令和元年5月23日 知事所信表明要旨

更新日:令和元年5月23日


 選挙後初の府議会にあたり、今後の府政の推進について私の所信の一端を述べ、議員各位並びに府民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

 今回の厳しい選挙では、大阪府市一体でのより一層の改革、そして、大きな争点として掲げました大阪都構想について、多くの府民の皆様からの御支持と、松井市長とともに前に進めてよいという信任をいただきました。
 一票一票に込められた期待と願いをしっかりと受け止め、府民の皆様の負託にこたえる、その重責に身が引き締まる思いです。
 大阪をさらに成長させたいという強い志を胸に、これからの府政に邁進してまいります。

【知事としての使命】
 私は大阪市長として、松井前知事とともに府市一体で改革を進め、大阪の未来を左右する重要な課題に対して、正面から取り組んでまいりました。
 その中で、2025年大阪・関西万博は、世界を相手にした熾烈な誘致競争の結果、開催を勝ち取りました。また、世界最高水準の成長型IRの実現に向けた取組みは、世界の事業者から熱い期待が寄せられています。さらに、先般、「百舌鳥・古市古墳群」について、大阪初の世界文化遺産登録の実現に見通しが立ちました。そして、いよいよ来月に開催が迫るG20大阪サミットは、主要国の首脳が一堂に会する世界最大規模の国際会議であり、日本では初開催となります。万全の準備のもと絶対に成功させます。
 大阪をめぐるこうした動きは、まさに、世界の中で「OSAKA」という都市が選ばれた証しです。
 今、大阪は、過去の閉塞感から脱却し、未来に明るい兆しが見えています。世界が注目するビッグプロジェクトを控え、大阪を次のステージに導く追い風が吹いています。この上昇気流を逃すことなく、途切れることのない成長・発展の流れを作っていかなければなりません。
 知事として、これから4年間の私の使命は、「世界の中で躍動し、成長し続ける大阪」をつくり上げることです。
 G20や万博のインパクトを最大限活用し、さらにはIRの実現など未来への投資を続け、世界から「人・モノ・お金・イノベーション」を呼び込んでいく。そして、東京とは異なる個性・新たな価値観をもって、世界で存在感を発揮する東西二極の一極として、日本の未来を切り拓き、わが国の成長をけん引する「副首都・大阪」の地位を確立してまいります。
 そして、こうした取組みを推進していくための土台となる制度として、不可欠となるのが大阪都構想です。
 府市の統合・再編により二重行政を解消し、広域行政を制度として一本化することで、成長の流れを確固たるものとします。
 成長により得られた果実は、安全・安心、福祉や医療など、府民の皆様の暮らしの充実につなげます。
 「府市合わせ(不幸せ)」と揶揄された古い時代の府市の関係には二度と戻しません。
 都構想が実現した際の意義や効果を住民の皆様に丁寧にお示しするとともに、都構想の設計図である協定書をまとめあげ、住民投票で御判断をいただけるように、最大限の力を注いでまいります。

【府政運営】
 府政運営にあたり、私は、橋下・松井府政が掲げてきた変革と挑戦の理念を継承しつつ、新たな時代を見据えた将来の大阪の成長に向けて発展させてまいります。
 「世界の中で躍動し、成長し続ける大阪」の実現に向けて、「成長を加速させる取組み」、「成長を支える安全・安心の基盤整備」、「将来を担う次世代への重点投資」に力を入れてまいります。

 まず、成長を加速させる取組みについてです。
 大阪の成長・発展の起爆剤となる国際的なビッグプロジェクトを確実に成功・実現に導くことで、大阪の都市格やグローバルな競争力を向上させ、持続的な発展につなげていきます。

 G20大阪サミット成功のバトンを受け取り、さらに世界で大阪が躍動していくのが、2025年大阪・関西万博です。
 「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマ、「未来社会の実験場」というコンセプトのもと、世界の英知を結集し、国連が定めた世界共通の目標であるSDGsの達成など人類共通の課題解決をめざします。
 世界中の人々が、あっと驚き、夢と希望を与えられるような、これまでに類を見ないインパクトのある万博にしたいと考えています。
 万博のテーマでもある「健康や医療」と関連が深く、大阪・関西の強みであるライフサイエンスの分野を核に、イノベーションを起こし、再生医療の産業化や健康医療関連産業の世界的な拠点形成をめざします。あわせて、健康寿命の延伸、10歳若返り、SDGsの達成につながる取組みなども加速させてまいります。

 万博を見据え、さらに、超高齢社会において持続可能で快適に生活できる社会の構築に向け、私が特に力を入れたいのが「スマートシティ」の実現です。
 民間の発想を取り入れながら、自動運転をはじめとする最新技術の実装やICTによる住民サービスの向上などに取り組みます。「生活の質が向上した」、「最先端技術をやるなら東京ではなく大阪で」と言ってもらえるような、大阪モデルのスマートシティの確立に向けて、府市協働で「スマートシティ戦略」を検討してまいります。検討するための組織は、今年の7月中に設置したいと考えています。

 万博会場ともなる夢洲ベイエリアを、IRの誘致などにより、エンターテイメント機能やMICE機能を持つ国際観光拠点として形成し、大阪を世界最高水準のエンターテイメント・コンベンション都市へと進化させていきます。
 懸念されているギャンブル等依存症対策については正面から取り組み、府民の皆様の不安を払拭できるよう、全国のトップランナーをめざし、有効な対策を実行してまいります。

 府市の連携により、なにわ筋線の鉄道整備や淀川左岸線延伸部の整備によるミッシングリンクの解消など、交通インフラの整備に道筋がついたところです。 
 今後も、グローバル競争力を支える都市のインフラの基盤確立に向け、必要な整備を着実に進めてまいります。

 グローバル化する経済に対応し、大阪産業を持続的に発展させなければなりません。
 今年の4月に、大阪産業振興機構と大阪市都市型産業振興センターが統合し、大阪産業局が発足しました。オール大阪の中小企業支援機関として、統合による効果を存分に活かし、海外展開を望む企業や新たなビジネスにチャレンジする企業への支援など、強力にサポートしてまいります。

 大阪・関西が国際都市として成長・発展するためには、世界中の外国人の方々が大阪を拠点にして活躍いただくことも大切です。
 高い技術・専門性を持つ人材や留学生などに加え、法改正により、新たな在留資格に基づく外国人材の受入れがスタートしています。
 外国人の方々の活躍と地域住民の方々との共生が両立できるように、庁内プロジェクトチームを設置し、雇用面や生活環境面などの課題解決にしっかりと取り組んでまいります。

 2点目は、「成長を支える安全・安心の基盤の整備」についてです。

 G20大阪サミットの成功は、安全・安心な国際都市“大阪”を全世界に発信する試金石となります。
 住民や事業者の皆様の御理解・御協力のもと、万全の警備による会議環境を確保することで、サミットを無事、成功に収めます。
 そして、取組みを通じて得た経験を大阪の治安力のさらなる強化や安全なまちづくりに活かしていきます。

 平成では、多くの災害が発生し、府内においても、昨年の大阪北部地震や台風21号による被害などが記憶に新しいところです。
 これまで多くの自然災害に見舞われ、その危機を乗り越えてきた教訓を糧に、ソフト・ハードの両面から、人的・物的被害を限りなくゼロに近づける防災・減災対策に取り組み、災害対応力の一層の強化に努めてまいります。
 さらに、大規模災害時に迅速な対応が求められる中、救命救助を担う消防機関が機動的かつ広域的に活動できる体制が必要です。大阪都構想の実現を通じて、府内の消防を1ブロックとする「大阪消防庁」の創設をめざしていきます。

 水道は府民の皆様の暮らしや企業の経済活動を支える都市機能の要となる生活インフラです。しかし、水道事業は、水需要の減少、老朽施設の更新・耐震化、技術継承など様々な課題に直面しています。府のリーダーシップのもと、府域一水道をめざし、持続可能な水道事業の構築に向けて、オール大阪での議論を進めていきます。

 3点目は、「将来を担う次世代への重点投資」です。

 私は、大阪が持続的に成長・発展していくうえで、1番の源泉となるのは、「人」の力だと考えています。将来を担う人への投資を惜しんではなりません。
 私は現代版の「米百俵」の改革を実現したいと考えています。「米百俵」というのは、生活救援のために届けられた百俵の米を、そのときの食糧として消費せずに、未来の人づくりこそが国を繁栄させるという考えのもとで、学校設立のための資金に使い、後に多くの人材を育て上げることにつながったという故事です。「国」の力は人の力。「大阪」の力も人の力です。人の力は「教育」です。
 私は、親の経済事情や家庭の個別事情によって、自分の未来が閉ざされることがない社会、誰もが自分の可能性を追求できる社会を実現したいと考えています。そして、そのための重点投資を行っていきます。

 とりわけ、私が新たに取り組みたいのが、高等教育の無償化です。
 教育は無償であるべきというのが私の考えであり、本来、これは憲法で教育の無償化を実現すべきです。これが実現していない中、国に先んじて、私は大阪市長時代に幼児教育の無償化に取り組んでまいりました。また、府においても橋下知事時代から高校教育の無償化を実施しています。
 国では、来年4月から、低所得者世帯を対象にした高等教育の無償化制度が導入されます。しかし、国が定めるこの低所得者世帯だけでは不十分です。私は、大阪の学生が親の経済事情や家庭の個別事情によって、進学を諦めることなく、自らの可能性を追求し、未来に羽ばたいていってもらいたいと思います。それが結果として、将来の大阪の成長、大阪の豊かさにつながると確信しています。
 こうした考えから、大阪府立大学・大阪市立大学を擁する公立大学法人大阪の設立者である大阪府として、府大・市大への進学をめざす大阪の学生が、親の経済格差や家庭の個別事情で進学を諦めることなく、自らの選択で自らの可能性を追求できるように、府大・市大の高等教育の無償化をめざしていきます。

 また、初等中等教育においては、学力向上はもとより、英語教育やICT教育など、グローバルな視野をもって世界で活躍する、そして、積極的にチャレンジする人材を育成するだけでなく、私立高校授業料無償化の持続など、家庭環境に関わらず、子どもが自らの将来を切り拓くための力を身につけられる環境整備を進めてまいります。

 児童虐待への対応は待ったなしです。悲惨な事件を繰り返してはなりません。本来、守られるべき親から虐待を受け、逃げ場のない子どもたちの最後の砦になるのが行政の使命です。私がトップの会議体を速やかに設置し、より強力に取り組んでいきます。

 あわせて、雇用・就業促進や子育て支援、医療・介護の充実など、女性や若者、高齢者、障がいのある方々など、誰もが生涯を通じて心身ともに健康で活躍できる環境整備を推進してまいります。

 府政を進めるうえでは、財政規律を堅持しつつ、府民・企業・市町村・国との連携を深め、社会全体で課題解決する行政経営の取組みを継続させることにより、府民サービスを充実させていきたいと考えています。
 とりわけ、「民間でできることは民間で」の発想のもと、大阪市長として、地下鉄の民営化を実現し、大阪メトロを誕生させました。天王寺公園の「てんしば」は、経営改善だけでなく、新たな賑わいにもつながっています。府営公園などにおいても、民間が公園全体をマネジメントするPMO(パーク・マネジメント・オーガニゼーション)型指定管理や、公園の一部を活用して施設の設置・管理を行うP-PFI(パーク・プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)型の施設整備の導入などについて、積極的に検討していきたいと考えています。
 新しい時代に生まれる課題をいち早く予見し、慣習や旧来の発想にとらわれず、新しい発想で課題への解決策を提示していきます。そのような、時代を先導する大阪をめざし府政を運営していきます。

【府議会との関係】 
 府民の代表である府議会の皆様とは、立場は違っても「大阪を今よりもよくしたい」という思いは一緒だと思っています。その先にあるのは、大阪の成長、府民の皆様の豊かな暮らしです。府政をめぐる様々な課題に真摯に向き合い、丁寧に議論させていただきたいと考えています。

【おわりに】 
 「平成」が終わり、「令和」という新たな時代の幕が開けました。
 「令和」には、厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人ひとりの日本人が、明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる。そうした日本でありたい、との願いが込められています。
 梅は大阪にゆかりが深く、大阪の花です。まさに「令和」は大阪の時代です。府民が豊かさと希望をもって暮らせるまちとして、「令和」の大阪が大輪の花を咲かせられるよう、全身全霊で取り組んでまいります。

 議員並びに府民の皆様、格段の御支援と御協力を賜りますよう心からお願いを申し上げ、私の所信表明とさせていただきます。ありがとうございました。

このページの作成所属
政策企画部 企画室政策課 政策グループ

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