目標を設定し、そこに向けてどのように取り組んでいくかという到達点を定めないと、息が続かないのではないか。

【水道企業管理者】
・寄付は伸びてきているものの、現在、センチュリーが見直し対象になっていること自体が大口や潜在的なスポンサー企業の寄付を躊躇させている。大阪府として一定のコミットメントラインというか、「ここまでは底支えをする」という意思表明をしないと、大口スポンサーはそう簡単には見つからない。大口スポンサーをしっかりと握っておかないと結局、府の補助金負担として跳ね返ってくる。府としてスポンサー確保という点で前に出てあげるべきではないか。その方が、府の補助金負担が少なくても存続していけるということにもつながるのでは。

【知事】
・これまで施設の存廃の議論に共通することだが、今ある組織の存続が前提になっていて、将来のことを考えるという発想がない。本当に将来の大阪のことを考えるならば、センチュリーを世界に冠たるオーケストラにするため、例えば、こういう人材を呼んでくるとか、こういうビジョンで考えるとか、そういう展望が見えてこない。
・また例えば、センチュリーは質を追求せず、次世代育成に特化して小中学校を回るとかいう役割分担はできないのか。

【小河副知事】
・質を放棄して、次世代育成に特化せよというのはどうか。小中学校生に本物の芸術に触れて感動してもらうことが重要なのであって、中途半端なものを聴かせるのは意味が無い。

【知事】
・東京の日本フィルは、スポンサーからの支援を打ち切られた後、自治体からの財政援助を受けずに運営を行っており、子供向けの活動なども積極的に行っている。

【生活文化部】
・日本フィルはオーケストラの規模が大きいので、公演回数も増える。

【水道企業管理者】
・センチュリーもスポンサーの確保を前提とするならば、技量のアップにもつながるし、規模拡大を議論する余地はあると思う。そういうことを議論するためにも、大阪府がある程度、コミットメントしてあげないとスポンサー探しもできない。

【知事】
・結局、官が持ってしまうと必ずこうなってしまうので、ある程度しっかりしたところが持って、質が高ければ、皆が仕事を依頼してサービスを提供してもらうというのが普通だと思う。
・府も市もなくして考えてみれば、大阪に楽団は過剰にあるのか?大フィルの評価は高いときくが?

【水道企業管理者】
・大フィルは歴史もあるし、長らく唯一の音楽オーケストラだった。それが「大阪にオーケストラが1つでいいのか?」という時代になり、他が順次発足したという歴史経過。過剰かどうかは価値観の話。日本全体で見ても多いという人も少ないという人もいる。
・今回は、現に活動し、愛好家もいるものをどうするかという話。センチュリーは、大阪を大阪たらしめているものの1つ。

【知事】
・うーん。そこは・・・。

【水道企業管理者】
・何もないところで議論をすれば作らなかっただろうということで、現状否定して入ってしまうと、大阪は自分で作ったものまで顧みない土地なのかということを広めてしまう。

【木村副知事】
・私は、これまで大フィルばかりでセンチュリーの演奏は聴いたことがない。昨秋、ウィーンフィルを聴いて体が震えたが、ああいう感動のためなら年1回、3〜4万円でも出せる。多くの人はそうではないか。若い人の音楽意識を高めるためというなら行政の役割と思うが、いかにも中途半端。
・大フィルも企業がどんどん金をださなくなった。企業がどういう評価をしているかは金を出してもらえるかどうかでわかる。

【生活文化部】
・ワンコインコンサートを3箇所で行ったが、どこも満席。潜在ニーズはあるのでその掘り起しが必要。一般に、コンサートホールは敷居が高く感じる。そういった人に機会を提供するのも大切。

【知事】
・それなら、究極の本物を極める必要があるのか。

【生活文化部】
・5〜6千円払っても聴きにいこうと思う人をどれだけ増やせるかだと思う。

【三輪副知事】
・方向性はあと1ケ月くらいで決める必要。少なくとも、今の予算を一気に1/4にすれば、楽団が来年度に倒れてしまうことは目に見えている。
・今の案では余りに展望がない。この数ヶ月でこれだけファン数が増えてきている中、現実的には、2〜3年後の目標数値をハッキリ決め、補助金も低減していき、その中で単独で生き残るかどうかというふうにするしかないか。

【知事】
・実質的な中期の事業計画というのは作っていないのか?

【生活文化部】
・財政再建プログラム(案)ができる前、昨年3月に理事会にかけようとしたが、プログラム(案)によりお蔵入りになってしまった。

【知事】
・今回は、今後の展望ではなく、資金繰りの話ばかりになっている。

【生活文化部】
・楽団の存続もわからない中では、演奏者が離れていくのを危惧している。そうなるとどんどん人が減っていき、結果として解散となる。ただ、目標設定は必要。

【水道企業管理者】
・基本的には存続させるべき。存続の仕方の中に、現状程度の規模でやるか、発展形を含めてやるかがある。規模を大きくすることも否定してかかるべきではない。財団に選択肢を与えてやるべき。営業努力をさせるチャンスも与えないというのはおかしい。営業努力が実を結ぶような条件整備はしてやるべき。府として、最低でも底支えはするというアナウンスメントが必要。

【知事】
・東京都の楽団はいくつあるのか?

【生活文化部】
・東京には8つの楽団があるが、運営補助をしているのは東京都響1つだけ。民間や区役所などとタッグを組み、練習場を行政から提供しているケースなどもある。

【知事】
・将来展望とか、今後の方向性がないと…。

【木村副知事】
・府民の評価というのは調べたことがあるのか?府が「存続させる必要がない」といった判断をしたときに、府民はどう評価するか?

【生活文化部】
・評価は大きく分かれると思う。

【小河副知事】
・楽団は文化のインフラみたいなもの。今の議論をインフラにたとえて言うと、「府が架けた橋を落とそうか。もう1つの橋があるからいらない。」と言っているようなもの。これまでの経過と、これだけ楽団も努力している中では、額は別にして、府が何らかの予算措置をすべき。

【三輪副知事】
・とりあえず来年度予算をどうするかということを緊急避難的にやらないと、現実的に回らない。しかし、それを3年も4年も続けるのはおかしい。財政再建プログラム(案)の中でも、「府民からの支援スキームを構築」としている。
・それと併せて、たとえば3年後の姿をきちんと作って、それに至る道筋がどれなのかという議論はしないといけない。

【総務部長】
・三輪副知事のおっしゃるとおり、財政再建プログラム(案)で財団に努力を求め、財団が一定の努力をしている中、我々がそれを評価し、これからの課題を示した上で、どう予算をつけるか。21年度予算の時点で補助を打ち切るという選択肢はありえないと思う。
・この努力の上に、数年間の展望を併せて示していただいて。

【生活文化部】
・目標設定、計画を立て直すのでよろしく。

【政策企画部長】
・今日の段階では、予算議論の前に、センチュリーがめざす方向性や目標、達成のための計画のたたき台を整理することとし、改めて審議を行うこととしたい。

議題2:ワッハ上方について

【知事】
・ワッハも吉本さんが賃借料のプライスダウンしてくれるのなら、吉本さんに譲り渡して十分ではないか。自主運営の範囲に入ってきたのではないか。

【三輪副知事】
・資料をどうするかだが。

【知事】
・吉本さんにお渡しするのはどうか。

【生活文化部】
・資料を一民間企業に渡すというのは難しい。

【知事】
・申し訳ないが、そもそもワッハ上方については、大阪の芸人さんから聞いた生の声からすればズレがあるように思う。機会があれば、芸人さんの生の声を聞いて頂ければ、僕がなぜこだわっているかが分かって頂けるかと思う。ワッハ上方がなくても上方芸能は十分やっていけるという声。こういう生の声を聞いてほしい。もはや吉本さんの経営の枠内に入ったと思う。

【三輪副知事】
・賃借料はゼロということですか。

【知事】
・そう。あとは、資料とかそういうものはお渡しする。渡し方の仕組みは検討して、あとはお客さんへの割引やサービスなどの誘客は、吉本さんだったら出来ること。

【生活文化部】
・寄贈を受けた府の責任として、皆さんに確認する必要がある。万一、吉本さんが資料館をやるとなっても「返してくれ」と言う寄贈者もおられるかと思う。

【知事】
・吉本さん、松竹さん、上方落語協会で自主的に運営してもらうという仕組みにならないか。そこに事業補助を出すかどうかは別にして。

【生活文化部】
・移転ということを前提に組み立ててきたので、今、知事から吉本さんに渡すというお話を聞いて、多少面食らっている。

【政策企画部長】
・そもそも、ワッハ上方の議論は、府として費用がかかりすぎるから移転という話ではなかったか。大幅なプライスダウンということになれば現地存続ということもありえるのではないか。先ほどから知事がおっしゃっているのは、そもそも大阪府として、ワッハ上方に関わらないでもいいではないかという議論のように聞こえるが。

【知事】
・そもそも論もあるが、やはり費用がどれぐらいになるかがポイント。この案では9150万円。100万、200万ぐらいで全部協会とかがやってくれるならよいが。

【木村副知事】
・府として関わってきた過去の経緯、責任論に尽きるという気がする。現地を見たが、展示品は特に魅力を感じなかった。資料をいただいた責任、今まで府として関わってきた責任、それをどうカタをつけるかということに尽きると思う。資料ひとつひとつに価値があるのはわかるが。

【政策企画部長】
・そうなると、財政再建プログラムの整理と話が変わってくる。根本議論に立ち戻るのか。

【知事】
・仮に引き取って最低限の展示というのであれば、移転の費用はどれくらいか。

【生活文化部】
・移転先が決まっていないので、正確な数字はまだ試算できていない。

【知事】
・移転に莫大な費用をかけようとは思っていない。府が積極的に関わっていくという話ではない。吉本さんが、「なんば」でないところに移転するのがいやというのであれば、吉本さん、松竹さん連合で自由にやってもらえたら。

【総務部長】
・相手方がそれを受ける可能性はないと思う。賃料を下げるのと自分のところで引き取ってやるのとではハードルが違う。

【生活文化部】
・資料を持って末永く管理していくつもりは、吉本さんにはないだろう。もし吉本さんが自分のところで引き取るとなると賃料も入ってこないし、管理するのにも費用がかかる。結果としては受けないと思う。引き取るぐらいなら移転の方が可能性はある。吉本さんが引き受けるのは無理だろう。そもそも、「捨丸の鼓」の寄贈を受け貴重な資料を府としてきっちりと管理すると約束してきた。

【知事】
・資料はきちんと公の施設か府有施設で管理すればよい。美術品なども眠りっぱなし。

【政策企画部長】
・移転で予想される費用よりも、吉本さんが安くすれば現地で残るという選択もありうるのか。

【知事】
・将来移転する費用もはっきりと決まっていないので判断できない。

【生活文化部】
・移転費用として、想定見込みはある。

【政策企画部長】
・管理運営費としては9150万円ということか。

【知事】
・ディスプレーとかの管理にそんなにかかるのか。

【生活文化部長】
・人件費が大きい。

【知事】
・あの展示品だけを見せるのにどうしてそんなにかかるのか。

【生活文化部】
・ガラスケースに入れて府庁の本館においておくだけではそれだけかからないが、今のレベルを維持しようとすると必要となる。

【知事】
・今のレベルがそんなに高いとは思えないが。

【生活文化部】
・収蔵庫は7階にあり、たくさん資料があるので、一部しか4階で展示していない。管理に必要な展示の仕方を検討する。企画展のような感じで展示することや、小演芸場は残して展示だけでなくて、少し生の演芸も触れていただけるようなかたちも検討したい。

【知事】
・小演芸はいらないと思う。民間のいろんなところがある。法善寺横丁にもある。

【生活文化部】
・運営上の工夫として、見に来ていただくためのしかけを考えたい。

【知事】
・展示だけだったら9150万円もいらない。

【生活文化部】
・どう見せるかが重要だと考えている。もし、移転するならそれなりの水準を確保することが必要。単にショーケースに入れるぐらいの展示しかできないというのなら渡さないという選択もありうる。

【知事】
・生活文化部長も行かれたと思うが、展示品自体は、ガラスの中に置いているだけという印象。ディスプレーやビデオで工夫しているというのは、ありふれている。

【生活文化部】
・9150万というのはさらに精査すれば、引き下がる可能性はある。

【政策企画部長】
・予算時期も迫っている。当然、吉本さんとの調整も必要なので、ぎりぎりの線で試算すべき。

【生活文化部】
・移転先も何もわからない状況では難しいし、そもそも今年は移転しないから、予算的にはまだ判断しなくてもよい時期。

【政策企画部長】
・今年は問題ないということか。

【生活文化部】
・ただ、吉本さんと再交渉をするかどうかだけの話。

【政策企画部長】
・今の話だったらなかなか再交渉にはならないだろう。このまま移転案でいくということか。

【生活文化部】
・今の話だったら、移転案になる。

【政策企画部長】
・移転案というのは、財政再建プログラムどおりということか。

【三輪副知事】
・移転先というか、資料の活かし方、展示の仕方など、移転してこれだけかかりますというのが非常にバクッとしたものしかない。比較できない。そこのところを何か、具体的に示すことができないか。

【知事】
・こういうふうになると思って、プレ戦略本部個別マターとして、上方演芸資料というものの大阪における意味、どういう効果があるのかという大きな方針をということだったが、大きな府の考え方はどうか。

【政策企画部長】
・府の役割論の整理が必要。資料にあるように、レッスンホールは民にゆだねる。挑戦の場は切り離すということだろう。

【生活文化部】
・「2−1 府の役割の再点検」というところ。

【知事】
・どこまでが府の役割で、どこからが民の役割なのか。

【生活文化部】
・“楽しむ”は、展示室への集客に必要な機能としては残すけれども、ホール・レッスンルームにおける公演は民にゆだねる。“挑戦する”というところも、演者の育成・発表の場の提供のところは民にゆだねる。3個の理念(「残す」「楽しむ」「挑戦する」)のうち、1.5(「残す」と「楽しむ」の半部)を残すという整理。

【知事】
・方向はそうだろう。後はそのためにどうするかということ。

【生活文化部】
・場所をどう特定するのかの話。どれぐらいの面積が確保できるのかとか、それでだいぶ変わってくる
 と思う。運用の仕方が。

【知事】
・府の役割が、1.5という方向性に決まったのなら1.5分の管理運営経費になるはず。それがさっきの額か。

【生活文化部】
・1.5が9150万円。

【知事】
・1.5で9150万円というのは、人数はどれぐらいなのか?

【生活文化部】
・積算根拠はある。

【知事】
・それは出せるのか。

【政策企画部長】
・そこに焦点を絞ってもう一度整理し、継続するかどうかの確認を行うということでよろしいか。

【三輪副知事】
・予算の話とは完全に切り離すということで。

【生活文化部長】
・来年度の予算は通常通り2億7000万円ついている。今後どんな機能を残すかを整理する。

【総務部長】
・どこで残すかによって試算が全然違ってくる。その想定をどうするか。

【生活文化部長】
・今は、いろんなところが考えられる。

【政策企画部長】
・それでは、府として残すべき機能を整理したうえで、どこかを想定して試算するということにしたい。
・本日の会議コストは、1時間45分で、40万4200円。

このページの作成所属
政策企画部 企画室政策課 政策グループ

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