第120回 大阪府原子炉問題審議会会議録

更新日:平成26年8月29日

第120回大阪府原子炉問題審議会の概要について

 

日  時  平成26年8月12日(火)午後1時30分〜2時35分

 

場  所  大阪府庁本館5階 正庁の間

 

議  題 (1)役員の選任について

      (2)京都大学原子炉実験所の安全性等について

         (3)京都大学原子炉実験所定例報告について

      (4)その他

 

出席者  審議会委員28名中25名が出席

      (欠席委員:茂松委員、井口委員、高林委員)

 

事務局等  大阪府、京都大学原子炉実験所、地元市町

 

 

議事に先立ち、審議会事務局担当の増田大阪府政策企画部戦略事業室参事から、議事進行と本審議会の役割について説明の後、委員の紹介が行われた。

 

議題1.役員の選任について

 

  審議会規則では会長1名、副会長2名を委員が選任することとなっており、会長には奥野武俊委員(大阪府立大学学長)、副会長には山口百合子委員(関西研究用原子炉対策民主団体協議会代表)及び紀田馨委員(大阪府議会議員)が選任された。

 

 

議題2.京都大学原子炉実験所の安全性等について

 

 議題2に先立ち、森山所長から、挨拶と原子炉実験所陪席者の紹介が行われた。

 続いて、中島研究炉部長・臨界装置部長から、平成26年3月までに工事完了したライフライン整備、福島原発事故を踏まえた原子力規制委員会への対応、KUR(研究炉)の新規制基準への対応について、資料1及びスライドを用い、次のとおり説明。

 次いで、森山所長から、使用済燃料及び今後のKURの運転について、次のとおり説明。

 

  (報告内容)

1.施設・設備の基幹整備について

 KUR用スタック(排気塔)や排風機の更新、放射性廃水用排水管の2重化の工事は平成26年3月までに終了。皆様方のご理解、ご協力に感謝。

2.福島原発事故を踏まえたさらなる取組

 外部電源喪失、冷却(冠水維持)機能喪失への対応として、耐震40トン水タンク、可搬式消防ポンプ、可搬式発電機を設置し、さらなる安全性の向上を目指している。

3.新規制基準への対応

 平成25年12月の新規制基準施行後、初めての施設定期検査が終わって運転を再開する場合には適合確認が必要。現在、このための原子炉設置変更承認申請の準備をしているところ。実験所の希望としては、年明けから再開したいと考えているが、審査の状況によっては時間を要し、審査経過によってはさらに時間を要することも考えられる。

 なお、この期間を利用して炉心タンクの健全性の確認を実施している。

4.使用済燃料について

 現在、米国に引き取ってもらっており、10年間引取期間が延長されることとなった。これにより、当面の運転は平成31年度までの研究計画に基づいて行い、以後の計画は、日本学術会議の提言等を勘案して関係機関と協議の上で決定していく予定。

 

        【配付資料】

     ・京都大学原子炉実験所の安全性等について

     ・参考資料:【日本学術会議】研究用原子炉のあり方について(提言の概要)

 

【発言(奥野議長)】

 京都大学原子炉実験所では、施設定期検査に入り、KURが長期間稼働していないとのこと。従来の施設定期検査はどれぐらいの期間かかっていたのか。また、医療照射等を利用したい人も多いと思うが。

[説明(中島研究炉部長・臨界装置部長)]

 通常3ヵ月ぐらい。また、今年度の共同利用は200件ぐらいを採択しており、できる限り早い再開に努めていく。

 

【発言(上の委員)】

 アルミの炉心タンクを検査しているということだが、どういう状況なのか。

[説明(中島研究炉部長・臨界装置部長)]

 炉心タンクの約5,000箇所のうち、8割方終えているところ。今のところ異常を示すようなデータはない。

 

【発言(今井委員)】

 乾式の小型原子炉を分散で設置すれば、安全性が高く、コスト的に非常に燃料も安く手に入れやすいと新聞等で見た。考え方を聞かせてほしい。

[説明(中島研究炉部長・臨界装置部長)]

 それは発電炉の話だと思う。今までは一極集中で大きいものを作って軽水炉というものの大型化をやっていた。小型炉は必ずしも全部乾式ではなく、水を使ったものもある。最近、小型高温ガス炉といって黒鉛の大きな塊でヘリウムガスを回してやるものがある。その試験では運転中に電源を切っても大丈夫という、そういう試験もやっている。安全性も非常に高い。

 原子力をまずは日本としてどうするのかという大きな議論があって、その先の話として、どういう炉型戦略をやっていくのかということになるかと思う。これは私見であるが。

 

【発言(紀田委員)】

 福島の事故以来、研究炉についての原子力規制庁の審査の前例はないのか。

[説明(中島研究炉部長・臨界装置部長)

 事故当時、原子力規制庁はできておらず、文部科学省が当実験所の規制官庁だった。事故の直後、4月ぐらいに文部科学省からすべての研究炉に対して評価の要請があった。さきほどのスライドでも説明したが、電気がなくなっても水が蒸発してなくなることはないという評価を行って安全だという確認をした。その後、文部科学省あるいは原子力規制庁になってからは、今回の新規制基準ができるまで個別の指導等はなかった。しかし、我々のところは自主的に、消防ポンプ、40トンの水タンク、非常用の発電機を別途用意し、準備してきた。

【発言(紀田委員)】

 原子力規制庁になってから、研究炉に対して審査結果等が下された事例はないということか。

[説明(中島研究炉部長・臨界装置部長)]

 具体的には次で説明するが、昨年3月まで工事で止まっていたときに、原子力規制庁側から安全性を一回確認してくださいという話があった。そこは今からの申請書を出してやるレベルまではいかないが、内容的に現在想定しているものが動かなくなったらどうなりますか、というのを評価してくださいということで、2ヵ月ぐらいかけて評価を行い、原子力規制庁側の許可を得たというのがあった。それが唯一の事例かと思う。

 新規制基準施行後に定期検査に入ってから運転再開するときは審査を受けなければならないが、運転していれば小型炉はそのまま運転してもかまわない。現在、東海村にあるNSRRという小型研究炉だけが動いている原子炉。それ以外は、東大阪にある近畿大学の1Wの研究炉も含めて、これから申請を出して適合確認を受けていくことになる。今、発電炉で電力会社がやっていることと同じことを大学・研究機関がやっていくことになる。

【発言(紀田委員)】

 さきほど奥野会長もおっしゃっていたが、3ヵ月程度で再開できるのが、今回だけはいつまで止まるかわからないと。一方でBNCTはじめ、研究課題が山積していると聞いているので、1日も早く再開できるようにがんばって取り組んでいただきたい。

[説明(中島研究炉部長・臨界装置部長)]

 特にBNCTについては、実験所での治療を医者から勧められ、その患者さんから相談が入ったときは非常に心苦しい。相手がある話とはいえ、我々としてはできるだけ論理的に説明し、合格証を短期間でもらえるよう努力していく。

 

議題3.京都大学原子炉実験所定例報告について

 

 中島研究炉部長・臨界装置部長から、原子炉の運転状況と平成26年度の共同利用研究等の採択状況について、高橋放射線管理部長から、環境放射能の測定結果等について、配布資料をもとにそれぞれ次のとおり報告が行われた。

 

 (報告内容)

(イ)中島研究炉部長・臨界装置部長から、配布資料の「京都大学原子炉実験所の現状報告書(定例報告)」をもとに、次のことについて説明が行われた。

(1)報告対象期間(平成25年6月〜平成26年5月)におけるKUR・KUCAの運転状況、役割等のこと。

(2)KUCAもKURと同様の適合確認が必要であること。

(3)平成26年度の共同利用研究及び研究会の採択状況のこと。

(ロ)高橋放射線管理部長から、配布資料の「京都大学原子炉実験所の現状報告書(定例報告)」をもとに、京都大学原子炉実験所における環境放射能測定報告(平成25年4月〜平成26年3月)に関し、次のとおり説明が行われた。

(1)実験所では、原子炉施設の排水口及び排気口から放出される放射能の量や濃度及び敷地境界での線量評価の結果について、6ヶ月に1回、監督官庁である原子力規制委員会へ報告していること。

(2)これらに加えて、実験所と熊取町、泉佐野市及び貝塚市との間で締結している安全協定に基づき、実験所の周辺地域での放射線の積算線量を測定していること及び実験所周辺の環境試料に含まれる放射能の濃度を年2回測定していること。

(3)実験所では、自然に存在する放射性物質だけでなく、それよりもはるかに低い濃度の人工の放射性物質もその核種毎に分けて測定していること。このような核種別測定の結果を一覧表にしており、原子炉施設からの新たな放出と思われる核種が検出されたり、放射能の量や濃度が増加しているようなことはないこと。また、実験所外の周辺9カ所における放射線の積算線量についても、自然放射線によるバックグラウンドレベルを示していること。

(4)環境試料中のうち、土壌や底質については、全国的にも検出されている核実験による放射性物質以外に原子炉の運転に由来すると思われる人工の放射性物質は検出されていないこと。また、野菜等の植物については、自然に存在する放射性物質しか検出されておらず、その濃度の変動も全国的な調査で明らかになっている変動の範囲内であること。

(5)実験所周辺の環境中における放射能及び放射線は、自然放射能及び自然放射線のレベルであり、一般住民の方々にご心配をおかけするようなレベルではないこと。

 

          【配布資料】

            ・京都大学原子炉実験所の現状報告書(定例報告)

 

議題4.その他

 

    特に質疑なし。

                                                以上

このページの作成所属
政策企画部 広域調整室事業推進課 事業推進グループ

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